タイソン・フューリー完全に戻してきやがったなw トム・シュワルツを2RボコしてKO勝利。ヘビー級だけはマンガでいいんだよ【結果・感想】

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ラスベガスイメージ
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2019年6月15日(日本時間16日)、米・ラスベガスで行われたヘビー級12回戦。元統一ヘビー級王者タイソン・フューリーとWBO同級2位のトム・シュワルツが対戦し、2R2分54秒TKOでフューリーが勝利。トップランク社との契約後の第一戦を無難にクリアした試合である。
 
 
2018年12月のWBC王座タイトルマッチ、デオンテイ・ワイルダーとの激闘以来のリングとなったフューリー。
今回の対戦相手は戦績24勝無敗の強豪トム・シュワルツ。身長197cmと、207cmのフューリーと並んでも見劣りしない体格ということで、この相手をフューリーがどう倒すかが注目された。
 
 
ただ、実際の試合はフューリーのワンサイドで進む。
開始直後はシュワルツがガードを固めてプレッシャーをかけ、フューリーを追いかける。だが、2Rにフューリーがサウスポーにスイッチすると、一気に試合はフューリーのペースに。鋭い右の連打、ガードの間から左ストレートをヒットし、シュワルツにダメージを与えていく。
 
シュワルツもロープ際で激しい連打を見せるものの、フューリーは上半身の柔軟さを活かしたディフェンスであっさり切り抜ける。そして鋭い右でダウンを奪い、そのまま連打を浴びせてレフェリーストップ。元統一王者の貫録を見せつけ、見事な勝利を飾った。
 
「ワイルダーvsフューリー再戦予想。ちっともわからんから両者のスペックを比較してみる。超人同士のスペクタコーな一戦」
 

我々下民には理解できない存在。それがタイソン・フューリー神であらせられるのである

タイソン・フューリー神が相も変わらず神であらせられたと聞いて。
 
この日は1日中外出していてリアルタイムでは観られなかったのだが、無敗の相手を2RTKOで沈めたとのことで「ああ、さすがだな」と。数時間遅れで試合を確認したところ、やはりフューリー神はフューリー神だったという結論である。
 
 
何と言うか、今回の試合も神のごとき所作、佇まいを存分に見せてくれたのではないか。
 
6、7m四方のリング上をダンスをするように動き回り、次々に鋭いパンチを当てていく。さらにロープの反動を利用した見切りでいっさい触れられることなく相手を翻弄。これを2m、110kg超えの巨体で軽々とやってみせるのだから、もはや「神」以外の呼び名が見当たらない。
 
我々下民の理解を超えた存在というか、後光が見えるほどの神々しさを放つ男。それがタイソン・フューリー神なのであるww
 
「タイソン・フューリーが神である理由。セファー・セフェリを4Rノーマス。2年半のブランク明けでロマチェンコ超え」
 

トム・シュワルツはそこそこよかった。フューリーがサウスポーにスイッチするまでは…

などと言っているが、今回のトム・シュワルツはそこそこよかったと思う。
 
ガードを高く上げ、上体を振りながら前進する。
進行方向を塞ぐようにプレッシャーをかけ、フューリーのジャブにオーバーハンドのカウンターを合わせていく。
 
序盤はある程度被弾を覚悟し、中盤以降に勝負をかける。
動き回るフューリーを根気よく追いかけようという意気込みが感じられた1Rだった。
 
そして、実際にフューリーもシュワルツのプレスをかわすのに苦労していたように思える。あのままラウンドが進めば、もしかしたらビッグパンチがヒットするシーンもあったかもしれない。
 
「世の中には二種類のボクサーがいる。ワイルダーとそれ以外である。天才ワイルダーがオルティスとの再戦を右1発で制する」
 
ところが2R。
フューリーがサウスポーにスイッチしたところで、試合の流れは大きく変わる。
極端に斜に構えてシュワルツから急所を遠ざけ、前手の右でリードを多用し始める。
 
これによってシュワルツは左ジャブがまったく出せなくなり、L字気味のガードでのけぞるようにフューリーの右をよけるだけ。反撃の糸口を完全に失ってしまう。
 
ガードを上げて前に出るだけではフューリーには追いつけず、カウンターのタイミングも見つからない。できることは強引に飛び込んで腕を振るのみ。
 
 
対するフューリーは右リードでガードの外側を叩き、スルスルッと角度を変えてど真ん中から左を打ち込む。シュワルツはこのパンチに反応できず、ガードの間から次々に被弾する。
 
そして、わずかにアングルを変えた位置からフューリーの連打を浴び、膝をつくようにダウン。何とか立ち上がるも、ロープ際で再びラッシュを浴びてジ・エンド。
 
2R2分54秒TKO。
ほぼ何もできずに敗北を喫するという結末である。
 

あまりにサウスポーへの対応がザル過ぎた。しかも、今回のタイソン・フューリーは復帰後最高のコンディションだったのでは?

うん、まあ……。
これはしゃーないかな。
 
トム・シュワルツは出だしこそよかったが、サウスポーへの対応があまりにザル過ぎた。
恐らく身長2mでひらひらと動き回るサウスポーなどこれまで遭遇したこともなく、練習相手もいないのだと思う。197cmの体格は確かに期待感を持たせたが、残念ながらタイソン・フューリーがあまりに規格外だったという話。
 
 
しかも、フューリー自身の動きも今回はかなりよかったのではないか。
 
2018年6月の復帰戦ではまだまだ身体も緩く、下半身と上体の連動がちぐはぐだった記憶がある。
 
「フューリーがピアネタを寄せ付けず。陽気なクズが蝶のように舞い、蜂のように刺した10R」
 
足は動くがパンチは軽い。
逆に強く腕を振ると足が止まる。
動きながら強いパンチを打てるという持ち味が十分に発揮できなかった印象である。
 
相手のセファー・セフェリが射程の短いファイタータイプだったせいで問題なく勝利したが、正直このままではワイルダーには勝てないのではないか? とも思っていた。
 
だが、復帰2戦目のフランシスコ・ピアネタ戦では動きも軽快になり、息が上がることもない。終始正面を外し続けて10Rを完走してみせた。
 
そして、デオンテイ・ワイルダーとの大激闘を経て迎えた今回。
パンチの強弱や足の動き、ロープ際でのディフェンスなど。復帰以降ではもっともコンディションがよかったように思える。
 
何とも言えないところだが、このコンディションを維持できればワイルダーとの再戦にも勝てるのではないか。まあ、タイソン・フューリーの場合はそれが一番難しいという噂もあるが。
 

ヘビー級だけはマンガでいい。あれこれご託を並べるのではなく、人外たちのお戯れにウキウキするのが健全


改めて思ったのだが、やはりヘビー級はおもしろい
 
身長2mオーバー、体重110kgオーバーの巨体で異様に動きが速く当て勘もいい。その上やたらとハイウェストですこぶるボディが打ちにくい。
リング外ではオンかオフか、トラッシュトークなのかガチなのかの判別がつかないほど陽気で不安定。
こんな選手が実在するということ自体がおもしろくて仕方がない。
 
また、筋骨隆々で基本に忠実、2m近い長身ながら中、軽量級のようなスタイルの最強王者が、突然現れたスニッカーズ大好きなおデブさんにコロッと負けてしまったり。
 
散々タイソン・フューリーのことを「神」と呼んだが、こういう現実離れした超人たちを目の当たりにできるのがヘビー級の醍醐味でもある。
 
「ルイスがジョシュアに勝利! 動けるデブが動ける2mに勝利! 19年ぶりの何してくれてんねん案件」
 
試合の流れや駆け引き等、あれこれとご託を並べることも多いが、ヘビー級だけはマジで別物。この階級に関しては、マンガのような人外たちにひたすらウキウキしておくのが健全なのかもしれない。
 
以前、
「デカさこそはすべてにおける上位概念」
「デカければ何をしても許される」
「なぜならデカいから」
などと申し上げたことがあるが、そういうしょーもないネタがネタではなくなるというのがね。適度に香ばしくていいですよねw
 
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