打倒井上尚弥筆頭アンカハスが帝里木下を迎えての防衛戦!! マックジョーに勝利した長身王者が今回もサウスポー対決に挑む【予想・展望】

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ブリスベンイメージ
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2017年7月2日にオーストラリア・ブリスベンで行われるIBF世界S・フライ級タイトルマッチ。同級3位の帝里木下が王者ジェルウィン・アンカハスに挑戦する試合である。
 
2014年にゾラニ・テテに敗れて以来2度目の世界戦となる帝里木下。相手は2016年にマックジョー・アローヨからタイトルを奪った強豪、ジェルウィン・アンカハスである。
3年前の挑戦では長身のゾラニ・テテにほぼ何もできずに判定負けを喫しているが、今回はどうなるか。
 
強打のサウスポー、アンカハスが相手ということで不利予想が大半を占める中、何とか攻略してジャイアント・キリングを果たしたいところである。
 
「亀田和毅vsイバン・モラレスはわかるわ~ww はっきりと意思が見えるマッチメークはいいね」
 
なお、この試合はWBO世界ウェルター級王者で6階級制覇王者のスーパースター、マニー・パッキャオvs無敗の挑戦者ジェフ・ホーンのアンダーカードとして行われる。
 
「ジェフ・ホーン圧勝!! パッキャオ議員に力技で勝利し人生の厳しさを教える!! 作戦勝ちかな。フィジカル面も差があったよな」
 

帝里木下vsジェルウィン・アンカハス戦めっちゃ楽しみ。メインのパッキャオvsホーン戦よりはるかに

帝里木下vsジェルウィン・アンカハスの世界戦が決定した。
 
そして実を言うと、僕はこの試合を結構楽しみにしている
ぶっちゃけメインのマニー・パッキャオvsジェフ・ホーン戦よりもww
 
ほとんど注目されずにひっそりと行われた2014年のゾラニ・テテ戦とは打って変わり、今回の会場はオーストラリアのサンコープスタジアム。普段はラグビー会場として使用され、55000人のキャパというケタ違いのスケールである。
しかもパッキャオのアンダーカードということで、帝里木下本人も相当気合いが入っていることは間違いない。
 
「絶望の帝里木下。アンカハスに手も足も出ずにKO負け。完敗でしたね。ぐうの音も出ないほどの一方的な試合」
 
また、当然ながら僕は王者アンカハスの試合運びにも注目している。
MPプロモート初の世界王者であるパッキャオの秘蔵っ子。しかも同じサウスポーでパッキャオとの共通点も多い。
 
「スティーブンソンがフォンファラを2RKO!! 顔面かち上げたろか? と言わんばかりの自慢の左が炸裂して8度目の防衛に成功」
 
タイトルを獲得した2016年のマックジョー・アローヨ戦は、個人的には年間最高試合に匹敵するほどの好試合だったと思っている。
 
その強豪アンカハスに日本の帝里木下が挑む。
正確には韓国籍ということで「日本の」と呼ぶのは違うのかもしれないが、そんなことはどうでもいい。
S・フライ級日本屈指のサウスポーが世界王者アンカハスにどこまで通用するか。本当に楽しみな一戦である。
 
メインのパッキャオvsホーン戦はまあ、アレっすわ。
メイウェザーとの2連戦ですっかり人生に余裕ができちゃったマルコス・マイダナさんコースにホーンさんも乗れればいいっすね。


 

中間距離が得意なサウスポーの帝里木下。でも、ちょっと厳しいかなあ

オーストラリアの地で一世一代の大勝負に挑む帝里木下。
 
ただ正直、相当厳しい勝負になるのではないだろうか。
 
大方の予想通り、普通に考えればアンカハスの勝ち。
下手をすれば、まったく相手にならない可能性もなきにしもあらず?
よくわからないが、かなりの劣勢を強いられるように思える。
 
まず帝里木下の過去の試合をざっと観ると、この選手が得意とするのは恐らく中間距離。
スピーディなワンツーをヒットし、そのまま相手にもたれるように距離を詰めてヘッドバットを1発。さらにローブロー気味のボディを連打しつつ、頭を下げて至近距離で左右フックを振り回す。
ワンツーのスムーズさとサウスポーの距離感、さらにちょっとしたダーディテクをうまく使う選手だなあという印象である。
 
「村中優惜しい!! ヤファイを追い詰めるが、最後の最後で失速。敵地で絶好のパフォーマンスは次につながるんでねえか?」
 
またディフェンス面はやや甘く、ガードの間や外側から顔面を打たれるシーンが目立つ。
足を使って距離をとることもあるようだが、離れた位置から出せるパンチはあまりないように感じる。
踏み込みのレンジも長くはなく、自分の攻撃を当てるにはある程度間合いを詰めなくてはならない。
そのおかげでゾラニ・テテには遠い位置で釘付けにされ、長いパンチで削られ続ける展開で敗北している。
 
「山中vsルイス・ネリ予想!! 最大にして最強の挑戦者登場? 13度目防衛戦をクリアしてカンムリワシに肩を並べろ」
 

アンカハスは強いわ。全局面で帝里木下を上回っている気がするよ

対するアンカハス。
この選手の得意な立ち位置も基本的には中間距離。実は帝里木下の得意な間合いとかなり似ている。
そして、その局面での精度や強度など、帝里木下とは比べ物にならないくらいクオリティが高い。
 
マックジョー・アローヨ戦を観直すと、相手のワンツーをバックステップでよけてからのリターンがめちゃくちゃ速い。さらにサウスポー同士にもかかわらず右のジャブが当たり前のようにスムーズに出る。
 
「井上尚弥が米国デビュー。アローヨ兄弟よりマシじゃないの? アントニオ・ニエベス全然知らないけど」
 
刺さるように伸びるボディストレートでアローヨに踏み込みを躊躇させ、バックステップしながらのカウンター。すぐさまサイドへ回ってガードの外から左をねじ込む。
身体を振りながらジグザグに距離を詰め、右のボディを1発。すぐさま右アッパーでガードをこじ開け、もう1発右のボディ。
 
「見どころ満載の拳四朗vsガニガン・ロペス。思った以上におもしろかった試合。拳四朗が大接戦を制する」
 
しかも、至近距離でのもみ合いでも十分強い。
アローヨに押し込まれてロープを背負うシーンもあるが、そこからサッと身体を入れ替えて形勢を逆転するうまさもある。
 
パワフルかつ正確。
しかも、アローヨと正面衝突しても負けないフィジカルも持ち合わせる。
 
普通に考えて、この選手に勝つのは相当難しいのではないだろうか。
別に帝里木下が弱いというわけではなく。
 
「井上尚弥に勝てる選手? バンタム級で誰が井上尚弥を倒せるか、どうすれば勝てるかを妄想してみる」
 

勝敗予想はアンカハスの判定勝利。KOも十分考えられるんじゃないか?

今回の試合、勝敗予想はアンカハスの大差判定勝利でいきたいと思う。
 
もしかすると、試合後半でのKOも十分あり得るのではないか。
それくらい帝里木下にとっては厳しい試合になりそうな気がする。
 
とりあえず今回の試合、帝里木下が判定に持ち込むことは可能だと思っている。
いつものようにワンツーと同時に間合いを詰め、至近距離でもみ合う展開に持ち込めば、KOされる心配は小さくなる。
だがそれで勝てるかと言えば、残念ながら難しい。
 
「大激戦のバルテレミーvsキリル・レリク!! まさかの苦戦のダークヒーロー、バルテレミーはクロフォード打倒を果たせるか?」
 
申し上げたように、アンカハスは中間距離でも至近距離でも相当な強さを発揮する。
 
恐らく帝里木下のワンツーはさらっとバックステップでかわされるし、サウスポー同士ということでヘッドバットも使いにくい。
至近距離でも相手と正対せず、ボディが打てるスペースを確保するフィジカルもあるので泥試合に持ち込むのも難しい。
 
「リゴンドーに勝てる選手見つけた。リゴンドーの倒し方、勝ち方考えた。無謀な挑戦を前向きな妄想に」
 
かといって、中間距離での差し合いでは話にならない。
レンジの長いボディストレートとワンツーをバシバシもらってポイントをごっそり持っていかれそうな気配がプンプンする。
 
要は「健闘はしたけど各ラウンドで上をいかれた」「帝里木下はがんばった。でも実力的にはアンカハスとは差があった」という、アウェイでのお決まりの結末が待っているのではないだろうか。
 

遠い間合いから削りまくれば……。帝里木下がゾラニ・テテ戦法を踏襲できれば、もしかして……

どう見ても厳しい帝里木下だが、唯一勝ち目があるとすればゾラニ・テテ方式だろうか。
ジェルウィン・アンカハスが身長168cm、リーチ169cmに対し、帝里木下は身長170cm、リーチ172cm。体格的には帝里木下の方が勝っている。
 
この差を利用して遠い位置から削るスタイルを実行できれば、かろうじて勝機を見出せそうな気がするが、どうだろうか。
 
相手の射程の1歩外で構え、その距離をキープしながら瞬間的な踏み込みで左をコツコツ当てる。距離の違いを目一杯利用してアンカハスの攻撃をしのぎまくり、各ラウンドでわずかずつリードする。
つまり、2014年に帝里木下がゾラニ・テテにやられたスタイルである。間違いなく一進一退の展開になると思うが、ギリギリ2-1の判定勝利で逃げ切ることができれば……。
 
「比嘉が半病人エルナンデスを5回ダウンさせてTKO勝利!!」
 
ただ、それにはアンカハスに踏み込みを躊躇させる何かが必要になるわけだが。
ゾラニ・テテは突然軌道の変わるアッパーなど、縦横のバリエーションで相手の踏み込みを制限する術があるが、果たして帝里木下は……。
しかも、この選手には遠い位置から出せるパンチがない。
 
あのオーバーハンドの左が通用すればとも思うが、あれだけ外旋回だと見切られる可能性が高いか?
 
 
いや〜、やっぱりキツいかなぁ。
何とかがんばってもらいたいんですけどね。
体型的にはサウスポー版佐藤洋太になれそうな感じがするんですけどね。
 
 
しかしこの選手、ゾラニ・テテに負けて以降の戦績はなかなかですね。
それまでは日本王座を5度防衛した上で世界タイトルマッチに挑んでいるのに、そこからのキャリアは非常にコメントしにくい……。
 

ジェルウィン・アンカハスは打倒井上尚弥一番手。S・フライ級で唯一勝てる可能性のある選手? 帝里木下程度につまづいている場合じゃない

とまあ、帝里木下選手についてあれこれ言ってきたが、最初に申し上げたように僕はジェルウィン・アンカハスの試合運びにも大いに注目している。
 
個人的にアンカハスは、S・フライ級で唯一井上尚弥に勝てる可能性のある選手だと思っている。
もちろんIBF王者とWBO王者での統一戦を実現するのはたやすいことではないし、一度アンカハスが井上側からのオファーを蹴っているとのこと。この先、両者がぶつかることはまずないと考えていいと思う。
 
だが、スタイル的にも体格的にも井上尚弥に一泡吹かせる要素を持っているのがこのアンカハスではないだろうか。
 
「井上vsリカルド・ロドリゲス感想。だーめだ、ムリムリ無理無理。無謀な挑戦お疲れロドリゲス。井上はさっさと階級上げなさい」
 
170cm近い身長とリーチ。しかもパワフルでスピーディな右を持ったサウスポー。
恐らくあの右なら井上尚弥のハンマーのような左に対抗できるし、上背とリーチの差を活かせば井上のボディストレートをまともにもらうこともない。
 
しかも得意のボディストレートや激しい出入り。それに加えて素早くサイドへ回るポジショニングなど。
この選手なら、ここ数戦で確立した井上の勝ちパターンを切り崩せるかもしれない。
 
同じサウスポーでも小柄なナルバエスはパワーで吹っ飛ばされてしまったが、アンカハスならその心配も少ない。
 
ある程度フィジカル面で対抗できることが絶対条件だが、S・フライ級で打倒井上尚弥を果たせるとすればこの選手だと思っている。
 
「ガンボアvsカステリャノス感想。ガンボアの身体がデカ過ぎてアレだった。ところで内山の今後は?」
 
なので、アンカハスには帝里木下程度に苦戦してもらいたくないという気持ちも強い。
今回の防衛戦を衝撃的な内容でクリアして、パッキャオの純血種としてのスケールの大きさを見せつけていただきたい。
 
 
繰り返しになるが、この試合はいろいろな意味で楽しみである。
 
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