テイラーvsバランチェク実現? WBSSとかいう壮大な茶番に幸あれ。アリトロフィーの名誉()よりも実が欲しいんだよ【予想・展望】
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開催中のWBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)のS・ライト級準決勝、IBF同級王者イバン・バランチェクvs同級3位ジョシュ・テイラー戦が、2019年5月18日(日本時間19日)にスコットランド・グラスゴーで行われると正式発表されてから約1ヶ月。
ファイトマネー支払いの遅れを理由にトーナメントからの離脱を表明していたイバン・バランチェクだったが、3月1日にバランチェクのコーチが「アリトロフィー獲得のために全力を尽くす」とコメントしたことがWBSSの公式SNSで発表された。
NEWS – 🗣️ @IBaranchyk’s coach: “Preparations going excellent for @JoshTaylorBoxer, we will win the Ali Trophy”
📝 Full story: https://t.co/IeG74QmdHm#TaylorBaranchyk #WBSS2 🏆 #AliTrophy pic.twitter.com/tQitJlm8K3— World Boxing Super Series (@WBSuperSeries) 2019年3月1日
当日は日本の井上尚弥とIBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲスの一戦も予定されており、離脱を表明していたバランチェクの動向に注目が集まっていたところである。
「やっばw プログレイスがレリクを顔面粉砕TKO。こんな一方的になるとは…。勝てるとしたらバランチェクの方が可能性高い?」
やっとバランチェク陣営から前向きなコメントが!! WBSS側発信だから何とも言えないけど
開催が危ぶまれていたWBSS、S・ライト級準決勝に続報が出た。
WBSSの公式SNSによると、バランチェクのコーチが「アリトロフィーを目指す」意向を示したとのこと。
あくまでWBSS側からの発信なので何とも言えないが、バランチェク陣営から前向きなコメントが聞かれたことはそれなりに好意的に受け止めていいのか? などと思っている。
というより、僕自身はこの階級のトーナメントをめちゃくちゃ楽しみにしていて、ベスト4のメンバーにテンションが上がりまくっていた次第である。
「ジョシュ・テイラーにはイージーゲームだったか? ライアン・マーティンの何もなさに逆に驚いた。もう少し工夫すると思ったけど」
それがいつの間にか1回戦から時間が経過し、運営の財政難が報じられる。
挙げ句の果てにはイバン・バランチェクとレジス・プログレイスがトーナメントからの離脱を表明、示唆する始末。
「階級最強を決定するトーナメント」という壮大な名目のもと、クソほど豪華な演出で会場を盛り上げ、風船を膨らませるだけ膨らませた結果、「アカン、金があれへん」と。
リザーブメンバーのリッキー・バーンズにビクトル・ポストルが急遽トーナメント参戦だ?
今さらそいつらを連れてきてどうすんだよ。
普通に各団体でタイトルマッチやってりゃ観られる組み合わせじゃねえかww
これを茶番と呼ばず何と呼ぶ? などと思っていたのだが、どうにかこうにか開催までこぎつけるのであれば、5億歩譲ってOKとしてやるか(は?
「日本がアジア周辺国のおいしい出稼ぎ先として確立されればええね。OPBF加盟国選手が日本王座に挑戦できるってさ」
バランチェクはガチでジョシュ・テイラーにも勝つ可能性あるんじゃないの? テイラーにとっての天敵タイプ
僕自身、実を言うとイバン・バランチェクという選手をかなり気に入っている。
初戦のアンソニー・イーギット戦を観直してみたが、割とガチでジョシュ・テイラーに勝つ可能性もあると思う。
ゴンゴン前に出る積極さと豊富な手数。
相手が右構えだろうが左構えだろうが関係なく強く腕を振り、常にインファイトでの打ち合いを展開。イーギットも手数で対抗するが、毎回最後の1発を入れるのはバランチェクの方。
ナチュラルに頭が当たるラフファイトに加え、流れの中で肘を使うダーティさもある。
注意を受けても減点されてもお構いなし。いっさい躊躇なく腕を振り続け、頭をぶつけ続ける。
そのうち相手が根負けして嫌倒れするのがこの選手の勝ちパターン。
しかも、あれだけインファイトでもみ合っても動きが落ちず、試合後はきれいな顔をしている。
左目を腫らしてボロボロのイーギットとはダメージが雲泥の差。いかにラフファイト慣れしたファイターなのかは明白すぎるくらい明白だった。
「WBSSの資金難にはビックリしたな。てっきり大財閥の御曹司が道楽で金出してるもんだとばかり……。バランチェク離脱、井上尚弥試合枯れ」
至近距離での豊富な手数。
ラフファイトもありの躊躇のなさ。
全弾フルスイングの強振野郎。
中盤以降も動きが落ちない無尽蔵のスタミナ。
ジョシュ・テイラーのスマートなスタイルをぶっ壊す条件としてはピッタリ。1発で仕留める破壊力やパンチの強弱はないが、ジョシュ・テイラーの天敵と言えるタイプな気がする。
「スタッツをほじくり返してボクシングの都市伝説を検証する。12Rはみんながんばるから11Rにがんばるべき? 初回は身体が硬い?」
勝敗予想は強気にバランチェクの9RKO。逆の可能性もあるけど、バランチェクのがんばりに期待を込めて
そして、期待のジョシュ・テイラーがこういうラフなインファイターにどう対応するかにも注目している。
2017年11月のミゲル・バスケス戦では得意のボディをうまく効かせてKO勝利を挙げたが、バランチェク相手に果たして同じことができるか。あの豊富な手数を防ぎながら、ずんぐりとした体型のボディにパンチを打ち込む余裕があるのかという。
恐らくテイラーはリードの右で距離を測りつつ、打ち終わりにカウンターを狙うとは思うが、リードでバランチェクが止まらずテイラーの顎にフルスイングのフックが1発でも入れば……。
そのままアディオスという可能性も十分考えられる。
「“カネロ”・アルバレスvsジェイコブス…!! ミドル級で唯一カネロに勝てる可能性があるのがコイツ。当てて走って走りきれ」
ただ、バランチェクはどちらかと言えば攻防分離気味で、休むときはしっかり休むスタイル。
その際、ガードを下げて無防備な状態で動き回ることが多く、危ないタイミングでの被弾も目立つ。
あの何とも言えない時間に効かされると、逆にそのままアディオスするパティーンも……。
開催地がグラスゴーとのことで、接戦になった場合、どう考えてもバランチェクはキツい。
勝利するにはテイラーをKOするしかないわけだが、この選手のインファイトならそれが可能ではないかと期待している。
「ゾラニ・テテ負傷欠場w 散々待たせてドネアvsステフォン・ヤングて。WBSSしょっぱ過ぎる。二度と真の王者()とか語るんじゃねえw」
というわけで、勝敗予想はバランチェクの9RKO。
自分の願望を目いっぱい込めて、バランチェク勝利の強気予想でいかせていただく。
各団体の王者のキャリアを停滞させたWBSS運営の罪は重い。この壮大な茶番のおかげで有力選手が大事な時期を逃す可能性がある
しかし、改めて各団体の王者のキャリアを停滞させたWBSSの罪は重いと思う。
正直、バンタム級はまだいい。
井上尚弥は他団体王者との統一戦をずっと求めていたし、ゾラニ・テテも常々ビッグマッチ実現を口にしていた。ノニト・ドネアに関しても、キャリアのラストにデカいタイトルを狙うという意味ではこのトーナメントはうってつけ。
エマヌエル・ロドリゲスがどう思っているのかは知らんが、4人中3人にとってはそこまで悪い状況ではない。
「ジョシュ・テイラー圧勝…。バランチェクに風は吹かず。リードとインファイトに差があり過ぎた。vsプログレイスはどうだろうな」
ただ、S・ライト級の面々は……。
レジス・プログレイス、イバン・バランチェク、キリル・レリクはいずれもこの1年でタイトルを獲得した選手。それこそ次の1、2戦が有力プロモーターへのプレゼンのような試合だったはずで、この局面での半年以上の無意味な停滞はマジであり得ない。
特にロシア出身で米国を拠点に活動するバランチェク、ベラルーシ出身で英、米国とさまざまな場所を渡り歩いてきたキリル・レリクにとっては気の毒以外の何物でもない。
ビッグマッチを実現するには時間がかかる。
ゴロフキンvsカネロ戦もかなりの交渉期間を要したし、ヘビー級のデオンティ・ワイルダーvsアンソニー・ジョシュアに関しては実現する気配すらない。
確かにその通りなのだが、すでに地元にファンベースを持ち1試合で億単位のファイトマネーを得る彼らとはあまりに状況が違う。
すでに金も名声も手にした彼らと、向こう数戦で人生が変わるかどうかの瀬戸際にいるS・ライト級の面々を比較するのは……。
注目度の低い階級、ファンベースのない選手にスポットを当てるという名目があるのかは知らんが、逆に彼らのキャリアをストップさせてどうするんだと。このWBSSの停滞はあまりにもしょーもないと思う。
「ワイルダーvsフューリードローww ワイルダーのパンチって何で当たんの? フューリーは2度のダウンから立ち上がる」
てか、キリル・レリクの扱いなんてホントにかわいそうだよな。
ランセス・バルテレミーと1勝1敗、エドゥアルド・トロヤノフスキーに勝利って、普通に凄まじいキャリアですからね。
実績だけなら4人の中でもNo.1じゃないの?
それがねえ……。
はるばる日本に来ても空気、一番大事な時期に運営の都合で意味不明に停滞させられ。
本来、こんな気の毒な状況で燻ってていい選手じゃないはずですけどね。
ちなみにだが、現状WBCバンタム級戦線がやたらと充実しているのがちょっとおもしろい。
井上拓真、ペッチ・CPフレッシュマート、ノルディ・ウーバーリ、ラウシー・ウォーレン、ルイス・ネリ、マックジョー・アローヨなどなど。
「井上拓真は軽量級のキース・サーマン襲名ってことでいいよな? ペッチ・CPフレッシュマートに判定勝利」
WBSSのせいでWBA、IBF、WBO王者が停滞したおかげといったら言い過ぎか?
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