爆腕!! 村田がブルーノ・サンドバルにド迫力KO!! 世界前哨戦で格の違いを見せつけ3RKO。2017年の世界戦は実現するか【結果・感想】

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東京港イメージ
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2016年12月30日、東京・有明コロシアムにロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太が登場。S・ミドル級(73.4kg契約)10回戦でブルーノ・サンドバルと対戦し、3R2分53秒KOで見事な勝利を挙げた。

世界前哨戦と銘打たれたこの試合。約1年半ぶりの日本での試合となった村田だが、21戦19勝1敗1分15KOの強敵サンドバルをまったく問題にせず。2017年の世界タイトルマッチに向けて完ぺきな仕上がりを見せた。

2016年、4戦4勝4KOとパーフェクトな戦績を残した村田。これで戦績を12戦全勝としたわけだが、果たして2017年中の王座奪還は達成されるのか。
標的に掲げているビリー・ジョー・サンダースを含め、ミドル級のトップ戦線に大注目である。 
「村田諒太vsハッサン・ヌダム・ヌジカム予想。これ普通に勝てるんじゃねえの?」
 

2016年末MVP級の試合だった。後はタイトルマッチに臨むだけ

この試合は2016年末に僕が注目していた中で唯一世界戦ではなかったのだが、それでも必要十分。世界戦に勝るとも劣らないインパクトを残した試合と言ってもいいのではないだろうか。

先日の記事でも申し上げたように、僕はこの試合を会場で観戦した。そして、2016年末に行われた試合の中でもNo.1レベルのクオリティ。フエンテスを圧倒した田中恒成と並び、村田諒太は僕の中でのMVPである。

「ボクシングはテレビで観るものだと確信した夜。有明コロシアムで「ボクシングフェス2016 井上尚&八重樫 W世界戦」」

試合自体は周知の通り。これでもかというくらいの村田の圧勝である。
予想記事では「パワー面でどれだけサンドバルを圧倒できるか、もしパワーで押されるようならまさかも起こり得る」と申し上げたが、すべては杞憂だった。

2017年の村田がどうなるのか(というより、ミドル級戦線がどうなるのか)はわからないが、いつチャンスが巡ってきても準備万端。タイトルマッチで勝利できるだけの実力があることをバッチリ証明したと言ってもいいのではないだろうか。

「覚醒した田中がフエンテスに圧勝!! “中京の怪物”が絶不調のフエンテスを5RKO。階級アップでパワーが増した田中」

多少は苦戦するかと思ったが、関係なし。パワー型のファイターをパワーで圧倒して格の違いを見せつける

申し上げたように、この村田諒太vsブルーノ・サンドバルの一戦は世界戦以外で僕が一番注目していた試合である。井上vs河野戦目的でチケットを購入したものの、間際になって村田の試合もあると聞いてテンションが上がりまくったことは内緒であるww

ブルーノ・サンドバルは、恐らく村田にとっては過去最強。
村田よりも身体が大きく、腕をブンブン振り回すファイタータイプの選手である。また、上半身の柔軟性を活かしたディフェンスが得意で、クネクネと芯を外すのがうまく捉えにくい面も持つ。

ただ、ファイター型だけあって体力面には若干不安を抱えており、試合後半に失速するシーンも目立つ。

「八重樫がサマートレックをパワーで圧倒!! あれ? 肉体改造でもしたか? ここまでパワフルにねじ伏せるとは」

なので村田としては後半勝負になれば有利になるとは思うが、できれば早いラウンドで倒してほしい。パワーのサンドバルをパワーで上回ることができれば、タイトルマッチへの準備は万端。
そんな感じの予想をしていた次第である。

「村田諒太が年末有明に見参! 強打者ブルーノ・サンドバルとのパワー対決を制するか?」

そして、結果的には予想を上回る勝利を見せてくれた。

サンドバルの過去の試合を観る限り、前半の爆発力はかなりのものがある。正直、いかに村田でも序盤は多少押し込まれるかもしれないと思っていた。

だが、サンドバルが積極的に前に出ていたのは実質20秒弱である。

試合を観直すとわかるのだが、開始15秒過ぎに村田の出した威嚇のワンツー、さらに左。これでサンドバルはだいぶ委縮している。村田は決して本気で打っているわけでもなく、そもそも身体に触れているかも定かではない。
だがその3発のパンチと村田の圧力によって、サンドバルは持ち味のパワーを完全に封じられているのだ。

「カネロ・アルバレスvsチャベスJr.決定! ビバ メヒコ! 大絶賛の時間だあああぁぁぁ!!」

開始30秒で勝負あり。サンドバルを袋小路に追い込み、手が止まったところで攻め落とす

開始20秒で相手をのんだ後の展開は一方的。完全に村田の独壇場である。

サンドバルの左を叩き落としながら間合いを詰める。
左右に動いて態勢を立て直そうとするサンドバルの進行方向に先回りする。
両サイドからボディを打ち込み、相手の身体を起こす。
左で頭を押さえ、狙い定めてオーバーハンドの右。

「ボディから右の打ち下ろし」という村田の得意パターンである。
 
「ダウン応酬に期待? 山中vsカルロス・カールソン予想。12度目の防衛を果たして具志堅の記録に王手を」
 
村田の圧力に対抗するべく手を出し続けるサンドバル。
だが、いくら動き回ってもなぜかロープに追い込まれてしまう。
間違いなく村田より速く動いているのだが、どうしても圧力から逃れることができない。
いつの間にか正面に立たれ、左ボディと右ストレートの無限ループに巻き込まれる。

必要最小限のパンチと進行方向をふさぐプレッシャーで相手を追い詰め、ガードの上を打たせながらじわじわと有利なポジションを確保する。
そして、自分の手が一番伸びる位置まで移動して準備完了。

手を止めた瞬間に村田の剛腕が飛んでくるため、サンドバルは休むことを許されない。

たまらず根負けして手が止まったところで左ボディからの右。得意のコンビネーションを叩き込んでジ・エンドである。
 
「村田vsエンダム感想。疑惑の判定負け? 素人がプロに口出すな。やったことがないヤツが語るな」
 
いや、すげえな村田。
えげつないことこの上ない。
冗談抜きで、この試合は最初の30秒で決したと言っても過言ではない。

あの上半身をクネクネさせるディフェンスには多少苦労するかとも思ったが、いっさい関係なかった。パワー面だけでなく、スケール感や技術面でも村田はサンドバルのはるかに上をいっている。完全に公開処刑である。

「井上vs河野感想。モンスター井上がタフボーイ河野に勝利。これが井上尚弥」

覚醒した村田の盤石ぶりに驚く。そして、ぶっ倒れてるサンドバルを無理矢理引き起こすレフェリーにも驚く

しかし、本当にこの1年の村田の覚醒ぶりには驚くばかりである。
本人が言うには「あれこれ考えるのは止めて、自分ができることをやる」と決めてからうまくいくようになったとのことだが、マジでその通り。いろいろなことを単純かつポジティブに考えるようにしたおかげで、歯車がかみ合ったのだろう。

「村田諒太は日本を捨てちゃえよ? ペドロソをまったく問題にせず4RTKO勝ちで10連勝を飾る!! おや、前回から何かを掴んだな」

繰り返しになるが、ブルーノ・サンドバルはそれなりにいい選手だったと思う。
前回のジョージ・タドニッパなどはそれこそデコピンレベルで、地球人vsナメック星人の戦いかと思うほどの弱さだった。あの程度の相手をいくら倒しても何の参考にもならないが、それに比べればサンドバルははるかにいい選手である。

「村田1Rで圧勝!! 廃棄処分するようにタドニッパをKOする。100点満点じゃないか? タイトルマッチも勝てる?」

ただ、それでも覚醒した村田の前ではそよ風同然。
この相手にあれだけ見事な勝ち方ができるのであれば、もはやタイトルマッチ以外にやることはない。

甚大なダメージでぶっ倒れているサンドバルを無理矢理引き起こし、千鳥足のまま続行を促すレフェリーにはびっくりしたが、それもご愛嬌ということで。
 
「京口世界王座!! アグルメドとの激戦を制す。いいですね京口! こういう試合が観たかった。最短世界一は無意味? まあ商売だから」
 
「やっぱりボクシングは子どもにはやらせたくないスポーツですね」
「また判定だったらボロクソ言われる」
「陣営には常に最高のサポートをしてもらっています。次の試合が誰になっても、それは陣営が全力を尽くしてくれた結果です」
「僕は陣営のマッチメークにしたがって結果を残すだけです」
「でも、やっぱりタイトルマッチをやりたいですね!!」

あいかわらずメディア慣れしたヤツであるww

ミドル級戦線に村田の入る余地はあるの? 2017年中に標的サンダースへの挑戦は可能なのか?

会心の勝利で前哨戦をクリアした村田だが、実際今のミドル級でタイトルマッチに絡むことはできるのだろうか。

とりあえず、2017年3月に最強王者ゴロフキンとダニエル・ジェイコブスとの間でWBAの統一戦が予定されているが、これは恐らくゴロフキンが勝つ。そうなるとゴロフキンがWBA、WBC、IBFを完全に独占することになり、ますます標的はWBOのビリー・ジョー・サンダース以外にいなくなる。

「ジェイコブスがセルジオ・モーラとの再戦を制す!! ゴロフキン? いや厳しいでしょ。ゴロフキンの渇きを潤すのはアイツしかいねえよ」

報道によると、サンダースはカネロ戦を目指しているという話だが、当のカネロはチャベスJr.とのキャッチウェイトでの一戦が交渉中とのこと。

仮にカネロvsチャベスJr.がまとまれば、一応サンダースへの挑戦が現実味を帯びてくるわけだが、果たしてすんなり決まるのか。ランキング1位にクルツィゼという選手もいるし、WBO3位の村田よりも優先順位が高い選手を出し抜くことができるのか。
また、WBAの暫定王者にハッサン・ヌダム・ヌジカムがいるので、隙間を狙うのであればこっちに鞍替えするのもありかも?

「恐れ入りましたカネロ。リアム・スミスにあんな勝ち方するか。サウル・アルバレスが9RTKO勝ち」

村田の懸念材料を挙げるとすれば、スピードのある選手にかき回されてポイントアウトされることだろうか。ただ、はっきり言って今のミドル級にそういった選手は見当たらない。ウィリー・モンローJr.に手を出さない限り、チャンスはあると思う。

「ウィリー・モンロー・ジュニアがロサドを一蹴!! え? カネロのミドル級調整試合にモンロー? デラホーヤの商魂も鈍ったか?」

だが勝つか負けるかはともかく、デビッド・レミューやクリス・ユーバンクJr.、ピーター・クイリンなど、知名度のある選手を差し置いて村田に入る余地があるのか。スカスカ状態のミドル級とはいえ、2017年中に順番が回ってくる可能性がどの程度あるのか。先行きが不透明過ぎて何とも言えない状況である。

割とマジで昨年10月のサンダース戦のオファーを受けておけばよかったという事態にならなければいいのだが。
そもそも「サウスポーとの対戦経験がないから」という理由で断ったと記憶しているのだが、その割には思いっきり右構えのヤツと試合してるじゃねえかという。
 
「村田諒太再戦? 次戦? 何がしたいんだ問題。やっぱり計算高いよなこの人。自分が他人からどう見られるかのケアが半端じゃねえ」
 
まあ、結論としては「わかんねえっす。黙って見てるしかありませんね」ということなのですが。

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