夏の甲子園大会中止決定…。まあ、これは仕方ないよ。練習もできてないだろうし、無理やり開催したら批判の矛先が選手に向くし
2020年5月20日、日本高野連は第102回全国高校野球選手権大会(夏の甲子園大会)の中止を決定した。
【速報】甲子園79年ぶり中止が決定、コロナ影響で苦渋決断 #kokoyakyu #高校野球 #甲子園中止 #甲子園https://t.co/OJGWkbAJ8N
— 日刊スポーツ (@nikkansports) May 20, 2020
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、49代表を揃えることも移動、宿泊等を伴う大会を開催することも難しいと判断して中止が決定されたとのこと。
夏の甲子園大会の中止は79年ぶり3度目となる。
なお関西大の宮本勝浩名誉教授によると、今大会が中止になった場合の経済的損失は約672億4415万円になるという。これは全アマチュアスポーツ大会の中でも最高額で、夏の甲子園の影響の大きさが改めてわかる金額となっている。
夏の甲子園大会、中止なら経済損失は672億円以上 https://t.co/YHnQ8fZEO1
— サンスポコム (@SANSPOCOM) May 19, 2020
プロ野球が高校生のトライアウト検討だって。最高じゃんか。Jリーグの投げ銭もそうだけど、他競技の指標になる可能性があるよね
高校野球はやっぱり“特別”だよな。いい悪いはともかく、特別扱いするなは無理がある
夏の甲子園大会が春のセンバツに続き中止が決定した。
毎年一定数の反対意見や開催自体に疑問を呈する声が挙がる夏の甲子園大会だが、実際に中止になってしまうと残念極まりない。しかも今回は新型コロナウイルス感染拡大という、誰にもどうすることもできない状況での中止。
恐らく高野連もギリギリまで開催の道を探っていたのだと思うが、これはちょっと仕方ないかなと。
とは言え、一連の報道を見るとやはり高校野球は特別だと感じることは多い。
学生スポーツ大会の中止/延期は野球だけでなく、テニスや卓球、ゴルフなどさまざまな競技で発生している。夏のインターハイも中止になっているし、僕の知らないところでも学生最後の大会への出場機会を失った選手がたくさんいるのだと思う。
だが、これだけ大々的に報道され、なおかつ多くの意見が飛び交うのは高校野球のみ。
上記の記事を読むと、大会中止による経済的損失は700億円近くになるとのこと。
飲食店や宿泊施設、移動など。この時期にまとまった収入を見込んでいたサービス業は多いはずで、センバツ大会の中止を含めればかなりの痛手であることは容易に想像がつく。
15、6歳の若者が親元を離れて県外の学校に進学し、経済効果約700億円を生み出す大会。その上、全試合が公共放送の地上波で生中継され、試合中はずーっと画面下に学校名が表示される。
「高校野球だってただの部活」「特別扱いするな」という批判は本当によく聞くが、これはもはや部活の範疇には収まりきらない。
いいか悪いかは置いておいて、高校野球は間違いなく“特別”である。
たかが高校の部活がここまで大規模になったことの是非はともかく、甲子園大会を「炎天下の感動押し売り残虐ゲーム」「大人の金儲け」と切って捨てるのは僕は違うと思っている。
700億近い経済効果があると言われ、15、6歳の若者が親元を離れて越境してまで出たいと思う甲子園大会を「炎天下の感動押し売り残虐ゲーム」「大人の金儲け」と断罪するのはやっぱり違うと思うんだよな。
ちなみに今回中止になるのは仕方ないと思っております。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) May 19, 2020
中止は仕方ない。練習不足のまま大会に入ったら怪我、病気の危険が大きい
なお、申し上げたように今回の中止に関しては仕方ないと思っている。
高校野球は部活の範疇を超えた特別枠であることは間違いないが、それを踏まえた上で。
一部で開催を求める署名活動も行われていたようだが、さすがに厳しいとしか言いようがない。
責任を取らなくていい立場の人間が外からガタガタ言うことが決して悪いとは思わないが、これに関してはね……。
高野連に甲子園開催を求める署名 1万1058人分 中止正式決定前に届く/野球/デイリースポーツ online https://t.co/2c4BYLtTBK #DailySports
— デイリースポーツ (@Daily_Online) May 19, 2020
表題の通りなのだが、今回のコロナ騒ぎで恐らく選手たちは十分な練習ができていないと思われる。
プロ野球も開幕が延期になり、各球団も自粛期間に入った。
現在は6月半ばの開幕を目指しているらしいが、ある選手が言うには試合ができる状態に仕上げるには40日程度の準備期間がほしいとのこと。
プロですらそうなのだから、成長期の高校生がいきなりハードな練習に切り替えて身体が耐えられるかどうか。
しかも今年の夏はかなり暑くなることが予想されており、練習不足のまま大会に入るのはなおさら危険が伴う。
「高校生の将来を潰すな」「酷使を許すな」という批判はもちろんだが、それ以前に熱射病でぶっ倒れる危険が例年よりも大きいよねという話。
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選手に無意味な批判が及ぶ可能性が高い。他人への批判をストレスのはけ口にする人間の前に高校生を晒すのはヤバい
もう一つは選手に無意味な批判が集中する可能性が高いということ。
これは個人的に一番ヤバいと思っているのだが、仮に無観客などで大会を強行開催した場合、間違いなく「高校野球だけ特別扱いするな」とキレる大人が続出する。100人中100人に同意していただけると思うのだが、ここだけは自信を持って断言できる。
識者()の方が言うように新型コロナウイルスは恐るるに足らずなのか。
それとも老若男女問わず危険なウイルスなのか。
どちらが正しいのか、それとも別の何かがあるのかは定かではないが、一つ言えるのはこのウイルスによって多くのライブイベントが中止/延期に追い込まれていること。
当然学生スポーツも例外ではなく、上述のようにテニスや卓球、ゴルフのほかにもインターハイなどの大会の中止が決定している。
その状況で甲子園大会だけ開催しようものなら、一部の層が鬼の首を取ったように高野連に批判を浴びせるのは火を見るよりも明らか。それだけでなく、批判の矛先が選手に向けられる可能性すらあると思っている。
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当たり前だが選手といっても中身は10代の高校生である。
15、6歳で親元を離れてまで野球に賭けてきた選手も多くいるはずで、彼らが真剣に目指した甲子園大会を「大人の金儲け」呼ばわりするのは絶対に違うと申し上げている。
そんな彼らを、ストレスのはけ口に他人を批判するような人間の前に晒すのはあまりにも危険。最近よく聞く「自粛警察」ではないが、自分が正義の味方だと勘違いした理不尽マンの憂さ晴らしに高校生を利用されるくらいなら中止にした方がはるかにいい。
つまり、今回の高野連の判断はめちゃくちゃ理にかなっている。練習不足による怪我、病気の危険以上に。
繰り返しになるが、やはり高校野球は特別枠である。
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