福原辰弥vs高橋悠斗戦感想。ミニマム級の長身福原が再起戦で勝利。この長距離サウスポーは珍しくないっすか?【結果・感想】
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2018年4月22日、福岡県で行われたミニマム級8回戦。
前WBO世界同級王者福原辰弥がランキング9位の高橋悠斗と対戦。3-0(77-74、78-74、78-74)の判定で勝利し、約1年2か月ぶりの勝利を飾った。
「前世界王者の福原が再起戦飾る 高橋悠に3-0判定」
序盤から長身サウスポーの福原が積極的に前に出て、遠い位置から左ストレート、右フックをヒットしていく。さらに1歩近づき、左右ボディの連打で高橋を攻める。
対する高橋も得意のカウンターで反撃。ロープ際で福原をグラつかせる。
また、6Rには一気にペースアップし、一回り大きな福原を押し込む場面も。
だがサイズ、パンチの威力で上回る福原は終始主導権を渡さず。
3-0の判定で勝利し、再び世界戦線に向けてスタートを切った。
「ドネアvsフランプトンやっとオワタ(^▽^)/ 退屈過ぎて観てるのがしんどかった試合。フランプトンの完勝だけどいろいろキツい」
実は楽しみにしていた福原辰弥vs高橋悠斗戦。結構おもしろい組み合わせだよね
こっそり楽しみにしていた試合をようやく観たので、感想を適当に。
まず前王者の福原についてだが、この選手は個人的におもしろいと思っている1人。
身長164cmとこの階級では長身の部類で、なおかつサウスポー。
遠い位置から大きく踏み込み、左ストレートや右フックを打ち込む。
そのまま身体を密着させ、左右ボディの連打を浴びせる。
1発目のヒットでペースを掴み、身体全体のパワーを活かして相手を押し込むスタイルの選手である。
だがその反面、打ち終わりに身体が流れるシーンが目立ち、次のパンチを出すまでに若干のタイムラグができる。また、左を打つ際のガードが低く、現WBO王者の山中竜也にはそこを集中的に狙われてしまった。
ただ、この階級でこれだけ距離の長いサウスポーは珍しい(ような気がする)。
2017年11月にタイで行われたタイトルマッチでも、中間距離の得意なワンヘン・ミナヨーティンに福原の左は十分通用していた。もう少し割り切って遠い間合いに徹すれば、普通に可能性があったのではないか? というくらい。
対する高橋悠斗については、以前観た試合で「すげえいい選手だな」と思っていた。
サイドに回りながら芯を外し、空いた場所にカウンターを打ち込む。
中間距離でのカウンターが得意で、距離感とアングルの調整が抜群にうまい。
何となくだが、身体全体のフィジカルと1発の威力がアップすれば一気に覚醒するんじゃないの? などと、謎の上から目線(?)で思った記憶がある。
そのうち生観戦したいとも思っていたのだが、今回は残念ながら福岡。しかも日程を知ったのが試合前日という体たらくで、この辺のアンテナの低さはやはりニワカww である。
「高橋悠斗選手の試合をようやく生観戦した話。中川祐vs有馬啓祐、高橋悠斗vs中山祐太、赤穂亮vs藤岡飛雄馬in後楽園ホール」
やっぱり福原有利かな。高橋が勝つのはかなり難しい気がした
実際の試合を観た感想は、「ああ、なるほど」という感じか。
正直、この試合で高橋が勝つのは相当難しいと思っていた。
ロングレンジの左が得意な福原に対し、距離とアングルの調整が持ち味の高橋。
両者の特徴を見る限り、恐らく福原の踏み込みから高橋は逃げ切れない。
「気になった試合ざっと振り返り。ディアスvsロハス、ホセ・ペドラザvs アントニオ・モラン、高橋悠斗vs平井亮輝」
1発目の左ストレート、もしくは右のロングフックを被弾し、後退させられたところにボディの連打。
バックステップ→打ち終わりのリターンがどこまで間に合うかだが、かなり厳しい試合になるのではないか。
逆に言うと、1発目を我慢して打ち合いに持ち込めれば可能性はある。
至近距離のもみ合いでフィジカル負けしなければ、ワンヘン戦のパターンを再現できる? かも?
漠然とだが、そんな展開を予想していた。
福原デケえなオイ。この体格差、フィジカル差はキツいぞ。左のタイミングをもう少し早く掴んでいれば…
結果としては、当たらずとも遠からずといったところか。後出しも甚だしいのだがww
まず、リング上で対峙した両者を観て思ったのが、
「福原デケえ」。
高橋よりも一回り大きくリーチも長い。
ミニマム級にしては長身の部類だとは思っていたが、肩回りなどのゴツさもある。
「いや、これは高橋選手キツいぞ」と。
序盤から福原のパワフルな突進に押し込まれ、そのつどボディの連打に巻き込まれる高橋。サイドステップで芯を外すものの、リターンを返すまでの余裕はない。
時おりいいタイミングで左がヒットするが、福原の出足を止めるには至らない。
両者のフィジカル差は顕著で、高橋にとっては厳しい展開。
5R辺りで左のタイミングを掴んだように見えたが、アレがもう少し早く出ていれば……。みたいな。
「ロマゴンサスペンド!? 神経学的検査って? その他、エスカンドンvsニャンバヤル、京口vsパラス、アンカハスvsスルタン振り返り」
6Rに勝負を賭ける高橋。福原封じいいね!! ワンヘンがやってたパティーンですよ
そして、最大の山場となった6R。
開始直後、これまで通り前手のリードで距離を測る両者。
と思った瞬間、いきなり高橋の右がヒット。
福原の顔面が跳ね上がる。
さらに、福原の踏み込みに合わせて前に出る高橋。全力の左が福原の顔面をかすめる。
その後も高橋は福原の右リードをガードし、踏み込みと同時に距離を詰める。
そのまま身体を寄せ、ボディ打ちのスペースを潰す。
福原の左ストレートに後退せず、足を踏ん張り渾身の右カウンター。
おお、キタキタ!!
これこれ。
ワンヘンがやってた福原封じ。
相手の踏込みに合わせて前に出て身体を寄せ、福原の距離を潰す。
ロングレンジの福原に糞詰まりを起こさせ、自分の得意な距離に巻き込む。
しかも単発気味のカウンターを狙う高橋と違い、ワンヘンは至近距離でもスムーズな連打が出る。
福原に負けないパワーと近場の連打でも体勢を崩さないバランス。なおかつそれを12R継続するスタミナ。
高橋のがんばりにテンションが上がるとともに、改めて「ワンヘンってすげえのな」などと余計なことを考えてしまった。
「ジョシュアがパーカーを子ども扱い。パーカーはがんばったけどやっぱり2m無双。結局こうなっちゃうんだよな」
高橋悠斗はすげえがんばったけど、残念だった。今後に期待だね。福原辰弥はアレだな。思いきった割り切りがあるといい? のかな?
感想としてはだいたいこんな感じだなのだが、まあ、これはしゃーないかなと。
高橋悠斗はめちゃくちゃがんばったが、サイズ、パワーともに福原辰弥には一歩及ばなかった。
相性的にもあまりいいとは言えず、終始厳しい展開だった。
むしろ中間距離で勝負できる分、vs山中竜也の方が可能性があるのかもしれない。
今後どうするかは不明だが、またがんばってほしいっす。
「ベルデホ堕ちる…。ロサダに10RTKO負け。復帰戦で番狂わせ、キャリア初黒星を喫する。観てるだけで息切れが止まらん」
また勝利した福原辰弥については、もっと大胆な試合運びをしてもいいような気がしないでもなくなくない(ない?)。
右リードで距離を測り、遠い位置から目いっぱい身体を伸ばしての左。
そのまま体重を預けるように身体を密着させ、ボディの連打に巻き込む。
今のところ、誰が相手でも同じパターンに見える(気がする)。
「マイキー・ガルシア4階級制覇達成!! リピネッツに3-0で勝利。やっぱりS・ライト級ではスペシャル感は薄れるよな」
それこそ近場でのボディ連打を捨てるとか。
思いきって遠い位置からの左一辺倒でいくとか。
リッキー・バーンズ戦のジュリアス・インドンゴやオマール・ナルバエス戦のゾラニ・テテのように、自分の持ち味を活かした割り切りというか。
相手によって多少の工夫があれば、ワンヘン戦もチャンスがあったんじゃないの? と思わないでもない(ない?)。
いや、完全な無責任発言ですが。
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