比嘉が半病人エルナンデスを5回ダウンさせてTKO勝利!! パーフェクトレコードで世界初戴冠を果たす【結果・感想】

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2017年5月20日に東京・有明コロシアムで行われたWBC世界フライ級タイトルマッチ。
同級1位の比嘉大吾が体重超過で王座をはく奪された前王者ファン・エルナンデスに挑戦し、6R2分58秒TKOで勝利。世界タイトル初奪還に成功した。
 
12戦全勝12KOのパーフェクトレコードを引っさげ、世界戦に挑んだ比嘉。相手は井岡一翔とも対戦経験のある強豪ファン・エルナンデス。
スピーディなスタイルを信条とするエルナンデスに比嘉の追い足が通用するかに注目が集まったが、結果は計5度のダウンを奪った比嘉の完勝。
 
「田中恒成が激闘の末にアコスタを退ける!! すっげえ試合! アコスタも間違いなく最強の挑戦者」
 
エルナンデスの体重超過により、比嘉が勝利した場合のみ王座獲得という条件で行われた試合だったが、見事に勝利した比嘉に会場は大盛り上がりを見せる。
 
なお、13戦全KOでの世界奪還は日本初の快挙となる。
 
「見どころ満載の拳四朗vsガニガン・ロペス。思った以上におもしろかった試合」
 

圧勝の比嘉大吾。厳しいと言われていた予想を覆してエルナンデスをまったく寄せつけず

比嘉大吾TKO勝利!!
ファン・エルナンデスから5回ダウンを奪う完全勝利!!
 
比嘉大吾が世界初奪還に成功した。
しかも日本人初のキャリア13戦全勝全KOでの奪還という快挙である。
 
具志堅用高の愛弟子比嘉。しかも具志堅の世界王座初奪還時と同じ21歳。
かつての具志堅を彷彿とさせる豪快なファイトスタイル。
加えて、相手は体重超過をやらかしたエルナンデス。
 
いろいろな要素が相まって、比嘉がKO勝ちした瞬間の盛り上がりはすごかった。
テレビ越しでも、この日一番の大歓声だというのはビンビンと伝わってきた。
 
「八重樫がメリンドにまさかの1RTKO負け!! L・フライ級日本人王者4人体勢が1夜で崩れ去る」
 
僕も当初からこの試合には注目していて、“和製ロマゴン”の異名を持つ比嘉のプレッシャーがスピーディなエルナンデスにどこまで通用するかが非常に楽しみだった。
 
「比嘉大吾vsフエンテス予想。寒がりフエンテスさんが沖縄上陸。比嘉は凱旋防衛戦で連続KO継続なるか」
 
そして、比嘉の直近の試合を観る限り“和製ロマゴン”には見えず。
連続KOを意識し過ぎなのか、大振りで雑なヘッドハンターという印象が強かった。
 
「比嘉大吾vsエルナンデス予想。和製ロマゴン? ちょっと違う気がするけど、期待の比嘉大吾が王座初奪還に挑戦」
 
これは厳しいか?
でも、ミニマム級出身のエルナンデスなら、比嘉の圧力で押し潰せるのか?
など、どちらともとれない試合だと思っていた次第である。
 
「比嘉大吾vsトマ・マソン予想。トリプル世界戦の中で唯一楽しみな試合。余裕ぶっこいてると危ないんじゃないの?」
 

比嘉大吾はすばらしい出来だった。確かに井岡との統一戦は観てみたい。まあ、和製ロマゴンではなかったけど

結論を申し上げると、比嘉大吾すばらしかった
 
足の速いエルナンデスをロープに詰める的確な追い足。
リング中央に陣取り、相手の動きに合わせて方向転換。
ガードの上を打たせながら逃げ道をふさいで間合いを詰め、エルナンデスを徐々に疲弊させていく。
 
「おおう、やっばい。井岡一翔にダラキアンとの指名試合交渉出ました。今回の相手はちょっとマズイんじゃないか?」
 
直近の試合とは違い、まさしく理詰めのインファイターという動きだった。
僕が観たときの比嘉はもっと直線的で、近づいて腕を振り回したい衝動が抑えられない突貫型の選手に思えたのだが。
 
 
なるほど。
これはいいですね。
確かに井岡一翔との試合は興味深い。
恐らく井岡はあそこまでのパワーボクシングと対峙した経験はない。
特にフライ級に上げて安全志向が強くなった今の井岡にとって、比嘉の圧力は未知の領域ではないだろうか。
井岡一翔vs比嘉大吾。
ゾウ・シミンとの統一戦が難しかった場合は、ぜひ実現してもらいたい試合である。
 
「井岡一翔の倒し方? ノクノイ戦の感想を含め井岡に勝てそうな選手を考える。まあ、アイツしかいないけど」
 
とはいっても、やっぱりロマゴンには見えなかったかな。
ロマゴンは前進しながらもっと手が出るし、連打も止まらない。
むしろ、「ボディの少ないジョー・フレージャー」という感じがしたかな?
 
まあ、追い足とコンビネーションを両立できる選手などまずいないのでアレなのだが。
その場でコンビネーションを出すだけならキービン・ララだしね。
 
「井岡がララを11RKOに下して快勝!! エストラーダとの対戦指令に従う…ないかなぁ」
 

絶不調のエルナンデス。パワーのないパンチに動かない足。あそこまで動きが悪いと打つ手がない

体重超過を犯した上に、完膚なきまでにやられるというかませ犬っぷりを発揮したエルナンデス。
今回に関して言うと、あまりに体調が悪過ぎた
 
「星勝優とトラメイン・ウィリアムズがお気に入りな件。ここ数日の僕の推しメン備忘録」
 
比嘉がすばらしかったのは間違いない。
まだまだムラが多く荒削りだが、ファイトスタイルが固まれば相当な完成度の選手になりそうな気配がする。
 
それを踏まえた上で、この試合はエルナンデスが絶不調過ぎたとしか言いようがない。
 
初回から軽快なフットワークを見せるが、1発1発のパンチに威力がない。
比嘉の前進を得意の左アッパーで迎撃するが、明らかに力が乗っていない感じである。
 
そして3R。
エルナンデスのフットワークに陰りが見え始める。
左右への動きにレンジがなくなり、その場に停滞する時間が増える。
このラウンドは抑え気味の比嘉に対して攻勢を強めるものの、パンチが軽くほとんど効果が見られない。比嘉のバックステップにも足が追いつかない。
 
「比嘉大吾が9RTKO負け。体重超過で王座剥奪、連続KOも途切れる。てか、新王者ロサレスすげえいい選手」
 
4R終了時点ではポイントでエルナンデスがリードしていたが、とてもじゃないがこのまま逃げ切れるとは思えない。かといって、比嘉をKOするイメージはもっとわかない。
2Rのダウンが影響していたのかもしれないが、それにしてもこの失速ぶりはなかなかである。
 
「村田vsエンダム感想。疑惑の判定負け? 素人がプロに口出すな。やったことがないヤツが語るな。だったらお前がやってみろ理論」
 

最後は「もうたくさんだ」とギブアップ。半病人状態のエルナンデス、身体がフワフワして試合どころじゃなかった

5、6Rに入ると、もうどうしようもない。
足は動かずパンチは手打ち。
思いきり腕を振っているのは重々伝わるのだが、リズムに乗った比嘉にはまったく通用せず。
腕をからめて時間を稼いだり、ダウンするたびにバッティングをアピールするのが精いっぱいである。
 
結局最後は比嘉の分厚いプレッシャーに耐えきれず、ロープ際でボディを被弾してTKO。パンチが効いたというより、「もうたくさんだ」とでも言いたげな倒れ方だった。
 
「打倒井上尚弥筆頭アンカハスが帝里木下を迎えての防衛戦!! マックジョーに勝利した長身王者が今回もサウスポー対決に挑む」
 
「食事が合わずに調整がうまくいかなかった」「疲れた」というエルナンデスのコメントを読んだ覚えがあるが、恐らく本音なのだろう。
身体がフワフワして力が入らず、試合などをできる状態ではなかったのだと思う。
 
潔く諦めて体調を優先した大森戦のマーロン・タパレスとは状況がまったく違う。いわゆる「今夜は私の夜ではなかった」というヤツである。
 
「タパレスが大森を11RTKOで粉砕。顎を骨折した大森は病院直行する。意図的な体重超過が「あり」な件」
 
だからといって擁護する気もさらさらないのだが。
 
「比嘉がマソンを圧倒。打倒井上尚弥一番手キタんじゃない? 井岡よりも普通に強いんジャマイカ? あ? 武井壮? ブロックしちゃいなよ」
 

井岡一翔との統一戦はぜひ実現してもらいたい。比嘉の勢いと井岡の経験値の勝負になるかな

繰り返しになるが、この日の比嘉大吾は本当によかった。
エルナンデスが絶不調過ぎたのもあるが、それを差し引いてもすばらしい出来だったと思う。
 
仮にエルナンデスが本調子だったとしても、ラストラウンドまで逃げ切れたか。この日の比嘉であれば、10R前後にはつかまえていた可能性は高いのではないだろうか。
 
「地の利とか日本人ボクサーがタイで勝てない理由とか。世界戦19敗1分を引き起こしたマモノ()についてのお話」
 
ただ、直近の試合などを観ると、まだまだ安定感にも欠けるし未完成な部分は多い。ツボにはまればクソ強いが、ダメなときはまったくダメですみたいな。
 
そう考えると、井岡一翔には経験値の差で丸め込まれてしまうのかもしれない。
 
それでも打倒井岡の可能性を感じたのも確かで、あの強靭なフィジカルと分厚いプレッシャーに巻き込むことができれば十分勝機はある。
 
「井上vsリカルド・ロドリゲス感想。だーめだ、ムリムリ無理無理。無謀な挑戦お疲れロドリゲス。井上はさっさと階級上げなさい」
 
個人的な理想を言えば秋にゾウ・シミンvs井岡一翔、大みそかに比嘉大吾vs井岡一翔が実現すれば最高かなと。
 
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