カネロ・アルバレスとカーンがまさかのミドル級タイトルマッチ!? 斜め上のマッチメークに業界騒然!! キャッチウェイトで雌雄を決する

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東京の夕日イメージ
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カネロvsカーン戦電撃発表!!

2016年5月7日(日本時間8日)にWBC世界ミドル級王者サウル・“カネロ”・アルバレスvsアミール・カーンのタイトルマッチが発表された。

「カーン仰向けにバッタリ。“カネロ”・アルバレスが壮絶カウンター一発でカーンを失神KO!!」

この試合は4月にオープン予定のネバダ州ラスベガスにあるTモバイル・アリーナで行われることが有力で、155ポンド(約70.3kg)のキャッチウェイトで行われる。

まさかの対戦発表にビックリである。
ここにきてカネロvsカーン?
しかもミドル級?

驚いたというより、笑ってしまった。
ミドルで一度もやったことのないカーンがテストマッチもなしでいきなりカネロと?
ランキングにも入っていないのに?
どちらが言いだしっぺなのか知らないが、この辺のアバウトさがいかにもボクシング界らしくていい。人気と実力があればある程度やりたい放題が許されるという理不尽大王っぷり。弱い選手をボコってランキングを上げるやり方すらもかわいく見えてくる。

「俺がいなきゃ商売成り立たないんだろ? だったら言うとおりにしろよ」
いや、確かにその通りっすww

「最強ゴロフキンが無敗のドミニク・ウェイドを迎え撃つ!! 世界ミドル級王座統一戦予想!!」

カーンはアレだ。待望のビッグマッチが決まってよかったな

人気選手の傍若無人に唖然とした今回のマッチメークではあるが、いい悪いはともかく僕が思ったのは「カーンよかったな」。これである。

「キース・サーマンvsショーン・ポーター予想!! ハイスピードバトルを生き残るのはどちらだ?」

最後の最後までメイウェザーにシカトされ、パッキャオにはまったく相手にされず。ケル・ブルックやティモシー・ブラッドリーにはそもそも勝てっこない。ダニー・ガルシアとの再戦もこの局面ではあまり意味があるとは思えず。キース・サーマンとショーン・ポーターの対決が決まる中、宙ぶらりん状態だったカーンにようやく舞い込んだビッグネームとの対戦である。

「アミール・カーンはメイウェザーの相手にふさわしいのか?」

あれだけ節操なくビッグマッチを望みながら振られ続けるカーンの姿は滑稽であり微笑ましくもあった。

その残念な子代表のカーンがついにたどり着いたアルバレス戦である。
ここは大いに祝福し、盛り上げるべきだろう。

相手にしてもらえてよかったなカーン。
がんばれカーン。

「パッキャオvsブラッドリー第3戦目予想!! フィリピンの英雄のラストマッチの行方は?」

勝敗予想はアルバレスの判定勝ち。接近戦でカーンのよさを封じるのではないか?

ついにビッグマッチにたどり着いたカーンだが、正直に言って情勢は厳しい
相手はあのアルバレス。しかも未体験ゾーンのミドル級(キャッチウェイト)である。どうにかがんばってもらいたいが、勝つのは相当難しいだろう。

カーンの弱点ははっきりしている。接近戦だ
クリス・アルジェリが実行したように、距離を潰して得意の高速コンビネーションを封じられると一気に手詰まりになるのである。

「サンタクルスがキコ・マルティネスにKO勝利!! 試合後にフランプトン、ラッセルとのビッグマッチを希望!!」

スピードスターとして名をはせるアミール・カーンだが、スタイル自体は非常にわかりやすい。
大きく飛び込んでからの連打。ハンドスピードを活かしてコンビネーションを打ちこみ、パッと離れる。基本的にはこれだけだ。
トレーナーをフレディ・ローチからバージル・ハンターに変えたことで左右のステップに劇的な改善が見られたものの、余裕のない場面では結局ハンドスピードに頼った直線的なボクシングに終始してしまうのである。

つまり、距離を詰めて飛び込むスペースさえ与えないようにすればあっという間に何もできなくなる。接近戦に持ち込むだけである程度の余裕を持って戦うことができてしまうのだ。

「ジェシー・バルガスvsサダム・アリ予想!! 期待のサダム・アリが初のタイトル挑戦!!」

問題はアルバレスにその動きができるかだが、基本的には大丈夫ではないかと思う。
前回のミゲール・コット戦ではコットのアウトボクシングにきっちり対応できていたし、ハンドスピードが持ち味のシェーン・モズリーにもスピード負けはしていなかった。
メイウェザーの超絶ディフェンスの前になすすべなく敗れ去ったものの、あれはメイウェザーがすごすぎたということであきらめがつく。
同じスピードスターといってもカーンとメイウェザーではスピードの種類が違う。ハンドスピードのカーンに対し、身体全体のスピードが桁はずれなメイウェザー。参考にはならない。

「“カネロ”・アルバレス、コットに大差判定勝ち!! 最高峰の技術戦に完勝」

カーンをロープに追い込み、至近距離で得意のコンビネーションと体力差で勝負。これである程度問題なく押し切れるはずである。

慣れない接近戦によって後半失速したクリス・アルジェリと違い、サイズ的なアドバンテージも活かせるアルバレスなら大丈夫だろう。

「ケル・ブルックは強化版ハメドだ!! ケビン・ビジェールに圧勝!!」

試合序盤はカーンの高速コンビネーションに多少とまどうシーンがあるかもしれないが、ラウンドが進めばアルバレスの対応力が活きてくる。中盤以降はカーンが自分から手が出せない状態に追い込まれるのではないだろうか。

というわけで、僕の勝敗予想はアルバレスの12R判定勝利
もしかしたら中盤以降のKO勝利もあるかもしれない。

「ジャーマル・チャーロvsトラウト予想!! IBF王者が曲者トラウトを迎え撃つ」

カーンがアルバレスに勝つには左右への動きがカギになる

アルバレス勝利予想をしたところでアレなのだが、せっかくなのでカーンが勝つにはどうすればいいかも考えてみたい。

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まず大前提として、カーンはウェルター級のスピードをそのまま持ち込むことが絶対条件である。キャッチウェイトとはいえ多少の増量が必要になることは間違いない。だが、そのことで持ち前のハンドスピードが失われてしまってはカーンに勝ち目はない。
あの高速コンビネーションとバージル・ハンター仕込みの左右へのステップを維持したままアルバレスと対峙することが、勝利を目指す上での最低ラインである。

そして、狙うのは判定勝利
もちろんKOするにこしたことはないが、両者の身体を見てもカーンがアルバレスをKOするのは不可能だ。何とかポイントゲームに持ちこんで僅差で逃げ切るしか道はないだろう。

そのためにはやはり足を止めないこと。
とにかく左右に動きまくり、打っては離れのタッチボクシングを貫くのだ。

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具体的にはガードの隙間を狙って左を当てること。これに尽きる。
アルバレスの正面に立ってしまうと、どうしてもフリッカー気味のジャブや得意のボディの餌食になってしまう。
それを避けるためにも常に左右へ動き回り、相手のサイドへ回り込んで左を当てる。そこから返しの右までつなげられれば最高である。

アルバレスの踏み込みに合わせて一歩左へステップ、打ち終わりを狙って左をヒット。アルバレスがガードを上げた瞬間にもう一歩踏み込んで右。そしてすぐさま飛び退く。
いつものようにそこから高速コンビネーションを続けたいところだが、それをやるとアルバレスに打ち終わりを狙われる可能性が高い。打ち込みたい衝動をグッとこらえてサイドへ回るのである。

「アンドレ・ウォード降臨!! セルゲイ・コバレフ戦が楽しみ過ぎて血管がちぎれそうなんだがww」

カーンがアルバレスに対抗できる要素はまず何をおいてもハンドスピード。そして体格的に見劣りしないことである。
身体の厚さや迫力はもちろん遠く及ばない。だが両者の上背とリーチにほとんど差はない。つまり、コットが届かなかったジャブもカーンなら届くのである。

前回のアルバレスvsコットの勝因は結局のところ体格差だ。
技術的にほとんど差がない中で、サイズの差を活かしたアルバレスが各ラウンドでわずかずつ上をいった。そういう試合だったのである。

スピードとフットワーク、そして体格で技術差をカバーして勝機を見出す。カーンにはそれができる可能性がある。

しかもご存知の通りアルバレスはやや攻防分離気味のスタイルである。スピーディなヒット&アウェイで翻弄することができればチャンスが生まれるのではないだろうか。

アルジェリ戦の中盤のようにムキになってステップを忘れてはダメだ。序盤のラウンドで見せていたように左右に動き続けて手を出し続ける。ハンドスピードを最大限活かすために常に足を動かすことを意識するのである。

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仮想ゴロフキンを考えると、意外とカーン戦はありなのか?

この試合が発表されるにあたり、アルバレスが「ゴロフキン戦に備えた試合」という旨のコメントを出したらしい。

??
ゴロフキン戦に備えて?
まったく意味がわかりませんが?

体格、スタイル、風貌。
ゴロフキンとカーンに共通点はいっさい見当たらない。
アルバレス側は話題性だけでこのカードを組んだことがまるわかりのコメントである。

だが、あれこれと予想していくうちに、案外そうでもないと思えてきたことも事実である。

アルバレスvsゴロフキン戦を想定した場合、アルバレスがまともに勝負できるのは恐らく接近戦だ。
ゴロフキンに押し込まれる展開になってしまえば体格的にも技術的にもアルバレスには勝ち目はない。至近距離でのコンビネーション勝負に勝機を見出す以外にゴロフキンに勝利する道はないのである。

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今回の試合、恐らくカーンは足を使って距離をとることが予想される。つまり、接近戦に持ち込みたいカネロはゴロフキン戦を想定したインファイトの練習ができるのである。
スピードのあるカーンを相手に接近戦に持ち込むことができれば、相手がたとえゴロフキンであっても至近距離に持ち込める可能性は高い。後はゴロフキンに体力負けさえしなければ十分勝機を見出せる。

どうだろうか。こう考えると、意外と悪くないマッチメークに思えてきたのだが。
まあ、こういうのは前向きに考えないとね!!
文句言っててもつまらんからね!!

結果的にはゴロフキン戦に向けたアルバレスのステップアップになる可能性が高い。だが、あれこれ考えているうちにこの試合も楽しみになってきた。
もしかしたら内山vsフォルトゥナをセミファイナルにねじ込むこともできるかもしれないし。

「内山vsフォルトゥナ? WBAからの指令でファン激怒!! って、フォルトゥナもかなりヤバい相手だと思うぞ?」

5月7日(日本時間8日)が俄然待ち遠しい。

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