僕が平岡アンディジャスティスに期待する3つの理由。ロヘリオ・カサレスに2RTKO勝利で米国デビューを飾る【結果・感想】
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トップランクと契約したIBF世界S・ライト級14位平岡アンディが2019年11月30日(日本時間12月1日)、米ラスベガスでデビューを果たし、ロヘリオ・カサレスとの8回戦を2R2分15秒TKOで勝利。戦績を15戦全勝10KOとした。
平岡アンディがKOでラスベガスデビュー飾る ドネアも祝福 https://t.co/riqfGqsVoC #スポーツ #sports #ニュース
— スポーツ報知 (@SportsHochi) December 1, 2019
ちょろっと申し上げたように、平岡アンディは中谷正義と同様、日本の中量級で僕が勝手に期待している選手。
最初に観たのは確か2017年で、「お、コイツいいな。覚えておこう」と思った記憶がある。
翌2018年9月に日本ユース王座を戴冠したと聞き、「ほら、やっぱり出てきたよ(忘れてた)」という流れ。
一応、2016年末の有明コロシアムで井上尚弥vs河野公平戦の予備カードで出場していたらしいのだが、そのときはよくわからず。
メイン後に「何か豪快にKOしてるヤツがおったなぁ~」程度に薄っすらとは覚えているが、はっきりと存在を認識していたわけではない。
バランスのいいジャロン・エニスと器用なホセ・ペドラサ、五輪連覇のロベイシ・ラミレス。平岡アンディはこんなヤツらを相手にせないかんのか…
そして、2019年7月に行われた中谷正義vsテオフィモ・ロペス戦。
その際、中谷絶対不利の声が多く、
「ここで中谷が通用しなかったら日本の中量級はまずい」
「平岡アンディが出てくるまであと2年待たなくてはならなくなる」
と申し上げ、結果的に中谷がすばらしい試合を見せてくれたおかげで胸をなでおろした次第である。
「中谷正義惜しい! テオフィモ・ロペスに判定負け。でも間違いなく通用するとは思ったよね」
というわけで表題の件。
先日の米国デビュー戦KO勝利を受けて、今回は「僕が平岡アンディに期待する理由」を適当に挙げていこうと思う。
もちろん“僕が勝手に”期待しているだけなので、今後この選手のキャリアがうまく進まない可能性もある。たとえ思ったようにいかなくても、期待外れどうこうの話ではないことをお伝えしておく。
僕が平岡アンディに期待する理由:その1
「顔面がいい」
まず1つ目の理由はコレ。
この選手はとにかく顔がいい。
Don’t let that bad energy get to you !???#theblade#boxing#平岡アンディ#大橋ボクシング#teamjustice#goodenergy pic.twitter.com/U2OyGQcGZM
— Andy Justice Hiraoka 平岡 アンディ???? (@andy_h888) October 23, 2019
各パーツが大きく全体的に真ん中に集まっていて、なおかつ頬骨が張った輪郭が特徴的。
個人的にパッと頭に浮かんだのがコイツ。
世界4階級制覇王者マイキー・ガルシア。
2019年3月にエロール・スペンスJr.に敗れて初黒星を喫したものの、文句なしのスーパースターと言える選手。
貫通力の高い硬質なパンチが最大の武器で、平岡アンディの威力抜群の右フックや左ストレートとも共通している。
「最強スペンスがマイキーに大差判定防衛。ど正面からのどつき合いは見応えあったな」
頬骨が張ったゴツい骨格がパンチ力と相関関係があるのかは不明だが、とにかく平岡アンディの“主役顔”には大いに期待したい。
常日頃から「男は顔だから」などと冗談っぽく言っているが、実際問題、顔面偏差値の高さはスポーツ選手のスター性に大きく影響すると思っている。
平岡アンディいいね~w エドワーズを4RTKOで沈めてラスベガス2連勝。今のところ変なしがらみがないのがいいよな
僕が平岡アンディに期待する理由:その2
「未完成なのがいい」
続いて2つ目はコレ。
平岡アンディの未完成さである。
改めてこの選手の試合を観ると、荒削りさ、未完成さが際立つ。
基本は長身サウスポーの利点を活かしたアウトボクシングのスタイルなのだが、足運びはやや不安定。腕の伸びる距離で打ち合っているうちはいいが、ズンズン前に出てくる相手には苦労させられるシーンが目につく。
また、ガードが低く打ち終わりのケアも甘いため顔面にカウンターを被弾するケースも多い。
今回も比較的組みし易しなロヘリオ・カサレスの突進にかなりバタバタしていたし、実際左フックの被弾も見られた。
2019年7月の近藤明広戦では近藤に打ち終わりの右を狙われ、何度も顔を跳ね上げられている。
カウンターの右でガクッと膝が落ちるなど、後退させられた際の対応にはまだまだ課題があるように感じた。
恐らくだが、今後も米国のリングでやっていくのであれば、どこかで負けることもあると思う。
すっかり若手ホープの踏み台役が板についたウィリアム・シルバとの試合が観たいとは言ったものの、今のところこのレベルの選手とは差があるように見える。
平岡アンディ、順当にKOで勝ってよかった。
この選手は中谷正義と同様、日本の中量級で(僕が勝手に)期待してる選手だからな。
次はウィリアム・シルバあたりとぶつかって、スピードについていけるかに注目したい。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) December 1, 2019
少なくとも同興行でシルバをボディ1発でKOしたアーノルド・バルボサJr.には現時点では歯が立たないのではないか。
ただ、それがいい。
小原佳太、近藤明広、尾川堅一、岡田博喜、伊藤雅雪、井上岳志、中谷正義など。
ここ最近、中量級の日本人選手が海外のリングに上がる機会が増えている。
かつては三浦隆司や金子大樹などが海を渡ったが、プラットフォームの多様化によって岡田博喜や伊藤雅雪のように継続的に米国のリングに参戦するケースも目立つ。
「完敗の伊藤雅雪。ヘリングに最後まで追いつけず…。これ系の相手はどうしても鬼門になるよな」
だが、上記はいずれもある程度実績を積んだ選手が中心で、いわゆる“完成品”としてのお買い上げ。日本国内でのパフォーマンスをそのまま発揮することが期待されている。
それに対し、平岡アンディの実績は日本ユース王座のみ。世界ランカーに勝ったと言っても、今までの選手に比べればまだまだである。
大橋会長もコメントしていたように、潜在能力を買われてのトップランク社との契約というのは間違いなさそうである。
マジな話、平岡アンディに関しては今回の抜擢はめちゃくちゃアリだと思っている。
長身サウスポーで高い攻撃力を有し、身体のバネもある。
その反面、ディフェンス面はやや甘く全体的に荒削りで未完成。
そして、その荒削りなまま世界挑戦経験もある近藤明広に明確に勝利した事実。
セルゲイ・リピネッツをゴリゴリ押し込んだ近藤のフィジカルに当たり負けせず、逆に得意の右フックでグラつかせる身体の強さ。
このスケール感は侮れない(気がする)。
未完成のまま日本屈指の実力者に勝ったのなら、ここから先は上がり目しかないでしょ?
そもそも“素材”のまま東洋圏を飛び越えるくらいじゃないと、この階級で頂点に立つのは難しいんじゃないの?
技術云々、駆け引き云々はポテンシャルだけで通用しなくなってから考えればいいんじゃないの?
みたいな。
それこそ勝ったり負けたりしながらミゲール・コット戦までたどり着いた亀海喜寛を超えることもあり得るのではないか。
しかも、亀海喜寛が初めて米国に渡ったのが28、9歳だったのに対し、平岡アンディは23歳。やり直す時間はたっぷりと残されている。
「コットvs亀海感想。あ~、亀海これでいっちゃったか。もう少しやりようがあったような気が…。頂上は高かった」
実際、スケール感ってあるからね。
いい選手だけどどこかこじんまりとしていて、相手の馬力に飲まれそうな選手って日本人にもいますからね。
元も子もないことを言うと、最低限の基準を下回っている選手はスタートラインにも立てないよねという話。
個人名を出すとカドが立つので止めておきますが。
って、角野卓造じゃねぇよ!!
いや、ゴメン。
今のは完全に僕が悪かった。
「ジョシュ・テイラーvsコーンソーンキター!! 日本一のアピヌンファン(自称)の僕が全力で応援してやんよ、お?」
僕が平岡アンディに期待する理由:その3
「血統がいい」
ラスト3つ目の理由はコレ。
血統のよさである。
この選手はガーナ人の父と日本人の母を持ち、幼い頃にバラエティ番組「さんまのスーパーからくりテレビ」でボクシング少年・アンディ君として取り上げられたこともあるという。
下記の記事を読むと、ボクシングと並行して始めた陸上で全国大会に出るなど、当時から身体能力は凄まじいものがあったとのこと。
「大橋会長「日本人にはない」平岡アンディの能力絶賛」
恐らく大橋会長の言う「日本人にはない」は「日本人離れした」という意味だと想像するが、どちらにしても平岡アンディがとんでもないポテンシャルを秘めているのは間違いなさそうである。
うお、すっげ……!!!!
ボクシング新人王トーナメント準決、勝って2日後に走った5000mのレース。
ベスト20秒更新の14分26秒でゴール周りに出場を反対された?
出来ない事はない??#横浜高校#陸上#平岡アンディ#theblade#boxing#teamjustice pic.twitter.com/6EpAZvOq4U
— Andy Justice Hiraoka 平岡 アンディ???? (@andy_h888) October 30, 2019
そして僕自身、“血統”というのはガチであると思っている。
・大坂なおみ(テニス)
父親:ハイチ、母親:日本
・八村塁(バスケット)
父親:ベナン、母親:日本
・松島幸太朗(ラグビー)
父親:ジンバブエ、母親:日本
・サニブラウン(陸上)
父親:ガーナ、母親:日本
・オコエ瑠偉(野球)
父親:ナイジェリア、母親:日本
以前にもちょろっと言ったが、個人的に「アフリカ系と日本人の間にはフィジカルモンスターが生まれやすい」説はかなり有力な気がしている。
上記の記事でも大坂なおみと八村塁の活躍に触れられているが、似たような血統の平岡アンディがそこに続く可能性は十分あるのではないか。
「大坂なおみのグランドスラム優勝がいかにすごいかを語ってみる。全米オープンでセリーナに勝利」
つまり、僕のこの説を実証するためにも平岡アンディにはがんばってもらわなければならないのである()
まあ、人種間の話はデリケートな部分に踏み込む危険が伴うのでこの辺にしておきますが。
そういえば昔、「刃牙シリーズ」に出てくるジャック・ハンマーが、最強のお父さん・範馬勇次郎に「範馬の血が薄い」とダメ出しされてたのは切なかったなぁ……。
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