大谷165kmキター!! 大谷のストレートの質が悪い? ファールされる160kmより空振りが取れる140kmの方が上? そうなの? なあ野村克也

NO IMAGE

時計台イメージ
2016年10月16日に行われたプロ野球クライマックスシリーズ、パリーグファイナルステージ第四戦。3勝2敗で王手をかけた日本ハムファイターズが7-4でソフトバンクホークスを敗り、4年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

3点リードで迎えた最終回、マウンドにはこの日3番DHで先発出場していた大谷翔平が上がる。
ファイナルステージ第一戦から中三日での救援となったまさかの登板にどよめきと歓声が入り混じる中、先頭の松田への初球にいきなり163km、3球目に164kmを計測する。

そして、続く吉村への初球で165kmをマークし、自身の持つ日本最速を更新した。
結果的に165kmを3球叩き出し、151kmのフォークに144kmのスライダーなど異次元のピッチングを見せつける。

「2016年日本シリーズ、三戦目以降展望。優勝目指してがんばれ広島カープ!!」

初戦での先発から野手出場、そして最後のリリーフ登板までファイナルステージ全試合に出場してCS突破に大きく貢献した大谷翔平。
22日からスタートする日本シリーズでも、その活躍に期待がかかる。
 
「2017年マエケンがやばい? 開幕2戦目に負け投手。今シーズンは苦労するかも?」
 

DH解除でクローザー大谷が日本最速キター!!

大谷翔平、クローザー登板で165kmをマーク!!

二刀流大谷翔平がまたしてもやってくれた。
初戦の先発に続いて野手出場、そしてついにDHを解除してのクローザー登板である。
前回の記事で「リラックスしたフォームで150km後半のストレートを投げるコツを覚えてワンランクアップした」と申し上げたが、本気を出した大谷はやっぱりすごかった。

「大谷翔平が日ハムの足を引っ張っている? 相手を勢いづけたのは覚醒した投手大谷だった?」

長いイニングを意識した先発時のピッチングとは違い、初球からMAXパワーを開放しなくてはいけないクローザー。
アドレナリンもたっぷり出ていたのだろう。
165kmのストレートと144kmのスライダーで緩急をつけ、151kmのフォークでとどめを刺す。
自分でも何を言っているのかまったくわからないが、残念ながらこれは現実であるww
 
「躍動する大谷翔平。「動く球を覚えるべき」でも「メジャー仕様にモデルチェンジしたから勝てた」んでもないと思うよ」
 
先発という足枷を外した大谷翔平さんがどれほど途方もないか。それをまざまざと見せつけてくれた15球だったのではないだろうか。

大谷翔平のストレートは質が悪い? 空振りが取れる質のいい140kmのストレートの方が上?

驚異の165kmストレートで観客の度肝を抜いた大谷翔平。

ところが、この大谷翔平のストレートについてちょっとした論争が起こっているとのこと。

「大谷翔平のストレートは質が悪い」
どうやら「160kmを超えているのにバットに当てられてしまう」というのが議論の中心にあるらしい。

ことの発端は6月5日の日ハムvs巨人戦。
4回1アウト満塁の場面で大谷がクルーズに投じた4球目が163kmを計測(当時日本最速更新)した試合である。
地鳴りのような歓声の中、その球をカットしたクルーズに戸惑いと驚きの混じったどよめきが沸き起こる。

「マジで予想困難な日本シリーズ2016!! 広島カープvs日本ハム。黒田も大谷もドラマチック過ぎ」

そして、その日のヒーローインタビューで大谷自身が「手応えはなかった。当てられてしまったので」と答えたことによるものである
 
「SNSで上手にセルフブランディングしているスポーツ選手を挙げてみる。スターになるには試合で勝つだけじゃなく、注目を集める努力が必要なんやで」
 
さらに、この試合を観戦していた野村克也が、
「163kmも出てるのに空振りが取れてない」
「大谷のストレートは球質がよくない」
「質の悪い160kmより、質のいい140kmの方が上だ」
とコメントしたことも大きく影響したと思われる。
 
「2017年阪神優勝の可能性は? 阪神ってどんなチーム? どの部分を改善すればいいの」
 
球界のご意見番的存在の野村の言葉は、大谷の163kmストレート以上にインパクトがあったのだろう。それ以来、「大谷のストレートは確かに速いが、球質がよくない」という論調が語られるようになったのである。
 
「阪神CS進出決定(予定)!! 1stステージで当たるのはDeNAと巨人どっちがいい? 2位と3位フィニッシュどっちがいい?」
 
というわけで、今回はこの流れにガッツリ乗ってストレートの球質について考えてみようと思う。
本当に大谷のストレートは質が悪いのか。
160kmオーバーの球を当てられるというのはそんなによくないことなのか。

個人的見解を大いに含んだ話になることは目に見えているが、気にせず突き進みたいww

「阪神ロマン・メンデスはやれんのか? 2017年成績予想。守護神? 中継ぎ?」

PITCHf/xの導入でストレートを5つのタイプに分類することが可能になった

これは最近知ったことなのだが、技術の進歩によってストレートの質を大雑把に5つのタイプに分類することができるようになったらしい。
PITCHf/xの導入によって投手の投げる球の軌道をより詳しく分析できるようになり、どんな球が打たれにくいのか、どの投手がどのタイプに属するのかを判別することが可能になったとのことである。

「プロ野球に新たな視点。トラッキングシステム「PITCHf/x」って何だ!?」

この記事によると、ストレートの質は大きく分けて、
・ホップ型
・真っ垂れ型
・平均型
・真っスラ型
・サイドスロー型
に分類されるとのこと。

僕がざっと調べた感じだと、

ホップ型→浮き上がるストレート
真っ垂れ型→沈む(おじぎするとも言われる)軌道のストレート
平均型→ホップ型と真っ垂れ型の中間
真っスラ型→ナチュラルにカット方向に滑る軌道のストレート
サイドスロー型→横投げに近いスリークウォーターから投げるストレート

といったところだろうか(間違ってたらすみません)。
 
「マニー・ラミレス日本プロ野球NPB移籍の可能性? 実は一番需要があるのが西武じゃないの?」
 
そしてこの5つのうち、わかりやすいと思われる「ホップ型」「真っ垂れ型」「平均型」の投手を例に挙げて、ストレートの質をデータで見てみたい。

ちなみに列挙するデータの各項目はこんな感じになっている(これも間違っていたらすみません)。

GB%(グラウンドボール率)
FB%(フライボール率)
SwStr%(空振り率)
velocity(平均球速)
Vertical(ノビ)
Spin Angle(回転軸)
Spin Rate(毎分回転数)
AVG(被打率)

なお、あくまでストレート(フォーシームorツーシーム)に限定したデータなので、すべての球種を含んだ場合とは差異があることをご了承ください。
 
「田中マー君快投!! フライボール・レボリューションへの対抗策? 2シームを減らしてスライダーとカッター、カーブを増やす?」
 

ホップ型

●リッチ・ヒル(ドジャース)
GB%:23.6%
FB%:51.0%
SwStr%:12.7%
velocity:90.2
Vertical:10.01
Spin Angle:140
Spin Rate:2556
AVG:.212

浮き上がる軌道のストレートが特徴のホップ型らしく、FB%が51.0%と全体の半分以上を占めている。
velocity(平均球速)は90.2マイルとそこまで速いわけではないが、球のノビを表すVerticalが10.01(10を超えるとノビのあるストレートの部類と言われる)と、なかなかの数値を叩き出していることがわかる。
同時にSwStr%(空振り率)が12.7%で、これは相当高い数値である。やはりある程度のスピードで浮き上がる球は空振りを奪いやすいというのは確かなようである。
 
「ヤクルトはなぜ弱くなったのか。2015年の優勝時と2017年では何が違ったのか。意外と球場にも原因があるかもよ?」
 
●マルコ・エストラーダ(ブルージェイズ)
GB%: 25.3%
FB%: 50.0%
SwStr%:6.0%
velocity:88.1
Vertical:12.92
Spin Angle:189
Spin Rate:2479
AVG:.206

この投手もFB%が50.0%と典型的なフライボーラーである。
そして特筆すべきはvelocityが88.1マイルとかなり遅いにもかかわらず、Verticalが12.92という高い数値を記録していること。
しかも2500を超えると凄まじいスピンと言われるSpin Rateがそれに迫る2479を記録し、Spin Angle(回転軸)が189(180度が水平)である。
つまり、エストラーダはほぼ水平の角度を保ちながら、ものすごいスピンがかかったストレートを投げ込んでいることになる。
これぞまさしく「浮き上がるストレート」と言うものなのだろう。
ただAVG(被打率)は.206とかなりいい数値でありながら、SwStr%は6.0%と高くない。つまり、空振りを奪うには最低限のスピードも必要だということもわかると思う。

●上原浩治(レッドソックス)
GB%:27.5%
FB%:60.8%
SwStr%:10.6%
velocity:89.1
Vertical:11.63
Spin Angle:204
Spin Rate:2444
AVG:.165

ご存知レッドソックスの上原である。
今回はワールドシリーズで優勝した2013年の数値を拾っている。

見ての通りFB%が60.8%と、この投手も完全なフライボーラーである。velocityが89.1マイルながらもSwStr%が10.6%と高い数値を記録しており、ホップ型のストレートの中でも質がいい部類に入ると言ってよさそうである。
しかも、意外なことに2013年の上原はSwStr%が前後の年よりも低い。
2011年が13.4%、2012年が11.5%、そして優勝の翌年の2014年に至っては驚異の14.5%である。 
「進化が止まらない!! ダラス・カイケルがヤンキース打線を7回無失点に抑えてアストロズ先勝。MLBのポストシーズン最高なんじゃw」
 
ところがAVGに関しては2013年の.165から2014年には.242と大きく悪化させているのである。
その他の数値を見ると、2014のSpin Rateが2511、Verticalが12.15と回転数とノビは向上しているのに対してVelocityが88.0マイル。1マイル以上スピードが落ちていることがわかる。
要は、一概に浮き上がる系のストレート=すばらしいとは言えないというとこではないだろうか。

↓ちなみに、ホップ型の投手で最も有名だと思われるのがこの人

トルネード投法の野茂英雄である。

浮き上がる球と落ちる球を使い分けて打者を打ち取るタイプが多い中、それにとことん特化した希少な投手である。
 
「大谷翔平の課題はスライダーかな。スプリットがダメ日は投げる球がなくなっちゃう。早急に球速をアップしてスラッター化したいね」
 

真っ垂れ型

●ダラス・カイケル(アストロズ)
GB%:76.2%
FB%:6.1%
SwStr%:6.6%
velocity:89.5
Vertical:4.91
Spin Angle:116
Spin Rate:2166
AVG:.221

2015年のサイヤング賞ダラス・カイケル。今回は不調だった今シーズンではなく2015年のデータである。

この投手はフォーシームよりもツーシームを主体とするピッチングなのでツーシームのデータを挙げているが、ご覧の通りGB%が76.2%、FB%が6.1%と典型的なグランドボーラーである。
velocityが89.5マイル、Verticalが4.91と、軌道もホップ型の投手と比べて低い数値が出ており、間違いなく沈む系の軌道であることがわかる。
またSpin Rateが2166となっていて、回転数が少ないと球が沈みやすいというのも読み取れるのではないだろうか。
 
「ダラス・カイケルとかいう88マイルのシンカーをひたすら投げ続けてフライボール・レボリューションに巻き込まれなかった人」
 
ちなみに不調だった2016年シーズンはvelocityが88.6マイルと約1マイル落ちており、Verticalも5.36と沈む角度も緩くなっている。
そのせいでFB%が12.4%と激増、SwStr%が3.1%と大幅に悪化。スピードで勝負するタイプではないとはいえ、さすがに球の勢いがなさ過ぎて打たれたということかなと思う。
 
「ハイレベル過ぎてFA選手の契約にも影響してるよ。MLBオールスター2018がとんでもなかった件」
 
●ザック・ブリットン(オリオールズ)
GB%:80.0%
FB%:6.7%
SwStr%:10.8%
velocity:96.3
Vertical:3.95
Spin Angle:118
Spin Rate:1790
AVG:.159

GB%が80.0、FB%が6.7%。ツーシームが得意な鬼畜セットアッパーである。
velocityが96.3マイルもありながらもVerticalが3.95。つまり凄まじいスピードで唸りを上げながら落ちていくストレートというヤツである。
おかげで真っ垂れ型ながらもSwStr%が10.8%。なおかつAVGが.159と驚異的な数値を叩き出している。
Spin Rateも1790と低い数値を記録しており、これも回転数が少ないと沈みやすいという証明と言えそうである。

●ジェイク・アリエッタ(カブス)
GB%:56.3%
FB%:21.7%
SwStr%:5.7%
velocity:93.8
Vertical:7.10
Spin Angle:230
Spin Rate:2230
AVG:.203

アリエッタのシンカー(ツーシーム)も真っ垂れ型に分類していいように思う。
GB%が56.3%に対し、FB%が21.7%。そして5.7%と低いSwStr%。先発投手ということを考えればかなりのグランドボーラーである。
velocityが93.8マイルと、この投手はかなりのスピードボールを持っており、AVGは.203というすばらしい数値を叩き出している。

今回は特徴的な投手を例に挙げてみたが、全体を通してホップ型と真っ垂れ型のどちらが有利なのかは定かではない。
ただ、ストレートの質だけに絞れば浮き上がるホップ型よりも、ゴロ率が高くホームランになりにくい真っ垂れ型の方が有利と言えるのではないだろうか。
もちろん他の変化球やキャッチャーの配球、内野の守備力など、いろいろな要素に左右されることは間違いないのだが。

「大谷翔平さんが今すぐにメジャー移籍しないといけない3つの理由。最低でも2017年オフまでにメジャー移籍」

平均型

●ダルビッシュ(レンジャーズ)
GB%:30.9%
FB%:41.6%
SwStr%:11.6%
velocity:93.6
Vertical:10.77
Spin Angle:189
Spin Rate:2243
AVG:.216

平均型の例としてテキサスレンジャーズのダルビッシュを見てみる。
GB%が30.9、FB%が41.6%、SwStr%が11.6%。
Spin Angleが189と水平に近く、Verticalは10.77と比較的高め。
これらを見ると、ホップ型寄りの平均型タイプと言えるのではないかと思う。
 
「守りたいこの笑顔w 松坂大輔が甲子園で復活の6勝目。ここにきて今季一番のピッチング。興奮し過ぎて健康損ねるレベル」
 
平均93.6マイルのスピードで浮き上がるフォーシーム。
AVG.216という数値が表す通り、2016年のダルビッシュは相当優秀なフォーシームを投げていたことがわかる。

●クレイトン・カーショウ(ドジャース)
GB%:41.8%
FB%:27.2%
SwStr%:9.0%
velocity:93.1
Vertical:12.49
Spin Angle:177
Spin Rate:2514
AVG:.246

次はご存知メジャー最強左腕クレイトン・カーショウである。
GB%が41.8、FB%が27.2%とダルビッシュとはほぼ逆の割合で、SwStr%はダルビッシュと比べてやや低めの9.0%。
ただ、Verticalが12.49でSpin Angleが177。Spin Rateは2514といずれも相当高い数値を記録しており、こちらはダルビッシュ以上にホップ型寄りの平均型タイプだということがわかる。

ただvelocityが93.1マイル、AVGは.246といずれもダルビッシュを下回っており、ストレートは一概に浮き上がればいいわけじゃないということをここでも教えてくれているのではないだろうか。

「映画化必須の日本シリーズ2016!! 日ハムが本拠地で三連勝で王手」

とりあえず2016年のダルビッシュのストレートはカーショウ以上。この事実だけを見れば結構嬉しいことかもしれないww

●ノア・シンダーガード(メッツ)
GB%:41.7%
FB%:26.7%
SwStr%:9.1%
velocity:97.9
Vertical:10.16
Spin Angle:195
Spin Rate:2252
AVG:.253

最後は大谷にもっともタイプが近いと言われるメッツのシンダーガードである。
GB%が41.7、FB%が26.7%、SwStr%が9.1%、AVGが.253とカーショウとかなり近い数値となっている。
だがVerticalが10.16、Spin Rateが2252と、これはどちらかというとダルビッシュに近い。

そして何より注目すべきはvelocityが97.9マイルであること。
圧倒的なスピードボールという何物にも代えがたいフォーシームで並み居る強打者をなぎ倒す。これこそシンダーガードの一番の魅力である。

また、この投手のフォームを見ると、下半身をあまり沈み込ませずに高い位置でボールをリリースしていることがわかる。ダルビッシュと比べてもリリースポイントの位置に0.5〜0.6フィートほどの差がある。
これによってストレートに角度がつき、真っ垂れ型の軌道を生み出しているのだろう。
規格外のスピードがありながら、鋭い角度でドスンとキャッチャーミットに収まる。
これが全体の4割を超えるGB%を記録する真っ垂れ型寄り平均型ストレートの要因と言えそうである。

「大谷翔平2016!! 二刀流に大賛成の僕が今さらだけどその理由を語ってみる」

大谷翔平の数値は突出している。空振りが取れない→空振り率11.6(2位)

以上を踏まえた上で、いよいよ大谷翔平である。

ストレート被打率.238
被打率.184(1位、ただし規定未到達)
奪三振率11.19(1位、ただし規定未到達)

空振り率ランキング
1.和田毅 11.6%
2.大谷翔平 11.3%
3.菅野智之 10.4%
4.ジョーダン 10.0%
5.今永昇太 9.9%

Spin Rateなどの数値は見つけられなかったのだが、主だった数値はこんな感じである。

どうだろうか。
ストレートの被打率は.238で、空振り率でも日本球界2位の高さをマークし、なおかつ、もっとも大事な被打率と奪三振率はともに1位と文句なしの最強投手ぶり。
さらにシンダーガード同様、高い位置からリリースするストレートは鋭い角度がつき、自然と真っ垂れ型の軌道に近くなるためにゴロ率が上がる。

何をどう見ても、大谷のストレートの質が悪いなどという要素は見当たらない。

↓当時のブルペンキャッチャーの方もこんなことを言っている
「本誌独占レポート ダルを超える!日ハム・ブルペンキャッチャーが明かす「大谷翔平は天才だった」」

データとかどうでもいい。試合を観れば、大谷が鼻血が出るほどすごいってのはすぐにわかる

まあ長々と書き連ねてきてアレだが、正直に申し上げると僕はこんなデータなどどうでもいい。

真っ垂れだ、ホップだ、回転数だとそれっぽいことを並べても大した意味はない。初速だの終速だのという話も聞くが、それについて詳しく調べようという気にもならない。

そんなことより、大谷を知りたければさっさと試合を観た方がいい
いちいち過去のデータや動画をひっくり返してドヤ顔しなくても、鼻くそをほじりながら大谷のピッチングをテレビで観ればそのすごさは一目瞭然である。あまりのすごさに手元が狂って鼻血が出るくらいに。

質?
回転軸?

何言ってんだ?
160kmオーバーのストレートだぞ?

球質のいい140kmの方が上?
んなバカなww

マウンドとバッターの距離が決まっているのだから、そこに到達する時間が短い方がいいか、長い方がいいか。打者の準備する時間が短い方がいいか、長い方がいいか。答えるまでもない問題である。

出所が見づらいフォーム?
スピンがかかった浮き上がるボール?
そんなのはしょせん枝葉の話に過ぎない。
 
「もっと騒がれていい田中マー君のすごさ。今シーズンはマジでサイヤング賞推しメンです」
 
160kmオーバーのストレートを待ちながら、145km超えのフォークと140kmのスライダーに対応する。
人間の反射神経でそんなことができるわけないのだから、当然打者はストレートにタイミングを合わせて構えることになる。
そこに見え見えのストレートを投げ込むのだから、そりゃバットにくらい当たるだろう。

そんなことより、ストレートを待っている相手めがけてストレートを投げ込んでいるのにファールにしかならない方が脅威と言うべきじゃないのだろうか?

しかも空振り率も球界2位の11.3%。
何か問題ありますか?

10月16日のホークス戦、9回2アウトで大谷が打者本多に投じた2球目を覚えているだろうか。
ホームベースのだいぶ前でバウンドした151kmのフォークボールである。

普通に見ればクソボールもいいところだが、160kmオーバーのストレートにタイミングを合わせている本多は手が出てしまうのである。
すべてのボールに手を出さざるを得ないほどの異次元のスピード。それこそが大谷のストレートのすごさである。

僕は野村克也のことを名将とはまったく思っていなのだが、それを抜きにしても大谷に対する評価は疑問だらけと言わざるを得ない。

「アルキメデス・カミネロとかいうギリシャ神話に出てきそうな神々しい名前のノーコンは巨人で活躍できるのか?」

たまに大谷のフォークとスライダーの空振り率を挙げて「大谷の本当の持ち味は変化球だ。フォークとスライダーがすごいことを忘れてはいけない」という話も聞くのだが、僕はこれを半分正解で半分不正解だと思っている。

確かにMAX150kmを超えるフォークと140km中盤までスピードが上がるスライダーは凄まじい。
だが、それはあくまで打者がストレートのタイミングで待っているからこその空振り率である。要は、大谷の鬼畜フォークも理不尽スライダーもストレートあってのもの。
そういうことなのだ。

だからアレだ。
ホントに早くメジャー行った方がいいぞ?

2016年の日本シリーズで優勝してオフにポスティング。
うん、悪くない。

【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!