英雄の帰還。生贄の名はジェシー・バルガス。パッキャオは復帰戦を盛大に飾れるか? フィリピンのスターがリングに帰ってくるぞ【予想】

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フィリピンセブ島イメージ
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2016年11月5日(日本時間6日)、米・ラスベガスにあるトーマス&マックセンターでマニー・パッキャオの復帰戦が開催される。
対戦相手はWBO世界ウェルター級王者ジェシー・バルガス。

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国会議員を務めながらボクサーとの二足のわらじを履くパッキャオにとって7ヶ月ぶりのリングとなる今回の一戦。今年3月にサダム・アリとの王座決定戦を制して2階級制覇を達成したバルガスを見事退け、健在ぶりをアピールできるだろうか。

「ジェシー・バルガスがサダム・アリをTKOで下して勝利!! 激戦を制したバルガスが2階級制覇達成!!」

フィリピンの生ける伝説マニー・パッキャオはブランク明けでも依然トップレベルの実力を維持できているのか。今年4月に行われたティモシー・ブラッドリーとの一戦で見せた安定感抜群のボクシングを再び披露できるのか。
今後のウェルター級戦線を占う意味でも見逃せない一戦となる。

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喜べみんな。英雄パッキャオが帰ってくるぞ

パッキャオ復帰戦はラスベガス!!

予想通りというか、そもそもの既定路線だったのか。多くのファンが想像していた通りマニー・パッキャオが現役復帰を発表した。
あくまで議員活動に支障が出ない範囲での復帰とのことだが、ボクシング界のスーパースターのファイトが再び観られることは素直に喜ばしい。

「パッキャオが復帰戦に快勝!! バルガスに格の違いを見せつけての判定勝利。次戦? やっぱりアイツしか考えられない」

しかも復帰戦の相手は3月にサダム・アリを敗る番狂わせで2階級制覇を達成したジェシー・バルガスである。
現役復帰後即(といってもブランクはわずかに7ヶ月)の相手としては若干厳しいとは思うが、やはりそこは英雄パッキャオ。生半可な相手ではファンを納得させることができないという意味ではこの上ない相手といえる。

というか、テレンス・クロフォードはどうした?
ビクトル・ポストル戦であれだけ持久走作戦に徹したのに。すべてはパッキャオ戦にたどり着くための割り切りだと思っていたのだが。

「クロフォードがポストルに大差判定勝利!! ん? クロフォード圧勝? むしろポストル勝てたんじゃないのか?」

まあ、ボクシングのマッチメークは本当に理解不能なことが多いので、今さら驚く必要もないのだが。

復帰戦の相手はジェシー・バルガス。よくこの難しい相手を選んだな

繰り返しになるが、パッキャオが復帰戦の相手にジェシー・バルガスを選んだのはなかなか勇気ある決断だったと思う。

ご存知のとおり、ジェシー・バルガスはプロスペクトNo.1の呼び声高いサダム・アリにKO勝ちしたほどの実力者である。さらに、その前戦ではパッキャオと3度戦ったティモシー・ブラッドリーをダウン寸前まで追い込む健闘を見せている。

スピードで上をいかれる相手に対してはガードを上げてしっかりとスタンスをとり、相打ち狙いのカウンターを打ち込む。
距離を詰めてインファイトを挑んでくる相手には至近距離で打ち合い、パワーで対抗してみせる。
離れ際にサイドにステップしながらフックを叩き込むなど、パワーだけでなく長いリーチを活かしたポジション取りのうまさも持ち合わせている。

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あらゆる局面において自分のボクシングを貫く選手といえばいいだろうか。恐らくこの選手は、どんなタイプの相手がきてもしっかりと自分の展開に持ち込むことができるボクサーなのではないかと思う。

僕はサダム・アリvsジェシー・バルガス戦の勝敗をサダム・アリの判定勝ちと予想していたのだが、見事に外れてしまった。スピードで上回るサダム・アリを捕まえたバルガスの根気よさとテクニック。あの試合を観て以来、僕はこの選手のスタイルが好きになった次第である。

そして、そのジェシー・バルガスと復帰戦でいきなり対峙するパッキャオの勇気。さすがは稀代のスターといったところだろうか。

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勝敗予想はパッキャオの12R大差判定勝利。バルガスはいい選手だけど、覚醒したパッキャオには敵わないでしょ

今回の勝敗予想だが、パッキャオの12R大差判定勝利でいきたいと思う。

散々バルガスのよさを挙げておいてアレだが、この試合に勝つのはやっぱりパッキャオだ。
ここ最近の試合結果から考えて判定勝利とさせていただいたが、実際パッキャオがバルガスをKOする展開も十分考えられると思っている。

今回の試合を受けて、今年4月に行われたパッキャオvsティモシー・ブラッドリーVol.3を観直してみたのだが、ひと言で感想を言うなら「やっぱりパッキャオすげえな」である。

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前に出てプレッシャーをかけるパッキャオに対し、ブラッドリーが下がりながら打ち終わりをカウンターで狙う。これがあの試合の基本的な流れである。

パッキャオの踏み込みに合わせてブラッドリーがバックステップし、リターンの右を打ち込む。
だが、パッキャオの鋭い前進と反応の速さにブラッドリーが対応しきれない。リターンが間に合わずにパッキャオのパンチを被弾し、ラウンドごとにポイントを奪われ続けた。
つまり、ブラッドリーのカウンター作戦をパッキャオが見事に上回ってみせた試合。確かWOWOWエキサイトマッチの解説者もそんな感じのことを言っていた記憶がある。

だが、試合を観直したところ、それはちょっと違うのではないかと思い始めている。

ブラッドリーのカウンター狙いのスタイルは作戦などではない。
あれはただ単にパッキャオにそう仕向けられていただけの話である。
ブラッドリーはパッキャオのプレッシャーで得意の踏み込みを封じられ、下がりながら打ち終わりを狙う以外にできることがなくなっていたのだ。

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これまでよりもスタンスを広めにとり、右足をブラッドリーの左足の前に置く。バスケのピボットの要領で常にブラッドリーの正面をキープし、踏み込みの経路を封じる。
距離を支配されたブラッドリーは自分から手が出せなくなり、必然的に後退を強いられる。

間合いを長めにとり、自身の持ち味である鋭い踏み込みの脅威を植え付ける。ブラッドリーが手詰まりになったことを確認して、じっくりと間合いを測ってから怒濤のラッシュを浴びせる。

踏み込みの鋭さ、レンジの長さ。そして左の脅威を目一杯利用した威嚇スタイル。蒸気機関車を思わせる無尽蔵のスタミナを誇っていた頃とは打って変わった頭脳的な攻めである。

なるほど。
これはすごい。

完全なる省エネスタイルの確立だ。
これなら後2、3年はトップレベルの強さを維持できるのではないだろうか?
まさしくパッキャオ伝説第二章のスタートである。

同時に、30代半ばになるまで身体能力全開のスタイルでトップを走っていた事実。何から何まで規格外の化け物としか言いようがない。

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バルガスが勝機を見出すには接近戦での打ち合いに持ち込むこと。流れの中でカウンターが当たればもしかしたら……

今回の試合、パッキャオがブラッドリー戦のコンディションを維持できてさえいれば、主導権を握ることはたやすい。
バルガスは階級屈指の実力者であることに異論はないが、残念ながら省エネスタイルを覚醒させたパッキャオには敵わない。

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プレッシャーによって身体が硬直し、自分から攻めようにも侵入経路を塞がれて前に出られない。袋小路に追い詰められ、遠い位置からジワジワと削られ続ける。一方的とまでは言わないが、それに近い形でバルガスはパッキャオに圧倒されるのではないだろうか。

逆に、もしバルガスがパッキャオに一矢報いるとすれば、接近戦に持ち込むことができた場合だろう。

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パッキャオのプレッシャーに怯まず、右足を踏みつけるくらいの強い気持ちで前進すれば、もしかしたら得意の接近戦に引きずり込むことができるかもしれない。

自分の頭を相手の側頭部に押しつけ、ショートのアッパーで顔を跳ね上げる。コンパクトに打ち込むボディから顔面へのフック。さらにスペースができた瞬間に右ストレート。このパターンがハマれば、パッキャオがぐらつくシーンが観られる可能性もある。

もしくは、ブラッドリー戦で見せたカウンターの1発。とにかくバルガスが積極的に前に出るスタイルを貫けば、試合の形成を一気に逆転することも可能になる(かも?)。

申し上げたように、恐らくパッキャオは遠い距離からプレッシャーをかけ、バルガスをジワジワと削る展開に持ち込んでくるはずである。鋭い踏み込みの脅威を十分植え付け、その上で左の1発を狙ってくると思われる。

なのでバルガスとしては、パッキャオにそれをさせないためにも自分が前に出なくてはならない。
侵入経路を塞がれようが関係ない。とにかく前に出て、至近距離でのゴリゴリの打ち合いに持ち込むのである。そうすれば、得意のカウンターが当たる可能性もグンと上がる。

英雄の帰還。新鋭エロール・スペンスとの一騎打ちまでのシナリオが垂涎ものッス

しかし、楽しみで仕方がない。
今回の復帰戦でパッキャオがどのような動きを見せてくれるのか。実力者バルガスを相手にどんな内容で勝利を飾るのか。

最近は何だかんだと批判を受けることも多いパッキャオだが、やはり求心力やスター性は桁違いである。

さらに、その後の展開に関しても興味が尽きることはない。
以前にも申し上げたように、個人的な希望としてはぜひともパッキャオvsエロール・スペンスが観たい

「スペンスがブンドゥをKO!! アカン、こりゃぁガチだ。さっさとパッキャオ戦やらせてやれ」

たとえばの話だが、2017年の上期にキース・サーマンvsエロール・スペンス戦とマニー・パッキャオvsダニー・ガルシア戦を開催し、その勝者が11月に激突するという流れはいかがだろうか。
もしくはエロール・スペンスは夏頃にもう1試合挟んでもいい。暇を持て余しているであろうショーン・ポーターあたりを軽く捻れば、パッキャオ戦に向けて勢いもつくはずである。

「サーマン←才能だけでやってる人がポーターに辛勝!! ノンストップのハイスピードバトル!!」

サーマン、ポーターに圧勝してその名が全国に知れ渡ったスペンスが、ダニー・ガルシアに勝って健在ぶりを示したパッキャオと激突する。

完璧過ぎるww
非の打ちどころのないシナリオであるww

メイウェザーの刺客vs英雄パッキャオという構図もたまらない。
今のところ完全に僕の妄想だが、ぜひともこれに近い形のマッチメークが実現することを願う。

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