山中vsモレノ戦予想!! 山中慎介は最強の挑戦者アンセルモ・モレノを退けられるか? 【9月22日】

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WBC世界バンダム級チャンピオンの山中慎介が2015年9月22日に同級3位のアンセルモ・モレノとの防衛戦(V9戦)を行う。

世界戦12度の防衛記録を持つ最強挑戦者のアンセルモ・モレノ。「亡霊」の異名をとる技巧派サウスポーを前に「神の左」のチャンピオン山中はどう戦うか。文句なしにキャリア最強の相手となるであろうモレノ戦をクリアして、念願のアメリカ・ラスベガス進出の足がかりを作ることができるか。
9月22日、東京都大田区総合体育館で注目のゴングが鳴る!!

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予想はモレノの判定勝ち。「神の左」はモレノに届かない

まず最初に僕の勝敗予想を申し上げておくと、モレノの判定勝ちでいきたいと思う。

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最近の山中は、日本の安定王者にありがちな楽な相手を選んでの防衛戦が続いている。特に直近の2試合などは、背が低くずんぐりとした体型のブルファイターをセレクトしている。いや、ブルファイターというほど前進に特化したタイプではなく、どちらかといえばファイター寄りという程度の挑戦者である。
もしくは上背があってもパワフルではないタイプ。まともにパンチをもらわない限り、KOされる恐れがない相手を挑戦者として指名しているフシがあるのだ。

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今回のように、リーチの長い長身のテクニシャンタイプと試合をするのはかなり久しぶりなのではないだろうか。
例えば2012年のロハスか。あの試合では、ロハスの細かいジャブや打ち下ろしの左に手を焼いていた記憶がある。まあ、うまいボクサーではあったが、ご多分に漏れずパワーレスだったので、KOされる恐さはほぼ皆無であったことも事実である。

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よく聞く「キャリアで一度もダウンを喫したことのない〇〇を、見事KOで下した●●の強さは信じられない」という言葉。これは、かつての名ボクサーがキャリア後半を迎えて衰えきったタイミングで日本に来たというパターンが多いため、個人的にはあまり参考にはならないと思っている。まあ、すべてがそうだとは言わないが。

山中に限らず、日本人ボクサーは全体的に長身のテクニシャンが苦手だ。井岡が負けたアムナットも、モレノとタイプは全く違うが長身のテクニシャンである。

これはなぜか。
答えは明確だ。
単純に場数が少な過ぎるのである。
長身のテクニシャンタイプと巡り会う機会が絶対的に少ないのだ。特にサウスポーともなれば、さらに希少種だ。シミュレーションするに足るレベルのスパーリングパートナーを探すだけでも難儀するのである。

さらに、先ほど述べたように防衛戦の相手に低身長でリーチの短い中途半端なファイター型を多くセレクトするという風潮も、日本人が長身のテクニシャンタイプを苦手とする要因と無関係ではないはずだ。もちろん国内に自分と同等のレベルで長身のテクニシャンが少ないことは原因の1つではあるのだが。

今回はただでさえ不慣れな長身のテクニシャン。しかも12度防衛の強豪サウスポーであるモレノ。いかに山中といえど、不利な条件が揃い過ぎていると言わざるを得ない。

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山中vsモレノの予想記事をいくつか読んだが、どの記事も「山中の左がモレノに届くか」「モレノが山中のワンツーをさばくか」が勝負の分かれ目になるという意見であった。
これらを受けての僕の結論は、「山中の左はモレノに届かない」である。理由は前述の通りの場数の少なさに加え、山中自身の劣化にあると思っている。

山中のベストバウトは2011年の岩佐戦。これは間違いない。
そして、現在の山中は残念ながらあの頃よりも弱い。

念のために申し上げておくが、山中は強い。間違いなく強い。だが、ベストであった2011年の岩佐戦。この頃から比べれば、劣化していることもまた事実だ。

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年齢的な衰えはもちろん考えられる。
だが最も明白な理由は、楽な相手を選んで防衛戦を繰り返したことにある。
かつてのスピードスター長谷川穂積が楽な相手との防衛戦を繰り返すうちにKOを狙い過ぎるボクシングに陥ったように。自分の持ち味であるフットワークを使うことを忘れ、近い距離で大振りを繰り返すようになったように。山中もまた、緩やかな劣化の道を現在進行形で辿っているのだ。

最近の山中の傾向として、左を狙い過ぎるあまり手数自体が少なくなっていることがうかがえる。絶えず出していた右のリードブローの数が減り、前後のフットワークも少なくなっている。それによって、左で威嚇してからショートの右という、自身の隠れた持ち味も失われつつある。
もともと防御がいい方ではない上に「攻撃こそ最大の防御」という利点を放棄してしまった今、一定以上のレベルの相手と対峙すれば確実に被弾は増えるだろう。

これらを考えるに、まともに正面からぶつかったのでは山中の左はモレノに届かない。空回りさせられた挙げ句、あれよあれよという間にポイントを失い続けるだろう。

でも、モレノの衰えも顕著だぞ? その辺どうなんだ?

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直近のパヤノ戦を観る限り、モレノの劣化もまた大概である。
膝に怪我でも抱えているのではないかと思うくらい、足の運びからはスムーズさが失われている。全盛期の滑るようにリング上を移動する華麗さは見事なまでにすり減り、バタバタとその場で足踏みするような不細工なフットワークに成り果てているのだ。特にバックステップのスピード感の衰えはあまりにも著しい。恐らく膝のバネとふくらはぎの衰えが顕著なのだろう。

山中はグイグイ前に出てモレノにプレッシャーをかけたい

では、劣化が進んでいる山中が、衰えの顕著なモレノを相手に優位に試合を進めるにはどうしたらいいか。

やはり前に出てプレッシャーをかける展開に持ち込むのが一番だろう。足の衰えたモレノにとって、どんどん前に来られることが最も嫌な戦い方だからである。それにはやはり、右の使い方がカギになるはずだ。

山中が左の一発を狙い過ぎず、右を出しながらプレッシャーをかけてコーナーに押しこむことができれば比較的モレノの攻略はしやすくなる。
リーチや距離の差に惑わされずに前進できるか。左の一発だけを狙わずに、多少の被弾は覚悟でコーナーに追い詰められるか。山中が優位に試合を進めるにはその辺りが重要になりそうである。

左を打つのであれば、遠い位置から踏み込んで打つロングストレートではなく、至近距離でボディや右を見せておいてからの左フックを使いたい。モレノはダッキングの際に右ガードが下がる癖があるので、パヤノがやったような打ち下ろし気味の左フックが狙い目だ。

モレノの作戦としては、恐らく身体を密着させてくるのではないだろうか。身体を近づけて距離を潰すことで、必殺のワンツーを封じようとするはずだ。そして、至近距離での左のショートフックやショートアッパー、ボディをコツコツ当ててポイントを稼ぎにくるだろう。
またスペースができた際には、山中に対して完全に半身に構えるのではないかと思う。そうすることで山中の射程からボディを遠ざけ、山中の左を自分の背中に当てさせて反則打を誘ってくるのではないだろうか。

そう考えると、山中にとってはむしろモレノが足を使って距離をとった方がチャンスが生まれる。バックステップのスピードの衰えが顕著なモレノのボディにリードの右を突き刺す。下を十分に意識させたところで必殺の左ストレートをお見舞いする。この流れにもっていければ、もしかしたらKO勝ちもあり得るのではないだろうか。

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要するに、山中が勝つにはいかにモレノにプレッシャーを感じさせることができるか。後退させられるかにかかっている。テクニック勝負で山中がモレノに勝つのはほ不可能である。やはりプレッシャーをかけて下がらせ、相手がひるんだところに踏み込んでの左。この流れでいきたい。

山中の「神の左」は、言うなれば「るろうに剣心」の「牙突」である

山中慎介というボクサーは、自分の得意技である左ストレートを一撃必殺のウイニングショットにまで昇華させたボクサーである。例えて言うならマンガ「るろうに剣心」の斎藤一の牙突のようなものだ。
左ストレートさえ当てれば勝てる。絶対の必殺技にまで昇華させた自分の武器をよりどころに、目の前の敵を葬り去ってきたのだ。

だが、今回のモレノに関してはさすがに左ストレートだけで勝つのは難しい。左につなげるまでの伏線が絶対に必要になる。それが前述した右のボディであり、被弾を恐れず前進する勇気である。引き出しの多いモレノのボクシングをちゃぶ台ごとひっくり返してしまえるだけの爆発力である。

書いているうちに、何となく山中が中盤から後半くらいにKO勝ちするのではないかと思えてきた。まあ、ここで予想をひっくり返すのもカッコ悪いので、モレノの判定勝利予想は変えずにいこうと思う。
そして、山中にはこの予想をぜひとも覆してもらいたい。

とにかく9月22日が楽しみである。
がんばれ山中慎介。

「山中がモレノに判定勝ち!! 僅差判定で辛くもモレノに勝利」

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