アリムハヌリやっぱりいい。ロブ・ブラントを削りまくってTKO勝利。村田諒太とは絶対に絡まないタイプだしアンドラーデvsアリムハヌリは笑うw【結果・感想】
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2021年6月26日(日本時間27日)に米・ネバダ州ラスベガスで行われたミドル級10回戦。元WBA世界ミドル級王者ロブ・ブラントとジャニベク・アリムハヌリが対戦し、アリムハヌリが8R終了TKO勝利。戦績を10戦全勝6KOとした一戦である。
2019年7月に日本の村田諒太に敗れて以来、復帰2戦目を迎えたロブ・ブラント。
対するジャニベク・アリムハヌリはカザフスタン出身の元トップアマで、現在3連続KO勝利中と波に乗るサウスポーである。
試合は序盤から足を使って左回りに動くブラントに対し、アリムハヌリは前手の右を駆使してジリジリとプレッシャーをかける。
アリムハヌリのプレスに押されてなかなか手数が増えないブラントは時おり鋭い左リードをヒットするものの、そのつど右のフェイントで進行方向を塞がれ正面から左を被弾する苦しい展開。
中盤以降は動きを見切ったアリムハヌリが完全に主導権を握る。
ブラントを正面に捉え、細かい右のフェイントから左ストレートをボディ、顔面にヒット。6Rにはガードの間を通す左でダウンを奪うなど、ブラントに付け入る隙を与えない。
7、8Rとアリムハヌリの一方的な流れが続き、8R終了時についにブラントがギブアップ。レフェリーが両腕を交差しアリムハヌリの勝利を宣言した。
ジャニベク・アリムハヌリvsロブ・ブラント戦、こっそり楽しみにしてた。アリムハヌリのテストマッチだろうけど、ブラントにもチャンスはある?
ジャニベク・アリムハヌリvsロブ・ブラント。
村田諒太と2度対戦したロブ・ブラントがカザフスタン出身の元トップアマ、ジャニベク・アリムハヌリと対戦するということで注目していた一戦。
ロブ・ブラントは2020年8月の復帰戦では上々のパフォーマンスを見せていたし、もう一度トップ戦線に浮上してきてもらいたいと思っている。
一方のジャニベク・アリムハヌリは世界選手権での金メダル獲得経験を持つ元トップアマとのこと。
過去の試合を観るとなかなかよさげで、これはブラントも危ないんじゃねえか。
ただ、ロブ・ブラントが村田諒太との第1戦目で見せた超絶連打を発揮できれば勝負はわからない。
恐らく今回はアリムハヌリがステップアップするためのマッチメークなのだと思うが、どちらにしても勝負論のある組み合わせ。メインの中谷正義vsワシル・ロマチェンコ戦の陰に隠れてはいるが、個人的にかなり楽しみにしていた試合である。
アリムハヌリはすでに村田より強い? フライ級? 最強ダラキアン、大忙しのアフマダリエフ、2Rの長期戦のアンドラーデ。先週末振り返り
アリムハヌリのダルチニアンっぽさ。ゴロフキンの左構えバージョンとか言ったけど、ちょっと違ったね
まず試合を観て思ったのが、「ジャニベク・アリムハヌリってビック・ダルチニアンっぽいな」。
前回「アリムハヌリはゲンナジー・ゴロフキンの左構えにロマチェンコ風味を少し足した感じ」などと、ピンとくるのかこないのかよくわからないことを申し上げたが、実際の試合を観るとちょっと違う。
ロブ・ブラントvsジャニベク・アリムハヌリ、リンドルフォ・デルガド、オマール・ロサリオ。井上尚弥、中谷正義のアンダーカードを予習する
ゴロフキンほどリードジャブの鋭さがあるわけでもなく馬力重視のファイトでもない。
空いた場所に強弱のついた連打を次々打ち込むロマチェンコの試合運びとも少し違う。
小刻みにリズムを取りつつ前手でフェイントをかけ、相手を幻惑しながらコーナーに追い込み左ストレートにつなぐ。このスタイルはむしろ元2階級制覇王者ビック・ダルチニアンに近い気がした。
KOを連発していたフライ級時代のダルチニアンから荒っぽさを間引いて緻密さを上乗せしたというか。
もう少し強引に攻めてもいいんじゃないの? と思う部分もあるが、とにかくやりにくそう、負けにくそうな印象である。
今回もそこまで追い詰めたのならどこかの段階で左をぶん回してもよかった気もするが。
それをせずに打ち終わりのケアを重視する慎重さがこの選手の長所であり短所でもあるのだろうと。
ちっとも手が出ないロブ・ブラント。サウスポーが苦手なのかもしれないが、ここまで何もできないとはね
対するロブ・ブラントだが、こちらは思った以上に手が出なかった。
遠い位置で対峙し、左に回りながら軽い左リードを打ち込みすぐさま距離を取る。
だが、アリムハヌリのプレスをいなしきれずにまっすぐ後退させられ、そのつど左ストレートで顔を跳ね上げられる。
時おり左がヒットするものの、前手の差し合いを支配されて主導権を握れず。
4Rからは正面を外すこともできなくなり、ひたすらボディ、顔面に被弾を重ねていく流れ。
恐らくブラントはvsサウスポーがあまり得意ではないのだと思うが、それでも……。
右に関してはほぼ打っていないと言っても過言ではないほど。
進行方向は左回りのみ。
攻撃パターンは左リードの軽打のみ。
村田諒太との第1戦では左右どちらでもお構いなしに仕掛けていたブラントだが、今回は完全に別人。右が出ないせいでアリムハヌリに無遠慮に左ストレートを打ち込まれてどんどん疲弊させられていく。
確かにブラントは左リードが生命線の選手だが、サウスポーと対峙した途端にここまで機能しなくなるとは。
手数の多さと足の動きを両立+それを12R継続できるスタミナがロブ・ブラントの最大の強みのはずが、手数を封じられたことでまったく実力を発揮できずに終わってしまった。
そういえばロブ・ブラントはテレンス・クロフォードと一緒に練習しているとか、エロール・スペンスJr.ともスパーリングの経験があると言っていたが、今回のジャニベク・アリムハヌリは勝手が違ったということか?
クロフォードよ、お前がNo.1だ…。ケル・ブルックを4RTKOで沈める。見えない右キター♪───O(≧∇≦)O────♪
アリムハヌリはやっぱりよかった。相手の手札を一つずつ奪っていく試合運びが素晴らしい
ただ、それを差し引いてもジャニベク・アリムハヌリはよかったと思う。
妙なリズムで前進しながら進行方向に先回りし、的確に左をヒット。
素早く方向転換して背中側に回ろうとするブラントの正面を外さず、常に射程内に捉え続ける。
で、逃げ切れなくなったブラントが右に回り始めたところでスイッチオン。
半歩ほど距離を詰めて圧力をかけ、ブラントをコーナーに追い込み強打を浴びせる。
相手の手札を一つずつ奪っていくというか、ブラントが徐々に手詰まりになっていく感じが何とも言えない。
正直、この流れなら6、7Rあたりで倒してほしいところだが、そこに至るまでの過程は文句なしに素晴らしかった。
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王者クラスに対抗できるエンジンのデカさがあるかどうか。村田諒太と絡むことは絶対ないけど、vsアンドラーデはぜひとも実現してほしいw
うん、やっぱりいいですねアリムハヌリ。
あとは王者クラスに対抗できるエンジンのデカさがあるかどうかか。
ダルチニアンが階級を上げるごとに相手の馬力を抑えきれなくなったように、この選手もいずれ前手のフェイントとプレスが通用しない強フィジカル野郎に苦労させられるときがくる? かも?
ただまあ、少なくともアリムハヌリが日本の村田諒太と絡むことは100%ないと断言できるが。
先日のWOWOWエキサイトマッチ内で村田が「自分が言える立場ではないですが」云々言っていたが、いや、好きにコメントすればいいんじゃないの?
現状、アリムハヌリはWBAランキングに入っていないし、仮に入っていても陣営がやらせるわけがない。
年末のゲンナジー・ゴロフキン戦を目指すのであれば、こういうタイプに手を出してはいけないのは明白過ぎるくらい明白。そのあたりの村田陣営の徹底っぷりはガチで信頼できる。
この記事が本当なら村田の次戦はカルロス・モンローなる選手になるわけだが、チラッと観た感じ「ちょうどいい」相手っぽいな。
戦績は17戦全勝13KOだけど2年近く試合してない。
実質コイツとセルヒオ・マルチネスしか選択肢がない中、村田の引きの強さと帝拳の戦略の徹底っぷりには関心させられる。 https://t.co/Df4H2XXC6A
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) June 21, 2021
可能性があるとすれば2位にランクインしているWBOか。
デメトリアス・アンドラーデvsジャニベク・アリムハヌリ戦が実現するならこれはちょっと楽しみである。
すべての試合をつまらなくすることを信条とし、カネロに対戦を要求するも秒でフラれたMr.不人気王者デメトリアス・アンドラーデが元トップアマの地味強サウスポー、ジャニベク・アリムハヌリの挑戦を受ける。
カネロvsサンダース感想。カネロの凄さと大観衆の熱気に目を奪われた。同時にボクシングのしょーもなさも山ほど目の当たりにしたよね
それこそ2017年9月のビリー・ジョー・サンダースvsウィリー・モンローJr.戦に匹敵するクソファイトを期待せざるを得ないw
問題は所属が違うこと(アリムハヌリがトップランク、アンドラーデがマッチルーム)だが、それも何とか解消してほしい。
だって、エディ・ハーンもアレだろ?
アンドラーデを後生大事に抱えておいても旨味がないだろ。
どうせビッグマッチなんか組めっこないんだから、それならとことん退屈な方向に舵を切ってだな(失礼極まりない)。
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