マイキー・ガルシアがズラティカニンにKO勝ち。空中で失神してゆっくり崩れ落ちる衝撃映像。戦慄のカウンターで王座奪取【結果・感想】

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ネバダ州ラスベガス
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2017年1月28日(日本時間29日)に、米・ネバダ州ラスベガスで行われたWBC世界ライト級タイトルマッチ。
同級王者デシャン・ズラティカニンに、元WBO世界S・フェザー級王者のミゲル・アンヘル(マイキー)・ガルシアが挑んだ一戦である
 
「マイキー・ガルシアがブローナーに判定勝利。階級の壁をちょっと感じたかな。ブローナーもよかったよね?」
 
好選手同士の無敗対決となったこの試合。ある意味メインのカール・フランプトンvsレオ・サンタクルス戦以上の注目を集めた一戦だったが、結果はまさかのマイキーのKO勝利。しかも、3Rでの失神KOという戦慄の結末である。

ブランク開け2戦目でいきなりズラティカニンに挑戦するということで、コンディションを不安視する声も聞かれたマイキー。だが、蓋を開けてみればすべてが杞憂だった。雑音を根こそぎ払しょくする快勝で、ボクシング界の中心に返り咲くことに成功した。

「アントニオ・オロスコさんが世界チャンピオンになるには? S・ライト級のホープも29歳。2017年が勝負の年」
 
今後はホルヘ・リナレスvsアンソニー・クローラの勝者と統一戦を行い、その後S・ライト級に階級をアップする意向とのこと。
スター性と実力を兼ね備えたボクシング界の主人公、マイキー・ガルシアに今後も注目である。

「マイキー・ガルシア復活!! ライト級戦線の主人公が戻ってきたぞ。エリオ・ロハスに圧勝」

ズラティカニンにあんな勝ち方をするかね。間違いなく先週末のMVPでしょ

衝撃的なKOでボクシングファンの度肝を抜いたマイキー・ガルシア。
注目試合が続いた先週末の中でも、ダントツのインパクトを残した試合だったのではないだろうか。
ミゲール・ローマンに勝利した三浦隆司の剛腕ぶりもすごかったが、難敵ズラティカニンに何もさせずに圧勝したマイキーを先週末のMVPに推す方は多いと思う。

「三浦隆司が花山薫パンチでミゲール・ローマンを撃墜!! デラホーヤが早くも「年間最高試合」に認定」

そして、僕自身ももれなくその中の1人である。

いや、マジですごかった。
まさかズラティカニンにあんな勝ち方をするとは。
とんでもないですねマイキー。恐れ入りました。
 
「はあ、ラッセルたん…。エスカンドンを接近戦で圧倒して勝利!! この試合好き過ぎて、もう5回くらい観てるw」
 

勝負の行方はマイキーの攻撃力がズラティカニンの突進力にどれだけ通用するか。あんな一方的な結末が待っているとは思わなかった

とりあえず、以前の予想記事で申し上げた展望をもう一度。

「マジでやるんかマイキー・ガルシアvsズラティカニン。失われた2年間を取り戻せ。ライト級スター候補No.1マイキー」

・ズラティカニンの持ち味は何と言っても突進力
・上背はないがフィジカルが強く、低い姿勢を保って相手の懐に潜り込む
・左右ボディから左のオーバーハンドというのが得意のパターン

・マイキーの持ち味は直線的で貫通力の高いパンチ力
・速射砲のようなワンツーを下がりながらでも威力を失わずに打てること
 
「ロマチェンコにno masされない選手は誰? 階級を上げても無双は続くの? どこかに勝てる人はいないの?」
 
この両者のスタイルを比べると、マイキーにとっては決して相性がいいとは言えない
腰高で左右への動きに若干難のある(ように見える)マイキーにとって、ズラティカニンの突進力は危険極まりない。もしかしたらズラティカニンのワンサイドゲームになる可能性もある。
 
「トロヤノフスキーが挑戦者決定戦に勝利。ポルティージョを1RKOで下して次期挑戦者に名乗り。ホントに内山高志に似てる」
 
逆にマイキーが有利に試合を進めるとすれば、得意のワンツーでズラティカニンをたじろがせたとき。
オルランド・サリド戦で見せたような、バックステップしながらのリターン。あれがズラティカニンの踏み込みをどれだけ鈍らせることができるかにかかっているのではないか。

「ゾンビか!! サリドがバルガスを追いつめ惜しくもドロー!! 三浦を敗ったフランシスコ・バルガスがギリギリで初防衛」

つまり、ズラティカニンのフィジカルとマイキーの攻撃力の勝負。

そして、恐らく試合は両者一歩も引かない消耗戦になる。
双方が持ち味を発揮して一進一退の攻防が続き、最後はマイキーがわずかにズラティカニンを上回る。結果的に2-1のスプリット判定でマイキーがギリギリ勝利。
こんな感じの展開を考えていた。
 
「ブローナー(笑)vsグラナドス感想。エイドリアン同士のキャッチウェイト対決はブローナーの辛勝」
 
だが、蓋を開けてみればまさかのマイキー圧勝。
速射砲のようなマイキーのワンツーがズラティカニンの突進を抑え込み、ガードの間からアッパーをねじ込んでのKO勝利である。
空中で失神したズラティカニンが、ゆっくり崩れ落ちる光景はなかなかの衝撃映像だった。

「フランプトンvsサンタクルス再戦感想。ハイレベル? なの? よくわからなかったな。2-1の判定でフランプトンがキャリア初黒星」

開始直後のワンツーでズラティカニンを萎縮させた。マイキーの貫通力と威力抜群の攻撃力は特筆ものですね

マイキー・ガルシアの攻撃力とズラティカニンの突進力、どちらが相手を上回るか。
そして、高確率で勝負は互角。終盤まで一進一退の消耗戦が続き、ギリギリでマイキー・ガルシアが勝利する。 
「圧勝ザキヤノフ!! ウォーレン手も足も出ず。やべえなww サウスポーの墓場みたいな試合だった」
 
これが僕の予想だったわけだが、またしても大ハズレである。
まさかマイキーのワンツーがあそこまでズラティカニンを圧倒するとは。まさかズラティカニンがパンチの威力にたじろぎ、自分から手が出せなくなるとは。あんなズラティカニンの姿を見たのは初めてである。

何回「まさか」を言えば気が済むんだという話だが、マジでそう思ったのだから仕方ない。
 
「は? ソーサがロマチェンコに勝てるわけねえじゃんかww え? 棄権した? よし、批判の時間だあああああ」
 
恐らくだが、ズラティカニンがマイキーの攻撃に萎縮したのは1R。
試合開始35秒過ぎにマイキーがロープ際で出した、この試合最初のワンツーである。

開始直後。
いつも通りガードを上げて踏み込みのタイミングを測るズラティカニン。
小刻みに身体を揺らしながら、右を小さく数発打ち込む。

「そうか、ベルデホアカンか。オリバー・フローレスを持て余してタイトルマッチに不安を残す」

対するマイキー・ガルシア。
ズラティカニンの踏み込みに合わせて左にステップ。相手の外側に身体をすべり込ませ、視界から外れる位置から鋭角な左を返す。
 
「マイキー・ガルシアvsブローナー決定!! マジかよスゲー試合だよこのマッチメイク。体重超過あり?」
 
マイキーを逃すまいと、サイドステップでポジションを維持するズラティカニン。
ジグザグに間合いを詰め、徐々にマイキーをロープ際に追い込む。

マイキーが小さく右にステップ。そこから反動をつけてワンツーを返す。
2発目の右がガードの間を通り、ズラティカニンの顔をわずかに跳ね上げる。
 
「どん詰まりのリナレスvsヘスタ。お互いに相手の持ち味を打ち消し合った結果、大差判定でリナレス勝利」
 
思うに、この右が予想以上の威力とスピードを秘めていたのだろう。

「まともにもらったらヤバい」
「ガードの上からでも効く」

その場で小さく跳ねて態勢を立て直すズラティカニン。だが、それ以降の踏み込みの鈍りが、マイキーのパンチの威力を如実に物語っていたのではないだろうか。

「ベルチェルト勝っちゃったw バルガスを流血ストップで王座奪還!! バルガスはプロ初黒星」

ズラティカニンの出足を鈍らせ、スペースを目いっぱい使って左をヒットしていく。最後は戦慄のカウンターで失神KO勝利

出鼻のワンツーで自らの攻撃力を見せつけたマイキー。
ここから先はまさしく独壇場である。

ズラティカニンはこれまで通り身体を振りながらの突進を試みるが、ワンツーの威光によって踏み込みに鋭さが感じられない。
 
「マイキー・ガルシア4階級制覇達成!! リピネッツに3-0で勝利。やっぱりS・ライト級ではスペシャル感は薄れるよな」
 
そして、ズラティカニンの出足がわずかに鈍った分、マイキーに余裕ができる。
左回りを意識し、常にズラティカニンの視界の外へ回り込む。
右ガードの隙間を狙い、外側、内側両サイドから強烈な左ジャブを叩き込んでいく。ズラティカニンのテンプルと鼻先があっという間に紅潮する。
 
「レイ・バルガスvsオスカル・ネグレテ予想。瀬戸際の試合ですね。レイ・バルガスが微妙な才能マンか、マジの階級No.1か」
 
さらに、ズラティカニンが強引に間合いを詰めてくれば身体を寄せてスペースを潰し、絶対に連打を打てる距離を作らせない。
 
「村田諒太vsハッサン・ヌダム・ヌジカム予想。これ普通に勝てるんじゃねえの?」
 
3R。
業を煮やしたズラティカニンが、遠い位置から飛びつくように特攻を仕掛ける。だが、マイキーはこれをバックステップで冷静にさばき、カウンターのアッパーをクロスで叩き込む!!

さらに視界の外から左をドカン!!
動きが止まったところにとどめの右!!
 
「大激戦のバルテレミーvsキリル・レリク!! まさかの苦戦のダークヒーロー、バルテレミーはクロフォード打倒を果たせるか?」
 
屈強なズラティカニンが大の字で失神するというインパクト映像の出来上がりである。
 
「ウォードが再戦に完勝!! コバレフがキャリア初のKO負けでリベンジ失敗。仕方ないね。ちょっと差があり過ぎた」
 
いや、ホントにすげえな。
目標物が数m先にあるかのような貫通力。
この人、マジでリカルド・ロペスになれるんじゃないか?

「エリスランディ・ララvsフォアマン感想。ムカつくけどすげえ。ララがダーティ、正当両面でフォアマンを圧倒」

正直、ズラティカニンが1R開始直後の突進力を続けていれば、試合の結果はまったく違ったものになっていたと思う。結果だけを見ればマイキーの圧勝だが、両者に実力差はほとんどなかったはずである。

だが、ズラティカニンに実力をまったく発揮させないように仕向けた陣営のスカウティングと、それを実行するだけの類まれなるマイキーの攻撃力。

実力伯仲のトップ選手同士が、凄まじい駆け引きを繰り広げた末の衝撃的な結末というヤツである。
 
「今年一番興味の薄い再戦リナレスvsクローラ。無理ゲー? リナレスのとびっきりの才能がクローラの努力をまたしても凌駕」
 

今後はライト級を統一して階級アップ。マイキー・ガルシアvsワシル・ロマチェンコがあるとかないとか?

凄まじいKOでインパクト抜群の勝利を挙げたマイキー・ガルシア。

今後はホルヘ・リナレスvsアンソニー・クローラ戦の勝者との統一戦、さらにS・ライト級にアップして四階級制覇を狙う予定とのことである。
しかも、タイミングさえ合えばワシル・ロマチェンコとの一騎打ちも視野に入れているとか。

うん。
確かにそれを期待したくなるような勝ち方だったかな。

相変わらず2年間のブランクを埋めるために生き急いでいる感は否めない。だが、このスター性は間違いなくガチだ。カネロよりもゴロフキンよりも、ボクシング界の主人公を張るにふさわしい選手かもしれない。

「カネロ・アルバレスvsチャベスJr.決定! ビバ メヒコ! 大絶賛の時間だあああぁぁぁ!!」

しかも日本人のファンが好みそうなオールドスクールなスタイル。ワクワクするなという方が無理な話である。

そして、どうしても気になるのがマイキーがロマチェンコに勝てるかどうか。
個人的な意見を言えば、マジで可能性はあると思う。

あの高速のワンツーがロマチェンコに当たれば。
ロマチェンコのハリネズミのような連打を持ちこたえる耐久力があれば。
最低限、視界から見失わない程度にロマチェンコのスピードについていければ。
正面衝突でロマチェンコを圧倒するほどのフィジカル差があれば。

「ロマチェンコに勝てるのは誰? 階級を超えたPFP、ハイテクボクシングマシーンをストップできそうな選手」

限りなく険しい道のりだが、一応ロマチェンコに勝てる条件は揃っているような気はする。
可能性としては8.5対1.5くらい?
それでも、前回のニコラス・ウォータースほどの絶望的な試合にはならないと思うのだが、どうだろうか。

「ロマチェンコ完勝! ウォータースあへあへギブアップで余裕の防衛成功!! 階級アップで覚醒した天才ロマチェンコ」

まあ、難しいとは思うけどね。

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