偉大な1人の選手の影響で競技のレベルが上がる、トレンドがガラッと変わるのはあるあるだよね。ゴロフキン、パッキャオ、井上尚弥。現れては消えていった“メイウェザー2世”たち。ロマチェンコの登場でボクシングが一気に高速化した

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日本のボクシング界で不幸な事故が続いている。
去年の年末から今年にかけてリング禍が4件、そのうち3件で選手が亡くなった。
これについての対策や議論は他の方に任せるが、個人的な意見を言うなら競技レベルの向上によってラウンド数が合わなくなっているのだと思う。
近年アマチュアのレベルがどんどん上がり、そこからプロに転向する選手も多い。
そのせいでデビュー戦からハイレベルなパフォーマンスを見せる選手が増え、もはや「不良が厚生して成り上がる」ストーリー()は実現不可能。
幼少期からボクシングを始めていないととてもじゃないが間に合わない。
何より感じるのが全体的な高速化。
どの選手もハイテンポで打つ、足を止めずに動き回ることが可能。しかもその2つを同時にこなせてしまう。
さらにそれを1試合継続するチートっぷりである。
こいつらに対抗するためには従来? の「ガードを固めて自分のターンを待つ」やり方ではあっという間に置いてきぼりを食ってしまう。
健文トーレスvsデビッド・ヒメネス。やっぱり相性は悪かった。でも思った以上に健文はやれてたと思う。9R以降のパフォーマンスを常時出せれば可能性はありそう。あとは3150の政治力か…
ロマチェンコの登場によって競技の高速化が進んだ。ハイテンポなアマチュアのボクシングをプロの舞台に持ち込んだ結果…
僕の勝手な印象だが、ワシル・ロマチェンコの登場以降、競技の高速化が一気に進んだ気がする。
いわゆる“ハイテク”と呼ばれるファイトでアマチュア戦績397戦396勝1敗という意味不明な記録を残した選手。
あの選手の台頭によってハイテンポな連打型ボクシングが広まり、細かいパンチを長時間継続的にもらうケースが増えた。
要はアマチュアの3R制を12Rで再現している感じ。
その結果、試合の中でダメージが蓄積→どこかでとどめの1発をもらって我慢していたものがドバーッと噴き出すパターン。
もちろん練習のやりすぎや過度な減量等、要因は一つではないとは思う。
ただ、アマチュアのハイテンポなボクシングを(ラウンド数の多い)プロの舞台に持ち込んだ影響は大きいのではないか。
最初に「競技レベルの向上によってラウンド数が合わなくなってきている」と申し上げたのはそういう意味である。
ワシル・ロマチェンコが引退表明。S・フェザー級時代のロマチェンコは僕の中ではオールタイムベスト。相手を全否定するなぶり殺し俺様ファイトがロイ・ジョーンズを超えた
1人の選手の影響でトレンドがガラッと変わる。2010年代後半はロマチェンコとゴロフキンの類似品が爆増した
1人の選手の影響でトレンドが変わる、競技レベルが向上するというのは結構ある。
野球で言えばイチローや松井秀喜の全盛期に右投げ左打ちが激増し、イチローがメジャーで活躍している時期に走り打ちで内野安打を狙う劣化イチローが量産された。
また黒田博樹が広島カープに戻った2015年にはカープ投手陣がこぞってツーシームとカッターを使い始めている。
近くにいる偉大なお手本に周りが影響を受けるのはどの競技においてもあるあるである。
そして、上述のワシル・ロマチェンコはその典型的な例。
ロマチェンコが本格的に強さを発揮し始めた2016年前後から似たような“ハイテク”ファイターが山ほど出てきた。
極論、東ヨーロッパ方面の「中量級+動けるサウスポー」はマジでこればかりだった印象。
また同時期(or少し前)の中量級〜重量級では、身体が強い右構えの選手がハイガード+ジャブ中心にプレスをかけるスタイルが多く目についた。
これのプロトタイプは間違いなくゲンナジー・ゴロフキン。
いわゆる旧ソ連出身のフィジカル強者にはあのスタイルがめちゃくちゃマッチしたのだと思う。
僕の偏見かもしれないが、2010年代後半はロマチェンコとゴロフキンの類似品が爆増した時期と認識している。
ケル・ブルックvsゲンナジー・ゴロフキン再視聴。ブルックがかなりやれてた。フルボッコにされた印象だったけど。僕はいまだにブルックがウェルター級最強(当時)だったと思ってる
パッキャオ、井上尚弥、メイウェザー。多数の後輩選手に影響を与える偉大な人
その他、フィリピン出身の選手に踏み込みが鋭いサウスポーが多いのは完全にマニー・パッキャオの影響。
先日3150ファイトと契約したケネス・ラバーなどは年齢的にパッキャオの活躍を観て育ったと思われる。
清水聡vs阿部麗也、栗原慶太vsケネス・ラバー、李健太vs渡来美響、注目試合振り返り。現地観戦も考えたけど後楽園ホールが嫌いすぎて止めたよ笑
日本でもここ最近、大橋プロモーションの興行に“小型版井上尚弥”みたいな選手が次々出てくる。
細かいところで言えば堤駿斗がいつの間にか井岡一翔化していたり、内山高志の後輩の田口良一がジャブ中心の内山っぽいファイターに育ったり。
今回の荒竹一真、磯金龍とか、この前Lifetime Boxingに出てた田中湧也とか、小型版井上尚弥みたいなヤツがどんどん出てくるな。
堤駿斗がいつの間にか井岡一翔化してたり、偉大なボスに影響受けてそっちに寄っていくってのは間違いなくあるんだろう。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) May 28, 2025
もっともわかりやすいところでは、これまで“メイウェザー2世”が何人出てきたか。
L字気味の構え+上体反らしのディフェンスに鋭いカウンター、瞬間移動のようなフットワーク。
上半身の柔軟性と見切りのよさ、しなやかさを活かしたメイウェザーのファイトを模倣した選手が軒並み“メイウェザー2世”と呼ばれ、いつの間にか消えていった。
現れては消えていった“メイウェザー2世”たち。結局コピーがオリジナルを超えることはない気がする
表題の通りだが、何だかんだでコピーがオリジナルを超えることはないのかな? と思っている。
現れては消えていった“メイウェザー2世”もそうだし、ワシル・ロマチェンコやゲンナジー・ゴロフキンの後に出てきた選手を僕はほぼ思い出せない。
強いていうならヘビー級のオレクサンドル・ウシクだが、あの選手はロマチェンコとは別のスタイルだと思っている(ロマチェンコは攻撃型、ウシクはディフェンス型)。
また“メイウェザー2世”で現在生き残っているのはライト級のシャクール・スティーブンソン。
ただ、今の感じでメイウェザー以上の実績を残せるかは何とも言えない。
シャクール・スティーブンソンvsウィリアム・セペダ。セペダががんばった。前手の右が器用な連打型でシャクールとの相性も悪くない。全盛期のアイツならシャクールにも勝てたんじゃ?
あ?
エイドリアン・ブローナー?
うん、まあ……。
そんな感じで大橋プロモーションからどんどん出てくる“小型版井上尚弥”が今後どうなるかは正直わからない。
恐らく何人かは世界王者になるとは思うが、そこから突き抜けられるかは……。
減量耐性の高い長身選手に密かに注目してる
なお僕が密かに注目しているのは減量耐性の高い長身選手。
中谷潤人やセバスチャン・フンドラのように飛び抜けた長身ながらも階級内に留まれる選手の台頭が進むのではないか。
中谷潤人vs西田凌佑。中谷の野生味、アドリブ力が西田の作戦遂行能力を上回る。西田のプランを力でぶっ壊した中谷。中谷ってもともと草食男子の振りした戦闘民族ですよ?
しかも彼らはアウトボクシングに徹するわけではなく自ら仕掛けることが可能。
ボクシングは最終的には「デカくて動けるヤツ」が有利だと思っているが、それを高次元でやれてしまう人たち。
要するに生真面目なヒョロガリは案外適性があるのでは? と思っている。
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