「リクドウ」が井上尚弥vsパヤノ戦にそっくりだったと聞いて。マジか。はじめの一歩だけじゃなく、ここにもアカンことが…【感想】

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ボクシンググローブイメージ
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先日、「「はじめの一歩」が酷すぎる。マンガ史に残る汚点。まさか井上尚弥の試合を丸パクリするとは…」と題し、マンガ「はじめの一歩」1267話についての感想を述べたのだが、
 
「「はじめの一歩」が酷すぎる。マンガ史に残る汚点。まさか井上尚弥の試合を丸パクリするとは…。森川ジョージは完全に終わったんだな【感想】」
 
この記事がまさかのバズを起こし、サーバーが一時ダウンする事態にまで発展してしまった。
 
 
内容としては、作中最強ボクサーである鷹村守の防衛戦が、今年5月に行われた「井上尚弥vsエマヌエル・ロドリゲス戦」にあまりに酷似していた件。さすがに実際の試合を丸パクリするのはいかんでしょというネタである。
 
というか、サーバーがダウンするほどのバズなど井上尚弥本人の試合でもなかったのだが……。
あまり深く考えずに思ったことを述べただけなのだが、本当に何がどうなるかはわからないものだなと。
 
 
そして表題の件。
聞くところによると、「はじめの一歩」と同じボクシングマンガである「リクドウ」にも、井上尚弥の試合に酷似した描写があったという。
 
いやマジか。
前回の記事で「現実の試合を後追いでパクるなどという暴挙が過去にあったのだろうか」などとほざいたのだが、いきなりあっちゃったの?
 
「プロの作者が一番やったらアカンこと」
「森川ジョージは終わった」
「マンガ史に残る汚点」
かなり言いたい放題言ったが、さっそく謝罪しなきゃダメっすか?
 
そんな感じで、大急ぎで「リクドウ」の該当部分を読んでみた次第である。
 

「リクドウ」を知らずに生きてきたけど、画力がすげえな。エヂカラだけで惹きつけられるわ

まず最初に。
 
僕はこれまで「リクドウ」という作品をほぼ知らずに生きてきた人間である。
何となく作品名を耳にしたことはあったが、どこで連載されてコミックスが何巻まで出ているかといった情報はいっさい把握していない。
 
それどころか、ボクシングを題材にした作品ということすら知らなかった。
 
そんなクソ初心者が今回初めて読んでみたわけだが……。
 
 
第一印象としては、絵の迫力がすげえ
 
疾走感と重厚感が同居しているというか、1本1本のラインを丁寧に描きつつ、そこに躍動感を上乗せしたような。1話にめちゃくちゃ時間をかけているのだと想像するが、読者にそれをまったく感じさせない質感。
 
また、拳が顔面にめり込む描写やパンチ1発に賭ける選手の思いなど。瞬間瞬間の説得力が凄まじく、リアリティと誇張表現のバランスが絶妙。セリフや効果音がなくても十分間がもつエヂカラというヤツ。
 
 
たとえば先日感想記事を書いた「僕だけがいない街」の作者は特別画力が高いわけではないが、独特の線の細さ? とコマ送り、アングルを使い分けることによって、異世界の不気味さと妙なぬくもりを演出していた。
 
それに対し、「リクドウ」の作者は画力の高さをあえて崩すことで作品全体に疾走感と終末感を加えているイメージ。比較対象として適切かどうかは微妙だが。
 
「「僕だけがいない街」感想。こんなマンガがあったことにビックリした。読み終わった瞬間、最初から読み直したのは初めての経験」
 
恐らくだが、世の中には画力の高い人間は山ほどいるのだと思う。
ただ、純粋な絵の実力と、読者の五感を刺激する画力というのはちょっと違う。
 
歌が上手いだけではプロの歌手になれないのと同じで、頭角を現すのは「画力は高くないけど、印象に残る」絵が描ける人間なのではないか。もちろん最低限の基準をクリアしていることは大前提で。
 
そういう意味で、この「リクドウ」の作者は画力だけで読者を惹きつけられる存在なのかな? という印象を受けた。
 
「映画「破天荒ボクサー」感想。5点満点中2点かな。前提となる知識の範囲が広過ぎるし、エンタメor人物像の掘り下げのメリハリもビミョかった」
 

終わり方はベストだったと思う。あのまま続けていたら、恐らく作者のメンタルがやられてた

なお、今作「リクドウ」は第240話をもってすでに完結しているとのこと。
 
僕自身、出会った瞬間の別れに軽く狼狽しているのだが、実際どうなんでしょうか。
 
いや、何が言いたいかというと、要するに作品の終わり方はあれで正解だったのかという話。主人公芥生リク(OPBF & 日本王者)と世界王者MK.Dとのエキシビジョンが今作のラストバトルとなるわけだが、読者はあの終わり方に納得してるの? という。
 
また、この作品は人気絶頂の中で惜しまれつつ終了したのか、人気に陰りが見え始めた時期だったのか。そもそもあまり人気がなかったのか。
ファンの方がどう感じているのかには非常に興味がある。
 
 
そして、個人的な意見を言わせていただくなら、あの終わり方はベストだったと思う。
あくまでラストの数話+ストーリーを流し読みしただけのクソニワカw なりの意見ではあるが、あの連載を続けるのはめちゃくちゃ大変そうだなと。
 
芥生リクの父親は借金苦で虐待野郎、母親は愛人を作って家出したヤク中。しかも、リク本人は母親の愛人を殺害して児童養護施設送りという凄まじい経歴の持ち主。
幕之内一歩と範馬刃牙と野比のび太の人生を全部放り込んだような壮絶さである。
 
「「はじめの一歩」とかいう最高のギャグマンガ。滅びの美学への方向転換のために作品の根幹すらも折っててワロタw」
 
また、リクの対戦相手もややこしいヤツばかり。
嫉妬深かったり暴力大好きだったり。冷酷非情な無表情野郎や反則上等の何でもマン、その他。
リングの中にいちいち自分の価値観を持ち込み、リクと自分の境遇を比べながら殴り合う。で、最後は清々しい表情を浮かべたままマットに沈んでいく。ボクシングの実力以上に人間的に屈折したキャラクターばかりである。
 
正直、毎回こんなヤツらの人生を背負って描いていたら、あっという間に精神が参ってしまう。
作者の人物像に関してはいっさい不明だが、あのまま長期連載を続けていたら確実にメンタルがやられそうな気がする。
 
2014年連載スタートで全240話。
何とも言えないところだが、作品のクオリティと精神の安定を保つのはここら辺が限界だったのかもしれない。「はじめの一歩」のように、連載継続自体が目的化する前にスパッと終わらせてよかったと言える。
 

「井上尚弥vsパヤノ戦」のオマージュが最高だった。クライマックスであの試合を持ってくるって、すげえチョイスですよね


アホほど前置きが長くなったが、いよいよ本題へ。
 
週間ヤングジャンプ21&22合併号に掲載された「リクドウ」第237話の内容が、2018年10月7日に横浜アリーナで行われた「井上尚弥vsファン・カルロス・パヤノ戦」と酷似している件について。
 
あの試合は開始直後の緊張感あふれる駆け引きから、1分過ぎに井上のワンツーがパヤノの顔面にヒット。そのまま1RKOという衝撃的な結末を迎えたわけだが、なるほど確かに。多くの方がおっしゃる通り、試合内容がそのまま再現されている。
 
「井上尚弥がワンパンKO。パヤノを瞬殺ってマジっすかw ロドリゲスだ? いくらでもかかってこいよだね」
 
そして、最高だった
 
〜〜〜〜〜
 
左拳に爆弾を抱え、残り2発が限界のリク。
対するMK.Dは1Rにリクが見せた左に脅威を感じ、ダウンから立ち上がってきた姿に戦場で出会った少年を重ねていた。
 
「私に与える脅威は」
「まだ増すというのか」
 
 
「後退だ? バカを言え」
MK.Dのセコンドは王者がリクに気圧される姿に戸惑いつつ、その事実を受け入れられない。
 
 
リング中央で互角に対峙するリクとMK.D。異様な静けさの中、両者の前手が触れ合うかすかな音だけが響き渡る。その光景に言葉にならない緊張感と期待感が充満する。
 
 
次の瞬間、リクの踏み込みに合わせて左をねじ込むMK.D。
鋭い拳が顔面を捉え、リクの動きが一瞬止まる。
 
「わかってたよ。リクアザミ」
ドンピシャのタイミングでMK.Dはリクの左に右を合わせる。
 
バシュッ!!!
 
だが、先に届いたのはリクの拳。
大きく打ち出した右が深々とMK.Dの顔面に突き刺さる。
 
――右!?
 
まさかの事態に混乱する王者。
 
ギシィ……!!
間髪入れずリクは左拳を固める。
 
「3つ目!!!」
そして、王者に防御姿勢をとる間も与えず、渾身の左を顔面に叩き込む……!!!!
 
〜〜〜〜〜
 
もう一度言うが、最高だった
 
選手生命を賭けてリングに上がった主人公と、迎えうつ最強王者。
息の詰まるような駆け引きから一瞬の爆発。
 
ボクシングファンに衝撃を与えた試合をうまく咀嚼し、クライマックスシーンを演出する。
持ち前の画力による躍動感や主人公リクの悲壮感など。いろいろな要素が相まって、もはや芸術の域にまで昇華したと言っても過言ではないww
 
マジな話、こんなに盛り上がるオマージュがありますかというくらいのすばらしい出来である。
 
「「はじめの一歩」1283話感想。最高だぜ! はじめの一歩。減量がうまくいかずに脱水症状? だったら血を抜けばいい←40年前のあしたのジョーかな?」
 
そうそう。
これですよ。
 
日本一の選手にリスペクトを示しつつ、ファンの琴線を大きく刺激する。
 
現実の試合を流用するならこの盛り上がりが必須なんですよ。
何のアイデアもアレンジもなく、試合を頭からトレースしてドヤ顔するのとはワケが違うんですよ。
 
 
てか、やべえな。
「リクドウ」おもしれえわww
 
最新23巻が2019年7月19日に発売するらしいし、これは始めから読まなきゃダメなヤツか?
 
んだよオイ、ま~た金かかるじゃねえか(頼まれてない)。
 
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