リナレスまさかの1RTKO負け。セサール・カノがデカくて長くて強かった。これをやられるとリナレスは厳しいよな【結果・感想】

リナレスまさかの1RTKO負け。セサール・カノがデカくて長くて強かった。これをやられるとリナレスは厳しいよな【結果・感想】

ニューヨークイメージ
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2019年1月18日(日本時間19日)、米・ニューヨーク州で行われたWBC世界S・ライト級挑戦者決定戦。同級2位ホルヘ・リナレスと同級14位パブロ・セサール・カノの一戦は、1R2分48秒TKOでカノの勝利。アップセットを果たしたカノが、見事次期挑戦権を獲得した試合である。
 
 
初回、リング中央で向き合う両者。
ボディから顔面へ。ランキング14位のカノが積極的に腕を振って前に出る。
 
そして開始から10秒。
右のオーバーハンドがガードの外側からリナレスの側頭部を捉え、いきなりダウンを奪う。
 
場内が騒然とする中、すぐにリナレスが立ち上がるが足元がおぼつかない。
再開後もカノはさらに圧力を強め、ガードの上でもお構いなしにパンチを浴びせる。
 
リナレスも懸命にパンチを返すが、パワフルなカノの連打を抑えきれない。
ラウンド後半に再び右のクロスでダウンを奪われると、残り30秒で今度は左のカウンターを被弾し3度目のダウン。
 
なんとか立ち上がるものの、最後はカウンター気味のワンツーによって足がもつれたところでレフェリーが試合を止める。
 
 
S・ライト級への階級アップ2戦目での敗北となったリナレス。
王座挑戦の道も断たれた今、今後の動向に注目が集まる。
 
「リナレスわかりやすく攻略されてたな。アル・トヨゴンに10R判定勝利。これ、誰か勝てる日本人いるんじゃない?」
 

リナレスが1RKO負けだと……!? でも、まだまだがんばれ。引退とかあり得ないからな

リナレスが負けた。
それも1Rに3度倒されてのTKO負け。言い訳がいっさいできない完璧な負けである。
「あそこでこうすれば〜」とか「もう少し◯◯できれば〜」といった“たられば”を考える余地はどこにもない。
 
これに勝てば、次はホセ・カルロス・ラミレスへ挑戦か? などと思っていただけに、本当に残念な結果となってしまった。
 
とはいえ、これで終わったわけではない。
ワシル・ロマチェンコに肉薄した実績は間違いなくすばらしいし、商品価値がどうこうの話も関係ない。
このままS・ライト級でいくのか。それともライト級で再起するのか。何とも言えないところだが、これで引退などはあり得ない。個人的にはまだまだがんばってもらいたいと思っている。
 
「リナレスがロマチェンコにKO陥落。あ〜惜しい。もう少しだったけどな。これがスピード&パワーの偉大さ」
 

セサール・カノがデカくて強い。ちょっとハイメ・ムンギアvsアリを思い出したな

試合を観た感想だが、リナレスにとっては最悪に近い展開だったなと。
 
リング中央で対峙した両者を観て思ったのが、とにかく「カノがデカい」
肩から背中にかけてリナレスよりもひと回り大きく、リーチも長い。
 
リナレスが身長173cm、リーチ175cmに対し、カノは身長170cm、リーチ180cm。
数字上ではそこまでの差はないが、実際にはカタログスペック以上の体格差があったように思える。
 
階級アップ後のリナレスはこれまでよりも力感が増したと聞いたが、やはり階級の壁というか、相手のフィジカルも相応にアップした感じ。
 
何となく2018年5月のハイメ・ムンギアvsサダム・アリ戦を彷彿とさせたのだが、いかがだろうか。
 

やっぱりリナレス攻略には接近戦だよな。身体の強さと腕の長さと前に出る勇気、すべてが揃っていた

そして、カノのリナレス対策もバッチリだったように思える。
 
毎度似たようなことを申し上げているが、リナレス攻略の手っ取り早い方法は接近戦
 
この選手の持ち味は何と言ってもハンドスピード。
遠い位置から一気に距離を詰め、対応不可の超絶連打を浴びせるというのがリナレスの必勝パターンである。
 
なので、それをさせないためには自ら前に出てスペースを潰すのが有効になる。
思い切り間合いを詰めてリナレスに腕を振るスペースを与えない。常に先に手を出し、リナレスの回転力が上がる前にねじ伏せる。
 
逆に「距離をとって〜」「打ち終わりにカウンターを〜」などとやっていては、リナレスのハンドスピードには追いつかない。あっという間に射程内に入られ、フルボッコにされて終わる。
 
前回のアブネル・コットがまさにその典型で、案の定2度のダウンを奪われ3RTKO負け。
身長178cm、リーチ180cmと、サイズ的にも打倒リナレスの可能性は十分あったはずなのだが。
 
「リナレスがS・ライト級進出? アブネル・コットを3RTKOで再起に成功」
 
そういう意味で、今回のセサール・カノの積極性はすばらしかった。
 
開始直後からボディ、顔面への打ち分け。
強い身体と長いリーチを活かして前に出る。
さらに距離を詰めて腕を振り、強引にリナレスを下がらせる。
やや遅れ気味のタイミングで大振りの右をヒットし、いきなりダウンを奪う流れ。
 
再開後もどんどん前に出て連打を浴びせ、リナレスに反撃の余裕を与えない。
パワフルなスイングと強引な連打で、結局付け入る隙をまったく与えなかった。
 
ひと回り大きく強い身体。
長いリーチ。
無遠慮に前に出る積極性。
 
まさしくリナレス攻略のネタをすべて揃えた選手だった。
 
あとはまあ、カノの変なタイミングのパンチに慣れる前に致命傷を負っちゃったよな。
「打たれ弱い」「ガラスの顎」と呼ばれるリナレスだが、今回に関してはあまり関係ない。
 
ダウンしたパンチはどれも見えていなかったし、相手はこれまでよりも大きく強い。この階級に適応する前に、一番当たってはいけない相手と当たってしまった感じか。
 
ホルヘ・リナレスvsハビエル・フォルトゥナ合意? おもしろいね。リナレスにとってはラストチャンスかな。いけると思うけど
 

リナレスの今後? ライト級に戻るか、このままいくか。vsプログレイスなら可能性あると思うんだけど…


なお、敗れたリナレスは今後どうするのだろうか。
最初に申し上げた通り、個人的にはこのまま引退はあり得ないし、まだまだがんばってもらいたいのだが。
 
ただ、S・ライト級で続けるのなら相手は選んだ方がいいかな。
この階級では今後もデカくて身体が強い相手が増えるだろうし、今回のセサール・カノのようにどんどん前に出てくる強心臓マンには明らかに分が悪い。
 
実際、王者ホセ・カルロス・ラミレスとはかなり相性が悪いように思えるが。
 
むしろライト級に戻して、リバウンドを含めたフィジカル面の優位性を発揮する方がうまくいくのではないか。
相変わらずレジス・プログレイスが相手なら可能性はあると思っているが、そこにたどり着くまでの道が険し過ぎて……。
 
「大健闘の井上岳志。ハイメ・ムンギアに3-0の判定負け。でもめちゃくちゃカッチョよかったよな。採点は…118-110かな?」
 
でもアレか。
ライト級はワシル・ロマチェンコとマイキー・ガルシアが王座を独占しちゃってんのか。
 
う〜ん。
どちらにしても茨の道ですね。
 
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