ノニト・ドネアvs堤聖也現地観戦。すげえわドネア。4Rの右で血管がちぎれるくらいブチ上がった。手元に残ったネタで諦めずに最後まで勝利を目指す姿に胸を打たれたよ【結果・感想】

ノニト・ドネアvs堤聖也現地観戦。すげえわドネア。4Rの右で血管がちぎれるくらいブチ上がった。手元に残ったネタで諦めずに最後まで勝利を目指す姿に胸を打たれたよ【結果・感想】

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2025年12月17日に東京・両国国技館で開催された「U-NEXT BOXING.4」を現地観戦してきた。
お目当てはメインイベントのWBA世界バンタム級王座統一戦、レギュラー王者堤聖也vs暫定王者ノニト・ドネア戦である。
 
結果は2-1(115-113、117-111、112-116)の判定で堤が勝利。団体内王座統一に成功している。


今年6月の復帰戦で勝利し暫定王座に就いたノニト・ドネアがレギュラー王者堤聖也に挑んだこの試合。
 
僕はドネアの大ファンなのでドネアを応援するために足を運んだわけだが、今回はその感想を。
試合前から複雑だった(僕の)心境を含めてあれこれ言っていく。
 

ドネア応援だけど、同じくらい事故が起きないかが心配だった

上述の通りノニト・ドネアvs堤聖也戦を目当てに両国国技館に行ってきたわけだが、今回は(僕の)感情の振れ幅が尋常じゃなかった。
 
ドネアにはがんばってほしいが同じくらい事故が心配でもある。
大ベテランのドネア、国内で立て続けに起きたリング禍。勝ち負けは大事だが健康を害する事態だけは起きないでほしい。
 
しかも両者のスタイル的に“それ”が考えられるのが……。
おかげでいつもとは違う方向でドキドキしていた。


 
井上尚弥vsアラン・ピカソ、中谷潤人vsセバスチャン・エルナンデス、寺地拳四朗vsウィリバルド・ガルシア。全然刺さらないナイト・オブ・ザ・サムライの出場選手を眺めてみたぞ
 

「ドネアが老けた」説は心配してないよ。前回の試合でちゃんと“ファイターの顔”に戻ってた

試合前に「ドネアが老け込んだ」「これはマズいのではないか」と言われていたが、ここに関しては特に心配していない。
 
年齢が上がってから急激に体重を落とすと見た目が老け込むケースは割と多い。
最近で言えば佐藤浩市や元巨人の元木大介など。
瘦せた分小じわが目立って老けて見える。何かの病気なのでは? と周囲を不安にさせるほどに。
 
今回のドネアも要するにこのパターン。減量なので健康もクソもないのだが、とりあえずコンディション云々の話ではないという確信があった。
 
 
またブランクに対する懸念も(僕の中では)前回で払しょくされている。
 
今年5月の井上尚弥vsラモン・カルデナス戦の中継に出演していたドネアの顔つきは完全に“一線を退いた人”のそれ。


ふっくらした顔に穏やかな目つき。
この風貌を見て(ゲンナジー・ゴロフキン戦後に引退を表明した)村田諒太を思い出したことをお伝えする。
 
アカン、この人復帰する気あれへんやんけ。
“引退”の2文字を使っていないだけで復帰する可能性は極めて低いのだろうと。
 
ところが、そこから1か月半後にサクッと復帰するという。
5月の時点で情報が出ていたかは不明だが、リング上ではちゃんと“ファイターの顔”に戻っていた。
 
ノニト・ドネアvsアンドレス・カンポス。ドネアはぼちぼち動けてたけど、生命線のカウンターが遅すぎて…。アントニオ・バルガスが比嘉大吾に勝てば王座返り咲きの可能性も生まれる?
 
そういった諸々を踏まえた上で。
今のドネアが堤聖也相手にどこまでやれるのか。
私生活に支障をきたすような事故だけは起きないでくれと願いつつ当日を迎えた次第である。
 

よく仕上げてきたドネア。代名詞の左フックも健在。年間5万回ぶっ飛ばされるモンティエル

前置きが長くなったが、試合の感想を。
まず今回のドネアはめちゃくちゃ仕上げてきた(と思う)。
 
前回のアンドレス・カンポス戦もそれなりに動けていたが中盤からガクッと失速した。得意の左フックもスピードが足りず「これは世界戦どころではないぞ」と思った記憶がある。
 
それに比べれば今回は雲泥の差。
開始直後のジャブを観て「おお、速ええ!!」となり、軽快なステップでコンディションのよさを確信した。
 
そしてドネアの代名詞でもある左フック。
やはりドネアはドネアだなと思わせるスイングである。
PVに出てきたモンティエル戦に比べれば落ちているものの、空振りだけでどよめきが起きる、場内がピリッとするあの感じはなかなか味わえるものではない。
 
てか、ドネアvsモンティエル戦ってどれだけ擦られるんですかね笑
あの人、今でも年間5万回はぶっ倒されてるでしょ。
 
全盛期のドネアやっばww ノニト・ドネアvsフェルナンド・モンティエル感想。これは井上尚弥にも勝てるかも? 歴代PFPではないと思うけど
 

アウトボクシングの堤聖也。ドネアはそこには付き合わずに4Rに右をドカン

対する堤聖也はアウトボクシング中心の立ち回り。
序盤は深追いせずに得意の連打も封印、単発重視でポイント奪取を狙う。
 
年齢がいくとどうしても横の動きについていけなくなる。
しかも相手はスタミナに不安があるドネア。
それを見越した上で序盤は足を使って疲れさせる作戦だったと想像する。
 
ところがドネアが思ったよりも追いかけてこない。
僕は会場で観ていてドネアが置いてきぼりにされているのか、あえて待ち構えているのかの判別がつかなかった。
 
だがスコアカードを確認すると序盤はドネアにポイントが入っている。また試合後の堤のボコボコの顔を見ると後者が正解に思えてくる。


ちなみに僕の周りでは堤がアウトボクシングで翻弄している空気が流れていた。
 
で、その空気の中での4R終了間際の右フックである。
「うおーーーー!!!」
「ドネアキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
「そうだよバカ野郎!!」
「これがドネアだバカ野郎!!」
「ポイントなんかいくらでもくれてやれ」
「1発で全部ひっくり返せるんだから」
周りが堤を応援する中、1人だけ爆上がりしていたことをお伝えする。
 
脳内で!!!笑
 
堤聖也が井上拓真に勝利!! 「足を入れ替えるだけがスイッチじゃない」みたいなファイト。あの位置、タイミングで飛んでくるの? ってパンチが山ほどあった
 

詰めの甘さ、スタミナの不安からくるブレーキ。これは仕方ないんだろうな

ただ、やはりドネアの詰めの甘さが……。
 
5R開始直後、堤の足取りが明らかにおかしい。
先ほどのダメージがはっきりと残っていて、ドネアにとっては大チャンスである。
 
と同時に思い出したのが2019年11月のドネアvs井上尚弥Vol.1。
あの試合でもドネアがビッグパンチで効かせる→次のラウンドに詰めきれずに井上に回復を許すシーンがあった。
 
もともとドネアは連打型ではなく1発で刈り取るタイプ。
これはフィリピン出身の選手に多いのだが、1発の当て勘、効かせる能力は高いがそこから畳み掛けるのが得意ではない。
ジョン・リエル・カシメロやマーロン・タパレスもそう。
グダグダと粘られているうちに回復され、最終的に際どい判定までもつれてしまう。
 
亀田京之介vsカシメロ。これは結構すごいんでないか? 最初は乗れなかったけど勝機がありそうだったのもこの試合。格上を喰うためにやれることをやる。来年の京之介vs渡邊海が楽しみになったぞ
 
しかも43歳のドネアはスタミナに不安を抱えている。
フルスロットルで攻めて仕留めきれなかった場合、そこから先が悲惨なことになりかねない。
 
自然とブレーキをかけてしまうのは仕方ないのだろうと。
 

回復した堤、動きが落ちたドネア。それでも最後までカウンターを狙い続け…

そして案の定、5R後半から6Rにかけて堤が回復する。
逆にドネアはガクッと動きが落ち、試合の流れは徐々に堤に傾く。
 
結果論だが、ドネアにとって5Rが最初で最後のチャンスだったかもしれない。
 
それでも最後までカウンターを狙い続けたのはさすがである。
最小限の動きでパンチを捌き、なるべくダメージを溜めないように。
堤に先に打ってこさせる→ジャブを駆使して前進をストップ、ひたすら大砲をぶち当てるチャンスを待つ。
堤がペースアップを図るたびに前手の1発で勢いを寸断する。
 
堤は恐らく自分より小柄な選手が苦手。
比嘉大吾の下からくる軌道のフックがまさにそれである。
 
一方、(バンタム級では大柄な)ドネアのフックは比嘉とは少し違う。
その誤差? をどう埋めるのかに注目していたのだが……。
 
ノニト・ドネアがんばれ。堤聖也は強敵&相性もよくなさそうだけど何とか勝ってくれ。もしドネアが勝ったら血管がちぎれるくらい叫ぶことを宣言します笑
 
アッパー? スマッシュ? みたいなショートのパンチで代用するという。
後ろ重心で堤の顔面を揺らすショート、アレはちょっとすごかった。
得意の左フックの応用だとは思うが、膨大な経験値と研究の成果だと想像する。
 

残されたネタを総動員して最後まで勝利を目指す姿に胸を打たれたよ

エネルギー残量はあとわずか。
真正面から打ち合う回転力も残っていない。
もともと機動力では太刀打ちできない。
 
ドネアに残されたのは打たれ強さと強烈な1発のみ。
その中でできることをやり続け、最後の最後まで諦めずに勝利を目指す姿は胸を打つものがあった。


なお、試合後のコメントを聞くとドネアはまだ続けそうな雰囲気である。
僕はボロボロになっても現役にしがみつく選手が好きだが、さすがにドネアに対しては「絶対辞めるな」とは言いにくい……。
 


 

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堤の配分はうまかったよね。ラウンド序盤は足を使う、ドネアが疲れてきたところでペースアップ

あとはアレだ。
後半の堤はうまかったですよね。
 
ドネアが元気なラウンド前半は足を使って正面を外す。
中盤から後半、ドネアが落ちてくるタイミングでペースアップしてラッシュをかける。
 
ドネアの詰めの甘さ、スタミナ面の不安を突いた作戦。
1発で意識を飛ばされなければラウンド終了まで粘ることは可能、つまり効かされるならラウンド後半、それまでは極力足を使って誤魔化す。
疲労で動きが落ちたドネアなら打ち合いでポイントを奪取できるという計算もあったと想像する。
 
しんどい時間帯での我慢比べの中、残りゲージと相談しながらの冷静な立ち回り。
この辺は陣営との連携も抜群だった気がする(知らんけど)。
 
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