藤田炎村vsアオキ・クリスチャーノ戦が花山薫vsスペックだった件。「オドろいたねェ、ボウヤ。奇しくも同じ構えだ…」と言ったとか(言ってない)【結果・感想】

藤田炎村vsアオキ・クリスチャーノ戦が花山薫vsスペックだった件。「オドろいたねェ、ボウヤ。奇しくも同じ構えだ…」と言ったとか(言ってない)【結果・感想】

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2023年4月26日に東京・後楽園ホールで行われた「フェニックスバトル 99」。
第4試合の日本S・ライト級王座決定戦で同級1位アオキ・クリスチャーノと同2位藤田炎村が対戦、2R3分8秒KOで藤田が勝利し初戴冠を果たしている。
 
 
dTVがLeminoにリニューアルし、1発目のボクシング中継として開催された「フェニックスバトル 99」。
4つの日本王座戦が同日に行われることで注目を集めたわけだが。


無料配信されると聞いて僕も初めてLeminoを視聴してみたのだが、いや、動作が重いなオイ
 
自宅のPCで視聴したのだが、とにかく映像が止まりまくる。約1分に1度、10秒~20秒ほど止まるせいで試合がまったく入ってこない。
 
我が家の通信環境のせいなのか、Leminoの問題なのかは不明だが、とにかくお話にならなかった。
 
おかげ? で会場の熱狂もKO連発の興奮もいっさい伝わらず。
 
メインイベントの宇津木秀vs中里周磨戦などは、序盤の山場を迎えたところで画面が停止→動き出したら中里周磨が大喜びしていたというww


そんな感じでリアルタイムでは完全に置いてきぼりを食ったのだが、翌日のアーカイブではなぜかスイスイ動きやがる笑
 
 
というわけで表題の件。
この日もっとも僕の興味をひいた藤田炎村vsアオキ・クリスチャーノ戦の感想を言っていくことにする。
 

藤田炎村選手の試合はハズレなしだよね。アオキ・クリスチャーノ選手は、ごめん。よく知らなかったっす

藤田炎村選手の試合はこれまで2度現地観戦したことがあるのだが、どちらもめちゃくちゃいい試合だったことを覚えている。
 
立ち上がりはリードを許すもじっくり距離を詰めてペースを引き寄せる→最後の最後で逆転するのがお決まりのパターン。
 
1発の威力はもちろん、ピンチを迎えても動じないメンタル、やるべきことを1つずつ積み重ねていく根気強さがとにかく素晴らしい。
 
前回などはいきなり2度のダウンを食いながらもサウスポーの湯場海樹をじわじわ追い詰めて4Rに攻め落としてみせた。
恐らくこの選手は常に苦戦を想定して練習しているのだと思うが、豪快に効かされても焦った様子を見せないのはすげえなぁと。
 
藤田炎村vs湯場海樹戦現地観戦。100%試合がおもしろい藤田選手。こりゃあ人気出るわ。リングネームが炎村(ほむら)はカッコよすぎる
 
対するアオキ・クリスチャーノ選手のことは申し訳ないことによく知らない。
名前は聞いたことがある&どこかでダイジェストくらいは目にしていると思うが、あえて注目しようと思ったことはなく。
 
ただ、聞くところによるとかなりのハードパンチャーらしいので藤田選手との“攻撃力対決”は非常に楽しみ。
 

すごい試合だった。会場の雰囲気に全乗りした大逆転KO。キャリアを重ねるたびに試合がおもしろくなるってどういうこと?

試合の感想だが、すごかった。
ガチですごかった。
 
KO続きの異様な雰囲気はもちろん、両者がそれに全乗りしたというか。
 
序盤からアオキ・クリスチャーノ選手が軽快に攻めるが、藤田選手のパンチもどこかで当たりそうな空気が漂う。
何とも言えない緊張感の中、アオキ選手優位のまま試合が進む。
 
で、2R終盤。
藤田選手がコーナーを背負ったところで両者のパンチが交錯。次の瞬間、凄まじいタイミングで藤田選手の右フックがアオキ選手の側頭部を捉える。
 
全身の力が抜けたように膝からガクッと崩れ落ちるアオキ選手。
 
何とか立ち上がったものの、明らかに足元が定まらない。
そして、そのままレフェリーが藤田選手のKO勝利を告げる。
 
う~わマジかよ。
とんでもねえなオイ。
 
結果を知った上での視聴だったが、それでも十分なインパクトである。
 
 
2021年10月の富岡樹戦→2-1の判定勝利
2022年8月の湯場海樹戦→4RTKO勝利
そして今回は右フック1発による2RKO勝利
 
藤田選手はキャリアを重ねるたびに試合がおもしろくなるんですが、いったいどういうことですかね笑
 
富岡樹vs藤田裕崇戦、大激戦にテンション上がりまくり。富岡選手は残念だったけどナイスファイト。藤田選手の今後に期待
 

技術、キャリアの差を1発でチャラにする。何回リピートしても「すげえ」しか出てこない笑

正直、技術? テクニック? 経験値? 等、諸々の能力に関してはアオキ選手の方が上だったと思う。
 
リング中央、腰を落として構える両者だが、上体をクネクネさせながらシャープなジャブを打ち込むアオキ選手に対して藤田選手はやや動きが固い。パンチを芯でもらうシーンが多く、ジャブも少ない上にアオキ選手の出入りに置いてきぼりを食うシーンが目立つ。
 
 
恐らくだが、2R中盤から後半にかけて藤田選手は少し効いていたのではないか。
 
足取りがおかしい上に前に出る馬力も弱まっている。
もともとタフな選手だとは思うが、それ以上に被弾の多さが……。
 
これはちょっと打たれ強さに依存し過ぎかなぁ?
と思いながら観ていた次第である。
 
佐々木尽vs小原佳太→100点満点、阿部麗也vsキコマル→微妙、井上拓真vsリボリオ・ソリス→ダントツ最下位。天心、オラスクアガ、佐々木尽がこの日の功労者
 
だが、そういった諸々を強烈な1発がすべてチャラにしてしまう。
 
スピード差についていけずコーナーを背負わされ、ガードの間を通されまくる藤田選手。
何とか身体を入れ替えるも、リング中央で再び連打を浴びる。
 
左腕で頭を抱えられ、下から突き上げるような右。
さらに左アッパーを被弾、今度は対角線上のコーナーを背負う。
 
それを見たアオキ選手は体重を預けて身体ごと押し込み、顔面目がけて左フックを振るう。
 
このフックをギリギリで避けた藤田選手が今度は渾身の右フックをブンッ!!
身体が起きた瞬間に右フックを側頭部にもらったアオキ選手がこと切れるようにドサっとダウン。
 
もう、すげえわ。
何回観てもすげえ笑
 
「すげえ」しか出てこないけど、やっぱりすげえ笑
 
会場の雰囲気も相まって、脚本で決められていたかのような逆転劇。
毎回ハズレなしの藤田選手の試合の中でもトップクラスにすごかった。
 

こんなの花山薫vsスペック戦じゃん。「オドろいたねェ、ボウヤ。奇しくも同じ構えだ…」ってセリフが聞こえたもん(聞こえてない)

僕の勝手なイメージだが、今回の試合は漫画「グラップラー刃牙」の花山薫vsスペック戦を想起させた。
あの戦いは刃牙シリーズ史上屈指のベストバウトだと思っているのだが、それにそっくりな展開だったなぁと。
 
花山薫→藤田炎村
アオキ・クリスチャーノ→スペック
 
開始のゴングとともに腰を落として低く構える両者。
 
似たような構え、立ち上がりだがファイトスタイルは真逆。
クネクネと柔らかく身体を使いながらジャブと出入りで煽りまくるアオキ選手に対して藤田選手は被弾に耐えながらもド迫力のスイングで対抗する。
 
何発パンチをもらってもケロッとして前に出続ける藤田選手と、激しく動きつつ左右の連打を浴びせるアオキ選手。
 
そしてアオキ選手のペースで迎えた2R終盤。
藤田選手が放った右フック1発で勝負が決まる。
 
清水聡vsロベイシ・ラミレス決定! ドコモが井上尚弥を囲ってくれてよかったじゃん。2度とボクシングに関わるなまで言ってたのも見たけど。思い入れはゼロだけど
 
蓄積させたダメージが一瞬でチャラになる結末を含めてマジで花山薫vsスペック。
開始直後の交錯でニヤッと笑ったアオキ選手が「オドろいたねェ、ボウヤ。奇しくも同じ構えだ…」と言ったとか、言わなかったとか()
 
いや、もちろん拳銃で膝をぶち抜いたり、中指を耳の奥まで貫通させるようなアレではないですが(当たり前だろw)。
 
ジョシュ・テイラーvsテオフィモ・ロペス戦がいつの間にか近づいてきた。テイラーの動向が謎すぎて興味を失いつつあった。階級アップ後のテオフィモは確かにビミョいな
 
とにかく両者ともにナイスファイト。
すげえ試合だった(n回目)。
 
藤田選手は王座戴冠おめでとうございます。
 
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