RIZIN20の視聴率がヤバい? 平均5.2%で打ち切りかも? 現地の熱量との乖離がすごいよね。そらメイウェザーも勘違いするわ

RIZIN20の視聴率がヤバい? 平均5.2%で打ち切りかも? 現地の熱量との乖離がすごいよね。そらメイウェザーも勘違いするわ

大みそかイメージ
2019年12月31日、さいたまスーパーアリーナで行われたRIZIN20の地上波視聴率の低さが話題になっている。
 
第1部(19:00~21:00):3.2%
第2部(21:00~23:00):5.2%
第3部(23:00~23:45):3.7%
で、生放送枠となった21:00~23:00の平均は5.2%。
 
民放1位の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 大晦日スペシャル 絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!」(日本テレビ)が第1部(18:30~21:00)で16.2%、第2部(21:00~0:30)で14.6%と好調だったのに対し、RIZINは民放4位という結果で惨敗。
 
なお2018年末はボクシング世界5階級制覇フロイド・メイウェザーと“神童”那須川天心によるエキシビジョンマッチが実現したおかげで同時間帯(22:50~23:45)で7.5%を獲得、民放3位に食い込んでいた。
 
また、同日TBSで放送されたボクシング中継は17:00開始の田中恒成vsウラン・トロハツ戦が平均6.1%、18:00開始の井岡一翔vsジェイビエール・シントロン戦が9.1%(いずれも関東地区)を記録。紅白歌合戦と時間帯がずれていたこともあり、まずまずの結果となった。
 
「井岡vsシントロン感想。たくましさ、荒々しさの増した井岡が長身サウスポーに完勝。僕はこっちの井岡の方が好きかな」
 

RIZIN20の生放送枠平均視聴率5.2%。僕の知る限り今回は過去最高によかったけどね

先日発表されたRIZIN20の視聴率のあまりの低さがちょっとした話題となっている。
 
第1部が3.2%、第2部が5.2%、第3部が3.7%で民放4位。
特に第1部と第3部で3%台を叩き出してしまい、いよいよ地上波打ち切り待ったなしか? との噂も聞こえてくる。
 
フロイド・メイウェザー招聘や那須川天心、堀口恭司、朝倉兄弟らのがんばりによって2019年は何とか乗り切ったものの、さすがに3%台はヤバい。
Gyaoやスカパー! での有料放送があったとはいえ、そこまで大きく変わるとも思えない。
2015年に復活した大みそか格闘技の地上波放送もここが限界か? という雰囲気が漂い始めているとか、いないとか。
 
 
ちなみに先日も申し上げたが、今回のRIZIN20は僕の知る限り過去最高
対戦カードもよかったし、試合自体もおもしろかった。
 
「盛りだくさんの大みそかRIZIN20感想。美憂、ハム・ソヒ、未来、天心、ケイプ。今までで一番の見ごたえ」
 
・適正階級の那須川天心鬼強い
・さすがの朝倉未来
・マネル・ケイプすごかった
・ムサエフvsピットブルの世界基準
・ハム・ソヒ戴冠おめでとう
・RENAリベンジ成功よかった
 
また、僕が現地観戦した29日のベラトールとのコラボイベントも個人的にはアリ。
 
平本蓮の復帰戦や浅倉カンナ、矢地祐介の快勝に加え、マイケル・ヴェノム・ペイジ(MVP)やマイケル・チャンドラーといったガチもんの異次元っぷりを間近で観られたのはなかなか貴重な体験だったと思う。
試合内容はアレだったが、メインのヒョードルvsランペイジ戦の盛り上がりも凄まじいものがあった。
 
「BELLATOR JAPAN(ベラトール・ジャパン)現地観戦感想。ケージファイトを初めて現地で観たけど、アリやなこれは」
 
あらゆる面で運営の本気度が見える興行だったと言える。
 

ガチのマッチメークすぎたよな。でも、インパクトのある選手を呼ぶのはコストがめっちゃかかる

ただ、肝心の視聴率にはまるでつながらず。
格闘技ファン、MMAファンには好評だったが、いわゆるライト層に届いたかと言えばまったくそんなことはなく。
「そもそも家族が勢ぞろいする大みそかに人の殴り合いを観たいと思うわけがない」という意見も聞かれたが、マジでその通り。90年後半~2000年代までのブームが去った今、格闘技が人気コンテンツとなるのは相当難しいのかもしれない。
 
 
実際「マッチメークがガチ過ぎるだろ」という意見も聞こえてましたからね。
 
白鳥大珠(RISE王者)vs大雅(元K-1王者)
那須川天心(RISE王者)vs江幡塁(KNOCK OUT王者)
 
キック部門を見るだけでも、あまりに本気度が高すぎだろと。
 
江幡塁がすごいのはわかるけど、普通の人はKNOCK OUT王者なんて知らんからね。
俺たちの神取忍兄さんはどうしたよ。
 
 
さらに榊原信行CEOが言うには、マイケル・ヴェノム・ペイジやマイケル・チャンドラーといったベラトールの主力級を引っ張り出すにはファイトマネー的にRIZIN単独では不可能とのこと。僕としてもできることなら今後もMVPを日本で観たいが、現実はベラトールの協力がないと難しいという。
 
そして、仮に彼らをRIZINに連れてきても視聴率にはそこまで影響しない気もする。
 
申し上げたようにMVPの試合は本当に衝撃的だったが、ライト層にとってそんなことは関係ない。いくら「コイツすげえんだぞ」と喚いても興味のない人にはまったく響かず、興味を引けるとも思えない。
僕を含めた平均5.2%により深く刺さるだけで、横の広がりという意味では大きな期待はできないのではないか。
 
なので、多くの耳目を集めるにはやはりフロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ並みの知名度、インパクトが必須。
MMA選手で言えばコナー・マクレガーやロンダ・ラウジーあたりでようやく振り向かせることができるくらいで、ハビブ・ヌルマゴメドフやヘンリー・セフード、マックス・ホロウェイ程度では恐らくMVPと大差はない。
 
RIZINがとうとう未払い!? と思ったらムサエフ本人が否定。今回はある程度同情の余地があるかな。日本格闘技界の収益構造の歪さとは別問題
 
ちなみにだが、2018年末の那須川天心vsメイウェザー戦の平均視聴率が7.5%。
それに対し、2018年末の井岡一翔vsドニー・ニエテスの視聴率(関東)が6.9%、2019年6月の井岡一翔vsアストン・パリクテの平均視聴率(関東)が11.5%。
年末→それ以外で井岡の視聴率が4割ほど増したと考えると、那須川天心vsメイウェザー戦が年末開催ではなかった場合の視聴率は10.5%(推定)となる。
 
計算が乱暴すぎるのでアレだが、散々メイウェザーに振り回された上でどうにか10%を超えるというのは果たしてアリなのか。
 
2019年6月のRIZIN16の視聴率が6.9%、10月のRIZIN19が5.9%。メイウェザーに10億円のファイトマネーを払ってようやく6%台→10%台と考えると、だいぶ割に合わないようにも思えるが。
 

現地の熱量は凄まじい。メイウェザーに勘違いを起こさせるくらいの高揚感は年末ならでは

だが、申し上げたように現地の熱量、盛り上がりは凄まじいものがある。
 
僕も今回、初めて年末格闘技を体験してわかったのだが、“年末ならではの高揚感”というものは間違いなく存在する。そこに運営の本気度が上乗せされ、平均5.2%の格闘技ファンにRIZINをさらに強く印象付けることができたと思う。
 
それこそメイウェザーが「カジノ法案可決に合わせて日本で大々的にビジネス展開する」などと言い出してもおかしくない程度には。「地球は俺中心で回っている」と信じて疑わない人間に幻想を抱かせる熱量と言っても過言ではないくらいに。
 
 
マネル・ケイプ「日本でビジネスを始める」「ムービースターになるのもいい」

いやあ……。
どうなんだろうなそれは。
 
RIZINのバンタム級王者にそこまでの知名度があるとは思えないけど……。
 
でも、本人にそう思わせてしまうほどの盛り上がりがあの場にあったってことなんでしょうね。
 

年末格闘技は続いてほしい。地上波&大みそかありきでどう生き残ればいいのかわからないけど

正直、RIZINが今後どう生き残っていけばいいのかは僕にはわからない。
 
大枚をはたいて話題性のある選手を引っ張ってきても視聴率はせいぜい10%程度。MVPレベルの選手をベラトールから連れてきても、既存のファンには刺さるが横の広がりには期待できない。
 
極端な話、年明けに東京ドームを満員にする新日本プロレスを地上波放送したとしても、大きな成果が得られるかは怪しい。
 
 
これはもはや格闘技の人気が頭打ちなのではなく、スポーツ全体が“そういうもの”なのかもしれない。
 
朝倉未来や堀口恭司は間違いなくすごいし人気もあるが、それはあくまで格闘技界に限ってのこと。
 
同様に、プロ野球福岡ソフトバンク・ホークスの甲斐野央やオリックス・バファローズの山本由伸がすごいと言われてもピンとくる人は少ないのではないか。
彼らは日本屈指のピッチャーで、今すぐMLBに行っても通用するほどのレベル。完成度だけなら大谷翔平よりも上と言ってもいいくらい。
 
だが、知名度的には大谷に比べればまだまだ。山本由伸の先発試合を地上波で流したところで視聴率10%を取れるとは思えない。
 
要は、RIZINがやろうとしているのはそういうことなのだろうと。
格闘技の枠組み内でのローカルヒーローをどれだけプッシュしてもなかなかファンは増えないし、それ以上の存在を連れてくるには金と手間がかかり過ぎる。結局コツコツ地道にファン層を広げるしかないわけだが、それをやっているうちに低視聴率を連発して地上波を打ち切られる可能性もある。
 
地上波&大みそかありきで考えると、いろいろ八方ふさがりで無理ゲーにしか思えないのが厳しい。
 
UFC女子、僕のベストバウト3選。第3位は女子MMAを次のステージに押し上げたあの試合
 
ただまあ、僕としては年末格闘技が続いてもらいたい思いはめちゃくちゃある。
 
コストパフォーマンスだけを考えれば、既存のコンテンツの垂れ流しが一番いいのは明白。「大みそかの地上波は天空の城ラピュタ最強」説はマジであると思っている。
パズーに40秒で支度させて、ムスカを失明させておけばそこそこ話題にもなるしね。
 
でも、大みそかってそれだけじゃないじゃないっすか。
1年の最後くらい、損得抜きのバカ騒ぎがあってもいいじゃないっすか。
みたいな。

どうすればいいのかはまったく思いつかないけど。

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