映画「神様はバリにいる」感想。久しぶりに突き抜けた堤真一を堪能しれ。そして初期のSABU監督作品が超オススメ
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映画「神様はバリにいる」を観た。
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「神様はバリにいる」(2014年)
婚活ビジネスの失敗で大きな借金を抱えた照川祥子は、失意のもとインドネシアのバリを訪れる。
自殺を図ろうと、断崖絶壁に立ち海を見下ろす祥子。
だが、突然背後から声をかけられ振り返る。
「自殺されると地価が下がるからやめて欲しいんだよね」
そこに立っていたのは眼科医のリュウ。
リュウの説得で自殺を思いとどまった祥子は、翌日リュウに“アニキ”と名乗る大富豪の日本人を紹介される。
そのあまりに胡散臭い風貌や言動に、祥子の警戒心は強まるばかり。
ところが現地の人々からの“アニキ”に対する信頼は厚く、祥子も行動を共にするうち徐々にその人物像に魅力を感じ始める。
そして、“アニキ”からビジネスのハウツーを学ぶことを決心するのだった。
そんなある日。
進行中だった幼稚園の事業計画が、認可漏れによって中止を言い渡されてしまう。
長年の夢であった幼稚園建設が頓挫し、“アニキ”は動揺を隠せない。
信頼していた仲間も離れ、かつてないほど憔悴しきった姿を見せる。
あまりにらしくない“アニキ”。
それを見かねた祥子は……。
「失敗した時こそ笑え」
バリ島で資産を築いた実在の人物“アニキ”をモデルとした2014年公開のコメディー映画である。
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「映画「忍びの国」が予想の2倍よかった話。大野智(嵐)ファンなら特に。石原さとみとかいう最高にめんどくさい女」
周りを幸せにすると自分も幸せになる。それが結果として成功につながる。いちいち“アニキ”の金言が心に刺さるぜ
この「神様はバリにいる」は実話をもとにした作品とのことで、公開当時からかなり話題になっていた記憶がある。
僕の記憶が正しければ、バリ島で実際の“アニキ”を取材した特集も組まれていたような。
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儲けるために他人を利用するのではなく、「他人を助けたい」という思いが成功につながる。
自分がのし上がるためではなく、みんなで幸せになるために前を向く。
その根本にあるのが、人と人との「絆」。
現地の人との「絆」。
偶然出会った相手との「絆」。
自分を慕う人間との「絆」。
どん底でバリに流れ着いた幸薄女との「絆」。
風貌や言動は胡散臭さ全開だが、端々から「粋な男」のかっこよさがにじみ出る“アニキ”。
「こいつって、マジの方? それともアカン方?」
最初はいまいち“アニキ”を信用しきれないのだが、物語が進むにつれていつの間にか「こいつはアリ」だと気づかされる。本当にいつの間にか。
そして、いつの間にか
「がんばれ」
「負けるなアニキ」
「くじけるんじゃねえ」
と感情移入している自分がいる。
「失敗した時こそ笑え」
「ダジャレは新しい発想を生む」
「人生はドラクエや」
胡散臭いけど、妙な説得力を持った言葉の数々。
尾野真千子演じる照川祥子とともに、「あれ? これって俺でもいけんじゃねえか?」という気にさせてくれる不思議。
「さくらももこ訃報ってマジか。漫画家というよりエッセイストかな。「もものかんづめ」の衝撃とその思い出」
なるほどねぇ。
発表記者会見で「何も考えずに肩の力を抜いて観られる作品」と言っていたが、確かにそんな感じ。
誰も傷つけずに、適度に笑って元気になれる。
しかも「ひょっとして俺も成功できるんちゃうん?」と思わせてくれる(一瞬だけ)。
うん、こりゃあいい映画だわ。
だってアナタ。
“アニキ”が語った「冷えたビール売って小金持ちになった」エピソードの件で、「俺の日常にもどこかに盲点ねえか?」って脳みそ巡らしたでしょ?
てか、菜々緒お前、ほとんど出てないくせに他の出演者と同列で立ってんじゃねえよww
おかげでセクシーショットを期待しただろうがww
久しぶりに突き抜けた堤真一を観られたのがよかったよね。やっぱりこの人はボケ倒してナンボですよ
とまあ、感想としてはこんな感じなのだが、正直こんなことはわざわざ僕が繰り返す必要はない。すでに多くの方が各所で述べられているので、そっちを読んでねと。
それより僕がこの映画でオススメしたいのは、何と言っても堤真一の突き抜けっぷり。
表題の通りなのだが、久しぶりに堤真一の振り切った演技を観られたのは本当によかった。
“アニキ”の金言や尾野真千子の自虐キャラ、ナオト・インティライミのウザキャラなどなど。いろいろと語るべき部分が多い映画ではあるが、何だかんだでこの映画は堤真一である。
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というか、堤真一の世間的なイメージはどんな感じなのだろうか。
2008年の「クライマーズ・ハイ」「容疑者Xの献身」やドラマ「SP」「白い巨塔」「HERO」など、クールな役のイメージが強いのか。
それとも「スーパーサラリーマン左江内氏」や映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」など、比較的コメディなキャラが定着しているのか。
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もうお気づきだと思うが、僕の中での堤真一は完全に後者。
それも、いかに振り切ったボケをかましまくるかがキモの役者だと思っている。
「スーパーサラリーマン左江内氏」では周りのハイテンションさに振り回される常識人という役どころだったが、あんなもんははっきり言ってお話にならない。堤真一の完全なる無駄遣いである。
つまり、今作の「神様はバリにいる」や2012年「俺はまだ本気出してないだけ」など。本人が振り切ったボケをかましてこそ、この人の本領は発揮される。
「映画「アイアムアヒーロー」の進撃の巨人感w 説明不足が却ってミステリアスな恐怖を生む。不条理のゾンビ大量破裂」
初期のSABU監督作品での堤真一はマジでオススメ。てか、1回観て。マジですげえからww
そして、ガチな堤真一と会いたければ、1990年後半〜2000年代のSABU監督作品がオススメ。
・弾丸ランナー(1996年)
・ポストマン・ブルース(1997年)
・アンラッキー・モンキー(1998年)
・MONDAY(2000年)
・DRIVE(2002年)
個人的に、この5本はマジで観てもらいたい。
だいぶ古い映画ではあるが、堤真一の超絶突き抜けっぷりが目一杯発揮された作品である。
1996年の「弾丸ランナー」はSABU監督のデビュー作だったこともあり、完全に「やりたいことやってまっせ」状態なのがいい。
予告編を観ると、
田口トモロヲとダイアモンドユカイと堤真一が走っているシーンばかり。
そして、実際の本編でもそのまんま。
約2時間のうち、1時間半は走りっぱなしのクソ映画であるww
「感想「ウトヤ島、7月22日」とかいう実写版コール・オブ・デューティ。72分間ワンカットって自己満にしか思えないんだよな」
「ポストマン・ブルース」「アンラッキー・モンキー」については、SABU監督の「芸風が出来上がった」作品と言えるのではないか。
ふとしたきっかけで、主人公(堤真一)がとんでもない事件に巻き込まれ(自ら引き起こししたとも言える)、大混乱に陥るという超展開。
「弾丸ランナー」の疾走感と唐突感を残しつつ、入り組んだ状況に狼狽する堤真一の演技が凄まじい。
マジな話、あの突き抜け方と言ったら……。
「常軌を逸した凡人」を演じる堤真一のすごさは僕の貧弱な語彙力では語り尽くせないほど。
「とりあえず1回観て。ホントにすげえから」としか言いようがない。
いや、違うだろお前ww
何をスカした役でカッコつけちゃってんだよww
いやまあ、クールに決めてる堤真一もいいんですけどね。
今回は「神様はバリにいる」で、久しぶりに“こっち側”の堤真一に会えたのが嬉しかったよねと。
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