フルトンのトレーナーのインタビューが興味深い件。フルトンの動きは悪かったのか。井上尚弥攻略にはポール・バトラーの作戦の進化版ってのはその通りだったんじゃないの?

フルトンのトレーナーのインタビューが興味深い件。フルトンの動きは悪かったのか。井上尚弥攻略にはポール・バトラーの作戦の進化版ってのはその通りだったんじゃないの?

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先日「Number Web」にスティーブン・フルトンのトレーナーのインタビューが掲載されている。
 
「井上尚弥をどう倒すつもりだった? フルトンのトレーナーが明かす“幻のモンスター撃破プラン”「タパレス戦は日本で応援したい」」
「「クレイジーだと思われてしまった」井上尚弥に異例の抗議…物議を醸した“バンテージ発言”は心理戦ではなかった? フルトンのトレーナーが釈明」
 
2023年7月25日に東京・有明アリーナで行われた井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦。結果は8R1分14秒TKOで井上が勝利したわけだが、その後日談的な記事である。
 
 
一通り目を通したところなかなか興味深い。
自分の印象と比較しつつ「へえ~、そうなんだ」と思いながら読んだ次第である。
 
というわけで今回はそれについての感想を。
いまだにあの試合をどうこう言ってるの? と思ったりもするが、まあいいや。
 

試合前のゴタゴタは心底しょーもなかった。「グダグダ言わさん」じゃなくてグダグダ言われないように周知徹底しておけや笑

まずは下記について。


トレーナーのラヒーム氏が公式会見の席で井上尚弥のバンテージの巻き方に抗議した件。試合直前にもかかわらずだいぶゴタゴタしたことを覚えている。
 
特にフルトン側の心理戦、単なる言いがかり等のネガティブな声はかなり目についた。
 
各国にローカルルールがあり、選手はそれに従うのが決まりとか何とか。
 
井上本人も自身のSNSで「グダグダ言わさん」「ローカルルールに従う」と豪語、英文で反論するなどだいぶピりついていた。
 
 
ところが翌日にはあっさり覆るという。


いや、どないやねん笑
 
本人を含めて結構な人間がローカルルールとやらに従うのが決まりだとほざいてた気がするが。
散々フルトン陣営の言いがかりだとか抜かしてた割に秒でひっくり返ったじゃねえかと笑
 
TJ・ドヘニーがすごかった。警戒心MAXの井上尚弥から6R中2R奪取はとんでもない。差し合い、駆け引き勝負で食い下がる姿に感動したぞ
 

フルトン側も事前に確認しておけという話。その程度は学校の部活でもやってる

またフルトン側もそういうことは事前に確認しておけという話である。
 
ラヒーム氏は「会見の直前まで井上がどういう方法でバンテージを巻いているのかを知らなかった」と言っているが、その時点でアカンやろと。
 
そんなことは交渉段階で詰めておく内容で、だったらこれまで何をしとったんだと。
毎回長々と交渉している割に勝敗や安全に直結する部分がザルってどういうことよ?
 
井上陣営も同じくらいしょーもない。
「グダグダ言わさん」じゃなくてグダグダ言われないようにあらかじめ周知徹底しておくんだよ。
 
遠征先でいつも通りのルーティンが可能か、同じ道具が使えるかの確認なんて学校の部活でもやってるだろ。
たとえばフィールド競技なら準備運動をする場所でスパイクが履けるか、アップシューズが必要かくらい事前に確認するでしょ。
 
「現場に行くまで知りませんでした」「ホスト側も伝えていませんでした」など杜撰にもほどがある。
 
言いがかり云々で喚いていた人間は論外だが、とにかく両陣営とも「は? 今さらそこですか?」という振る舞いが多すぎた。
 
井上尚弥vsフルトン現地観戦。人外の超人がようやく人里に降りてきた? よくも悪くもノリと勝負勘の選手なんだろうな。“井上は強化版辰吉”説を久々に思い出した
 

フルトンが力を出し切れなかったというのは意外。序盤に足を踏みまくったのは作戦だと思ってた

試合についてだが、意外だったのはラヒーム氏がフルトンは力を出し切れていなかったと感じていること。

「驚かされたことがあったとすれば、フルトンが自身の力を出せなかったことだ」

「彼のパフォーマンスには落胆させられた。フルトンはもっといいボクサーであり、自身のボクシングができていれば違った展開、内容の戦いになっていただろう」

僕は当日の会場、後日視聴した配信でも特別フルトンの動きが悪かったようには見えなかった。階級最強と言われる実力を発揮したと思ったのだが。
 
中でも「正面に立ちすぎた」「プラン通りに動けなかった」という部分は「へえ~」である。
 
 
一応言っておくと、僕はフルトンが序盤からスタンスを広めに構えて井上の足を踏みまくったのは戦略だと思っていた。
「足をガバっと広げて距離を遠くする+足を踏んで踏み込みを鈍らせる+近づいてきたらクリンチ」のコンボで対応できると考えたのだろうと。
 
井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦を視聴。戦力差を把握すると舐めプを始める横着さはヤンキー気質によるものだろうな。それでも無敵だけど
 
ところがラヒーム氏によると彼らのゲームプランはあくまでアウトボクシング。正面に立ちすぎたせいで井上を快適に戦わせてしまったとのこと。
 
いや、おもしれえっすね。
 
井上が後ろ体重&L字で構えたのを見てテンパったのか、あらかじめやると決めていたのかは不明だが、どちらにしろ作戦とは違う動きだったらしい。
 
なるほど。
実際に対峙した本人にしかわからない何かがあるんでしょうね。
 
タパレスの大健闘に感動が止まらん。井上尚弥攻略の糸口? 階級アップで人外の超人っぷりは薄れたよな。最強には変わりないけど
 

理想の展開はアウトボクシング。「井上攻略にはポール・バトラーの作戦を高次元で」ってのはその通りだったんじゃないの?

そして上述の通りフルトン陣営の作戦、理想の展開はアウトボクシング。唯一明確にポイントを奪った7Rがもっともそれに近かったと。

「7回に入る前のインターバルでフルトンを叩いたんだ。目を覚まさせたいと思って、「なぜゲームプラン通りに戦わないんだ?」と叫んだ。その効果があったのか、直後の7回はフルトンが唯一、ポイントを奪うラウンドになった」

「フルトンはしっかりとアウトボクシングをしたとき、より優れた結果を出す。ポール・バトラー(英国)のように動き回るのではなく、よりメリハリを効かせた形でサイドに動くのがプランだった」

うん、だよな。
7Rのフルトンは確かにいい動きだったんですよ。
アレをもう少し早くやれていれば+8R以降も継続できていれば。
 
僕は以前から
「井上を攻略するにはポール・バトラーの作戦を高次元で実現することじゃない?」
「バトラーのあの動きを進化させれば可能性を見出せるのでは?」
と喚き散らし、フルトンならひょっとしたらそれができるかも? と絶叫し続けている。


で、7Rにその片鱗が見られたわけだが、
 
・1、2Rの井上の鬼強タイムはディフェンシブに徹する
・同時に井上の踏み込みスピード、タイミングを把握する
・そして井上の勢いが落ち着く中盤から後半にかけてペースアップ
・再び井上の勢いが増す終盤をしのいで僅差判定を狙う
 
フルトンに勝ち筋があるとすればこのパターンかな?
序盤の動きを抑え気味にしたのもその一環かな?
と思ったのだが、むしろ陣営の作戦は序盤から足を使うことだったのか。
 
何が正解かはともかく、事前の準備とそれがうまくいかなかった場合の対処をフルトン側から聞けるのはいいよね。
 
井上尚弥がポール・バトラーをKOして4団体統一。“持たざる凡人”が超人攻略を目指した。これをもっと高次元でできればと思わせるバトラーの動き
 

フルトンの判断がモロに裏目に出た。実際に向かい合って感じることが多いんだろうな

足を踏むことで井上の踏み込みスピードを鈍らせようとしたら、井上のヤンキーマインドのスイッチを入れてしまった。
 
スタンスを広めに構えたことで頭の位置が下がってかえって狙われやすくなった。
足を踏ん張って構えた分、バックステップの距離も短くなった。
 
予定と違うことをやったらモロに裏目に出た、その立て直しに6Rを要したというのはなかなか興味深い。
改めて実際に向かい合った本人だけが感じたものが多いのだろうと。
 
もちろん井上のボディに対応できなかった、後ろ体重+L字によって得意のクリンチが機能しなかった、ジャブの差し合いで歯が立たなかった等、根本的な能力に差があったことは大前提で。
 
スティーブン・フルトンがカルロス・カストロにダウンを奪われて辛勝。戦略をミスったか? 相手が井上尚弥だったら倒されてた気が
 
まあ、こういうことを言うとなぜか井上ハァン()に怒られるんですけどね笑
 
どこをどう読んだら井上の実力を否定しているように見えるのか。
絶対的な強者をどう倒すか? の視点でスポーツ観戦することの何がダメなのか。
 
 
そもそも自分の金と時間を使って現地観戦(配信視聴)した試合の感想を言ってなぜ怒られなくてはならないのか。
 
自分の金と時間を使って現地観戦(配信視聴)した試合の感想でなぜ井上ハァン()に気を使わなければいけないのか。
 
なぜわざわざ僕がバカのために釈明させられるのか。
 
 
これについてどなたか筋の通った説明をしてほしい。
その説明に100%納得できればナンボでも訂正するので。
 
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