マイケル・“ヴェノム”・ペイジ(MVP)の塩&塩な判定勝利。カウンター狙いのヒューストンを攻めあぐねてブーイングまみれに【ベラトール248感想】

マイケル・“ヴェノム”・ペイジ(MVP)の塩&塩な判定勝利。カウンター狙いのヒューストンを攻めあぐねてブーイングまみれに【ベラトール248感想】

2020年10月10日(日本時間11日)、フランス・パリでベラトール248が開催され、175ポンド契約の一戦に“MVP”ことマイケル・“ヴェノム”・ペイジが登場。ケージウォーリァーズのウェルター級王者ロス・ヒューストンと5分3Rで対戦し、3-0(30-27、30-27、29-28)の判定で勝利した。
 
 
フランス・パリで初めて開催されたベラトール大会。
 
MVPに関しては2019年末にさいたまスーパーアリーナで行われたベラトール・ジャパンで現地観戦したのが初めてだったのだが、この選手と先日UFCとの契約を果たしたマイケル・チャンドラーを生で観られたのは僕にとってはいい思い出となっている。
 
BELLATOR JAPAN(ベラトール・ジャパン)現地観戦感想。ケージファイトを初めて現地で観たけど、アリやなこれは
 
なので今回、MVPの久しぶりの試合ということで、夜更かしをしつつYouTube/DAZNで視聴した次第である。
「Main Card | Bellator 248: MVP vs. Houston」
 

クソつまらなかったw MVPのド派手なKOに期待して夜更かししたのに…。ヒューストンの作戦が機能してたよね

試合の感想だが、クソつまらなかったw
 
3Rを通して動きの少ない試合で、1R中盤には客席からは早くもブーイングが聞かれたほど。
MVPのド派手なアクション&爽快感満載のKOを期待していた分残念感も大きく、これなら見逃し配信でもよかったかなぁというくらい。
 
初のフランス上陸ということで運営側もインパクトを残すためにMVPを起用したのだと推測するが、結果は残念ながら放送事故レベルの塩試合。わざわざ睡眠時間を犠牲にしてまでリアルタイムにこだわる必要もなかった気がする。
 
 
 
とりあえず思ったのが、今回はヒューストンの作戦がそれなりに機能していたこと。
 
開始数十秒でMVPが手こずりそうだなとは思ったのだが、この選手は打撃を得意とする相手にがっちりガードを固めてカウンターを狙われると意外とできることがなくなる。
 
踏み込みの鋭さとスピードは一級品だが攻撃自体は単発気味。その上一つ一つのアクションが大きく動きが読みやすいというのもあるかもしれない。
 
遠間から一足飛びで距離を詰めて1発を当てるスタイルは堀口恭司っぽくもあり、開始直後にヒューストンのカウンターが顔面をかすめたシーンは2019年8月の朝倉海vs堀口恭司戦を彷彿とさせた。


 

善戦はしたが、攻略まではいかず。これだけのスペックの持ち主を崩すのはやっぱり簡単じゃないよね

恐らくヒューストンは踏み込み際にカウンターをちらつかせつつ、身体が浮いた瞬間のタックル→有利なポジションをキープし続けての僅差判定勝利を狙っていたと想像するが、これはマジで悪くない作戦だった。
 
ド派手なアクションでKOを量産するMVPだが、基本は単発の大技が中心で相手の防御を崩すような組み立てはない。2018年12月のポール・デイリー戦同様、“待ち”に徹する相手には手こずる傾向があるのだろうと。
 
 
ただ、2mを超えるリーチと意味不明な身体能力、上体の柔軟性を兼ね備えるMVPを上回るのは容易ではない。
1R目はテイクダウンに成功してグランドで有利なポジションをキープしたヒューストンだが、MVPが警戒を強めた2R目からは単発ながらも射程外からコツコツと当てられ、亀になったまま仕掛けられない状況に。
 
立ち技ベースの選手がカウンター狙いに徹すれば善戦に持ち込むことは可能だが、根本的なスペック差を埋めるまでにはいかない。開始直後は朝倉海vs堀口恭司戦っぽい試合か? と思ったが、全体を通してみれば2020年3月のUFC248、ヨエル・ロメロvsイスラエル・アデサンヤ戦の方が近かった感じ。
 
朝倉海w 堀口恭司もそこまで簡単ではないと思ってたけど、ホントに勝ってどうするw 試合観たことなかったけど
 
仮にこれがジョン・ジョーンズであれば、立ち技での差し合いで距離を詰める→ケージ際で捕まえてテイクダウンという流れに持っていけるのだが。MVPもアデサンヤも身体能力やスペックは一級品だが、トータルファイターという意味ではJJには及ばない。
 
 
また、現状ベラトールにMVPに匹敵する身体能力やリーチの長さを持った選手は存在しない。この選手を倒すには、2019年5月のドゥグラス・リマのように踏み込みに合わせて足払い→バランスを崩した瞬間のパウンドで1発逆転を狙うくらいしかない気がする。
 
それこそマイケル・チャンドラー同様、MVPがUFCの舞台でどこまでやれるかにはめちゃくちゃ興味がある。アデサンヤvsMVPとかいう超絶塩orどちらかのカウンター一閃であっという間に決着がつくんじゃねえか的な試合も観てみたい……。
 

ベラトールvsUFCの対抗戦? それはさすがに無理筋だったかな。経営が苦しいのかもしれんが、UFC側に王者クラスを差し出すメリットがない

ちなみにだが、少し前にベラトールの公式Twitterが下記のツイートをしたことを受けて「ベラトールvsUFCの対抗戦実現か?」などと格闘技界隈がざわついた。


対抗戦の賛否についてはとりあえず置いておくが、これを聞いてパッと頭に浮かんだのが「ベラトールって経営やばいの?」ということ。
 
新型コロナウイルスの影響で興行がストップし、ようやく再開した後も無観客が続く状況。
日本でも新生K-1が行政からの要請を無視して客入れイベントを強行したり、RIZINがクラウドファンディングで資金を募ったりと各団体が資金繰りに苦心している様子がうかがえる。
 
ベラトールもDAZNから契約を切られるかも? という噂が出るなど、経営状況は決して楽ではないのではないか。
 
 
実際、団体間の対抗戦が組まれるのってポジティブな理由じゃないことが多いしね。
2009年にDREAMvsSRCの対抗戦が行われた際の終末感というか、両団体の悲壮感はマジでやばかったですからね。
 
フラストレーション満載の青木真也が廣田瑞人の腕を折った上で終了直後に中指を立てたことが物議を醸したり。
今となっては本人もそれっぽい理由を後付けで語っているが、いや、嘘つけよと。明らかに自分が満足な舞台に立てない苛立ちを爆発させとったやんけと。
 
 
まあそれはともかく、ベラトールとUFCの王者同士の対抗戦というのはさすがに無理があった。
 
同じMMA団体と言っても明らかに格、規模ともにUFCの方が上で、わざわざ王者クラスを差し出す意味がUFC側に見当たらない。
RIZINとベラトールのように団体が提携しているわけでもなく、それこそ対抗戦でいきなり王者戦のチャンスが得られるのなら、UFCのランカーがこぞって離脱しかねない。
 
“ミスターベラトール”と呼ばれたマイケル・チャンドラーでさえ、UFCではヌルマゴvsゲイジー戦のバックアップから始める必要がある。他団体でどれだけ功績を残そうが、それらをすべて捨てた上で独占契約での挑戦を強いられる。また、それをするだけの価値がUFCにはあるわけで。


限られた選手だけに許された特例でもない、純粋な対抗戦というのはちょっと非現実的過ぎた。
 
 
なお、日本だと新生K-1がUFCのスタンスを踏襲しようとしているが、なかなか難しいですよね。
 
独占契約で選手をガッチガチに縛るには他団体の追随をいっさい許さない格と実績が必要になるが、残念ながら今のK-1はそこまでではない。
また、海外の選手には独占契約が適応されなかったり、離脱した選手がSNSで報酬の低さを愚痴ったりと盤石には程遠い。
 
山崎秀晃vs安保瑠輝也感想。敗戦を糧に覚悟を持って挑んだ山崎が怒りの鉄拳で安保をKO。ああいう“怒り”ってマジでバカにならないんだよな
 
先日、K-1を離脱した皇治がRIZIN初戦で那須川天心と対戦したことに賛否両論が聞かれたが、理想と現実の狭間で下した判断がアレだったと考えれば仕方ないのかも? とも思う。
 

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