遠藤勝則vs鯉渕健、三瓶数馬vs宮本知彰戦感想。無骨な一点突破の遠藤選手と覚醒? した三瓶選手の右リード【2021.6.11 A-signBee 28】

遠藤勝則vs鯉渕健、三瓶数馬vs宮本知彰戦感想。無骨な一点突破の遠藤選手と覚醒? した三瓶選手の右リード【2021.6.11 A-signBee 28】

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先日申し上げたように2021年6月11日に東京・後楽園ホールで開催されたボクシング興行「A-signBee 28」を現地観戦してきました。
 
お目当ては第3試合の遠藤勝則vs鯉渕健戦、第4試合の宮崎辰也vs重田裕紀戦だったのですが、宮崎辰也vs重田裕紀戦については下記の記事で感想を言い尽くしております。
 
宮崎辰也vs重田裕紀戦感想。宮崎選手惜しかった!! 剛腕ぶん回しでチャンスを演出するもTKO負け
 
で、今回はもう一つのお目当の試合、第3試合の遠藤勝則vs鯉渕健戦について。
さらに印象に残った試合として、メインイベントの三瓶数馬vs宮本知彰戦の感想も言っていきたいと思います。
 
 
というわけで、前置きが長くなってもアレなのでさっそくスタートします。
 
チャベスJr.がアンデウソン・シウバに判定負け。今回は仕方ない。条件が不利過ぎたし、さすがにチャベスが不憫だったよな()
 

△遠藤勝則vs鯉渕健△(判定0-1 ※75-77、76-76、76-76)


 
まずはこの試合。
僕が今回現地観戦しようと思ったのも遠藤勝則選手の出場が決まっていたからで、第4試合の宮崎選手とともに楽しみにしていた一戦です。
 
遠藤選手の試合は2020年10月の遠藤勝則vs荒谷龍人戦をYouTubeで観たのが初めて。
 
結果は4RTKOで遠藤選手が勝利したのですが、その際のKOパンチが……。
あまりの凄まじい1発に言葉を失い、一気に遠藤選手のファンになってしまいましたw
 
マジな話、僕の中では1989年のジュリアン・ジャクソンvsテリー・ノリス戦に匹敵するほどの豪快KOと言っても過言ではない。これはいつか現地観戦しなくては!! と思った次第です。
 
遠藤勝則vs荒谷龍人戦のKOが凄すぎてジュリアン・ジャクソンvsテリー・ノリスを思い出した。ボクシング観戦熱も復活
 
で、今回ようやく実現したわけでございます。
 
 
試合の流れとしては、まさに一進一退の大接戦でした。
 
頭を下げて前に出る遠藤選手の突進を長身の鯉淵選手が覆いかぶさるように受け止め、上からの打ち下ろしをテンプル付近に放っていく。
やや後頭部に近いかな? というパンチながらも、これによって遠藤選手が何度かバランスを崩す。
 
ですが、遠藤選手もしっかりと腰を落として前進を続け、ボディを中心に懐での勝負を挑んでいきます。
 
1、2Rは長身を活かした打ち下ろしが機能した鯉淵選手ですが、遠藤選手の執拗なボディ攻撃で徐々に身体が丸まっていきます。
その結果、3R以降はお互いが頭をくっつけてのインファイトに移行します。


 
ほぼ互角の展開で迎えた7R。
 
開始直後から距離を取り、足を使う作戦に切り替える鯉淵選手。
遠藤選手のインファイトに根負けしたか、ペースを変えるためなのかは不明ですが、どちらにしろ鯉淵選手を遠藤選手が追いかける流れに。
 
遠藤選手は鯉淵選手の左リードを何発も被弾するものの、足を止めることなく追い続けます。
で、要所で鯉淵選手を捕まえ、近場での連打を浴びせる流れを無理やり押し付けていく。


 
ジリジリとした展開のまま、両者ともに決め手なく試合終了。0-1の判定ドローという結果となりました。

 

遠藤選手の試合に魅力しかない件。相手が誰だろうが関係ない一点突破のインファイトはたまらんっすねw

しかし前回も思いましたが、遠藤選手の試合は本当に息が詰まります(褒めてる)
 
どんな相手だろうと関係なくやることは常に同じ。
 
腰を落としてべた足でズンズン前進し、左リードを見せながら距離を詰める。
自分の間合いに入ったところでボディへの連打を浴びせて相手を怯ませ、オーバーハンドの右をフルスイング。
前回はこの右が4Rにドンピシャで当たったわけですが、とにかく一点突破のインファイターっぷりがたまりませんw
 
この試合でも途中からアウトボクシングに切り替えた鯉淵選手に対し、遠藤選手はまったくブレずに8Rインファイトを貫きました。
 
 
恐らく遠藤選手はファイトスタイル的に得手不得手がはっきりしているタイプ。相手によっては翻弄されるケースもあるのかもしれません。
 
ですが、自分にできること(のみ)をやり通す徹底した試合運びは文句なしに目を奪われます。
 
てか、腕の太さ、肩周りのゴツさはもちろん、太い首にイカつい顎など。見るからに打たれ強そうな身体つきですよね(ついでに角海老Tシャツってカッコいいよねw)。


 
ゴリゴリの見た目に加えてスタイリッシュさのかけらもない(褒めてる)ファイト。
改めて山ほど魅力が詰まった選手だなと思わされました。
 
 
なお、この遠藤選手と第4試合の宮崎辰也選手に集中しすぎたおかげで第5試合の記憶がほとんどないという笑
ノーランカーの選手がアップセットを起こした壮絶なKO劇だったようですが、ガチで記憶に残っておりません。
 
つまり、彼らは大至急僕に謝罪しなければならないのです(違
 
渡邉卓也vs三瓶数馬、高山涼深vs千葉開、鈴木雅弘vs利川聖隆振り返り。PPV3000円はアリだと思ったよね
 

○三瓶数馬vs宮本知彰×(6R1分30秒TKO)


 
そしてメインの三瓶数馬vs宮本知彰戦について。
 
序盤から右リードを出しながら前に出る三瓶選手に対し、宮本選手はリングを旋回して距離を取ります。
時おり鋭い踏み込みからスピーディなコンビネーションを浴びせる宮本選手ですが、どちらかと言えば三瓶選手の前進を受け止める展開が続きます。
 
1、2Rこそ互角に近い流れでしたが、2R残り45秒あたりで三瓶選手の左ボディが突き刺さってから宮本選手が失速。
宮本選手も流れを変えるべく3R開始直後に猛ラッシュで勝負をかけましたが、三瓶選手のジャブとボディで勢いを止められてしまいます。

 
それ以降、ボディが効いた宮本選手がやや前屈みになり、顔が前に出たことによって三瓶選手のジャブがさらに当たりやすくなる。
再三顔面を揺らされ、距離が詰まればボディへのコンビネーションが飛んでくる苦しい流れを強いられます。


 
何とかカウンターで抵抗する宮本選手ですが、

 
上と下、両方を効かされた状態からの逆転は難しい。

 
4、5Rとほぼ一方的に打たれ続け、6R中盤についにレフェリーが試合をストップしました。

 

負けをきっかけに覚醒した三瓶選手。今後も注目していきたいと思ったよ

申し上げたように結果は6R1分30秒TKOで三瓶数馬選手の勝利となりましたが、いや、ちょっとすごい試合でしたね。
 
第3試合の遠藤勝則vs鯉渕健戦、第4試合の宮崎辰也vs重田裕紀戦とは打って変わってシャープな試合展開。何よりも三瓶選手のパフォーマンスが素晴らしかったのではないでしょうか。
 
 
三瓶数馬選手に関しては、2020年2月の吉野修一郎vs富岡樹戦(比嘉大吾の復帰戦も組まれていた)のアンダーカードに出場していたのを現地観戦しているのですが、正直そのときはあまりピンとこず。
 
吉野修一郎vs富岡樹at「ダイヤモンドグローブ」最高過ぎワロタw 比嘉大吾の復帰戦もあったよ
 
印象に残るほどの試合ではなかったのですが、今回はまったく違いました。
 
右リードの的確さ、サイドに動いてアングルを調整するフットワーク、前に出る馬力、コンビネーションの貫通力その他。
間違いなくハイレベルなパフォーマンスだったと言っていい気がします。
 
 
下記の記事によると、前回の負けからディフェンスを中心に意識を変えたとのこと。


なるほど。
一つの負けをきっかけに成長したというか、一気に覚醒したわけですね。
 
この選手が今後どうなるのかはわかりませんが、今回はマジでナイスファイト。素晴らしい試合だったと同時にこれからも注目していきたいと思っております。
 
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