内山がフォルトゥナに勝てるかを予想する。WBA統一戦に勝利し、さらなるビッグマッチに進むのはどっちだ? つーか、内山高志のブログがほのぼのし過ぎててほっこりするww
内山高志の次戦がハビエル・フォルトゥナになる公算が高い。
WBAが先日、両陣営に統一戦に向けて交渉するよう指令を出し、内山サイドも乗り気とのことである。
このWBAの指令に憤っていた日本のボクシングファンも多少頭が冷えたようである。期待していたニコラス・ウォータース戦が流れることに露骨に不快感を示していた人も大勢いたが、冷静になって考えれば内山にとって悪い話ではないことに気づいたのだろう。
「海外で試合ができると考えれば悪くない。内山がんばれ」
どうやら多くのファンがこの試合を応援する方向に舵を切ったようである。
「WBAにキレてるボクシングファンは内山が米国進出で成り上がるところを見たいんじゃないの?」
交渉自体はこれからのようだが、噂によると4月〜5月あたりにアメリカでの開催が有力視されているとのことだ。何はともあれ日本のKOダイナマイトの海外進出元年。どうにか道筋をつけてもらいたいものである。
というわけで、今回は内山高志vsハビエル・フォルトゥナ戦が実現すると仮定して、勝敗を予想してみようと思う。どうしても個人的な感情が入ってしまうのが難しいところだが、どんな試合展開になるかを考えてみたい。
「ジェスレル・コラレスが内山を粉砕!! 暫定王者がまさかのアップセット!!」
冷静に考えると、内山やべえんじゃねえか? フォルトゥナのレンジの長さは驚異的
僕は以前の記事で「まあ、内山が勝つだろう」と申し上げたと思うが、これをさっそく撤回させていただきたい。
内山やべえかもしれんぞ。
「内山vsフォルトゥナ? WBAからの指令でファン激怒!! って、フォルトゥナもかなりヤバい相手だと思うぞ?」
まあ理由はいくつかあるのだが、最も大きな要因がフォルトゥナのレンジの長さである。
今回の交渉指令を受けて、両者の共通の対戦相手であるブライアン・バスケスとフォルトゥナの一戦を観直してみたのだが、驚いたのはフォルトゥナのレンジの長さだ。
正直、フォルトゥナとバスケスのスピードにそこまで違いがあるとは思わなかった。両者とも身体の柔らかさもあり、高度な技術の応酬となった試合である。
だが結果は116-112、117-111、117-111の3-0でフォルトゥナの勝利。
両者の決定的な違いはズバリ距離である。
フォルトゥナの踏み込み、そして飛び退く距離の長さは尋常ではない。
同じ位置から踏み込んでもフォルトゥナのパンチは届き、バスケスのパンチは届かない。バスケスが射程内に入るにはもう一歩近づく必要があるのに対し、フォルトゥナはその位置からでもパンチが届く。バスケスが鋭く踏み込めば、フォルトゥナはそれ以上のステップで距離をとる。
「これが内山高志の進む道? 日本の至宝が海外進出するためのファイナルアンサー」
要するに身体全体のバネがすばらしいのだろう。それほど大きくない身体ながら一足飛びで相手との距離をゼロにできる身体能力。さすがとしか言いようがない。身長165cmに対してリーチが174cmと長いことももちろん要因の一つである。
「内山国内防衛ワロタ _( ̄▽ ̄)ノ彡 だから言っただろww 大田区総合体育館を想定しておけと」
今現在、日本人ボクサーであれだけのレンジを出せる選手がいるだろうか。すぐには思いつかないのだが、山中慎介の左がイメージ的に近いと言えば近いか。
「山中vsソリス予想!! 10度目の防衛で日本歴代3位タイの記録なるか?」
島国チャンピオンの弊害? 内山の海外経験のなさが露呈してしまうかも……
フォルトゥナvsバスケス戦は判定までもつれたが、内山はバスケスを8Rでストップしている。
つまり内山>>フォルトゥナ。
この結論を出している方がいたが、残念ながらそう単純なものではない。
「内山vsコラレスを予想する!! 4月27日の大田区総合体育館でトリプル世界戦開催!」
観ているとわかるが、あの試合のフォルトゥナは完全にバスケスを舐めている。この相手であれば多少パンチをもらっても効かされる心配はない。相当いいタイミングでもらわなければKOされることはないという判断が働いたのだろう。どんどん距離を詰めて至近距離で打ち合い、自分の技術を誇示するかのように大げさなダッキングでパンチを避けているのである。
「亀田兄弟がおもしろいこと始めたぞ!! JBCに6億6000万訴訟?」
決定機を作ってKOに追い込むというより、観客に格の違いを見せつけるためにとにかく派手な演出にこだわった試合運び。
はっきり言ってしまえば、この試合のフォルトゥナは遊んでいた。
判定までもつれた試合ではあるが、内山との力量差を測る物差しにするには早計に過ぎると言わざるを得ない。
「ウォータースvsロマチェンコだと? 内山はフォルトゥナ戦を絶対実現せないかんぞ」
数々の衝撃的なKOで我々オーディエンスを釘付けにしてきた内山ではあるが、これだけハイレベルな身体能力系の選手と対峙するのは恐らく初めての経験だ。
純粋な戦闘力だけなら内山に分があることは間違いない。だが、もしかしたら長らく島国チャンピオンをやっていた弊害がこの試合で出てしまうのではないかと危惧している。
アメリカを主戦場としているフォルトゥナは、さまざまなタイプの選手と触れる機会がいくらでもある。どんな相手がこようが想定の範囲内。慌てることなく対処することができる。
逆に日本以外での試合経験がない内山は、これだけの身体能力を持った選手との遭遇経験がない。初の海外ということで三浦隆司のように固くなってしまう可能性もある。
ひと言で言って経験値の差というヤツだが、実力が拮抗した中でのこの差は案外大きく響いてしまうのではないだろうか。
「三浦vsバルガス壮絶決着!! 最強挑戦者フランシスコ・バルガスに三浦隆司がTKOで敗れて王座陥落!!」
再戦することになれば恐らく勝利するのは内山だ。
だが、情報がない中での一発目はどうなるかと聞かれれば、非常に厳しい戦いになることが予想される。
まあ、内山陣営が「世界最強」と断言している手前、この手のタイプを避けていては説得力に欠ける。どちらにしろ勝つしかないことに変わりはないのだが。
「内山vsコラレスの敗因? 経験知不足、国内専門王者の弊害」
得意な中間距離に持ち込めるかが内山勝利のカギ
先のバスケス戦では積極的に前に出るシーンが目立ったフォルトゥナだが、さすがに人間離れした強打と深い懐を持つ内山を相手にあそこまで大胆なボクシングをしてくることはないだろう。
むしろ、あり余る身体能力をふんだんに使ったポイントアウト狙いに徹してくると思われる。
距離をとりつつ、隙を見つければ鋭い踏み込みからの左。そしてすぐさま距離をとる。距離とスピードの違いを活かして内山を翻弄する作戦を選択するはずである。
つまり、内山がフォルトゥナに勝利するためのポイントは、
・どれだけ早いラウンドでフォルトゥナの動きに対応できるか
・自分の得意な距離まで詰めることができるか
・左ジャブがどのくらい通用するか
この3つが重要になる。
「「モチベーション」とか「メンタル」とかホント好きだよな。笑わせんなよ。内山は実力でコラレスに負けたんだよ」
これまで内山が対峙してきたサウスポーの中で強敵と呼べる相手は三浦隆司とジョムトーンである。ただ、残念ながらこの2人を持ってしてもフォルトゥナ戦の参考になる部分は少ない。
まず三浦だが、この選手とフォルトゥナはあまりにもタイプが違うので問題外である。
最強の刺客と言われたジョムトーンだが、この選手は正直内山と対峙するには経験がなさ過ぎた。
奥足に重心を乗せ、前足を小刻みに動かしながらタイミングを測る。これは明らかにキックの選手の動きである。
しかもボクシングでは足が使えないので、キックの試合よりも距離を詰める必要がある。必然的に内山のストレートが当たる距離まで近づくことになる。しかも重心は奥足にかかっているために横への動きは制限される。そればかりかバックステップもしにくい構えなので内山のプレッシャーを真正面からモロに受け止めるしかなくなるのである。
「内山進退は五分五分←これ、現役続行するパターンだ。大みそかはコラレスと再戦してるから落ち着け」
その結果があの惨劇である。
ジョムトーンの格闘家としてのポテンシャルは図抜けていたのかもしれないが、あの段階で内山に挑むのは無謀だったとしか言いようがない。
それに比べ、今回のフォルトゥナは上背こそないものの、三浦やジョムトーンよりもスピードがあり距離も長い。山中クラスの踏み込みがありつつ、サイドへの動きもスムーズ。はっきり言ってこの試合、不利なのは内山なのではないだろうか。
むしろ独特のリズムを持った三浦隆司の方がフォルトゥナを戸惑わせる可能性が高いようにすら思える。
「亀田兄弟の今後が見えた? これが亀田の進む道。日本ボクシング界の常識をひっくり返せ」
ご存知のようにストレートやボディで一発KOが多い内山だが、最も得意とする距離は中間距離である。遠い距離から鋭く踏み込んで長いストレートを打ちこむということはほとんどなく、むしろ持ち前の対応力の高さで自分の距離感に引きずり込むことがうまいボクサーだ。
ただ対応力が高いといっても、相手のタイプによって苦戦することはもちろんある。先述のブライアン・バスケス戦がまさにそうで、序盤の3、4Rまではバスケスの変則的な動きに手を焼いていた。
スピードと距離感が合わずにパンチをうまく外され、打ち終わりを狙ったパンチが空転させられるシーンがしばしば見られた。逆にバスケスのパンチをカウンターで被弾するシーンも目立っていた。
中盤以降はきっちり対応してKO勝利を飾ったものの、スピードとテクニックのある相手に苦労する傾向は間違いなくある。
しかも今度の相手はフォルトゥナである。
先ほども言ったように、フォルトゥナはバスケスをはるかにしのぐレンジを持っている。あれだけ自由自在に動き回る選手を捕まえることは至難の技だ。試合の中で徐々に対応はしていくだろうが、反撃が遅すぎてポイントアウトされてしまうという可能性も十分に考えられる。
つまり、どれだけ早いラウンドでフォルトゥナの動きに対応できるか。そして自分の距離に持ち込むことができるか。まさしくこれが勝利のポイントになるのだ。
「フォルトゥナ陥落!! イキった末にソーサの左フックを被弾してKO負け」
やっぱり左がどれだけフォルトゥナに通用するかは重要だよな
繰り返しになるが、フォルトゥナの横への動きは本当にやっかいである。スッと身体を入れ替えて相手の突進をいなす足の運びはスムーズで嫌らしい。特に右フックを引っ掛けながら右にステップしてサイドに回る動き。あの動きを封じられるかどうかは、この試合を占う上で重要な要素になるのではないだろうか。
現状、内山がフォルトゥナのステップを封じるにはどうすればいいか。
パッと思いつかないのだが、強いていうなら三浦戦の中盤に見せた左の連打だろうか。かぶせ気味の左を出しながら左に一歩。さらに左を出しながらもう一歩。三発目の左を出しながら大きく踏み込んで相手の右サイドへ。あの動きができればフォルトゥナは逃げ場を失う。だが、それにはやはり自分の距離まで近づくことは必須である。
野性的な動きが持ち味のフォルトゥナではあるが、意外と足を止めて打ち合うシーンも多い。恐らく好戦的な性格なのだろう。自分の技術を誇示したいという自己顕示欲も強いのかもしれない。足を止めて打ち合い、上半身の動きだけで相手のパンチをかわすシーンが随所に見られるのである。
特にその傾向が強いのは試合後半。相手の動きをある程度把握した段階で、ショー的な動きで観客にアピールするのである。
内山にとってはむしろこの瞬間こそがチャンスだ。ノーガードのダッキングの合間を狙ってメガトンパンチ。これで一気にKO勝利である。
さらに言うと、フォルトゥナの踏み込みの瞬間にも大きなチャンスがある。
この選手の踏み込みは確かに鋭い。一気呵成に畳み掛けるラッシュも迫力満点である。
だが若干の悪癖として、連打を打っている最中に足が揃うという特徴がある。普段は半身の構えなのだが、連打を打ち込んでいるうちに足が揃って相手の真正面に立ってしまうのである。
内山にとってのチャンスはここだ。踏み込んでくるので当然距離は近い。しかもフックを大振りするので顔面ががら空きになる。ここに得意のショートフックをねじ込めば、あっという間にフォルトゥナは大の字である。
ディフェンス面でいうと、ある程度の被弾は仕方ないと思う。特に左の打ち終わりやボディ、フックを打った後。この瞬間にフォルトゥナのフックを顔面に食うシーンは多くなるだろう。
ただ、安心してほしい。
カウンターでモロにもらいさえしなげれば、内山がKOされる心配はない。序盤に一度くらいフォルトゥナの右フックでダウンを喫する可能性はある。それでも内山の対応力があれば、問題なく対処できるはずだ。
勝敗予想は僅差判定でフォルトゥナ。でも内山がんばれ。壮絶KOとほのぼのブログで我々を楽しませてくれ
勝敗予想は非常に難しいのだが、フォルトゥナの僅差判定勝ちでいきたいと思う。
序盤はフォルトゥナが有利に進め、中盤以降に内山が盛り返すもギリギリで追いつかず。2-1のスプリット判定でブーイングの中フォルトゥナの手が上がる。そんな結末になるのではないだろうか。
ちなみに、もしかするとドローという結果もあり得ると考えているのだが、その場合の王座の扱いはどうなるんだろうか?
ドロー防衛でタイトルに動きなしなのか?
それとも格上のスーパー王者が総取りなのか?
ってか、そもそも総取りって何だ?
相変わらずWBAはこの辺がグダグダでよくわからない。
繰り返しになるが、内山が勝つにはいかに早いラウンドでフォルトゥナの動きに対応するか。メガトンパンチが打てる自分の距離まで距離を詰められるか。そして、左ジャブでどれだけ激しく動くフォルトゥナを迎撃できるか。そこにかかっていると思う。
この2人の対決はNBAで例えると、何となくブレイク・グリフィンとジョン・ウォールの対決を連想するのだが、いかがだろうか。もちろんグリフィンが内山でジョン・ウォールがフォルトゥナだが、さすがにわかりにくすぎるか……。
一応フォルトゥナの判定勝ちを予想してはみたが、当然ながら応援するのは内山である。というか、むしろ内山にはコイツを鬼のようなKOで叩き潰してもらいたい。
「内山がフローレスを粉砕!! 誰がゴリラをリングに上げていいって言ったよww」
「イキった劣化版ザブ・ジュダーに鉄拳を」
何の恨みもないフォルトゥナに対して理不尽とは思いつつも、そんな感じで内山を応援している。
「おいおい内山ゴリラ、俺の予想をすべて無にしやがってww」
盛大に謝罪記事を書かせていただきたいものである。
余談だが、内山のブログが相変わらずほのぼのしていて癒されるww
毎年恒例の節分に参加したらしい。
って、8年もやっとるんかいな!!
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