亀田和毅vsルイス・カスティージョ。和毅今回もよかった。出入りとサイドへの動きが向上。ひょっとしたら井上尚弥の対抗馬の可能性が?【結果・感想】

亀田和毅vsルイス・カスティージョ。和毅今回もよかった。出入りとサイドへの動きが向上。ひょっとしたら井上尚弥の対抗馬の可能性が?【結果・感想】

「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2023年2月25日に大阪市で行われた56.0kg級10回戦。元2階級制覇王者亀田和毅がWBA世界S・バンタム級13位ルイス・カスティージョと対戦、5R1分18秒TKOで勝利し戦績を43戦40勝3敗22KOとした試合である。
 
 
WBA王座挑戦権を保持する亀田和毅が“世界前哨戦”と銘打って迎えたこの試合。
対戦相手のルイス・カスティージョは30勝4敗20KOの戦績を持つ選手で、これまではほとんどの試合を母国メキシコで行なっている。
 
 
試合は亀田が足を使いながらジャブで距離を取る展開。スピード差、1発の精度の差でカスティージョにチャンスを与えない。
 
4Rの序盤にカスティージョの圧力にやや押され気味になったものの、それ以外はほぼ問題なし。最後は左フックのカウンターでカスティージョをグラつかせ、ラッシュを浴びせたところでレフェリーが試合をストップする。
 
 
なお試合後のインタビューで亀田は年内のWBA王座挑戦を強く宣言。目標とする井上尚弥戦だけでなく、キックボクシングから転向した那須川天心との対戦にも興味を示している。


 
亀田和毅がレラト・ドラミニに判定負け。でもめちゃくちゃ見ごたえがあった。ドラミニの予想以上の強さと想像と真逆の展開
 

亀田和毅、今回もよかった。ジャブの鋭さとガードの高さはそのままにサイドへの動きと出入りがスムーズに

WBA王座挑戦権を保持する亀田和毅が新ジム設立後、1発目のリングに上がった今回。
 
和毅に関しては前回のウィリアム・エンカーナシオン戦がめちゃくちゃよかったこともあり、この試合も楽しみにしていた次第である。
 
亀田和毅vsエンカーナシオン。和毅のベストバウトじゃない? ここ最近ではダントツの試合。竹原慎二パイセンの「距離で避けるディフェンス」そのまんまだった
 
ただ、対戦相手のルイス・カスティージョについてはまったくわからず。
試合が発表された際にあれこれ調べてみたものの、どれだけ検索しても“有名な方”のルイス・カスティージョと同名のサッカー選手しか出てこない。戦績を眺めても勝敗以外は不明、僕の中では完全に“謎の男”と化していた。
 
と言いつつ王座への挑戦を控えた亀田がそこまで冒険はしないだろう。そこそこ圧倒して勝つんじゃないの? と漠然と考えていたわけだが……。
 
 
感想としては、今回もよかった
上述の通り前回の亀田和毅はめちゃくちゃよかったのだが、この日も同じくらい素晴らしいパフォーマンス。
 
これまでよりもサイドへの動きと前後の出入りがスムーズになり、持ち前のスピードが最大限発揮される。
 
今まではどちらかと言えばハンドスピード頼りのスタイルで機動力はいまいち。序盤こそ連打でで圧倒するものの、攻撃の単調さから相手に慣れられ追い上げを許すパターンが常態化していた。
 
だが前回から足の動きと上半身の連動が改善されたおかげでアウトボクサーとして一段レベルアップした印象。
ガードの高さとジャブの鋭さは維持したままフットワーク、ポジショニングが向上し、打たせずに打つ、打ったらその場からいなくなるを高次元で体現している。
 

この階級の最後の砦になりつつある。何とか王座戴冠を果たしてほしい

環境が変わったせいなのか本人の意識の問題なのかはわからないが、この2戦の和毅はマジで僕好み。正直、ムロジョン・アフマダリエフやマーロン・タパレスとはあまり相性はよくなさそうだが、何とかがんばってもらいたい。
 
またここ最近、岩佐亮佑、勅使河原弘晶、赤穂亮など同階級の国内トップ選手が立て続けに世界の壁に跳ね返されて引退を表明している。
 
カシメロvs赤穂亮が2Rノーコンテスト。内容はカシメロのワンサイドゲームだけど、それ以上に情けない試合過ぎて吐き気が…。何で格下が横綱相撲取ってんだよ
 
そんな中、何だかんだで最後の砦になりそうなのが亀田和毅。井上尚弥との日本人対決も結構だが、その前にどうにかこの階級で王座戴冠を果たしていただければ。
 
 
なお、対戦相手のルイス・カスティージョはぼちぼちいい選手だったと思う。
スピード差で圧倒されたが、1発の威力はありそうな上にカウンター気味に打ち込む右のオーバーハンドは迫力満点。
何となくだが、強さとしては先日下町俊貴と対戦したジョー・サンティシマと互角かちょい下くらいかなぁと。


 
下町俊貴がジョー・サンティシマを危なげなく完封。危なかったのは接近戦に巻き込まれた5Rだけかな。もしかしたら下町はホームで力を発揮するタイプ?
 

亀田和毅vs井上尚弥も案外おもしろい? かも? ドネアが井上vsフルトン戦について語ってたけど

なお、個人的にあまり実現する見込みを感じられないのだが、再々話題に出ている亀田和毅vs井上尚弥について。
 
これを言うと怒られるのかもしれないが、今の和毅ならちょっとおもしろいかも? と思っている。
 
下記によると井上と2度対戦したノニト・ドネアが井上vsスティーブン・フルトン戦の展望を語ったとのこと。
 
「ドネア、井上尚弥の標的王者フルトンに助言「ボディ以外で彼を倒せない。タフな男だ」」
 
フルトンが井上に勝利するには
・ガードを高く構える必要がある
・ジャブで適切な距離を保つ
・井上は左右への動きはあまりない
・ジャブを駆使して回り込まれないことが重要
・ボディ以外では井上を倒せないのでは?
 
ほほう、なるほど。
 
僕は以前から井上を攻略する可能性があるのは絶えず左右に動き続けるフットワークとジャブを両立できる選手、井上のジャブに同時打ちでカウンターを被せられるタイプではないか? と申し上げている。
 
ガードを上げた状態で左右に動き続け、井上の初弾にカウンターを被せて連打の発動を阻止。すぐさまサイドに動いてガードの外側からジャブをヒットする。
 
・アングル調整
・高いガード
・鋭いジャブ
・同時打ちでカウンターを合わせる勇気
が条件となる。
 
2022年12月に井上と対戦したポール・バトラーは上記4点のうちアングル調整と高いガードは兼ね備えていた。ジャブもそこまで悪い選手ではなく、一応打倒井上に必要なネタは持ち合わせていた(と思う)。
 
絶対的なパワーとタイミングの差、KO負け覚悟で勝負する思い切りのよさを出せずにああいう結果になってしまったが、自分にできることを精一杯やって11Rまで粘ったバトラーには問答無用で感動した。
 
井上尚弥がポール・バトラーをKOして4団体統一。“持たざる凡人”が超人攻略を目指した。これをもっと高次元でできればと思わせるバトラーの動き
 

バトラーが「フルトンは自分の戦術を参考にするのでは?」と答えたらしいけどその通りだと思う。Yahooコメンテーター様はお怒りのご様子だったけど笑

先日バトラー本人がインタビューで「フルトンは自分の戦術を参考にするのでは?」と答えたらしいが、これはマジでその通り。
 
「フルトンは「俺を参考にする」 井上尚弥にKO負けバトラーが展開予想「自分はあの試合で…」」
 
バトラーのパフォーマンスをさらに高次元で踏襲しつつ、ジャブやカウンターの精度を上乗せする。
さらにフルトンはロープ際やコーナーを背にした状態でもウネウネ絡みついてスルッと逃げることが可能。亀になってひたすら耐えるだけだったバトラーとは一味違う試合運びができるのではないか。
 
 
あまり日本語が得意ではなさそうなYahooコメンテーター様はバトラーに対して「逃げ回るだけだったヤツが何をほざいてるんだ」とお怒りのご様子だったが、さすがはYahooコメンテーター様である笑
 
普通に読めばわかるが、バトラーは「フルトンは俺の戦術を“参考”にするのでは?」と言っている。
 
当たり前だが、バトラーの試合をそのまま再現してもバトラーの二の舞になるだけ。
そうではなく、いい部分を取り入れつつ自分なりにアレンジ、進化させればいいんじゃないの? という意味に決まってるだろと。
 
亀田和毅とアフマダリエフの挑戦者決定戦? 和毅とアリームさんはホントに気の毒だよね。和毅がアフマダリエフに勝つのはなかなか難しい気が…
 
もう一度言うが、さすがはYahooコメンテーター様である笑
こんな小学校低学年以下でもわかるような大前提すら理解できないとは。
 
まあ、だからこそのYahooコメンテーター様なんだろうけど笑
 

ドネアの挙げた条件に亀田和毅が合致している気が…。相当難しいとは思うけど、候補の1人にはなる? かも?

話が逸れたが、申し上げたように今の亀田和毅なら井上尚弥相手でもちょっとおもしろいと思っている。
 
ノニト・ドネアが上述のインタビューで挙げた条件を振り返ると、
・高いガード
・ジャブで距離を保つ
・ボディが得意
・サイドへの動きを駆使して井上に回り込ませない
 
まさに前回と今回、亀田和毅が見せたパフォーマンスそのものである。
特にこれまでできなかったフットワークとジャブを両立したことは大きい。それこそ和毅ならポール・バトラーの戦術をもう一段進化させられるかもしれない。
 
タパレスがアフマダリエフに勝っただと…!? 前で勝負するタパレスをアフマダリエフは攻めきれず。これで亀田和毅vs井上尚弥戦の可能性が?
 
まあ、実際には相当難しいとは思うが。
 
あの戦術を実現するには井上の圧力を受けても萎縮せずに12R動きを落とさないフィジカルとスタミナが必須になる。
 
そして、和毅にはその部分が絶対的に足りていないような……。
今回も4Rに圧力を強めたカスティージョのプレスにタジタジさせられてたしね。
 
それでも今のS・バンタム級で井上相手にぼちぼちやれる1人かも? くらいには思っているのだが。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 

Advertisement

 


 

 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!