野獣ワイルダーがオルティスを豪快KO!! やべえ、おもしろかったww オルティスは勝たなきゃダメな試合だったな【結果・感想】
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2018年3月3日(日本時間4日)、米・ニューヨーク州で行われたWBC世界ヘビー級タイトルマッチ。同級王者デオンティ・ワイルダーが同級3位ルイス・オルティスと対戦し、10R2分5秒TKO勝利を飾った試合である。
サウスポーのオルティスを相手に、明らかにやりにくそうなワイルダー。
絶え間なく左を打ち続けるが、オルティスの右でうまく封じられる。なかなか得意の右ストレートを出すタイミングをつかめない。
5Rに強引に右を当ててダウンを奪うものの、6以降反撃に出たオルティスに逆にペースをつかまれてしまう。
7Rにオルティスの左をカウンターで被弾し、盛大にグラつくなど、ポイント面でもリードを許す。
ところが10R。
オルティスの猛攻を防ぎきってダメージから回復したワイルダーが、右の連打でオルティスからこの日2度目のダウンを奪う。
オルティスは何とか立ち上がるが、ダメージが深く反撃する力は残っていない。
最後はロープ際でラッシュを浴び、3度目のダウンを喫したところでレフェリーストップ。
ワイルダーが7度目の防衛に成功した。
「世の中には二種類のボクサーがいる。ワイルダーとそれ以外である。天才ワイルダーがオルティスとの再戦を右1発で制する」
ヘビー級戦線に興味があまりわかない。だって、どうせ「デッカい方が勝つ」んだろ?
以前にも申し上げたのだが、僕はここ最近のヘビー級にあまり興味がわいていない。
理由は明白で、完全に「デッカい方が勝つ」場所になってしまっているから。
「ヘビー級のビッグマン無双を打破するには? ワイルダー、ジョシュアの2強を打倒するてっとり早い方法を考える。新階級設立?」
ワイルダー、ジョシュアなど2m級のビッグマンの台頭により、リーチと上背を活かした打ち下ろしだけで勝ててしまう。そのためいまいちトキメキがない。
背が高い。
ある程度動ける。
それを12R継続できるスタミナがある。
この3つを兼ね備えていれば、高い位置から鉄槌を振り下ろしているだけで相手は勝手に消耗していく。
階級制、体重制のスポーツにおいて、唯一その枠から外れた場所が今のヘビー級。
「デカくて動けるヤツが正義」という大味な試合が増えたせいで、どうもテンションが上がってこない。
もちろん10年続いたクリチコ一強時代に比べればはるかにいい。
だがトップ戦線に君臨するビッグマンとそれ以外の差があまりに大きく、上位同士の潰し合いでも似たような試合ばかり。
なので今回のワイルダーvsオルティス戦も、2017年10月のアンソニー・ジョシュアvsカルロス・タカム戦同様、適当に流して観ればいいやと思っていた次第である。
「ワイルダーvsフューリードローww ワイルダーのパンチって何で当たんの? フューリーは2度のダウンから立ち上がる」
すまんww クッソおもしろかったww やっぱりヘビー級すげえわ
結論から申し上げると、めちゃくちゃおもしろかったww
手首がはち切れんばかりの高速手のひら返しで申し訳ないが、今回のワイルダーvsオルティス戦はクッソおもしろかったww
ワイルダーの野獣性や、そのワイルダーをダウン寸前まで追い詰めたオルティス。
大味な中にもしっかりと駆け引きがあり、両者の攻防に意思も感じられた。
ど迫力な結末、激しいペースの奪い合いなどを含め、十分楽しめる試合だったと思う。
やべえなオイ。
やっぱりヘビー級すげえわww
オルティス惜しかったな。勝てる試合だったけど、やっぱりカウンター1発で倒せないとキツいかな
惜しくも敗れたオルティスについてだが、今回は割とガチで勝てる試合だったと思う。
というより、この試合は絶対に勝たなきゃいけなかった。
ポイントでは間違いなくリードしていたし(してた? よね?)、無敗王者ワイルダーをダウン寸前まで追い詰めてもみせた。
最後の1発というか、ワイルダーの心を折るパンチを入れられなかったのは本当に残念だった。
何と言っても8、9R。
最大のチャンスに勝負を賭けられなかったのが、結果的には悔やまれる。
あそこでもう少し踏み込めていれば、もしかしたらワイルダーをダウンさせることもできたかもしれない。
それでも暴風雨のようなワイルダーの懐に飛び込むのは消耗が激しいだろうし、あそこが限界といえば限界か。
まあ、もともとオルティスは詰めが甘いタイプというのもある。
「技巧派」と呼ばれてはいるが、基本的にオルティスはカウンターの選手。
「まんまだったなウシクvsガシエフ。無策のガシエフが12R空転させられ大差判定負け。WBSS優勝のウシクはヘビー級?」
右のリードで相手のジャブを払い落とし、細かいパンチを当てる。
相手が焦れて強引に出てきたところに、得意の左をカウンターで打ち込む。
ヘビー級では希少な大柄サウスポーという特徴に加え、規格外の長いリーチ。この利点を活かして相手から距離感を奪い、同時打ちのタイミングで左のカウンターを打ち込むスタイルである。
なので、正直インサイドでの攻防は得意ではない。
出すパンチはほぼ顔面への1発狙いのみ。「ボディから崩して顔面へ」という流れはまずあり得ない。
必殺のカウンターを耐えられた際、そこから先の手立てがない。結果的にこれがワイルダーの回復を呼んでしまった。
僕はこの選手を「機動力のないモハメド・アリ」と呼んでいるのだが、何となく言いたいことは伝わるだろうか。
リーチの長さと左リードでスペースを作り、必殺の右を叩き込むスタイル。意外とあの選手とタイプが似てる?
そして壮絶なKOで勝利したワイルダー。
今回の試合で思ったのだが、この選手ってアレですよね。
身体能力の高い久保隼ですよね。
「井上尚弥がイチローで、西岡利晃が野茂英雄? ああ、わかる。偉大な先人がおるんやで。日本人バブルが萎んだのは痛いな」
広いスタンスで斜に構え、相手から急所を遠ざける。
長い左を突き出し、つっかえ棒にして相手の侵入を防ぐ。
左でスペースを作り、焦れた相手が強引に出てきたところに必殺の右を打ち込む。
右のフルスイングをチラつかせながら遠い位置で相手を徐々に消耗させるスタイル。
上背とリーチの長さがそのままディフェンスになり、間合いを支配することでペースをつかむタイプの選手である。
その反面インファイトは苦手で、左のリードをかいくぐられた際に一気に苦しくなる。
今回のオルティスのように、サウスポー相手に左が機能しなかった状況がまさにそれ。
左右の違いはあるが、実はやっていることは久保隼と近い。
左を封じられ、右の打ち終わりをカウンターで狙われるワイルダー。
右リードでワイルダーをコントロールしているが、右の脅威を感じてもう1歩が踏み込めないオルティス。
どちらも決め手を欠き、ブーイングまみれのジリ貧状態が続いたのはそのためである(と思う)。
ワイルダーの身体能力恐るべし。どんなピンチでも、スピード&パワーでねじ伏せりゃいいんだろ? ええ、その通りです
ただ、申し上げたようにこの選手の最大の特徴は身体能力の高さ。
・1〜4Rまではオルティスの右で試合を支配され、
・しびれを切らした5Rに身体能力全開で無理やりダウンを奪う。
・それと引き換えにオルティスにカウンターのタイミングを掴まれ、
・7Rに大ピンチを迎える。
・フラフラながら8、9Rをしのぎ切り、
・ダメージから回復した10Rに再び同時打ちのタイミングで右を叩き込む。
タイミングを覚えられようが知ったこっちゃない。
スピード&パワーで強引に上回りゃ文句ねえんだろ?
バスケ選手のような俊敏さと、勝負どころで見せる野獣性。
この選手の一瞬の爆発力はやはり凄まじい。
しかも観ていて楽しい。
「いつ爆発するか?」という期待感がとんでもない。
「柔よく剛を制す」とかクソ食らえなんだよ。
「大は小を兼ねる」んだよボケ。
試合後のインタビューで雄叫びを上げるワイルダーを観ていると、元も子もない心の声が聞こえてくる気がするww
オルティスはがんばったし、ワイルダー攻略の方法も提示した。でも、それをできるヤツがおらんのよww
まあ、でもオルティスもがんばったよね。
これだけ身体能力が上の相手に、同時打ちで何度もカウンターを打ち込む勇気。
ダウンと引き換えにワイルダーのタイミングを覚え、それを忠実に実行した6、7R。
「田中恒成ええじゃないですか! バルドナドを9RTKOで下し、フライ級初戦を飾る。木村翔戦は…全然わからん」
自分の持てるものを総動員したというか、この怪物相手にここまでよくやったというか。
インサイドでもう少しボディを打てる選手なら勝てるのでは? という可能性も見せたし、すばらしいファイトだったと思う。
といっても、この作戦を実行するには「ワイルダーにある程度対抗できる体格を持ったサウスポー」というのが条件になるわけで、そんなサウスポーなどオルティスしかいない。結局ビッグマン無双の状況は変わっていないのだが。
そういう意味でも、今回のオルティスは絶対に勝たなくてはダメな試合だった。
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