カシメロvs赤穂亮が2Rノーコンテスト。内容はカシメロのワンサイドゲームだけど、それ以上に情けない試合過ぎて吐き気が…。何で格下が横綱相撲取ってんだよ【結果・感想】

カシメロvs赤穂亮が2Rノーコンテスト。内容はカシメロのワンサイドゲームだけど、それ以上に情けない試合過ぎて吐き気が…。何で格下が横綱相撲取ってんだよ【結果・感想】

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2022年12月3日に韓国・仁川で行われたS・バンタム級10回戦。前WBO世界バンタム級王者ジョン・リエル・カシメロとWBO世界S・バンタム級8位赤穂亮が対戦したが、2Rにカシメロのパンチが赤穂の後頭部を捉えて赤穂が続行不可能に。そのままノーコンテストとなっている。
 
 
2016年5月から6年以上負けなしの赤穂亮が“キャリアの大一番”と位置付けて挑んだ今回。前WBO王者ジョン・リエル・カシメロとの10回戦を迎えたわけだが……。
 
結果はカシメロのラビットパンチにより赤穂が負傷しノーコンテストに。ちょうどカシメロのエンジンがかかってきたところだったこともあり、消化不良の一戦となってしまった。
 
なお僕はこの日は後楽園ホールでボクシング観戦していたためリアルタイムでは観ていない。後日WOWOWエキサイトマッチで後追い視聴した次第である。
 
阿部麗也vs前田稔輝、松村虎太朗vs廣瀬悠斗戦現地観戦。試合はよかったけど、イベントも長いしアングラ過ぎてウンザリした
 
パッと見たところ会場内は日本からの観客っぽい人ばかりでレフェリーも日本人。赤穂にとってはアウェイの舞台だと思っていたが、どうやらゴリゴリのホームだったようである。
 
てか、もともと伊藤雅雪のプロモーターライセンス? の問題とやらで日本開催が不可とか、そんな理由で韓国になったんでしたっけ?
 

赤穂亮にも勝機はありそう。序盤のカシメロの猛攻をしのげば…と思っていた時期が僕にもありました

まず僕の試合前の展望は下記。
 
カシメロvs赤穂亮戦決定。韓国のパラダイスシティホテルで12月開催。赤穂にも可能性はあると思うんだよね。応援するのはカシメロだけど。理由は…
 
・カシメロ、赤穂ともに低いガード&遠間から強烈な1発を振るうタイプ
・カシメロのディフェンスは目のよさと上体の柔軟性を活かした見切りが基本
・被弾こそ多いがギリギリで芯を外す勘のよさがある
・一方、ここ最近の赤穂はジャブを効果的に使うなど円熟味を増している
・ジャブで前進を止めつつ近場のボディで削れば可能性はあるのでは?
・赤穂が勝機を見出すなら後半。カシメロの序盤の猛攻をしのげれば…
・勝敗予想はカシメロの4RKOだけど
 
カシメロの優位は動かないが赤穂にもやりようはある。
「序盤は落ち着いてジャブとボディで削る→中盤以降、カシメロがグダってきたところでペースアップ→後半KOを狙う」流れを作れれば。カシメロの猛攻にタジタジにならないことが大前提だが、根気よくペースを維持すれば何かが起きる? かも?
 
 
ところが結果は残念ながら2R負傷ノーコンテスト。
 
ただ内容的にはカシメロの一方的な展開で、あのまま続けていても赤穂はどこかでKOされていた可能性が高い。
正直、「赤穂にも可能性があるのでは?」などとほざいた僕が恥ずかしくなるくらいのワンサイドゲームだった。
 

立ち上がりはそこそこよかったけど、カシメロがペースアップした途端にタジタジに。元世界王者に格の違いを見せつけられたな

一応言っておくと、1Rの赤穂はそこそこよかったように思う。
 
リング中央、やや離れた位置で対峙し踏み込みのタイミングを測る。
遠間からの1発を狙うカシメロに対して赤穂はジャブを伸ばしつつ右のオーバーハンドを振るう。
 
カシメロが入ってくればバックステップで距離を取り、近場のぶん回しには低いダッキングで対応。
序盤はじっくり削る→中盤以降に勝負をかける作戦(たぶん)で時おりボディを織り交ぜつつチャンスを待つ。
 
立ち上がりとしては上々だったのではないか。
 
だが2Rにカシメロがペースアップするとあっという間に防戦一方に。
猛然と襲い掛かってくるカシメロのぶん回しにタジタジになり、苦し紛れのカウンターを返すも勢いを止めることはできない。
もみ合いの中で再三フックを浴び、レフェリーがカシメロの後頭部への攻撃を注意したところで頭を抑えてスタスタとニュートラルコーナーに歩いていく。
で、その場に座り込んだまま再開に応じられずにまさかの試合終了という。
 
上述の通り結果こそノーコンテストだが内容は一方的。国内上位ランカーが元世界王者に格の違いを見せつけられた2Rだった。
 
 
まあ、ああいう局面でこそ落ち着いて「ジャブを出して~、距離を取って~」とやれていれば違ったのかもしれないが、あそこまで追いつめられるとどうにもならない、一か八かのフルスイング以外にやりようがなかったっぽいですね。
 
亀田和毅vsルイス・カスティージョ。和毅今回もよかった。出入りとサイドへの動きが向上。ひょっとしたら井上尚弥の対抗馬の可能性が?
 

もともと赤穂亮の試合が好きじゃなかった。過剰な反則打アピールが見苦しい&近年はそれが兵法の一つになっていた

ざっとした感想はこんな感じなのだが、ここからは少々ネガティブな話題を。
 
率直に申し上げてこの試合は酷い
視聴前に読んだネット記事に「バッティングアピール」「グローブタッチを無視」「後頭部を抑えて」等のフレーズを見つけて「あ~あ」と思っていたのだが、実際に観てみるとマジで酷い。正直、これは実力差どうこう以前の話である。
 
僕は赤穂亮に対しては「神経質すぎる」「反則打アピールで試合中に気を抜くのが見るに堪えない」「相手も気にせずぶん殴っちまえばいいのに」「別に試合が止まってるわけじゃないんだから」と52488476358918871105574年前から喚き散らしている。
 
シャクールvsナカティラ、鈴木雅弘vs永田大士、赤穂亮vs杉田ダイスケ振り返り。地獄のシャクールにあの名選手とそっくりな鈴木雅弘
 
ちょろっと後頭部を小突かれたくらいで顔をしかめ、相手から目を切ってレフェリーにアピールをおっぱじめる。
しかもそれに伴って相手も攻撃の手を止めてしまうという。
 
いや、いいからぶん殴っちまえよ。
勝負の真っ最中に気を抜く方が悪いんだから。
 
さらに赤穂自身がキャリアを重ねたこともあり、近年ではあの反則打アピールが兵法として成立してしまっているのが……。
ローブローが発生→赤穂が顔をしかめてレフェリーにアピール→対戦相手が申し訳なさそうな表情を浮かべる。
一種の恫喝というか、立場が上の人間が後輩を黙らせてペースを引き寄せるパワハラボクシング。
 
この内弁慶っぷり、破天荒キャラで売っている割にやたらと保守的な試合運びがマジで好きになれなかった。
 

格上のカシメロ相手にどう振る舞うかに注目していたけど…。根底に染み付いたメンタルの弱さとしか言いようがない

そして今回は格上のカシメロが相手、舞台はアウェイの韓国(実はどホームだった)ということで、恐らくこれまでのような恫喝アピールは通用しない。その中で赤穂亮がどう振る舞うかに注目していた次第である。
 
何一つ変わってねえ……。
 
誇張でも何でもなくこれまでと1mmも変わらない、見苦しいアピールを繰り返す赤穂亮そのまんまだった。
 
1R中盤あたりでほんの少し位置がズレたボディ打ちに対してわき腹を抑えて大げさにアピール。
2R開始早々にカシメロの踏み込みを浴びると今度はロープ際で勝手に試合を止めてバッティングをアピール。
もちろんラウンド開始時、再開がコールされるたびのグローブタッチは欠かさない。
 
極めつけはそのグローブタッチをカシメロに無視され、無防備な状態で右のぶん回しを浴びるという。
これは辛うじて回避、勢い余って転んだカシメロがダウンを宣告されたものの、そのまま試合が終わってもおかしくなかった。
 
さらに改めて観直すと、再開直後にカシメロのグローブタッチの動作に引っかかって手を出しかけたところにまた攻撃を浴びている(気がする)。
 
いやもう、マジでしょーもなさすぎる。
敵地でクソのようなアピールの隙をつかれてケチョンケチョンに負けたプンルアン・ソー・シンユー戦から7年以上。
あれからこれっぽっちも成長していない、まったく同じパターンでやられているのだから目も当てられない。
 
格上が相手だとか、ペース掌握を兼ねたアピールどうたらはいっさい関係ない。
単に神経質なだけ、根底に染み付いたメンタルの弱さとしか言いようがない。
 
赤穂亮vsカシメロ戦、試合後動画があまりに酷い件。「あそこでグローブタッチは絶対やっちゃダメ」って、それ今言う? わかりきってた弱点を放置したのはチーム全体の責任でしょ
 

何で格下が横綱相撲を取ってるんだよ。下馬評をひっくり返す? カシメロの方がよっぽど勝利に貪欲だったでしょ

そもそも何で格下の側が横綱相撲を取ってるんだよという話。
 
僕は長谷川穂積のラウンド開始ごとに繰り返すグローブタッチも大嫌いだったのだが、アレに関してはホーム&格上の立場だから許される部分もあった(と思っている)。
 
再三申し上げているように赤穂亮も国内ではキャリアを重ねたベテラン。よくも悪くも反則打アピールが威光となっていた。
 
 
だが今回のカシメロは完全な格上+やっすい恫喝アピールに動じるようなタマではない。
その相手に国内選手と同じ対応をすればああなるのは当たり前である。
 
確か試合前に「勝っても負けても最後になってもいいぐらいの気持ちでやる」とコメントしていた覚えがあるが、実際の試合運びはこれまでと何一つ変わらない。
 
 
日本vsスペイン?
下馬評をひっくり返す?
冗談でしょ。
 
できる限りの準備を経て舞台に上がり、本番でもやれることをやり尽くした上で最後の最後にほんの少しだけ運に任せる。
そこまでやって初めて「人事を尽くして天命を待つ」「勝利の女神」「勝負は時の運」等の言葉を使う資格があるんだよ。
やるべきことをやってないヤツがアップセットを語るなよ。
 
極論、グローブタッチを無視して襲い掛かったカシメロの方がよっぽど勝利に貪欲だったわけで。
相手へのリスペクト(リスペクトって言葉が嫌い)云々を言うなら、勝利のために最善を尽くしたカシメロの方がはるかに競技に対するリスペクトがあったでしょと。
 
テンパった状態でグローブタッチをかまして、上も下も効かされて朦朧とした中で後頭部を抑えて座り込んだとか、結末としてはそんな感じじゃないの?
知らんけど。
 
などなど。
 
我ながら少々言い過ぎている気もするが、とにかく「うわぁ……」「なーんも変わってねえな」と思うくらい残念な試合だった。
 
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