ターミネーター(1984年)を観たら思いっきりホラー映画だった件【ターミネーター:新起動/ジェニシスにインスパイアされて】

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映画「ターミネーター」を観た。
いわゆる「1」と呼ばれ、1984年に公開された最初期のターミネーター映画である。

先日の記事でも申し上げたとおり、「ターミネーター:新起動/ジェニシス」を映画館で観たのだが、それにインスパイアされての鑑賞だ。

ターミネーター:新起動/ジェニシスの感想【スーパー久しぶりの一人映画館】

実は今、自分の中で小さなターミネーターブームが沸き起こっている。
もちろん「ターミネーター:新起動/ジェニシス」を観たせいだが、この勢いのまま「2」「3」、そして未鑑賞の「4」まで観てやろうという決意をひそかに固めている。この決意がどこまで持つかはわからないが、第一弾として1984年版「ターミネーター」を鑑賞したわけである。

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この映画、SFでも何でもねえわww

最初に率直な感想を申し上げると、

「あ、これ、ホラー映画だ」

そして、
「サラとカイルの逃避行ラブロマンスだ」

時空を超えた超大作SF?
ハッ、全然違うわww

はっきりと断言するが、映画「ターミネーター」はこれでもかというくらいよくできた恐怖映画である。

全編を通しての暗いトーン。不気味なBGM。
人を虫けらのように殺し続ける無表情な殺戮マシーン。

鏡の前で自分の目をくりぬくターミネーター。
むき出しの骨格の奥で赤黒く光る目。薄明かりの中で無機質にギョロリと動く様は、人を殺すために生み出されたマシーンの恐怖の象徴ともいえるだろう。細部にわたる演出すべてが恐怖心を増幅させるのだ。
 
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どこまでも主人公を追いかける手負いのサイボーグ。その形相はまさしくターミネーターの名にふさわしい。
 
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燃え盛る炎の中から立ち上がる骨格だけのターミネーター。
両目を赤く光らせ、足を引きずりながらサラを追う。
稚拙なコマ送りの映像が恐怖を煽り、観る者を震え上がらせる。

そして下半身と片腕を失ってもなお、腕一本で這いずりサラを追いかける姿。カイル・リースの死体を踏み越える光景など戦慄そのものである。
これがホラーでなくてなんだというのだ。

怖すぎる。絶対に夜中に観てはいけない映画だ。間違いなく電気を消せなくなる。

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カイル・リースとサラ・コナーのロマンスもなかなかいい

そしてこの映画で忘れてはならないのが、未来からきた戦士カイル・リースと主人公サラ・コナーのロマンスだろう。

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初めはカイル・リースを殺人鬼だと勘違いしていたサラ。のちに殺人鬼ではないことがわかったが、頭ネジが飛んだ妄想野郎だと思い込む。そこからピンチを乗り越えるたびに絆を深め、カイルの告白によってついに二人は結ばれる。
逃避行の末のラブロマンスにタイムトラベルを絡める高等テクニック。極限状態の男女の間に芽生える恋愛感情を、荒唐無稽な世界観の中に違和感なく表現しているのである。

 
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未来でサラの写真を片手に思いを馳せるカイル。小道具を効果的に用いたにくい演出も忘れない。

そしてクライマックス。か弱い女から一人の戦士へと覚醒するサラ。
迫りくるターミネーター。半死半生状態のカイルにひと言。
「立ちなさいカイル!! あなた戦士でしょ!!」

まったく、たまらんぜジェームズ・キャメロン。

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シーンの端々に30年の月日を感じさせる

1984年の映画ということで、シーンの端々に年代が感じられるのがまたいい。

未来からやってきたカイル・リースがまず手にするのが電話ボックスに設置された電話帳。タイムトラベルに成功した時代の人間にしては迷いがなさ過ぎる。このちぐはぐさがちょっとおもしろい。
 
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そして次の目標を定めるためにサラの手帳のページを繰るターミネーター。予定イコール手書きの手帳という発想のアナログさもまたいいではないか。

警官がくわえたばこで館内を歩きまわる光景もいいし、録音がカセットなのも趣がある。「REC」と「再生」を同時に押す姿にも時代を感じることができる。

別に「古き良き時代が~」などと言うつもりはさらさらないが、たまにはこういうものに触れるのも一興だと思った次第である。
 
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ジェームズ・キャメロンもここまでのシリーズになるとは予想してなかったんだろうな

恐らく監督、脚本のジェームズ・キャメロンも、この映画がここまで長期にわたってシリーズ化されるとは思ってもみなかったのだろう。

この映画ターミネーター。結果的にリンダ・ハミルトンの出世作になったわけだが、元々はB級映画として撮影していたものだったはずだ。とにかく随所に低予算でのB級感が散見されるのである。

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顔のアップが多く、全体像を俯瞰で映すカットが非常に少ない。技術の問題もあるのだろうが、未来での戦争の映像は合成丸出しだ。先ほども言ったが、骨格だけになったターミネーターがサラを追うシーンは不自然なコマ送りでリアリティにはほど遠い。 
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そして何よりカイル・リースがあっさり死ぬ
後々これだけクローズアップされるキャラクターが、こんな雑なやられ方をしていいのだろうかというぐらいの死に方である。ひょっとしたらこれも恐怖を煽るための演出なのかもしれないが、この時点では間違いなく今回限りのキャラとしてしか認識していなかったのだろう。予定外の神格化。まさしく王道のB級映画である。

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映画「ターミネーター」は最高だった。次は「2」を観るぞ






今回、「ターミネーター:新起動/ジェニシス」に感化されて数年ぶりに観た初代「ターミネーター」であったが、はっきり言って最高だった。そして死ぬほど怖かった。
 
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もはや自分の中でのターミネーターブームは本物になりつつある。この調子で、次はシリーズ最高傑作といわれる「2」を観よう。そう決心した平日の夜であった。

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