エキサイトマッチ総集編2017の感想。解説陣4人とゲストの村田諒太でビッシリ。おっさんたちの人口密度ゴルァww
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
2017年12月25日にWOWOWエキサイトマッチの総集編がO.A.され、年内の放送分がすべて終了した。
毎年恒例の「視聴者が選んだベストマッチランキング」を発表する内容で、2017年のボクシング界を振り返る意味でも楽しい番組だった。
発表されたランキングは以下。
◎エキサイトマッチ2017年総集編「ベストマッチランキング」
1位:〇アンソニー・ジョシュアvsウラジミール・クリチコ×
2位:▲サウル・アルバレスvsゲンナジー・ゴロフキン▲
3位:〇デオンテイ・ワイルダーvsバーメイン・スティバーン×
4位:〇テレンス・クロフォードvsジュリアス・インドンゴ×
5位:〇尾川堅一vsテビン・ファーマー×
6位:〇ミゲール・コットvs亀海喜寛×
7位:〇シーサケット・ソー・ルンビサイvsローマン・ゴンサレス×
8位:〇アンドレ・ウォードvsセルゲイ・コバレフ×
9位:〇三浦隆司vsミゲール・ローマン×
10位:〇ホルヘ・リナレスvsルーク・キャンベル×
最近DAZNなどでもボクシングを扱うようになったおかげで、海外のボクシングの視聴環境は大幅に向上している。
だが、毎週決まった時間に放送のあるWOWOWエキサイトマッチのありがたさは依然としてダントツ。解説陣に飯田覚士や西岡利晃が加わるなど、徐々に若返り? を図ってはいるが、ボクシング好きにとっては相変わらず代えの効かない番組である。
「エキサイトマッチ総集編2108の感想&自分的に度肝を抜かれた試合ベスト3を発表。第1位は思い入れの強かったあの試合」
ランキングは妥当な結果。露出とネームバリューに実力が加われば、そりゃ上位にきますよってね。それより出演者の人口密度ww
では番組の感想を適当に。
ランキングについては、まあ納得かなと。
毎年発表されるランキングを観て思うのは、やはり「有名人は強いな」ということ。
アンソニー・ジョシュアやゴロフキン、カネロはエキサイトマッチがずっと推してきた選手だし、ウラジミール・クリチコはヘビー級のタイトルを10年以上守り続けた超人である。
「あの試合がない」「実はこの選手がすごい」という意見は多々あれど、実力とネームバリューを兼ねた選手がド派手な試合をすれば目立つのは必然。
何だかんだ言っても、露出したもん勝ちなのはその通りだよなという印象である。
そして表題の件。
出演者の人口密度すげえww
解説陣は右から浜田剛史、西岡利晃、飯田覚士、ジョー小泉。少し離れてゲストの村田諒太。
で、司会進行は髙柳謙一と吉年愛梨。
大して広くない空間におっさん6人と女性1人。
たまにスペシャルなどで目にする陣容ではあるが、何度見てもビッシリ感が半端ないww
肩幅の広いおっさんたちが隙間なくひしめき合い、口々に見解を述べる映像はなかなかのインパクトであるww
ジョー小泉と浜田剛史の年齢が上がってきたせいだとは思うが、いずれは西岡利晃と飯田覚士の2人に世代交代していく腹づもりなのか。
何とも言えないところだが、意外と注目している部分でもある。
「エキサイトマッチ総集編2019感想。どれも印象深かったけど、え? この試合が? ってのもあったかな」
印象に残った試合その1:三浦隆司vsミゲール・ローマン
現地時間1月27日に米・カリフォルニア州で行われたWBC世界S・フェザー級挑戦者決定戦。日本の三浦隆司が同級2位ミゲール・ローマンと対戦し、12RKO勝利を挙げた試合である。
2017年初旬の試合ではあるが、覚えている方も多いのではないか。
序盤からミゲール・ローマンの老獪さに翻弄された三浦が、7Rの猛攻によって流れを引き戻して勝利。プロモーターのオスカー・デラホーヤも、さっそく年間最高試合候補に推すほど劇的な試合だった。
この試合のハイライトは、何と言っても7Rと8Rのインターバル。
セコンドに「ここからはケンカだぞ」とハッパをかけられ、スイッチが入った三浦が一気にペースを取り戻したところではないだろうか。
常々申し上げているように、三浦隆司という選手は天才である。
防御も緩くスピードもない。左の1発に特化した直線的なスタイルで、左にさえ気をつければ攻略は容易いように思える。
だが、その左が当たる。
当たりそうもないのに当たる。
どんな状況、角度からでも無理やり左をねじ込み、試合をあっさりひっくり返す剛腕ぶり。
まさしく天才の所業としか言いようがないww
ただ、それゆえにムラッ気も強く、基本的にはスロースターター。
2015年のフランシス・バルガス戦や2017年7月のミゲール・ベルチェルト戦ではいずれも初回にダウンを喫しており、開始直後の速攻に対応できない場面も目立つ。
その不安定な天才三浦を完璧に操り、見事に勝利を手繰り寄せたセコンドの有能ぶり。
「ここからはケンカだぞ」
声をかけるタイミング、言葉のチョイス、トーン。
三浦の形相がみるみる変わり、劣勢を吹き飛ばして勝利するまでの流れはあまりに完璧だった。まさしくチームプレーの勝利と言えるのではないか。
ここ最近、微妙な判定や反則打まがいのローブローで決着がつくたびに「コンピューターによる判定、レフェリング」を望む声が噴出するが、個人的にはマジでいらないと思っている。
相手の表情やレフェリーの傾向を見て指示を出したり、この試合のようにセコンドの言葉で選手が覚醒したり。こういった人間臭さもボクシングの醍醐味で、すべてを機械に委ねるのはちょっと違うような気がする。
しかし、引退から半年足らずでこんなにパッツンパッツンになるとは。
内山高志・三浦隆司・金子大樹――Sフェザー級を大いに盛り上げ今年引退した元王者の「戦友座談会」は今日発売の1月号(https://t.co/A3JdBcfGv5)目玉企画です。今だから明かす秘話の数々。現役時代と異なる?ハイテンションも「戦友」なればこそ。大盛り上がり。必読! #内山高志 #三浦隆司 #金子大樹 pic.twitter.com/l9yMzBqYNY
— ボクシングビート (@beat_macc) 2017年12月15日
同時期に引退した内山や金子がキレッキレな分、めっちゃ目立つ。
印象に残った試合その2:サウル・アルバレスvsゲンナジー・ゴロフキン
現地時間2017年9月16日に米・ラスベガスで行われ、1-1(118-110、113-115、114-114)のドローとなった一戦。
はい。
個人的に、2017年でもっとも印象に残った試合がコレ。
WBA、WBC、IBF統一王者ゴロフキンにボクシング界のアイドル、サウル・“カネロ”・アルバレスが挑み、大激戦の末に決着つかず。
「ボクシング界の頂上決戦」と言われ、判定にも大いに物議を醸した一戦である。
「ゴロフキンvsカネロ・アルバレス感想。カネロは初めてゴロフキンの突進を真正面から受け止めて負けなかった選手」
感想記事でも申し上げたが、この試合のカネロは本当にすごかった。
帝王ゴロフキンのプレッシャーを真正面から受け止め、多彩なコンビネーションで対抗。メイウェザーを彷彿とさせるロープ際のディフェンスとカウンターで何度もピンチを切り抜け、有効なヒット数では完全に上回ってみせた。
しかも、これまで誰も正面に立つことすらできなかったゴロフキンとまともに対峙し、打ち負けなかった事実。
体格で劣る中、何年もかけてビルドアップしたフィジカルに加え、テクニック面の大幅な向上など。すべての要素を上積みしてミドル級最強王者と互角に渡り合った試合運びは、もはや感動的ですらあった。
118-110という不可解なジャッジ。
試合後の「自分の勝ちだ」「ゴロフキンは大したことなかった」といったコメント。
ゴロフキンの衰え待ちとも思われる引き延ばし。
その間、繰り返し行われたキャッチウェイトでのタイトルマッチ。
何かと批判を浴びることの多いカネロではあるが、実力、成長度合い、試合内容には文句のつけようがない。
両者ががっぷり四つでぶつかり、お互い一歩も引かずに12Rを戦い抜いたこの一戦は、問答無用で2017年最高試合である。
というより、毎度申し上げているように、僕はスポーツ選手の人間性にはまったく興味がない。
リングの外や試合後に何を言おうが構わないし、犯罪を犯さない限りプライベートでどれだけクズだろうがどうでもいい。
判定や試合後の態度など、しょーもないことでカネロに批判が集まったり、この試合にケチがつくのは残念で仕方ない。
「ジャッジの買収」や「ドーピング疑惑」などは言語道断である。
結局、スポーツ観戦なんて趣味の一つだからね。私生活に影響を及ぼすほどではないかな
まあこの辺は、僕がスポーツ観戦において、選手個人やチームに対する思い入れが少ないのもあるのかもしれない。
応援しているチームや選手はいるが、基本的には趣味の範疇。私生活に影響を及ぼすほどのものではない。
体重超過した選手に本気でキレることもないし、応援するチームが負けた次の朝は目覚めが悪いなどもまずあり得ない。
サッカーの応援しているだけのくせに、なんかやった気になってるのムカつく。他人に自分の人生乗っけてんじゃねえよ。
— 上西(うえにし)小百合 (@uenishi_sayuri) 2017年7月16日
別にムカつきゃしないし無意味に煽る気もないのだが、言いたいことはわからんでもない。僕にとってのスポーツ観戦は完全に趣味の一つで、“たかが趣味”に人生を持っていかれるようなことはないかなと。
恐らくだが、本人としては気持ちが強すぎるあまり一線を越えてしまう人間に対しての言葉だったとは思う。
「現地観戦しないヤツは本物のファン()ではない」と罵ったり、自分の観戦スタイルと合わない人間の顔をSNSなどに晒したり。
ミスした選手を必要以上に叩いたり、選手のSNSに直接罵声を浴びせたり。
スポーツ観戦において、手の届かない場所から罵声を浴びせる非常識な輩は少なからず存在する。そして、そういう人間に対してなら、僕も似たような感情を抱いていることも確かである。
てか、リリーフに失敗した日の巨人澤村のTwitterとか、マジで地獄だからね。
マウンドで炎上して、SNSで炎上して。さすがの僕もドン引きするくらいの醜悪さですわww
それこそ上西氏のおっしゃる「なんかやった気になってんじゃねえよ」というヤツ。
印象に残った試合番外編:ワシル・ロマチェンコvsギジェルモ・リゴンドー
現地時間2017年12月19日に米・ニューヨークで行われた一戦。WBO世界S・フェザー級王者ワシル・ロマチェンコに、WBA世界S・バンタム級王者ギジェルモ・リゴンドーが階級を上げて挑んだ試合である。
五輪連覇を果たした両雄の一騎打ちとして注目されたこの試合。
だが、結果はまさかの6R終了TKO。
ロマチェンコが終始リゴンドーを圧倒してノーマスに追い込み、究極のテクニシャン対決と言われた一戦を圧勝で終わらせてしまった。
この試合、エキサイトマッチ内でのランキングは13位だったのだが、個人的な趣味でピックアップした次第である。
と言っても、試合については感想記事で申し上げた通り。両者の相性が絶望的に悪かった結果だと思っている。
「ロマチェンコ圧勝。リゴンドーにもノーマス。相性が悪過ぎた結果だぞ? もともとリゴに勝機はほとんどなかったからな?」
最高峰の技術を持つ両雄ではあるが、待ちのリゴンドーに対し、ロマチェンコは攻めのスタイル。
カウンターで危険地帯に入らせないスタイルのリゴンドーが、同等のスピードで追いかけてくるロマチェンコから逃げ切れる可能性は低い。
体格的なアドバンテージ以上に、リゴンドーにとっては勝ち目の薄い試合だったのではないか。
まあ、試合の感想はこんな感じなのだが、それよりギブアップしたリゴンドーへの風当たりの強さは、僕にとってはちょっとした驚きだった。
ここ4戦をすべてノーマス勝利でクリアしているロマチェンコ。
だが、ニコラス・ウォータース、ジェイソン・ソーサ、ミゲル・マリアガ戦に比べて、リゴンドーのギブアップがそこまで特別だったとは思わない。
あの局面からリゴンドーが逆転するのは不可能に近く、ペースアップしたロマチェンコにタコ殴りにされる未来しか見えない状況。
むしろ無駄なダメージを回避しつつ、プライドを守るためにも「拳を痛めた」と言って棄権したのは賢明な判断に思えたのだが。
まだ十分余力を残していたことがダメだったのか、やれることをやり尽していないと思われたのか。
それなら2016年のウォータースにも余力はあったし、本当によくわからない。なぜかゲストの村田諒太も憤ってたしね。
もしかしたら、SNSなどで喚き散らしたことも影響したのだろうか。
「ロマチェンコの倒し方を知っている」とか、散々挑発した結果がコレかよ。威勢のいいことを山ほどほざいてたじゃねえかww みたいな。
このギブアップによって、リゴンドーのキャリアは終了したかな。ホントに日本に来ればええんちゃう?
ただ、このギ ブアップによって、リゴンドーのキャリアがほぼ終了したことは間違いない。
試合がつまらない。
でも強い。
しかもファイトマネーが高い。
結果的に相手が見つからない。
多くの方がおっしゃっていたように、この「でも強い」というのがリゴンドーの唯一のステータス、存在価値だったことは想像に難くない。
ところが今回の敗戦でその価値も薄れ、ギブアップによる印象は最悪。実質、メインストリームに戻るチャンスは完全に断たれてしまった。
しかも、年齢も37歳。
コンディションを維持できる時間がどれだけ残されているか。ビッグマッチへの望みが薄い中、どこまでモチベーションを保てるか。
残念ながら、いろいろなものが終焉に近づいている感は強い。
マジな話、あとは日本に来て思い出マッチを敢行するくらいしか残っていないのではないか。
それこそ相手はドネアでもガンボアでもいい。終わっちまった人気者同士で最後の晩餐でもすれば、多少は注目が集まるかもしれない。
「挑発大好きサンダース君がレミューをヒラヒラかわして大差判定勝利。試合後にゴロフキン戦を希望。予想以上にいい選手」
まあ、僕はどうでもいいんですけどね。
もともと好きじゃないし。
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!
-
前の記事
川崎ブレイブサンダースの親会社になるDeNAってすげえ優良企業だって知ってた? 野球の次はバスケだって 2017.12.26
-
次の記事
中日が松坂大輔さんを獲得しなくてはならない理由。日本球界の功労者に対する敬意が足らんよ敬意が 2017.12.29