バッドボーイズ フォー・ライフ感想。俺たち一生悪友だろ? ベタこそ大正義の最高なヤツらが帰ってきたぞw グッドメン? なるかよそんなもん
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「バッドボーイズ フォー・ライフ」を観た。
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「バッドボーイズ フォー・ライフ」(2020年)
イケメン金持ち刑事のマイクは今日もブランドスーツに身を包み、愛車のポルシェをすっ飛ばす。ベテランと呼ばれる年齢になった今でも、相変わらず独身を謳歌し続けていた。
一方、相棒のマーカスは孫も生まれ、そろそろ危険と隣り合わせの仕事から身を引くことを考えている。そして、若い頃と変わらず「バッドボーイズ」を貫くマイクにコンビ解消を持ちかけることに。
そんなある日、マーカスの目の前でマイクが銃弾に倒れる。
危篤状態で眠り続ける親友の傍らで祈りを捧げるマーカス。
「マイクが無事に戻ってくれるなら、今後いっさいの暴力を止めることを誓います」
放っておくと白いものが混じるマイクのヒゲを染めながら、親友の帰還を心から願うのだった。
「バッドボーイズ フォー・ライフ(俺たち一生バッドボーイズ)」
キャリアの岐路に差し掛かった2人に立ちはだかる最強の敵。「バッドボーイズ」としての最後の戦いが幕を開ける。
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行ってきたぜ「バッドボーイズ フォー・ライフ」。やっぱりコイツらはコーデネート()
2003年公開の「バッドボーイズ2バッド」以来、約16年ぶりとなったシリーズ最新作「バッドボーイズ フォー・ライフ」。
今作が2020年1月に公開されることを僕が知ったのが去年の10月。そこから約4か月間、過去作を振り返りつつ公開日を待ち続けたわけだが、先日ようやく映画館に足を運んできた次第である。
「映画「バッドボーイズ」感想。主役はウィル・スミスじゃなくてマーティン・ローレンスなんだな」
率直な感想としては「最高だった」。
長年待ち続けた甲斐があったというか、「バッドボーイズ」はやっぱりコーデネート()。単純明快なドタバタあり、シリアス要素あり。鑑賞後の爽快感と満足感は文句なしに凄まじい。
期待した通りのルートを走り、期待した場所に着地する。王道中の王道、絶対に外さない安心と信頼の「バッドボーイズ」は16年経った今でも健在だった。
マイクのピンチにマーカスが駆けつけコンビ復活。このベタさを待っていたんですよボカァ
イントロダクションでも触れられているように、今作は「バッドボーイズ」の2人がキャリアの分岐点を迎えるところから始まる。
すでにベテランと呼ばれる2人だが、マイクは相変わらずブランドスーツに身を包んでポルシェを乗り回す毎日。家族も持たず、若い頃と同じ独身生活を謳歌している。
それに対し、孫も生まれたマーカスは守りの人生へとシフト中。マイクとのコンビ解消・引退を真剣に考えている。
マイクは油断すると髭に白いものが混じり、マーカスは老眼でメガネなしではまともにモノが見えない。
メンタルは正反対の2人だが、身体は正直。よくも悪くも老いを感じざるを得ない年齢に差し掛かっている。
そんな2人の前に突如として現れた最強の敵アルマンド。
マイク銃撃後も次々と過去の事件の関係者を射殺していく謎の人物である。
で、コンビ解消後に現場復帰したマイクにも危険が迫り、引退したはずのマーカスをも巻き込む大事件に発展していく。このままでは家族にも危険が及ぶと感じたマーカスがやむを得ず復帰を決意する流れ。
「俺たちは家族同然だ」
「最後の任務だよな?」
「ああ、最後だ」
お決まりのグータッチでコンビ結成を誓う2人。
うん、知ってた。
めっちゃ知ってた。
公開前の記事や予告編を観れば、こうなることは100人中100人がわかるほどに。
そして、それがいい。
悟空のピンチに必ず駆けつけるベジータ。
悟飯のピンチに必ず駆けつけるピッコロ。
マイクのピンチに必ず駆けつけるマーカス。
このわかりやすさ、ベタさこそが「バッドボーイズ」。まさしく僕が長年待ち続けていた姿であるw
「映画「バッドボーイズ2バッド」感想。すぐに「3」をやらなくてよかった。スケールデカ杉ワロタw」
いや、そうなんだよな。
なぜ僕が「バッドボーイズ」を楽しみにしていたかと言うと、このベタさが欲しかったから。
破天荒な弾丸野郎と家庭を大事にする保守的な相棒というのは刑事ものでは王道中の王道だが、今回はその部分が強調されて作品をより豊かなものにしている。
50歳を越えた今も変わらずシャープな体型を維持するウィル・スミスに対し、画面からはみ出しそうなほどでっぷりと太ったマーティン・ローレンス。この対照的な両者を活用しない手はなく、予告編を観るだけでもそれは十分伝わってきた。
あとは2人の掛け合いでどこまでおもしろくできるかだが、そこもまったく問題なし。彼らのやり取りにはマイクとマーカスが重ねた歳月を山ほど感じることができる。
復帰以降も失敗を繰り返すマーカスのしょーもなさを含め、今作には僕の欲していたベタさがすべて詰まっていると言っても過言ではない。
やるときゃやるマーカス。マシンガンを撃ちまくるシーンはカッコよかった
また、復帰後のマーカスがギャグ担当だけではなかったのもよかった。
中盤の山場としてアルマンド一派との激しいカーチェイス、銃撃戦が行われるのだが、そこでのマーカスの覚醒にはめちゃくちゃテンションが上がる。
マイクの運転するサイドカーの側車でサブマシンガンを見つけてビビり倒すマーカス。
だがマイクの説得(神の声w)により、これまで拒否していた暴力を解放することを決意。
アルマンドの乗るヘリコプターに銃弾を浴びせてマイクを救うシーンは不覚ながらもホロっときてしまった()
普段は気弱で警官としての腕前もいまいちなマーカスだが、ここぞの局面では誰よりも頼りになる相棒。やるときゃやるし、ちゃんとカッコいい。ドタバタ刑事ものの基本である。
おう、サイコーだぜマーカス。
やっぱり2人揃ってこそのバッドボーイズ。
ようやく俺たちのバッドボーイズが帰ってきたんだなw
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バラバラだったメンバーが“チーム”になる過程がすっぽり抜けてて違和感が…。せっかく人物描写は丁寧なのに
逆にいまいちな部分としては、ジェネレーションギャップやハイテクvsローテクの結末が説明不足だったことか。
マイクが新しく配属されたAMMOはメンバーも若く最先端の設備を揃えているのだが、現場主義のマイクはそれがどうも気に入らない。
刑事の勘や観察力を活かした操作は古い。
これからはドローンや隠しカメラなどハイテクを駆使した操作が主流になる。
長年培ってきた経験、刑事としての力量に否定的な彼らに、ついカッとなってしまうマイク。
血の気の多いレイフとことあるごとに罵り合い、元恋人であるリタの他人行儀な態度にイライラが収まらない。そして、手出し無用の指示も聞かず、敵陣に踏み込み片っ端から発砲しまくる始末。
また、クラブに潜入する際に色気たっぷりで女の子に声をかけたはずが、年寄り扱いされて憤慨したり。助け船を出したレイフのドヤ顔やケリーの呆れ顔など。バッドボーイズ2人のおっさんぶりと若手警官との対比は非常にうまく表現できていたと思う。
捜査の方向性に対するベテランvs若者の構図から、彼らがどうやって“チーム”になるのかまで。リタとマイクの関係性も含め、後半に向けて見どころは満載だったのだが……。
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ところが。
マイクとマーカスを追ってAMMOのメンバーもメキシコ入りするのだが、その瞬間から彼らはクッソ仲がいい。あれだけ反目し合っていたマイクとレイフがグータッチするし、どういうわけかリタともいい感じに。
自らの立場も顧みずにバッドボーイズの2人を追いかけてきた時点でわだかまりがすべて消えたのか、それとも機内でのマイクとマーカスの掛け合いに世の中を平和にする魔法でもかかっていたのか。
お互いの信頼関係が構築される過程が丸ごと抜けているせいで唐突感が尋常じゃない。
今作のテーマは恐らく「老い」「家族」「仲間」「絆」。
マイクの過去やマーカスとの絆など、せっかくシリアスパートを丁寧に描いたのだから、仲間との信頼関係が生まれる過程もきっちり描ききって欲しかった気がする。
いや、ハワード警部を退場させたのはアカンでしょ。急きょ「4」が決定したらしいけど
そして僕がもっともキツいなと思ったのが、ハワード警部を退場させてしまったこと。
この人は1995年公開の第1作からのレギュラーメンバーで、マイク&マーカスの直属の上司に当たる人物。彼らの無鉄砲な捜査に毎回怒り狂って放送禁止用語を連発するのがお決まりのパターンだったわけだが、まさかあんな退場の仕方をするとは。
休日に娘? のバスケを見ながらのんびりしていたところにマイクが現れ、今後についてのアドバイスを求める。
「あまり無茶をするべきじゃない」
「そろそろ落ち着いて地に足をついた生活を送れ」
自分を撃った犯人捜査に鼻息が荒いマイクに対し、至極もっともな言葉をかけるハワード警部。顔を真っ赤にして怒鳴り散らす勤務中の姿とはうって変わった穏やかな表情に、視聴者もホッとさせられたのではないか。
と思っていたら、突然首元を撃ち抜かれて倒れてそのまま帰らぬ人に。
いや、コレは……。
ハワード警部って、要するに「新宿鮫」でいうところの桃井警部ですよ?
最後の戦いを盛り上げるための大盤振る舞いとはいえ、初期のレギュラーメンバーをこんな雑に退場させます?
シリーズのファンとしてもそれなりに思い入れがあるキャラだったのだが……。
マジな話、重要度で言えばマーカスの奥さんのテレサ・バーネットくらいはあったと思うんですけどね。
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しかも思いのほか今作の評判がよかったせいで、急きょ「4」の企画がスタートしているとか。確かに「絶対あとで付け足しただろ」的なラストだったし、制作側にも予想以上に手ごたえがあったことは想像に難くない。
もちろん続編は楽しみだが、個人的にハワード警部のいない「バッドボーイズ」はちょっと物足りない。彼の不在を忘れさせるほどのインパクトに期待しつつ、続報を待ちたいと思う。
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