映画「一度死んでみた」感想。陰口をのぞき見できる超怖い映画w 自分がいないところで他人の本音を知る

映画「一度死んでみた」感想。陰口をのぞき見できる超怖い映画w 自分がいないところで他人の本音を知る

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映画「一度死んでみた」を観た。
 
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「一度死んでみた」(2020年)
 
大学3年生の七瀬は数年前に母親を亡くし、今は父の計と2人で暮らしている。
 
野畑製薬の社長を務める計は昔から仕事一筋で理屈っぽく、家族で旅行に行っても理屈ばかりを並べて場を白けさせる人間だった。
また、母が病床に伏せた際も見舞いに来ず、最期の瞬間を看取ることすらしなかった。
 
七瀬はそんな父を心底嫌悪しており、ことあるごとに「臭い」「近寄るな」「死んでくれ」と罵倒する日々を送っていた。
 
 
そんな折、野畑製薬は長年「若返りの薬」の開発を競っているワトスン製薬社長・田辺から合併の提案を受ける。現状、野畑製薬は開発面ではワトスン製薬を一歩リードしているが、経営状態はよくない。田辺は開発費の援助を条件に、計に「若返りの薬」の共同開発を迫るのであった。
 
だが、愛社精神の強い計はこれを断固拒否してその場を去る。
 
 
翌日。
「若返りの薬」の情報が外部にダダ漏れであることに悩む計は、研究員の藤井から「2日間だけ死ぬ薬」が開発過程で偶然生まれたことを知る。
これを聞いた秘書の渡部は、計に犯人を割り出すために「一度死んでみる」ことを提案する。
 
それはいい考えだと、計は嬉々として「2日間だけ死ぬ薬」を飲むのだが……。
 
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出演者の名前と予告動画を観て、これは行かなきゃダメだと思った。平日のレイトショーはガラガラでしたね

広瀬すず主演、浜崎慎治監督の本作。
浜崎慎治という方は本来CMディレクターらしく、長編映画は今回が初めてだとか。
 
とはいえ、広瀬すずと堤真一が親子役で出演、そのほかにも吉沢亮やリリー・フランキー、木村多江、松田翔太など個性的な俳優の名前が並び、上記の通り予告動画の出来もいい。
 
なるほど、これは観るしかないと思い、公開日の2020年3月20日にさっそく行ってきた次第である。
 
 
ご存知の通り、新型コロナウイルスの感染拡大によって世間は暗いムードが漂っている。僕の行った映画館も一席飛ばしでしか座席を購入できないなど、影響の大きさはあらゆる面で感じる。
 
とはいえ、平日のレイトショーならそこまで混まないだろうと思って足を運んだのだが、結果はマジでその通り。僕の観た回に入っていたのは恐らく10人ちょいで、全240席中6、7%しか埋まらなかった計算になる。
 
新型コロナの予防には、
・換気の悪いところに行かない
・人ごみを避ける
ことが重要とのことだが、さすがにあれだけガラガラなら大丈夫だろうと。
 
大ヒットが約束されている作品は別だが、この時期の映画館は逆におすすめスポットと言えるかもしれない。
 
「映画館とかいうポテンシャルの塊。今はシネコン最強で座席占有率15%が損益分岐点なんだって」
 

おもしろかった!! 短いし軽いし。序盤はやや冗長だったけど、概ね満足

実際の感想だが、なかなかおもしろかった。
 
うん。
これはいい作品だったと思う。
 
上映時間1時間33分と短く、スッキリしていて気楽に観られる。何も考えずに思考停止で鑑賞できる映画が大好きな僕にとっては、めちゃくちゃ好みの1本というヤツ。
 
 
正直なところ、ここまで軽いノリならわざわざ映画にせんでもよくないか? という気がしないでもない。
 
その上、1時間半で終わるとは言っても前半の導入部分は若干タルい
 
七瀬が父のことをいかに嫌っているか。
その父計がどんな人間であるか。
野畑家の3人がどのような人生を歩んできたか。
そして、吉沢亮演じる野畑製薬の社員松岡とは? 「若返りの薬」とは?
 
いろいろと説明しなければならない要素が多いのはわかるが、この作品はあくまで「計が死んでから」がスタートとなる。非常に不謹慎なのだが、最初の2、30分は「おいおい計、さっさと『2日間だけ死ぬ薬』を飲まんかい!!」と思いながら観ていたことを報告する。
 

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まあでも、あれ以上尺を短くすると映画として成り立たなくなるし、ネタ的にも地上波のスペシャルドラマでやるようなものでもない。どちらかと言えばAmazonの配信などの方が向いてたのかなぁという気もする。
 
ムロツヨシの「宇宙の仕事」とか、結構おもしろかったからね。

 

自分への陰口をのぞき見できるのがこの作品の醍醐味。他人にどう思われているかを知りたい。けど知りたくない

具体的な感想だが、個人的にこの映画の見どころは「自分がいない場所で陰口をのぞき見する」ことだと思っている。
 
広瀬すずのぶっ飛び加減や吉沢亮のキャラの薄さ、堤真一の安定感等、出演者の好演はもちろんだが、それを踏まえた上で。
 
「2日間だけ死ぬ薬」によって一時的に地縛霊? となった計が残された人間のやり取りを俯瞰で見る。
野畑製薬の社員が自分の死を適当に聞き流している中、娘の七瀬や松岡だけは計のために懸命に動き回る。
また、食堂のおばちゃんが「社長が自分の名前を覚えてくれていたこと」に感謝していて、そのことを伝えられた七瀬が驚きとともに誇らしげな表情を浮かべる。
 
他人にとっての自分が思った以上にちっぽけな存在だったり、意外なところで意外な受け止め方をしてくれる人がいたり。「自分が他人にどう見られているか」をダイレクトに知れることがこの映画の最大の特徴と言えるのではないか。
 
誰しも「他人にどう思われているか」は気になるところ。
ことあるごとに「全然気にならない」「そんなの気にしても仕方ない」と口にする方もいるが、むしろそれは気になって仕方ないことの証左であるようにも思える。
 
僕自身も自分が他人にどう思われているか、自分のいないところでどんな話題が挙がっているかはめちゃくちゃ気になる人間である。
最近はそういうこともなくなったが、以前は“陰口を言われるのが怖いから無理して飲み会に参加していた”こともあるほど。我ながら「人生を無駄にしてるな」と思うのだが、気になり過ぎていても立ってもいられなくなるのだから仕方ない。
 
「一度死んで2日後に生き返る」という荒唐無稽な設定ではあるが、「自分への陰口を直で聞く」疑似体験ができるのが本作のいいところなのかなと思う。
 
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まあでも、それもこれも計のメンタルあってのものだが。
娘に四六時中「臭い」「近寄るな」と汚物扱いされ、それでも「はいはーい」と笑って聞き流せるメンタルがなければ自分への陰口に耐えるのは無理。
 
仮に自分が計の立場だったらと考えると、とてもじゃないがあんな仕打ちを受けて立ち直れる気はしないww
 

意外とホロっとする内容だった。七瀬と松岡のラブコメとラストの感動要素

そして、思った以上にホロっとする内容だったのもよかった。
 
メタルバンドのボーカルを務めるこじらせ反抗期な主人公七瀬。
だが、彼女はこれまで男と付き合った経験がなく、バンドメンバーの恋愛話に動揺するようなウブさも持ち合わせる。
 
野畑製薬松岡のあまりの冴えない見てくれに最初は拒絶反応を起こすが、意外と気が利くところや細やかな気遣いができるところ、ちょっとした優しさなどに徐々に惹かれていく。
 
また、2人で協力してワトスン製薬田辺の悪巧みを阻止していくうちに父への愛情を思い出し、最後は火葬場の前で「今死んだらぶっ殺すからな!!」と涙ながらに絶叫する。
 
頼りになる? 男のしぐさや気遣いに心を動かされる純粋さ。
家族との深い部分での絆。
それらをうまく消化した上で、全員が笑顔になるハッピーエンド。
 
多少出来過ぎな感は否めないものの、我々オーディエンス()を感動させる要素はすべて網羅している。
 
申し上げたように僕は「何も考えずに頭を空っぽにして観る映画」が好きなのだが、今作はまさにその通りの作品。当然、ラブコメや感動要素についてもそのスタンスは変わらない。
上述のシーンもスポンジが水を吸収するかのごとく僕の心に染み込んできたww
 
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「キャストの壮大な無駄遣い」が不発…。無駄遣いってそういうことじゃないから

あえて粗探しをするのであれば、無駄に豪華なキャストが「キャストの壮大な無駄遣い」になっていなかったことか。
 
本作では広瀬すずや吉沢亮、堤真一などの主要キャストのほかにも、竹中直人、佐藤健、城田優、古田新太、大友康平らがチョイ役で出演している。特に佐藤健などはワンカットのみの出演(他にもあった?)で、注意していなければ見逃してしまうくらい。
 
恐らくこれは「キャストの壮大な無駄遣い」と言われることを意図してやったのだと思うが、残念ながらその狙いが成功しているとは言い難い。
 
なぜならガチのチョイ役だったから
佐藤健のボーイなど、本当にただボーイをやっているだけで何の印象にも残らない。城田優の警備員はまあまあのアピールだったが、そもそも城田優単体にプレミア感がないのがキツい。
 
本来、ワンカットの出演で強烈な印象を残すからこその「キャストの壮大な無駄遣い」なのに、普通にボーイをやってどうする。その人にしかできないワンカットを演出するから「無駄遣い」なのであって、佐藤健以外でも成立するものを見せても意味がない。
 
志尊淳とか西野七瀬なんて、ホントにいたっけ? ってレベルでしたからね。どこにいたのかすら思い出せない。
まあ、西野七瀬に関しては本人のエヂカラのなさが致命的という噂もありますが。
 
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