階級アップの影響を露骨に感じさせた中谷潤人。セバスチャン・エルナンデスは確かに強かったけど。西田凌佑をねじ伏せたケンカファイトで打ち負けたのがキツい【結果・感想】

階級アップの影響を露骨に感じさせた中谷潤人。セバスチャン・エルナンデスは確かに強かったけど。西田凌佑をねじ伏せたケンカファイトで打ち負けたのがキツい【結果・感想】

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2025年12月27日にサウジアラビアで開催された「リヤドシーズン5:ナイト・オブ・ザ・サムライ」。
今回はセミファイナルのS・バンタム級12回戦、中谷潤人vsセバスチャン・エルナンデス戦についてである。
 
結果は3-0(115-113、115-113、118-110)の判定で中谷勝利となったが、内容は大苦戦と言っていい。
一部からは「エルナンデスが勝っていた」という声も聞こえている。


井上尚弥vsアラン・ピカソ、中谷潤人vsセバスチャン・エルナンデス、寺地拳四朗vsウィリバルド・ガルシア。全然刺さらないナイト・オブ・ザ・サムライの出場選手を眺めてみたぞ
 

今回のサウジ興行にはまあまあ頭にきている。今回だけじゃなくいつものことだけど

まず僕は今回の興行にまあまあ頭にきている。
試合が中止になろうが相手が変更になろうがPPVの価格は据え置き。これは現地観戦におけるチケット代でも同じことが言える。
 
大抵のことは「まあ仕方ないか」で済ませるが、金銭が絡めば話は別。
「この日のために命を削って準備した選手の気持ちを思えば〜」などは知ったこっちゃない。
提供した商品が不完全だったならその責任を取りやがれ。
 
僕が年末のリヤド・シーズンに刺さらない理由。井上尚弥、中谷潤人、寺地拳四朗が勢揃いするのにそそらない。唐突感満載でとっ散らかりすぎなんだろうな
 
ん?
チケットの裏、PPV購入ページの下部に「対戦相手の変更や中止の可能性」についての記載があるって?
 
アホか。
そんなもんは年間何回起きるかのレアケースに対してのものだよ。
息をするように中止や体重超過が発生するボクシングにそれを言う資格があるわけないだろ。
 
シーズン143試合のプロ野球で7回コールドゲームが頻発してますか? してませんよね?
 
だからアレだ。
トラブルが防げないのはわかったから、その後の対応(一部返金とか)を考えろ。
高い金取ってるんだからちゃんと仕事しろやボケ。


 

階級アップ初戦の中谷潤人がどれだけ爆発するかに注目してたけど…

いきなり悪態からスタートしたが、ここからは試合の感想を。
 
とりあえずこの日の中谷潤人は期待外れだった
 
僕は今回のサウジアラビア興行にいまいち刺さらず日にちが迫ってもテンションが上がらずにいた。
その中で興味を引いたのが「中谷潤人が階級アップ初戦でどんなパフォーマンスを見せるか」
 
前回の西田凌佑戦、前々回のダビド・クエジャル戦とここ最近の中谷はあまり出来がよくない(と思う)。
恐らくバンタム級では限界が近く階級アップは秒読みだったと想像する。
 
その中で迎えたS・バンタム級初戦。
2024年2月のアレハンドロ・サンティアゴ戦(バンタム級初戦)のような超ド級の爆発を期待していたのだが……。


いまいちだったどころの話ではない。
「ひょっとしてコケるか?」と思わせるほどの大苦戦。
相手のセバスチャン・エルナンデスが強かったことを差し引いてもあそこまでのスケールダウンは想像していなかった。
 
中谷潤人vsダビド・クエジャル現地観戦。いつも通り中谷の無慈悲なKO勝利。でも出来はよくなかった? 若干もっさりして身体が重そうだった。そろそろ減量苦がきてるのかも?
 

長身サウスポー+オールラウンダーだけど、基本は遠い位置で勝負するタイプ

中谷潤人は遠い位置でも近い位置でもOK、アウトボクシングもできるし追いかけて仕留めることもできる。
前回の西田戦では開始直後から猛ラッシュをかけるなど、荒々しいファイトも可能。
 
長身サウスポー+オールラウンダーという希少性がこの選手の持ち味だが、それでも基本は中間距離から遠い位置で勝負するタイプなのだと思う。
 
 
S・フライ級時代はフランシスコ・ロドリゲスJr.やアルヒ・コルテスの接近戦に手を焼いた。前回の西田戦でも近場のボディで「うっ」となるシーンが見られた。
 
逆にアレハンドロ・サンティアゴ戦やヴィンセント・アストロラビオ戦、ペッチ・ソー・チットパッタナ戦など、腕が伸びる位置で勝負できる相手にはべらぼうに強い。
 
中谷潤人vsビンセント・アストロラビオ。今回も中谷がやヴぁいw アストロラビオもいい動きしてたのに。今すぐ階級アップして井上尚弥戦目指すのもアリ?
 
要するに「接近戦もOK」というのは近場の打ち合いで押し戻せる、懐に長く留まらせない、自分の間合いを作れることが前提になる。
 
身長173cm、リーチ174cmと軽量級では破格のサイズで、なおかつ打ち合いに強い、ある程度機動力もある。
つまり「デカくて動ける人」のアドバンテージを享受してきた選手。
 
もちろんサイズに依存するだけとは思わないが、今回階級アップによる影響を露骨に感じさせたことで「ああ……」となった。
 

開始直後に思ったのが「中谷が小さい」。ラウンドが進むごとに「負けるかも」になっていった

開始直後にリング中央で対峙した両者を観て思ったのが、
「中谷が小さい」。
 
肩周りががっちりして肉厚なセバスチャン・エルナンデスに比べて華奢で頼りない。
計量時のフェイスオフでは同じくらい、もしくは中谷の方が大きく見えたのに。
 
中谷はスタンスを広げて低く構えるが、そういうことではなく。
単純に厚みが足りない、バンタム級初戦で見せたパワー感とは真逆の印象である。
 
中谷潤人がやヴァイ。サンティアゴを6RKOで3階級制覇。バンタム級初戦の井上尚弥と同等の凄み。入場の時点で絶好調だった
 
そして試合が始まっても「あれ? あれ?」と。
序盤こそエルナンデスを中間距離に留まらせたが、明らかに1発1発に力を込めて打っている。
腕だけでなく足を踏ん張り、全身を使ってエルナンデスを止める。
 
ところがエルナンデスには中谷の強打を嫌がる様子がない。
微妙に芯を外しながら徐々に近づき4、5Rあたりで自分の得意な距離を作る。
 
で、それ以降は激闘タイムに突入。
両者が近場で打ち合い、そのつど中谷が押し返される
序盤同様、中谷が足を踏ん張って腕を振ってもエルナンデスは効いたそぶりを見せない。
それどころか近場のボディをもらった中谷が身体を丸める→ロープに退避するシーンすらも。
 
僕もラウンドが進むごとに
「負けはしないと思うけど階級アップの影響が顕著だな」
「あれ? これはエルナンデス次第で中谷の負けもあるぞ?」
「アカン、完全に中谷のよさが消されてる。負けと言われてもおかしくない」
とだんだんと「中谷負けるかも?」に寄っていった。
 

西田凌佑をねじ伏せたケンカファイトで押し込まれたのがキツい

何より「おいおい」と思ったのがケンカファイトで押されたこと。
 
前回の西田凌佑戦では開始直後のラッシュで観客の度肝を抜いた。
駆け引き上手な西田相手にあの作戦はアリだと思ったし、ああいう荒々しい一面を見せたのも大きい。
 
中谷潤人vs西田凌佑。中谷の野生味、アドリブ力が西田の作戦遂行能力を上回る。西田のプランを力でぶっ壊した中谷。中谷ってもともと草食男子の振りした戦闘民族ですよ?
 
だが、今回は逆にそれをやられてしまったという。
中間距離の差し合いで止められず、近場の打ち合いで打ち負け、足を使ってもすぐに追いつかれる。
要するに中谷のいいところが全部潰された試合。
 
“実質中谷の負けに等しい勝利”だと申し上げたのはそういうことである(判定結果にどうこう言っているわけじゃない)。


 

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エルナンデスは強かったし数戦こなせば馴染んでくるのかもしれないけど、そういうことじゃないでしょ

セバスチャン・エルナンデスのようなタイプは階級アップ初戦の相手としてリスクが大きいのは何となく理解できる。
S・バンタム級で何戦かこなせば身体も馴染んでくるのだと思う。
 
ただ、そういうことじゃないでしょと。
日本史上最強、PFPトップを争う化け物と比較される選手ならここはさらっとクリアしないとダメ。
相手に長所を出させない、強いのか弱いのかすらわからないまま終わらせてこその対抗馬。
 
井上尚弥vsアラン・ピカソ。井上はどうした? 立ち上がりはよかったのに。やっぱり落ちるところは落ちてるんだろうな。ピカソはがんばったけど改めて“怖さ”が足りない。全体的に残念な興行だった
 
実際、今回はそういうアピールの場だったわけで。
次戦で大一番が内定しているならなおさらである。
 
と言いつつ、井上はエルナンデスのようなフィジカル押しはしてこない。
今回露呈した階級アップの影響は大きな問題にはならないと思っている笑
 
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