平岡アンディいいね~w エドワーズを4RTKOで沈めてラスベガス2連勝。今のところ変なしがらみがないのがいいよな。今後もこの調子でがんがってね【結果・感想】

平岡アンディいいね~w エドワーズを4RTKOで沈めてラスベガス2連勝。今のところ変なしがらみがないのがいいよな。今後もこの調子でがんがってね【結果・感想】

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2020年10月31日( 日本時間11月1日)、米・ネバダ州で行われたS・ライト級8回戦。日本ランキング1位の平岡アンディが2019年11月以来、約1年ぶりとなったラスベガスのリングでリッキー・エドワーズと対戦。4R2分20秒でTKO勝利を飾り、キャリアを16戦全勝11KOとした。
 
 
井上尚弥vsジェイソン・モロニー戦のアンダーカードに出場した平岡アンディ。
対するリッキー・エドワーズは戦績12勝4敗のオーソドックス。2013年のデビューから11連勝を飾ったものの、ここ5戦では1勝4敗とスランプが続いている。
 
 
試合はリング中央で対峙した両者が相手の隙をうかがう展開。
鋭い踏み込みで左を当てたい平岡に対し、エドワーズは入り際のカウンターを狙う。
 
下がりながらタイミングを測るエドワーズと、前手の差し合いから鋭く踏み込み左を放つ平岡アンディ。序盤1、2Rはたびたびクリンチが発生するなど、やや膠着状態が続く。
 
だが平岡が3R開始30秒で1度目のダウンを奪うと、そこからさらにプレッシャーを強める。
エドワーズにコーナーを背負わせた状態で左をヒットし、試合を完全に支配する。時おりエドワーズのカウンターを被弾するシーンもあったものの、4Rに2度のダウンを追加しての快勝。見事ラスベガス2連勝を飾るとともに、通算戦績を16勝全勝11KOとした。
 
デービスの一点突破の野獣性。サンタ・クルスをアッパーで失神KO。左のブローナーは穴も多いけど、負ける姿が想像つかんよね
 

平岡アンディ!! 井上vsモロニー戦と同じくらい楽しみにしてた。もう少しモタモタするかと思ったけど杞憂でしたね

中量級以上の日本人選手で僕がもっとも期待している平岡アンディ。
今回もメインの井上尚弥vsジェイソン・モロニー戦と同じくらい楽しみにしていた試合で、見事な勝利を挙げてくれて本当によかった。
 
平岡アンディvs佐々木尽、栗原慶太vs中嶋一輝。数日遅れで視聴したので感想を。さすがの平岡アンディと栗原慶太の圧勝っぷり
 
相手のリッキー・エドワーズはここ最近こそ負けが込んでいるが、カウンターの得意そうなクネクネしたタイプ。最初に観たときはちょっとめんどくさそうな相手に思えた。
 
さすがに平岡アンディが負けることはないとは思うが、それでも多少はモタモタするのではないか。うまく追いかけて捕まえられればいいなと思っていたところ……。


実際には都合3度ダウンを奪ってのTKO勝利。
 
ウェルター級のプロスペクト、ヘスス・アルハンドロ・ラモスがウェルター級契約でこの選手に3RKO勝ちを収めていることを考えると、平岡アンディの4RTKO勝利にもそれなりに意味があるのではないか。
 
まあ、大きな身体と前に出る馬力で圧倒したラモスと、鋭い踏み込みとソリッドなパンチで切って落とした平岡アンディを単純比較するのは適切ではない気もするが。

 
佐々木尽の王道キャリアたまらんな。10/19平岡アンディと日本王座決定戦。“これが主役のボクシング”をまんま体現しとるよね
 

いい試合でしたね。前手の右と鋭い踏み込み。身体能力の高さも相変わらず

試合の感想としては、なかなかよかったと思う。
 
リーチの長さを活かした前手の右を触角のように使い、エドワーズの左をまともに機能させない。
この右でうまく相手とのスペースを確保し、鋭い踏み込みから左ストレートを打ち込む流れ。
 
一連の動きを観るだけでも平岡アンディの身体能力の高さははっきりとわかるし、そこが僕がこの選手に期待する部分でもある。
 
今回のエドワーズは懐も深く動きもクネクネしており、最初に申し上げたように捕まえるのにもう少しモタつくかな? とも思っていたが、まったくそんなことはなく。
 
前手の右で牽制→左ストレートをチラつかせながら圧力をかけてコーナーを背負わせる流れでどんどん追い詰め、あっという間にレフェリーストップを呼び込んでしまった。
リーチが長くガードを低く構える両者だったが、基本性能にはかなり差がある一戦だった。
 
平岡アンディは2019年7月の近藤明広戦でも前手の右を駆使して近藤の得意な左リードをうまく封じていたし、vsオーソドックスではこの右リードが生命線になるのだろうと。
 

ディフェンス面は若干心もとないかな。攻撃のつなぎ、打ち終わりにタイムラグができる

長い右と鋭い踏み込み、キレのある左が持ち味の平岡アンディだが、その反面ディフェンスにはやや難があるように思える。
 
申し上げたように平岡アンディは右で牽制→左ストレートにつなぐ流れを基本的な攻撃パターンとする。長いリーチと高い身体能力を全面に押し出したボクシングで、これだけの踏み込みのレンジをナチュラルに出せる日本人選手はマジで希少性が高い。
 
ただ、初弾の右から左を打ち込むまでに若干タイムラグがあり、そこにカウンターをもらいやすくもある。やや前傾姿勢な構えを含め、攻撃のつなぎや打ち終わりに無防備に顔を跳ね上げられるシーンが目立つ。
 
実際、今回の試合でもエドワーズの右を何発かカウンターで被弾していたし、膝がガクッと落ちる瞬間もあった。
 
WBAが暫定王座廃止? いや、暫定王座はいるだろw ここまでビジネスが肥大化すれば王座乱立も仕方ない? L・フライ級の上位ランカーに注目してみた
 
過去の試合を観る限りリッキー・エドワーズという選手はカウンターが得意で、平岡アンディもそこを警戒して攻めあぐねるかも? と思っていたわけだが、むしろ「ある程度の被弾はOK」と言わんばかりにずんずん中に入っていったという。
 
恐らく12勝のうちKO勝利が3つしかないことや、序盤2Rでエドワーズのパンチに怖さがないことを把握した上での攻めだったとは思うが、どちらにしても近場でのディフェンスは今後の課題なのだろうと。
上述の近藤明広戦でも、近藤の右をもらって盛大に効かされてたしね。
 
 
「前手の右で牽制→踏み込んでの左→クリンチ」以外の攻撃パターンを確立して戦術の幅を広げれば、さらなる成長が見込めると期待しておく。
 

期待感と伸びしろしかない平岡アンディ。やっぱり“素材”のままアジアを飛び越えるくらいじゃないと()

しかし、毎度のことながら平岡アンディにはどうしてもワクワクしてしまう。
 
正直、今の段階ではこの選手にS・ライト級のトップ戦線で勝ち残れるほどの強度は感じない。今後試合を重ねていけばどこかで負けることもあるだろうし、現時点ではどちらかと言えば“素材”なのだろうと思う。


だが、それでも世界戦経験もある近藤明広に勝利したことは事実で、“素材”のまま16連勝しているのは普通にすごい。
 
近藤明広以外にも小原佳太や岡田博喜など、これまで日本中量級のトップ選手が海外のリングで跳ね返されてきたが、彼らはあくまでキャリアを重ねた“完成品”として招聘されている。
 
それに対して平岡アンディは現在24歳。未完成で粗削りだが、身体能力は抜群で伸びしろも尋常じゃない。
仮に躓いても巻き返す時間は十分残されているし、トップランク社のマッチメークからもこの選手を育てようという意図が感じられる。
 
以前にもちょろっと申し上げたが、現在のS・ライト級でトップ戦線に絡もうと思えば身体能力の高さだけでアジアを飛び越えるくらいのスケール感が必要なのかもしれない。
 
僕が平岡アンディジャスティスに期待する3つの理由。ロヘリオ・カサレスに2RTKO勝利で米国デビューを飾る
 

変なしがらみがなくて身軽なのがいいよね。できれば今後も海外を軸に試合を重ねてほしいけど…

何よりこの選手には今のところ変なしがらみがないのがいい。
 
ここ数年で海外のプロモーターから声をかけられる日本人選手が増えたが、以前は海外のリングと言えば国内で世界戦が組めない選手が強豪相手にワンチャンスにかける印象が強かった。
 
テレビ局のバックアップやファンベースがない分身軽ではあるが、チャンスさえあればどれだけ不利な条件でも飛びつかなくては道は開けない。
 
そこれそ今回のWBA世界L・フライ級タイトルマッチ、京口紘人vsタノンサック・シムシー戦のようなもので、絶対不利を承知で海を渡るイメージ。
 
京口試合前日にコロナ陽性で全試合中止←センスのかけらも感じないぞ。タノンサックが気の毒過ぎるし…。つまりダナ・ホワイトは神
 
逆に大手ジム所属の人気選手は防衛を重ねるごとに国内での地盤が強固になっていくが、それだけ身動きが取れなくなる。
内山高志や山中慎介などがその典型例で、特に内山高志はマニー・パッキャオのアンダーカード出場のオファーを「後援会の人間が応援に行けないから」という理由で断ったという話もある。
 
国内でやることがなくなっていた井上尚弥ですら、WBSS以前は年末やGWなどテレビ局側のスケジュールに縛られていた。
 
 
一方、今の平岡アンディの肩書きは初代日本S・ライト級ユース王者のみ。
内山や山中のように国内での確固たる地位の割に海外での知名度が伴わないということもなく、井上尚弥のようなメイン縛り? もない。
需要の多い中量級を主戦場とし、30歳前後で海を渡った日本人トップ選手のように一度負けたら終わり的な悲壮感も皆無。
しかも、井上がトップランク主催のイベントに呼ばれるたびにセットで声がかかる可能性が高いという。
 
井上尚弥が日本ボクシング界の歴史を塗り替える選手になりつつあるのはもちろんだが、こうして見ると平岡アンディの歩む未来も十分楽しみである。
 
今後はOPBFタイトルやWBO-APタイトルを狙うのか、引き続き北米のリングを軸にするのかは不明だが、とにかくがんばってもらいたい。
どちらかと言えば井上尚弥のアンダー以外でもトップランク主催のリングに上がってほしいが、いちいち隔離期間を設けなくてはならないのがね……。
 
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