日本vsイングランド感想。前半リードで折り返すも後半逆転されての惜敗。ラグビーあんまり需要ないけど一応ね【2018.11.18】
2018年11月17日(日本時間18日)、英・ロンドンにあるトゥイッケナム・スタジアムで行われたラグビー日本代表vsイングランド代表のテストマッチ。
世界ランキング4位のイングランドに挑んだ日本(同11位)だが、15-35で逆転負け。前半リードで折り返すものの、後半のイングランドの猛攻を防ぎきれず。初の聖地での一戦に惜しくも敗れた。
80000人(!)を超える大観衆の前で行われたこの試合。
日本代表は完全アウェイにも物怖じすることなく、開始直後から低いタックルと積極的なアタックでイングランドに襲いかかる。
早々に先制トライを許すものの、PGを決めてすぐさま追い上げる。
さらに20分過ぎにはセンター中村がトライを決め、逆転に成功。同点にされた30分過ぎにはフランカーのリーチ・マイケルがこの日2つ目のトライを奪い、再び勝ち越し。15-10のリードを保って前半を折り返す。
ところが後半。
交代したスタンドオフのオーウェン・ファレルの多彩なパス回しに翻弄され、たびたびゲインラインを切られる苦しい展開が続く。
15分過ぎにPGで追い上げられ、さらに立て続けにトライを奪われ逆転を許してしまう。
結局日本は後半を無得点で終わり、15-35での逆転負け。前半をリードで折り返しただけに悔しい敗戦となってしまった。
だが、ポゼッションや走行距離等、主なスタッツではイングランドを大きく上回り、強豪国相手にも十分渡り合える実力を示している。
「日本がロシアを粉砕。球際とパスワークで差をつけ30-10で勝利。今の日本は強いから安心しれ」
ラグビーテストマッチ、日本代表vsイングランド代表の感想。てか、ラグビーネタはあんまり需要ないっすか?
先日行われたラグビー日本代表vsイングランド代表のテストマッチをようやく観たので、その感想を。
と言っても、ラグビー関連のネタはあまり需要がないのか、いまいち盛り上がらず。
僕が熱く語れば語るほど、謎の独りよがり感が増すという意味不明な状況である。
え? ホントに2019年に日本でW杯開催されるんすか? みたいな。
まあ、自分が好きなものを好きと言うだけなので別にいいんですけどね。
「日本は奇跡ではなく、アイルランドに勝つべくして勝った。ここまで作戦がすべてハマるとは…!!」
スタッツでは圧倒した日本。これで何で負けたのよ?
まず全体的な感想だが、今回は勝てる試合だったなと。
というより、リーチ・マイケルの言う通り勝たなくてはいけない試合だったなと。
・走行距離
日本549
イングランド385
・ポゼッション
日本63%
イングランド37%
・ボールキャリー(ボールを持って走った回数)
日本188
イングランド103
・クリーンブレイク(タックラーに触らせずに抜け出した回数)
日本32
イングランド18
主要なスタッツではイングランドを圧倒しており、冗談抜きで負けたのが不思議なくらい。
しかも課題と言われたセットプレーでもラインアウトが10/11、マイボールのスクラムが7/7とほぼ完璧。
具体的な数値を見るまでもなく、日本が常にマイボールをキープしていた印象が強い。
流れの中でのパスミスやハンドリングミスも少なく、調子自体はマジでよかったと思う。
日本の課題は決定力不足と言われているけど、僕はちょっと違うと思うんですよね
今回の試合の評価記事をいくつか漁ってみたのだが、どうやら今回の敗因は日本の「決定力不足」にあるとのこと。
マイボールをキープする能力、相手にプレッシャーを与える力は十分通用する。
だが、最後の決め手に欠ける。
スピードのある外側のプレイヤーにベストなタイミングでパスを通すシーンをなかなか作れない。
この部分の精度を高めていくことが、来年に迫ったW杯本番に向けての課題になるのでは? という内容である。
【村上晃一ラグビーコラム】
トライを奪う決定力では劣ったが十二分に手ごたえを感じた
イングランド vs. 日本 レビューhttps://t.co/WG4Xd6CkU3#rugbyjp #ENGvJPN pic.twitter.com/9nlMDXzSo4— J SPORTSラグビー公式 (@jsports_rugby) 2018年11月20日
その他、レフェリーの傾向を掴み損ねて反則を重ねた結果、流れを手放してしまったという意見もある。
ラグビー日本代表、前後半でなぜ「別人」に? イングランドに完敗
谷口記者のコラム「日本ラグビー勝利への扉」 https://t.co/kB88F3Xi4b— NIKKEI Rugby (@nikkei_rugby) 2018年11月20日
これ、実を言うと個人的にはちょっと違うような気がしている。
どの意見もそれなりに一理あるとは思うが、それ以上に大きな課題があるような……。
むしろ、重要なのはディフェンスかなと。
日本の最大の持ち味である低いタックル。
相手がスピードに乗る前に自ら前に出る。
身体の大きな相手には複数人で。上に1人、下に1人。
2015年まで指揮を執ったエディ・ジョーンズHCが標榜した「世界一のフィットネス」によって、さらに磨きがかかった部分でもある。
「渡邊雄太がNBAデビュー! グリズリーズってナニそれ? 高校時代の指導者がすごいよね」
ただ、このディフェンスには小細工なしで前に出る相手には効果を発揮する反面、横の動きに弱いという側面もある。
思いきって前に出る分、急激なストップ&ゴーには対応しにくく、細かいパス回しとアングルチェンジについていけない。
たとえ自分よりも大きい相手でも、まっすぐ向かってくるのであれば問題ない。勇気をもって足元めがけて突き刺されば、十分対応は可能。
だが、すばやくサイドに動く相手にはどうしても脆さが表面化しやすい。
そして、今回の試合ではその部分が特に強く出てしまった気がする。
前半のオーソドックスな攻めには日本のタックルは十分機能した。だが、後半から入ったオーウェン・ファレルに翻弄された
まず、前半のイングランドの攻めは非常にオーソドックスだった。
密集でボールを持ったハーフが近くのフォワードにパスを供給する。
ボールを受けたフォワードが複数人で突進し、密集サイドでラックorモールを形成。確実にボールをキープし、再び近くのフォワードに渡す。
このパターンでフェーズを重ね、相手ディフェンスの穴を探す。
そして、隙を見つけたバックスの選手がアングルをつけて走り込み、一気に裏に出る。もしくはゲインライン付近でフォローの選手にオフロードパスを通す。
スタイルとしてはごくシンプルなものである。
つまり、ディフェンスはボールキャリアに真正面からタックルにいけばいい。
基本的にキャリアがディフェンスの間をめがけて突っ込んでくるだけなので、日本の低いタックルはめちゃくちゃ機能しやすい。
前半に限れば、日本のテリトリーは驚愕の77%を叩き出したとのこと。
まさに日本の低空タックルがイングランドの攻撃を寸断し続けた証明である。
「歴史的土曜日。神戸製鋼ダン・カーターがデビュー。サントリーのマット・ギタウとマッチアップ」
だが、後半から入ったオーウェン・ファレル。コイツがくせ者だった。
マイボールからフォワードが2、3度ラッシュをかけ、オーウェン・ファレルにボールが渡る。
ボールを受けたファレルは自ら横に流れて内側にスペースを空けたり、ラインの裏にランナーを走らせたり。
細かくボールを動かすことで、常に半身ずらした位置でのアタックを実現していく。
しかも、ギリギリまで引き付けてのパス出しなのでなおさら。
これをやられると、日本は本当に苦しい。
タックルに入る寸前でサイドに動かれ、そのつど芯を外される。
うかつに前に出られれなくなり、徐々にディフェンスは後手に。
結果的に相手にスペースを与えてしまい、相手のアタックを下がりながら受けるパターンに陥る。
ディフェンスの出足が鈍ったところで外に回され、ライン際の走力勝負に持ち込まれるという流れ。
日本チームが伝統的に苦手とするスタイルである。
「サンウルブズがチーフスに勝っただと…!? めっちゃ強く見えたな。アウェイで30-15の歴史的勝利を挙げて今シーズン1勝目」
ついでに言うと、11月3日のオールブラックス戦でも、オールブラックスの縦横無尽なパス回しに日本は翻弄されまくっている。
「健闘した」と言われた試合ではあるが、ディフェンス面だけに限れば残念ながらズルズルだった。
う~ん……。
このディフェンスを採用する限りある程度は仕方ないのだが、毎回似たようなパターンでやられるよなぁと。
てか、オーウェン・ファレルは確かによかったけど、そこまでぶっ飛んでたわけでもないからね。
どうすればいいんでしょうね。
「アイスホッケーの現地観戦は1回でいいやと思ったけど、アジアリーグでのH.C.栃木日光アイスバックスは観てみたい。遠いけど」
よかった選手を挙げてみる。ウィリアム・トゥポウを初めて観たけど、なかなかすばらしいんじゃないっすか?
なお、今回の試合で個人的によかったと思う選手を挙げると、
リーチ・マイケル(フランカー)
→安定感抜群。よく走ったよね
福岡堅樹(ウィング)
→コイツすげえな。みんなが期待するだけあるわ
ウィリアム・トゥポウ(フルバック)
→初めて観たけど、なかなかいいっすね。松島幸太郎との併用でいける?
だいたいこんな感じだろうか。
特にウィリアム・トゥポウについては、大型のフルバックとしてインパクトプレイヤー的な使い方もできそうな気がした。
「オールブラックスvsワラビーズw 観に行くべき試合だった。超後悔のドリームマッチ感想」
あと、14番の山田章仁についてだが、もしかして少しだけ落ちてきたか?
球際の嗅覚とボディバランスは健在だが、変態的なステップとトップスピードのキレが少々鈍ったような……。
今回の試合だけでは何とも言えないが。
まあ、この選手も33歳だからね。
全盛期に比べれば、さすがに下降線に入ってもおかしくはないよね。