豊田合成vsトヨタ車体、北國銀行vsソニーセミコンダクタ感想。ハンドボール日本リーグプレーオフ現地観戦。ハンドボールガチで来るかもしれんな【2021.3.14】
2021年3月14日、東京・国立代々木競技場第一体育館で行われたハンドボール日本リーグプレーオフ男女決勝、豊田合成vsトヨタ車体、北國銀行vsソニーセミコンダクタの2試合を現地観戦してきました。
第1試合の女子決勝、北國銀行vsソニーセミコンダクタ戦は34-24で北國銀行が勝利し見事7連覇を達成。
第2試合の男子決勝、豊田合成vsトヨタ車体戦は28-24で豊田合成が勝利。悲願の初優勝を遂げました。
2月27日に墨田区総合体育館で行われた豊田合成vsジークスター東京戦を現地観戦したのは先日申し上げた通り。
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僕自身、これが初めてのハンドボール観戦だったのですが、めちゃくちゃ楽しく過ごすことができました。
で、ぜひまた行きたいと思って調べたところ、近々国立代々木競技場第一体育館で日本一を決める試合が開催されるとのこと。
2020-21シーズンを勝ち抜いた上位4チームによるプレーオフが3月12〜14日の3日間で行われ、僕は最終日の決勝戦に足を運びました。
前回同様かなり楽しめましたので、今回はその感想を。
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第1試合:北國銀行vsソニーセミコンダクタ戦。王道スタイルの北國銀行にソニーセミコンダクタがアップセットを狙う
まずは第1試合の北國銀行vsソニーセミコンダクタ戦について。
申し上げたようにこの試合は34-24で北國銀行が勝利したのですが、何と北國銀行はこれで7連覇を達成とのこと。
内容的にも王者の風格というか、「そりゃあ強いだろうな」と思わされる部分が随所に見られる試合でした。
正直、ソニーセミコンダクタとは点差通りの実力差があったように思います。
とは言え、ソニーセミコンダクタもたっぷりと作戦を立てて大一番に臨んだことがわかる試合運び。あれこれと工夫しつつ、何とか北國銀行の牙城を崩そうとしているのが伝わってきました。
具体的には背番号24番、ピボットの角南選手。この人が相手の陣形を崩すべく動き回り、どうにかチャンスを生み出そうとしていたのが印象的でした。
北國銀行のディフェンスは真ん中2人、背番号5番の塩田選手と背番号8番の永田選手がめちゃくちゃ鉄壁で、特に8番の永田選手はオフェンス面ではピボットを務める大黒柱的存在です。
角南選手はこの2人の間を絶えず走り回り、横の揺さぶりで撹乱します。
序盤はこの作戦が功を奏したというか、立ち上がりの数分間はソニーセミコンダクタがリードを奪うことに成功しました。
ただ、徐々に動きを読まれて以降はだんだんと得点ペースが落ち、逆に永田選手に高さと馬力を活かした攻撃でディフェンスを切り裂かれてしまいます。
ソニーセミコンダクタも序盤の縦攻撃からサイドへパスを散らすなど何とか食らいつきますが、なかなか差は埋まらず。前半を17-12と北國銀行の5点リードで折り返します。
で、どうしても差が縮まらないまま迎えた後半残り7分。
ここでソニーセミコンダクタは一旦ベンチに下げていた角南選手を再びフィールドへ送り出します。
恐らく今勝負をかけないと間に合わないと判断したのだと思いますが、逆に言うとソニーセミコンダクタはこれですべてのカードを切ってしまった感じです。
結局、満を辞して投入した角南選手でも流れを変えることはできず。
自力の差を見せつけた北國銀行が怒涛の連続得点を挙げ、最終的には10点差をつけての完勝です。
うん、おもしろい試合でしたね。
高さと馬力を兼ね備えたピボットが相手のディフェンスを崩し、スペースをこじ開けて得点を奪う王道スタイルの北國銀行。
それに対し、ソニーセミコンダクタは細かいパス回し+機動力のあるピボットの連携でとにかくボールを動かしてディフェンスの穴を見つける。
格上を食うためにありったけの策を講じたものの、残念ながら王者の牙城を崩せずという試合だったなと。
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第2試合:豊田合成vsトヨタ車体戦。互角の両チームだが、後半に流れが変わって均衡が崩れた
続いて第2試合、豊田合成vsトヨタ車体戦について。
こちらは28-24で豊田合成が勝利し初優勝を果たしたのですが、前半は13-15とトヨタ車体がリードを奪うなど、最後までわからない好試合となりました。
まず試合前セレモニーで思ったのが、両チームともにデケえ。
前の試合が女子だったこともあると思いますが、それ以上に。前回観戦したジークスター東京の選手とは明らかにゴツさが違いました。
なるほどねぇ。
これが上位チームと下位チームの根本的な差か。
両チームとも日本代表選手が多数所属しているとのことで、やはりトップでやるにはヒョロガリでは無理というのを感じさせられます(当たり前だけど)。
いや、ジークスター東京の選手がヒョロガリというわけではなく。単純に両チームの選手を一目見た瞬間に「ごっついなオイ」と思ってしまったので。
実際の試合ですが、この両チームは戦力的にはほぼ互角だったと思います。
それこそ10回対戦すれば5勝5敗のイーブンになるんじゃないの? というくらいの拮抗っぷり。
前半はトヨタ車体のゴールキーパーがナイスセーブを連発してリードを奪いましたが、後半の10分過ぎあたりから徐々に流れが豊田合成に傾きます。
逆にトヨタ車体は15分〜18分で得点がパッタリと止まったのが痛かったですね。
あそこで豊田合成が完全に主導権を握ったというか、あの時間帯にトヨタ車体が1点でも取れていればまた違った展開になっていたのかなと。
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あと、注目度の高かった7番のヨアン・バラスケス選手ですが、正直そこまででもない気がします(何様?)。
前回の墨田区総合体育館の試合でも思ったのですが、ちょっと荒削り過ぎて今のところはトップ中のトップには及ばない印象です。
確かに跳躍力やパワーはすごいし、見た目のイカつさも含めて威圧感は尋常じゃない。
ただ、ディフェンスが比較的普通に止めていることを考えると、もしかしたらプレーが単調過ぎるのかもしれません。
高く飛ぶ。
速く走る。
強いシュートを打つ。
スペックの高さは文句なしですが、今はまだ経験不足と言える? のかも?
逆にこの選手が経験を積めば、あっという間に手が付けられないところにいく可能性も?
シュートを何発か外したあとに同じタイミングでパスに切り替えたりもしていたし、自分の高さを活かしたプレーを覚えれば一気に化けるんじゃないの? と思ったり。
その直後にきっちりシュートを決めていたのを見ると、プレーに幅を持たせることでディフェンスにも迷いが生じるのではないかと。
どちらにしろ、現時点の実力ではライトバックの趙顯章選手の方が上に見えました。
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女子と男子の違いもわかっておもしろかった。プレーオフの形式も理想的だし、ガチでハンドボール人気来るんじゃないっすか?
以上でございます。
申し上げたように今回もハンドボールをめちゃくちゃ楽しめたわけですが、女子と男子の試合を続けて観たことで新たな発見もありました。
男子は高さやスピード&パワー重視のど迫力な試合展開が目立つの対し、女子の試合は横への動きやパスワークを大事にしている印象です。
もちろん男子の試合でもパスは重要ですが、女子と違って高さがある分、ある程度フィジカルのゴリ押しが許されるというか。
滞空時間の長さを活かして空中で複雑なフェイントをかけたりと、試合全体に立体感があります。
一方、女子の場合は男子ほどの高さ、パワーがないため、それらをパスワークで補う必要がある。
ディフェンスに穴を作るために絶えず動き回り、細かいパス回しで相手を撹乱して一瞬の隙をつく。
相当緻密に連携を考えた上で試合に臨んでいるように思えました。
格闘技で例えるなら、軽量級と重量級の違いに近いのかな?
1発KOのパワーがない軽量級はそれを補うために技術を総動員して様々な工夫を凝らす。その分試合展開が緻密になり、スピード&パワーの迫力とは一味違う魅力を感じることができる。
逆に言うと、女子の中で高さとパワーを兼ね備えた選手はそれだけで強力な武器となる。
北國銀行の塩田選手と永田選手のコンビはまさにその典型例なのだろうと。
いや〜、ホントにおもしろいっすねハンドボール。
イベント自体も楽しいし、試合展開のスピーディさも初心者向けです。
何よりルールがわかりやすいので、僕のようなど素人があれこれと後付けで偉そうに語ることもできる()
トラッキングシステムで選手個人のスタッツを出したりもしていて、こういうのはデータ好きのマニアにとってはありがたい試みです。
⚡最高スピードランキング発表⚡#KINEXON
男子FINALでのランキングは…#トヨタ車体#内海祐輔 選手が29.98km/hでトップ?#代々木deハンドボール pic.twitter.com/ETz55dsxfS
— 日本ハンドボールリーグ(Japan Handball League) (@jhl_official) March 14, 2021
初心者に優しく、コアなマニアの欲求も満たす。
しかもイベントの演出もがんばっているという。
リーグ戦3、4位のチームは3日連続+格上に勝利しないと優勝できない。
レギュラーシーズンでの順位を重要視した上での一発勝負はNo.1を決めるためには理想的に思えます。
何とも言えませんが、これはガチでハンドボール人気来るんじゃないっすかね。
理由はアレです。
僕が楽しいと思ったから。