ジョシュ・テイラーvsテオフィモ・ロペス戦がいつの間にか近づいてきた。テイラーの動向が謎すぎて興味を失いつつあった。階級アップ後のテオフィモは確かにビミョいな【予想・展望】
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2023年6月10日(日本時間11日)に米・ニューヨーク州で行われるWBO世界S・ライト級タイトルマッチ。同級王者ジョシュ・テイラーが同1位テオフィモ・ロペスと対戦する。
2021年5月にホセ・カルロス・ラミレスに勝利し4団体統一を果たしたジョシュ・テイラー。
翌年2月のジャック・カテラル戦での判定勝利が物議を醸し、両者の再戦の機運が高まっていたところ。
テイラーの度重なる負傷によりなかなか話が進まず。
その間にWBO以外の3本のベルトを手放すなど、やや迷走気味の状態が続いている。
一方のテオフィモ・ロペスは元ライト級4団体統一王者。2022年8月の階級アップから2連勝を経てこの試合を迎える。
ただ、パフォーマンス自体はライト級時代と比べて若干精彩を欠く。
約1年3か月ぶりのリングとなるジョシュ・テイラーとS・ライト級でモタつきが目立つテオフィモ・ロペス。
両者ともに未知数な部分が多く、展望が難しい試合と言えそうである。
ジョシュ・テイラーが負けただと…? 絶好調のテオフィモ・ロペスがテイラーのカウンターをボディで攻略、見事2階級制覇。際どい試合だったけどロペスががんばりましたね
不活発すぎて興味が薄れたジョシュ・テイラーと階級アップ後にパッとしないテオフィモ・ロペス。でも、ビッグマッチだし一応ね
ジョシュ・テイラーvsテオフィモ・ロペス。
王者ジョシュ・テイラーはジャック・カテラル戦での微妙な判定勝利以降の動向がいまいち見えてこない。
再戦話が具体化するたびに負傷等で延期or消滅を繰り返し、保持していた4本のベルトもいつの間にかWBOのみに。
僕自身、ジョシュ・テイラーには早い時期から期待していて、2019年10月のレジス・プログレイス戦や2021年5月のホセ・カルロス・ラミレス戦ではめちゃくちゃ感動させられた。
ジョシュ・テイラーのクズ度がホセ・ラミレスを振り切る。ラミレスはナイスガイ過ぎるんだよなたぶん。勝負どころでの性格の悪さは大事
だが例のジャック・カテラル戦からちっとも試合が決まらず、示唆していたウェルター級進出も実現する気配すらない。
だいぶ前に「近々ウェルター級でテレンス・クロフォード戦を目指す」と豪語していた? 気がするが、いつの間にか忘却の彼方へ消えてしまった。
そんな感じで、あまりの不活発ぶりにこの選手への興味が薄れつつあることを告白する。
対するテオフィモ・ロペスだが、こちらは僕が観たのは2021年11月のジョージ・カンボソス戦まで。
階級アップ後のパフォーマンスがいまいちだと聞き、どうにも食指が動かない状態が続いている。
不活発なジョシュ・テイラーと階級の壁に苦労するテオフィモ・ロペス。
要するに僕は今回の対戦にちっともテンションが上がっていない。
ただ、この試合がビッグマッチであることは確か。
だんだんと日付も近づいてきたので一応展望を考えてみようと思った次第である。
てか、ジョシュ・テイラーの行動は本当に謎ですよね。
減量がキツいと言いつつ階級を上げる素振りもない、カテラルと再戦するぜ!! と言いながらフワッと延期を繰り返す。
テオフィモ・ロペスを組みし易しと判断したのかもしれないが、以前の王道キャリアからは想像がつかないくらいの慎重さである。
テオフィモ・ロペスは確かにビミョい。顔面丸出しで突っ込むせいでカウンターをもらいやすい
両者の過去の試合を振り返ってみたのだが、まずテオフィモ・ロペスは確かにビミョい。
ライト級時代のゴリゴリとした力感が薄れ、相手が一回り大きくなったせいか踏み込みにも従来の思い切りのよさが見えない。もともとモチベーションがパフォーマンスに直結するタイプではあるが、それ以上に階級の問題が大きいように思える。
さらに本来はカウンター使いだからか、自分から攻める際にやや稚拙になるのが……。
L字気味に左腕を下げた構え&顔面丸出しで踏み込むせいで右のカウンターをもらいやすい。
実際、ジョージ・カンボソスや前回のサンドール・マルティンにも踏み込み際の右カウンターでダウンを奪われている。
特に相手の動きに慣れない1Rは被弾が多くなる印象である。
テオフィモ・ロペス陥落。カンボソスの研究と覚悟に無策のロペス。あれだけ顔面丸出しで攻めればw スペックの高さは文句なしだから復活を期待するよ
腕を下げてにじり寄る→鋭い踏み込みからのワンツーというのがロペスの基本的な攻撃パターンだが、それ以外にあまり工夫が見られないのも……。
踏み込みスピードやパワーには秀でている(階級を上げて目減りしてはいるが)ものの、馬力頼みのスタイルが階級アップと相まって頭打ちになっている感じ。
サウスポーがあまり得意ではないのかもしれないが、このモタつきは当然ジョシュ・テイラー陣営も確認しているはず。
サンドール・マルティン同様、右リードで出足を止めつつサイドに回り込む作戦で翻弄されそうな匂いがプンプンする笑
接近戦寄りのオールラウンダーなジョシュ・テイラー。でも、前回の際どい判定勝利とブランクの長さが…
対する王者ジョシュ・テイラーだが、この選手に対する僕の印象は接近戦寄りのオールラウンダー。
キャリア初期は機動力のあるアウトボクサーのイメージだったが、2018年6月のビクトル・ポストル戦あたりで「お? これは本格的にすげえぞ」と。
さらにWBSSトーナメント決勝のレジス・プログレイス戦ではプログレイスの馬力に負けない力強さを発揮し、4団体統一を達成したホセ・カルロス・ラミレス戦では一定の距離をキープしつつ前に出て腕を振るラミレスから抜群のタイミングでダウンを奪ってみせた。
諸々を踏まえると、階級アップ後に馬力が目減りしているテオフィモ・ロペスには問題なく勝てるのではないか。
僕の予想もジョシュ・テイラーの判定勝利なのだが、同じように考える人は多い気がする。
ただ、前回のジャック・カテラル戦があまりよくなかったこと、そこから1年以上ブランクがあること、以前から言われていた減量苦など不確定要素も多い。
ジョシュ・テイラーvsジャック・カテラルどんだけ注意されんねんオマイラw 8Rにダウンを喫するも2-1の僅差判定勝利。僕はカテラル勝ったとオモタ
その上、サンドール・マルティンと違ってこの選手は右がそこまで多彩ではない(と思う)。
ホセ・カルロス・ラミレスをダウンさせたカウンターは素晴らしかったが、テオフィモ・ロペスの踏み込みスピードはラミレスを大きく上回る(と思う)。
仮に減量苦等の影響で不調だった場合、ちょっとおかしなことになりそうな……。
不確定要素の多い両者。勝敗予想はジョシュ・テイラーの判定勝ちだけど、調子次第ではロペスにもチャンスが?
僕が思う今回の見どころは
・テオフィモ・ロペスがどこまで階級にフィットしているか
・ビッグマッチのモチベーションで調子を上げてくるか
・ジョシュ・テイラーは右リードとサイドへの動きがどれだけ機能するか
・普通にやれば勝てると思うが、不調だった場合は…
テオフィモ・ロペスが勝つには過去2試合に比べてS・ライト級に馴染んでいることが必須。モチベーションがコンディションに影響するタイプなだけにその部分でどうなるか。
クロフォードvsスペンス戦正式決定? 僕はここからの決裂もあると思ってるよw 勝敗予想はクロフォード:4、スペンス:3、交渉決裂:3くらい
ジョシュ・テイラーは一定以上のパフォーマンスを発揮できれば勝利の可能性が高い。だが前回の微妙な判定勝利やブランクの長さを考えると絶不調で当日を迎えるパティーンも?
勝敗予想はジョシュ・テイラーの判定勝ちだが、両者の調子次第ではロペスがひっくり返す結末も十分考えられる。
だいたいそんなところかなぁと。
まあでも、何だかんだでテイラーがさばき切りそうな気がするんですよね。
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