アイスホッケー全日本選手権2019準決勝クレインズvsアイスバックス戦を観てきた。楽しかったけど、イマイチなところは変わってなかったな【2019.12.7感想】
2019年12月7日、西東京市東伏見にあるダイドードリンコアイスアリーナで行われた第87回アイスホッケー全日本選手権、準決勝を現地観戦してきました。
観たのは2試合目の「ひがし北海道クレインズvs日光アイスバックス戦」。
本当は1試合目から観ようと思っていたのですが、思いっきり寝坊したせいで間に合いませんでしたww
で、結果は大接戦の末に4-3で日光アイスバックスが勝利し、翌8日の決勝戦にコマを進めました。
全日本選手権??? 12/7の準決勝は
東北フリーブレイズと日光アイスバックスが
いずれも接戦を制し、明日の決勝戦に進出です!王子イーグルス 3 – 4 東北フリーブレイズ(OVT)
ひがし北海道クレインズ 3 – 4 日光アイスバックス撮影:渡部交基#アイスホッケー #日本一 pic.twitter.com/tQcqInDw24
— 日本アイスホッケー連盟 公式 (@JPN_Ice_Hockey) December 7, 2019
アイスホッケーは去年も現地観戦したのですが、はっきり言ってめちゃくちゃおもしろい。間近で見るスピード感と選手同士が激突する迫力満点なプレーに度肝を抜かれまくった次第です。
個人的に生観戦してここまですげえ!! と思ったスポーツは初めてかもしれません。もっとアイスホッケーが認知されて、人気向上につながればいいなと。
「アイスホッケーの現地観戦は太る。アイスホッケー第86回全日本選手権大会準決勝の感想。速い!激しい!目まぐるしい!」
ところが、現実は厳しく。
2018年の全日本選手権の数日後、出場チームの1つである「日本製紙クレインズ」が親会社の都合で廃部というまさかの事態に。このいきなり(僕にとっては)の展開に驚き、大急ぎでアイスホッケー界について調べたところ、なるほど。確かにいろいろとヤバいっぽい。
クレインズもこのままチームが消滅するか、新たな親会社を見つけるか、プロのクラブチームとして再スタートを切るかの選択を迫られ、とにかく先行きが見えない。部外者の僕でもわかるほど、業界全体の空気はどんよりしていました。
「日本製紙クレインズ 廃部ワロタw 経営悪化によりアイスホッケーから完全撤退を発表。来年釧路に行こうと思ってたのに」
そして2019年3月31日、「東北海道アイスホッケークラブ合同会社」の設立が発表され、日本製紙クレインズはクラブチーム「ひがし北海道クレインズ」として再スタートを切ることになります。
【存続へ運営会社設立 アイスホッケーのクレインズ】
アイスホッケーの日本製紙クレインズの廃部に伴い、クラブチームとしての存続を目指す運営会社「東北海道アイスホッケークラブ合同会社」の設立が発表されました。運営費を拠出するスポンサーを募ります。
詳しくは⇒https://t.co/IyoRbTP78U pic.twitter.com/Vs9dIhzzvt
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) March 31, 2019
正直ここから先は前途多難だとは思いますが、無事アジアリーグ参入も果たすなど、とりあえずは順調にきているように見えます。
スポンサーも新たに見つかったみたいだしね。
「クレインズに新スポンサー=米IR大手が支援-アイスホッケー」
その流れで迎えた第87回全日本選手権。
そりゃあ観に行かないわけにはいかんだろという意味不明な使命感()に燃え、大急ぎでチケットを購入したという流れです。
久しぶりのダイドードリンコアイスアリーナ。試合開始まで約30分。両チームがアップ中です
西武新宿線東伏見駅を降りると、すぐ目の前にダイドードリンコアイスアリーナが見えます。
前回と同様、南ゲートでチケットを見せて入場します。
中に入ると、次の試合までまだ30分以上あるとのこと。
チーム名に「CRANES」と「ICE BUCKS」とあるので、これからひがし北海道クレインズvs日光アイスバックスの試合が始まることがわかります。
トーナメント表です。
結果がまったく記載されておりませんが、準々決勝では王子イーグルス、東北フリーブレイズ、ひがし北海道クレインズ 、日光アイスバックスのアジアリーグ勢が順当に勝ち進んだとのこと。
座席はこんな感じです。
座り心地自体は普通なのですが、ダイドードリンコアイスアリーナのいいところは前の席との間隔が広いこと。座席の前後にゆったりとスペースが設けられているため、観戦中も比較的自由に足を組み替えることが可能です。
狭いスペースでギュウギュウのまま数時間を過ごさなければならない会場もあるので、こういうゆったり感はありがたいですね。
リンク上では両チームがアップ中です。
そして、あれこれと見て回っているうちに時間が過ぎ、試合開始が迫ります。
選手の入場です。
って、遠いww
場内を暗転するとか、もう少し演出があってもいい気はするんですけどね。
前回も思いましたが。
整列です。
やっぱりアイスホッケーって人数多いですよね。
1チームのロースターが18~23人、ほとんどの大会では22人というのが主流らしいです。
やっぱりアイスホッケー楽しい!! スピード感と激突の迫力はこれまで観た中でもNo.1かも?
いよいよ試合開始です。
うおおおぉぉぉ!!!
久しぶりに観たけど、やっぱりすげえなアイスホッケー。
目の前を通過するスピードや防具がぶつかる音など。
先ほども申し上げた通り、生で観る際のインパクトの大きさは全競技中No.1かもしれないです。
アイスホッケー観に行きてえなぁ。さすがにこの時期に東京→日光はヤバすぎるけど、アジアリーグはちゃんと開幕してほしい
あ、ぶっ倒れた。
壁に顔面を強打したみたいです。
ちょうど防具がない部分が当たったようで、めちゃくちゃ痛そう。回復するまでしばらく試合が中断します。
試合は開始直後に立て続けに2点を先制したアイスバックスがリードを保ったまま、第1ピリオドを終了します。
第2ピリオドの開始です。
このピリオドも両チームの激しい攻防が続きます。
壁際でガシガシやってます。
こういうもみ合い、押し合いはファールにならないんですよね。この辺りの線引きがあまり理解できてない……。
第2ピリオドはクレインズが流れを掴み、2-3と1点差まで詰め寄ります。
得点を挙げたアイスバックスがベンチメンバーと盛り上がっております。
一進一退の攻防の末、日光アイスバックスが勝利。白熱した展開に目が離せない
そして迎えた最終第3ピリオド。
開始早々にクレインズが得点を挙げ、ついに同点に追いつきました。
いや~、おもしろい。
白熱した展開に目が離せません。
「アイスホッケー日本代表がスロベニアに敗れて五輪出場断たれる。でも感動した。日本は全然弱くない」
すると中盤。
今度はアイスバックスが得点を挙げ、4-3と再びリードを奪います。
終盤、クレインズはゴーリー(サッカーで言うキーパー)を下げてフィールドプレイヤー6人全員で攻めるなど、両チームともにさらに白熱します。
ですが、得点は動かずそのまま試合終了。
日光アイスバックスが4-3でひがし北海道クレインズを下し、決勝進出を決定しました。
試合後の両チームです。
最後に健闘をたたえ合い、退場します。
アイスホッケーイベントの残念なところ。去年イマイチだと感じた部分がまったく変わってない…
というわけで今回もめちゃくちゃ楽しかったわけですが、ここから先はちょっとネガティブなネタを。
表題の通りなのですが、去年観戦した際にイマイチだなぁと感じたことがいっさい変わっていなかったこともあり、その部分も含めて。
まあ、チケット代3500円のイベントにあーだこーだと文句をつけるのもアレですが。
競技自体はクッソおもしろい分、商売っ気がなさ過ぎてもったいないと思うことがちょいちょい目につきますよね。
「アイスホッケーの現地観戦は1回でいいやと思ったけど、アジアリーグでのH.C.栃木日光アイスバックスは観てみたい」
その1:首脳陣邪魔過ぎ問題
アイスホッケーは監督を含む首脳陣がベンチの後ろで立って試合を見守るのが通例らしいのですが、これがとにかく観戦の邪魔です。
ダイドードリンコアイスアリーナはベンチがリンクの中央付近にあるため、ベンチ内で立たれるとプレーが観えないケースが多発します。
いや、これはダメでしょ。
立つだけじゃなく、そこに手をかけたらアカン。
この人、試合中に何度もこのポーズしてたけど。
せっかくアイスバックスがゴール前に迫ってるのに、君の手でちょうど隠れちゃうんですよww
その2:道具邪魔過ぎ問題
上記に関連するのですが、各チームともに道具を置く位置をもう少し考えてもらいたかったですね。
微妙な場所に予備? のスティックが立てかけてあったり、謎のユニフォームが飾ってあるせいでプレーがちょくちょく隠れちゃう。
ゴール裏の攻防や壁の跳ね返りを利用したパスワークって、他の競技にはないアイスホッケーの見どころだと個人的には思ってるんですけどね。
アスリートファースト()もいいけど、こういうところはもう少し観客に配慮があってもいいのかなと。
その3:運営ユル過ぎ問題
これは前回も思ったのですが、アイスホッケー全日本選手権はイベント進行が全体的にユル過ぎる気がします。
1ピリオド20分間で、ピリオド間のインターバルが15分。
さらにペナルティ等でプレーが止まるたびに時計もストップするため、試合時間はかなり長くなります。
20分プレーして15分休む競技というのもなかなかですが、その間、観客を完全放置というのはちょっとどうなの? と。
ピリオドが終了するたびに選手がダグアウト? に引き揚げるのですが、その後は整氷車が行き来するだけで余興的なものはいっさいなし。観客は極寒の中にほったらかしにされます(場内はクソ寒いです)。
その上、東伏見駅周辺はあまり飲食店もないため、手持ち無沙汰は尋常じゃない。とてもじゃないけど2試合分の集中力を保つのは不可能と断言できます。
また、ようやく休憩が終わったと思ったら、「氷の調整」とやらでピリオド開始が遅れたりする。
いやいやいやいや。
それって今やること?
時間はたっぷりあったじゃない。
休憩時間内にチェックしておけばいいじゃない。
その4:電光掲示板小さ過ぎ問題
これはあくまで施設側の問題ですが、ダイドードリンコアイスアリーナは電光掲示板がクッソ小さい。
上の方にちょこんとついているだけで、はっきり言って見にくいです。
しかも、選手やチーム名もアルファベット表記でわかりにくく、スロー再生もいっさいなし。
ただただ試合経過、両チームの得点が表示されるだけという味気なさです。
施工から35年の施設なので仕方ないのかもしれませんが、いろいろ残念だなと。
「栃木日光アイスバックスvs東北フリーブレイズin霧降アリーナ現地観戦が最高杉。これで指定席3500円? やっす!!」
以上でございます。
繰り返しになりますが、競技自体はめちゃくちゃおもしろいのにこういう部分でグダるのは本当に惜しい。BSとはいえせっかくTV中継が入る貴重な2日間なのに。この商売っ気のなさがどうにかなれば、アイスホッケーはまだまだポテンシャルを秘めた競技だと思ったり。
まあ、言っても仕方ないのかもしれませんが。