ボンバー三浦vsサリドキター!! 好戦的インファイター対決がアメリカで実現。バルガス戦を上回る激闘に期待感が高まる【予想】
2016年12月17日に米・ロサンゼルスにあるザ・フォーラムで、前WBC世界S・フェザー級王座三浦隆司と同級3位オルランド・サリドの暫定王座決定戦が行われる。プロモーターのGBPが、両陣営が対戦に合意したことを米スポーツ専門局ESPNに明かしたとのことである。
「天才三浦隆司がミゲル・ローマンの努力を牛耳るからまあ見とけ。S・フェザー級トップ戦線生き残り」
2015年11月に現王者フランシスコ・バルガスに大激戦の末9RTKO負けを喫して以来、約1年ぶりに米国のリングに立つ三浦。相手は2016年6月にバルガスに挑戦し、12R引き分けで王座獲得を逃したオルランド・サリドである。
「ゾンビか!! サリドがバルガスを追いつめ惜しくもドロー!!」
ともに好戦的なインファイター同士とあって、前戦に劣らない大激闘が期待される一戦。気の早いファンからはさっそく年間最高試合の声が挙がるなど、両者の対戦への興奮は高まるばかりである。
王座から陥落して以来、わずか1年で巡ってきたビッグチャンスを自慢のボンバーレフトで奪い取ることができるか。日本の三浦隆司の豪快KOに注目が集まる。
三浦隆司の神試合に期待。サリドが相手なら間違いなしでしょ
三浦vsサリド合意!!
またしてもすばらしい試合が決定した(まだ正式決定ではない?)。
三浦隆司vsオルランド・サリド。階級屈指の好戦的インファイター同士の激突である。
両者ともに現王者であるフランシスコ・バルガスとの対戦経験があり、いずれも年間最高試合の候補に挙がるほどの激戦を繰り広げている。
その2人が対戦するのだから期待が膨らまないはずがない。早くも年間最高試合の噂が出るのも当然の話である。
去年11月、ラスベガスで倒し倒されの凄まじい試合を披露した三浦隆司。神試合の再現に大きな期待がかかる。
「三浦vsバルガス壮絶決着!! 最強挑戦者フランシスコ・バルガスに三浦隆司がTKOで敗れて王座陥落!!」
勝敗予想は三浦の12R判定勝利。でも正直まったくわかりません
まず今回の勝敗予想だが、三浦の12R判定勝利でいきたいと思う。
といっても、正直なところよくわからない。
三浦の左が炸裂してサリドがぶっ倒れる展開になるようにも思えるし、サリドのラッシュで三浦がKO負けを喫する可能性もあるような気がする。
何となくだが、試合序盤にKOがあるとすれば三浦の勝利。立て続けに三浦の左を被弾したサリドが5Rくらいで沈むパターンである。
逆にサリドがKO勝ちするなら後半ではないだろうか。再三にわたるサリドの猛攻を受けた三浦が耐え切れなくなり、レフェリーストップで試合が決まる展開。要するに前回のバルガス戦と似たような結末である。
恐らく三浦の左はサリドに当たる。
だが、やや詰めが甘い三浦はサリドを倒しきるまではいかないのではないか。そう考えての判定勝ち予想なわけだが、実際そうはならないパターンも十分に考えられる。
1発の破壊力を持つ三浦と、何度倒されても起き上がってくる不死鳥サリド。
相手のパンチを芯で食っても耐えきるタフネスを持った三浦と、何度でもアタックをかけてインサイドの打ち合いで相手を根負けさせるサリド。
「英雄の帰還。生贄の名はジェシー・バルガス。パッキャオは復帰戦を盛大に飾れるか?」
どんな展開になるかはわからないが、どんな展開になってもおもしろい試合になることだけは断言できるのではないだろうか。
至近距離が得意なサリドと、左を打ち抜くスペースが欲しい三浦。どちらのパワーが上回るかがカギになる?
サリドの作戦はいつも通り。これは間違いない。
頭を低くして身体を振りながら距離を詰め、至近距離で左右のフックを振るう。
ボディから顔面、顔面からボディ。自分の頭を相手の側頭部に押しつけながら、ゴリゴリのインファイトで相手を押し切るスタイルである。
対する三浦だが、この選手のカギはいかに左を当てるかにかかっているといっても過言ではない。
基本的にガードは甘く、防御は上半身を前後に動かす振り子運動のみ。相手のパンチを被弾しながら、とにかく自分の距離になるまで前に出続ける。振り子運動で相手の攻撃の芯を外しつつ、十分に間合いを詰めたところで必殺の左をドカン。
どんな攻撃にも耐えきるタフネスと前進する馬力。そして、他に類を見ない左の当て勘で強敵をなぎ倒すスタイル。2011年に内山高志に敗れて以来、相手との間合いの取り方にかなり進歩が見られるが、基本は左の1発を当てればいいというボクシングである。
申し上げたように今回の試合、僕にはどちらが勝つかはまったくわからない。
ただ、より長い時間自分の間合いをキープできた方が試合を有利に進めるような気がしている。
生粋のファイターであるサリドと三浦だが、両者の得意な距離には若干の違いがある。
サリドが得意とするのはもちろん超至近距離。相手の頭に自分の頭をぶつけながら両腕を振り回す消耗戦である。被弾覚悟で距離を詰めるためにカウンターを食うことも多いが、何度窮地に立たされても不屈の闘志で前に出続ける。
そして、三浦が得意なのはどちらかと言えば中間距離に近い。
理由は明白で、そこが必殺の左を思い切り打ち抜ける位置だからである。
距離を潰して打ち合いたいサリドと、左を打ち込むスペースが欲しい三浦。
どちらのパワーが相手を上回るかによって、展開が大きく変わるのではないだろうか。
「ウォータースvsロマチェンコ決定ワロタww これで内山vsコラレス再戦確定的か?」
三浦が勝つにはどれだけ左を当てられるか。そして、恐らく三浦の左はサリドに当たる
今回の試合を三浦が有利に進めるには、やはり左がどれだけサリドに当たるかだろう。そして、三浦の左はかなりの確度でサリドを捉えると思う。
ゴリゴリのインファイトを好むサリドだが、基本的に被弾覚悟のスタイルなのでダウンも多い。中でも、頭を振りながら前進している最中に被弾を許してダウンするシーンが目立つ。
三浦が狙うのはもちろんここ。
サリドが右側に頭を振った瞬間、思い切り右足を踏み込んで左を叩き込む。若干身体を右側に傾けながら打ち込む三浦の得意な左である。
タイミングさえ合えば、このパンチはサリドのガードの真ん中を突き抜ける。2015年の試合で何度もバルガスを窮地に追い込んだ必殺の左でサリドの突進力を半減させるのだ。
ダメージの蓄積によってサリドの馬力が低下すれば、後は三浦の独壇場である。左の威光でサリドを硬直させ、右でスペースを作って左を叩き込む。このパターンを繰り返していればいずれ試合は終わる。
逆に、距離を潰されて接近戦に持ち込まれるシーンが増えると三浦にとっては最悪である。頭が当たる位置での打ち合いでは完全にサリドに分がある。意図的に頭をぶつけたり、見えない位置でのローブローなど、ダーティな反則技を織り交ぜられての一方的な展開を強いられるのではないだろうか。
「ゲイリー・ラッセルがロマチェンコに熱烈片思い? ハイランド戦を2RTKOで圧勝防衛!!」
2014年に行われたサリドvsターサック戦では、コーナーに追い込まれたターサックが見事なカウンターでサリドからダウンを奪ってみせたが、正直三浦にあんなカウンターが打てるとは思えない。
また、ターサックはサリドの前進をショートアッパーで何度も寸断したが、僕は三浦のああいう姿を観た記憶がない。僕が知らないだけかもしれないが。
三浦がサリドにKO負けする可能性はそこまで高くはないと思うが、懐に入られる展開が続けば圧倒的に不利であることは間違いなさそうである。
「いいじゃん亀田和毅。そうそう、これをやって欲しかったんだよね。エドガー・マルティネスを1RKO」
天才vs努力家の真っ向勝負。努力が才能を超えるのか?
今回の三浦隆司vsオルランド・サリド戦。個人的には天才vs努力家という構図になるのではないかと思う。
一応申し上げておくと、天才が三浦で努力家がサリドである。
サリドが努力型の選手なのは言うまでもないが、僕の中での三浦は間違いなく天才である。
見た目の武骨さと猪突猛進なスタイルから努力の人と思われているのかもしれないが、実際この人は天才肌だと思う。
今回の試合に際して2015年のフランシスコ・バルガス戦を観直してみたところ、僕は三浦のすごさに戦慄してしまった。
とりあえずあの試合、自分の形で進めていたのは間違いなくバルガスである。
三浦の右をバックステップでかわし、左の連打で相手を突き放す。スペースができたところで右ストレートで顎を打ち抜く。
しっかりと相手の攻撃をガードし、距離を詰められればショートのアッパーで迎撃する。
まさしく2014年にファンマ・ロペスを沈めたパターンそのものである。
そして、それだけコツコツと積み重ねた努力を、三浦は左の1発でチャラにしてしまうのである。
相手の出方をうかがい、しっかり距離とポジションを測って攻撃を組み立てる。完全にバルガスがペースを掴んだ上で、三浦の左が全部吹き飛ばす。
どれだけクリーンヒットを重ねてもまったく動じることはない。何事もなかったように前進して、自分の距離から左をねじり込む。
組み立てなどお構いなし。理不尽極まりない左ですべてを台無しにしてしまうのだ。
バルガスのパンチを何発被弾しても動じないほどの頑丈さ。さらに神がかり的な左の当て勘。積み重ねたものを土台からひっくり返す1発の破壊力。天才以外の何物でもない。
よく山中慎介の左を「神の左」と称するが、この異名は三浦の左にこそふさわしい。
「神の左()炸裂でモレノを撃破!! 山中慎介が宿敵とのリマッチを制して11度目の防衛に成功!!」
バルガスが三浦をKOできた理由? 尋常じゃない覚悟があったわけですよ
あの試合は9Rに猛攻を仕掛けたバルガスが三浦からダウンを奪い、一気にTKOまで持ち込んだわけだが、あれは「勝負を賭けた」とか「玉砕覚悟」などといった生易しいものではない。
あの局面でバルガスを突き動かしていたのは「恐怖」だ。
何発打ち込んでもまったく動じる様子がない。それどころか、さらに勢いを増して左を打ち込んでくる。
何だコイツ、わけわからん。
ここで行かなきゃやられる。やられるだけではなく再起不能に追い込まれる。
つまり、ゾンビのように立ち上がる矢吹丈を目の前にしたホセ・メンドーサであるww あのまま判定決着になっていたら、バルガスは間違いなく白髪頭になっていただろうww
それを踏まえてあの9Rを観直してみると、
「うわぁぁあああ!!! 俺に触るなああぁぁぁぁ!!」
というバルガスの断末魔の叫び声が聞こえてくるはずである。
対戦相手の深層心理に恐怖心を植え付けるほどの打たれ強さと左。まごうことなき天才だ。
逆に言うと、その天才三浦を左だけでコントロールした内山高志がいかにすごかったかという裏付けにもなるわけだが、それはまた別の話である。
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