コットvs“カネロ”・アルバレス予想!! ミドル級究極対決。2015年最後のビッグマッチを制するのはどっちだ?
2015年11月21日にアメリカ・ラスベガスでWBCミドル級タイトルマッチが行われる。戦うはチャンピオンのミゲール・コットvs挑戦者サウル・“カネロ”・アルバレス。
「“カネロ”・アルバレス、コットに大差判定勝ち!! 最高峰の技術戦に完勝し、王座獲得!!」
今年、文句なしに注目のミドル級最強を決めるビッグマッチ。お互いが口を揃えて「歴史に残る試合」とコメントするように、人気、実力とも折り紙付きの二人の対戦とあってボクシングファン待望のカードと言える。
なお試合は155ポンドのキャッチウェイト(S・ウェルター級とミドル級の中間)で行われる。
「三浦vsバルガス壮絶決着!! 最強挑戦者フランシスコ・バルガスに三浦隆司がTKOで敗れて王座陥落!!」
この試合はたまらない。本当に楽しみである。
「山中がモレノに判定勝ち!! 僅差判定で辛くもモレノに勝利」
中量級の新旧スター対決。アルバレスはメイウェザー引退後のボクシング界の主役になれるかどうかの試合。コットは自分の力が依然トップ中のトップであることを証明する試合。
どちらも負けられない意地と意地のぶつかり合いになること請け合いである。
「ゴロフキンvsレミュー予想!! ミドル級注目の強打者対決、その行方は?」
一部ではミドル級のタイトルマッチと銘打たれているのにキャッチウェイトでの試合になるのが白けるという意見もある。
ただ僕自身、この辺の細かいことにはあまり頓着しない人間なので、純粋に楽しみだとしか思わない。
「三浦隆司vsフランシスコ・バルガス in ラスベガス予想!! コットとアルバレスのセミファイナルで自慢の強打を存分にアピールできるか?」
そもそもボクシングの曖昧さを突き詰めていくと、前日計量というのも微妙な気がしてくる。試合当日、計量のときとは別人のような大きな身体でリングに上がる選手は山ほどいる。キャッチウェイトがダメだと言う人にとって、果たしてあれはOKなのか。
次の日の体重増加はよくてキャッチウェイトは許せない。それはどうなの? と思うし、細かいことにいちいち突っ込んでいたらボクシング自体を楽しめなくなってしまう。だったら最初から気にせず観戦すればいいと個人的には思っている。
「ゴロフキンが豪打のレミューに勝利!! 8ラウンドでデビッド・レミューをストップ」
とにかく2015年11月21日。ミゲール・コットvsサウル・“カネロ”・アルバレス。楽しみ過ぎる試合だ。
勝敗予想は僅差判定でアルバレス。ただ、技術戦になればコットが有利か?
勝敗予想は僅差判定でアルバレスの勝ち。これでいきたいと思う。
例えばだが、マヨルガvsコット戦のようにお互いがリング中央でコンビネーションの打ち合い勝負を始める展開になれば、有利なのは断然コットだ。ある程度体格差は関係なくなるし、ジャブを出さずに打ち合うのであればパンチの精度はコットに分がある。
あの試合は個人的な感情が入っていた試合だし、マヨルガが入れこみ過ぎな部分もあったので何とも言えないのだが。
「キース・サーマンvsショーン・ポーター予想!! ハイスピードバトルを生き残るのはどちらだ?」
アルバレスがコンビネーション勝負を仕掛けてきたとしたら、コットにとっては待ってましたの展開だ。緊張感のある高度な駆け引きが展開されるだろうが、コットの的確なパンチがよりアルバレスを捉えて、最終的には大差判定でコットが勝利するのではないだろうか。
ここ数試合、さすがに足の運びにやや衰えが見られるコットだが、アルバレスがジャブの少ないスタイルでくるのであれば、あまり気にする必要もなさそうである。
「バルテレミーは強いし上手いぞ!! 内山も三浦も助かったな」
コットにとっては、アルバレスに細かいジャブを出しながら前進してこられる方がよっぽど嫌である。あのアルバレスのジャブは、ガードを間からヒットしてコットの顔面を跳ね上げるように思えるのだ。
そうなれば、アルバレスが終止ジャブをヒットさせ続けて優位に試合を進めるのではないだろうか。逆にコットのジャブは序盤はアルバレスによくヒットするものの、早い段階で軌道を覚えられてガードされると見ている。
「ジャーマル・チャーロvsトラウト予想!! IBF王者が曲者トラウトを迎え撃つ」
コットがアルバレスを後退させられるか。アルバレスがコットの前進を止めるか
コットとしては、とにかく身体を寄せてコンビネーションを打っていきたい。左ボディから左フック、右につなげるスムーズなコンビネーションでアルバレスの出足を止めたいところである。
対するアルバレスは左ジャブの連打でコットを削りながら、ガードの外側から角度を変えてフックを打ち込む展開に持ち込みたい。そしてコットを下がらせた状態から自慢の爆発力を発揮してのコンビネーション。これにつなげられれば最高だ。
できることならモズリーがやったように、左フックを出した後に右にステップしてオーバーハンドの右。これでコットのこめかみに打ち下ろしたいところだが、さすがにそれだけができるだけの足さばきはアルバレスにはない。
逆にコットがアルバレスに対抗するには、ボディやフックのコンビネーションを出しながら近づき、至近距離でのアッパーや頭をつけてのフックにつなげることができるかにかかっている。
だが、果たしてアルバレスがそれを許してくれるかどうか。コットはメイウェザーのようなピンポイントで刺す動きができるわけではない。アルバレスの前進を受け止めて、さらに前に出るのは厳しいように思える。
ただアルバレスはスピーディなコンビネーションに対して、ガードを上げたまままっすぐ下がる癖がある。特に顔面を打たれることに関して極端に嫌がるようなそぶりを見せる。
コットが立て続けにフックやストレートを顔面にヒットさせることができれば、アルバレスは手を出せずに後退するのではないだろうか。コットにとっては千載一遇のチャンスが生まれる可能性がある。一気にコーナーまで追いつめて至近距離で得意のコンビネーションで釘付けにする。この展開に持ち込めれば、優位な試合展開になるだろう。
後はコットがアルバレスをロープに追い込む場面をどれだけ増やせるか。身体の大きなアルバレスに対していかに体力負けせずに前に出られるか。アルバレスのジャブが窮屈になる位置までいかに素早く近づけるか。相当厳しい試合になるだろうが、持ち前の粘り強さで何とか勝利に結びつけてもらいたい。
アルバレスとしては、ジャブを出し続けて中間距離にコットを釘付けにしておきたい。とにかく自分の腕を目一杯振り回せる位置で試合を進めるのだ。そしてコットよりもやや長い射程距離を活かしてコンビネーションを浴びせるのである。
ジャブを常に出し続けてコットと距離をとる。徐々にコットの体力を削ったところでボディから左、そして右のフックをコットのガードの外側からヒットさせる。コットがひるんだところで右ストレート。こういう流れが作れればアルバレスの優位は動かない。
恐らくアルバレスはコットのパンチを受けても致命的なダメージを負うことはないだろう。だが、多少もらっても平気だと思ってロープ際で受け続けていると、いつの間にかごっそりポイントを持っていかれるという事態も十分考えられる。粘り強いコットの攻めを面倒くさがらず、その都度丁寧に対応するべきである。
手に汗握る接戦の末に、最後は体格差でアルバレスの勝利と予想
体格で劣るコットはいかにアルバレスをイライラさせることができるか。勝利を掴むにはそこが本当に重要になる。
素早く近づき、スペースを潰す。そしてしつこくコンビネーションを出し続ける。連打の中に必ず一発ボディを入れる。ボディを打ち続けることで、後半に必ずフェイントからの右フックが当たる場面がくる。その一発を顎の先端にヒットさせれば、もしかしたらアルバレスをぐらつかせることができるかも知れない。
パンチのスピードや正確さではややコットが上をいっている。逆に射程距離や体格では断然アルバレスだ。コットは近づいて連打、近づいて連打。終止これを徹底したい。
繰り返しになるが、コットは至近距離でコンビネーションをコツコツ当てる作戦に出ると予想している。これに対してアルバレスはジャブの連打でコットを止めつつ、スペースができたところでガードの外側からの右でこめかみを狙いたい。このパンチがいいタイミングで当たれば、ダウンを奪うことも可能だと思うのだ。
打ち合いの好きなアルバレスではあるが、実はコンビネーションの得意なテクニシャンでもある。
だが、テクニックという部分では残念ながらコットの方が上だ。間違いなくコットのパンチを被弾する場面はあるだろう。それでも、最後は体格の有利を活かして押し切るのではないか。
10〜12Rはお互い力を振り絞っての打ち合いが展開される。そして局面局面でアルバレスが体格のアドバンテージを活かして打ち勝つ。コットもギリギリで持ち堪えるが、どちらに振り分けるかと言えばアルバレスのラウンド。結果的に最後の3Rをとったアルバレスが僅差で判定をもぎ取る。そんな結果が待っている気がするのだ。
実力伯仲の両者。勝敗を分けるのは体力差。
そんな試合になると思うのだが、どうだろうか。
人気者のサウル・“カネロ”・アルバレスと名勝負製造機のミゲール・コット。間違いなく素晴らしい試合になる。緊張感漂う高度な技術戦は、2015年の最高試合になる可能性もあるのではないだろうか(激しい打ち合いになるとは思えないが)。
僕の中での最高試合、レミューvsハッサン・ナダム・ムジカム戦を超える可能性も秘めている。
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