那須川天心vsジェイソン・モロニー現地観戦おもしろかった。適応は進んだけどいい意味での“ボクサーらしくなさ”が薄れた気も…。基本的にメンタルが“こっち側”なんだろうね【結果・感想】

那須川天心vsジェイソン・モロニー現地観戦おもしろかった。適応は進んだけどいい意味での“ボクサーらしくなさ”が薄れた気も…。基本的にメンタルが“こっち側”なんだろうね【結果・感想】

「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2025年2月24日に東京・有明アリーナで開催された「Prime Video Boxing 11」を現地観戦してきた。
例によって那須川天心のボクシング転向6戦目をお目当てに足を運んだわけだが。

 
全編視聴は下記↓

 
元バンタム級王者ジェイソン・モロニーと119ポンド契約10回戦を行い3-0(97-93、97-93、98-92)の判定で天心が勝利。
6Rにモロニーの右でガクッと腰が落ちるシーンもあったが、全体を通してヒットを重ねた天心が明確なリードを保って勝利を挙げている。
 

唐突な119ポンド契約。天心側の希望だったらしいけど、適正体重が中途半端なんだろうね

まず触れなければダメかな? と思うのが契約体重について
 
試合前のアナウンスやHP、ネット記事(&当日のパンフレット)に軒並み「バンタム級」と表記しておきながら前日計量で119ポンドのキャッチウェイトと判明。
天心本人は「以前から決まっていたこと」と言ったが、さすがにこれは説得力に欠ける。
いろいろな憶測(や決めつけ)が飛び交い、SNSが荒れまくるいつもの光景(笑)が展開されたわけだが。
 
直前の変更だったせいで各媒体の訂正が間に合わなかったのなら理解できる。
ただ、だとするとどちらかの選手が正規の体重ではキツいから変えてくれとお願いしたことになる。
 
もしくは天心の言うようにあらかじめ決まっていたならバンタム級表記で通した理由がわからない。
 
詳細が不明すぎて迂闊なことを言わないようにしていたのだが、下記によると119ポンド契約は当初から決まっていた&天心側の希望だったとのこと。


なるほど。
確かに前回のジェルウィン・アシロ戦は動きが微妙だった。
入場時の頼りない印象がそのまま試合内容に出た感じである。


那須川天心vsジェルウィン・アシロ。アシロが強かった&遠間からすっ飛んでくる剛腕との相性もよくない? 天心の調子も悪かったかもね
 
“ちゃんと”動けるのはS・バンタムだが体格的にやや厳しい。
だが困ったことにバンタム級では本来のコンディションを維持できない。
数年前のルイス・ネリもそうだったが、現時点の天心は適正体重が恐ろしく中途半端なのだと思う。
 

あえて「バンタム級」表記で通した理由。天心を誹謗中傷から守る意味があったんじゃない?

まあ、それはそれとして。
キャッチウェイトが決定しているのにあえて「バンタム級」と表記した理由を考えてみると……。
批判される時間を極力短くする意図があったのかな? と想像している。
 
ご存じのようにボクシング転向後の天心に対する風当たりはすこぶる強い。
SNS上では「冗談でしょ?」と思うような罵詈雑言も普通に目に入る。
 
特にボクシングファンは陰湿な人間が多くネチネチとしつこい。
それこそMMAファンやキックファンのどストレートな暴言が好ましく思えるほど。
 
中でも前々回のジョナサン・ロドリゲス戦の発表前は見るに堪えない酷さだった。
 
那須川天心vsジョナサン・ロドリゲス正式発表。WBO-AP決定戦? カマセのタイ人? 日本ボクシングの凋落? 全部間違ってるじゃんw 一つも合ってないってどういうこと?
 
勝手な憶測で次の相手を決めつけ天心本人をカマセ狩りと中傷する。
(頼まれもしないのに)日本ボクシング界の将来(笑)を心配(するフリを)して当事者の評価を下げ、あとで間違いだとわかっても何の責任も取らない。
勝手にカマセ認定された選手にも失礼な上にそもそもてめえら何様なんだよと。
 
今回もキャッチウェイトが判明すればその途端にバカどもが鬼の首を取ったように騒ぎ出すことは火を見るよりも明らか。
それを防ぐため&練習に支障が出ないようにあえてバンタム級と表記したのでは? と思っているのだが、どうだろうか。
 
極論、前日計量が終わればあとはリングに上がるだけ。
批判や中傷が巻き起こっても本人への影響は少なくて済む(はず)。
 
客を騙すような行為はアウトだが、陣営が(Aサイドの権力を使って)そうせざるを得ないほど酷い状況なのかもしれない。
いくら何でもそこまでするか? と思いつつも今の状況なら十分納得がいく。


ちなみに僕はキャッチウェイトどうこう以前にWBO-APの防衛戦ですらないことに驚いた笑
 

コンディションは入場だけではわからん。何のポーズなのかもわからん笑

前置きが長くなったが試合の感想を。
 
まずは青コーナーのジェイソン・モロニーが入場。

気合いの入った表情でござる。
 
 
続いて赤コーナーの那須川天心。

肌の露出がないのでこの時点ではコンディションがどうかはわからなかった。
 
表情はそこそこよさげに見えたけど。

 
ん? 今回は何のポーズですか?

すまん、全然わかれへん笑
 

おもしろい試合だった。vsサウスポーが向上したモロニーのがんばり

試合内容だが、かなりおもしろかった。
大激闘のセミセミ、無慈悲なメインに挟まれて箸休め的な捉え方もあったが僕自身はめちゃくちゃ楽しめた。
 
 
ジェイソン・モロニーは武居戦に比べてvsサウスポーの大幅な向上が見られた。
中盤までお見合いが続いた前回とは打って変わって1Rからいきなり右をヒット。
その後も天心を追い回して再三懐で暴れるなど、この試合に向けて相当な準備を重ねてきたことがわかるパフォーマンスを見せる。
僕も開始直後のアクションを観て「お、今日のモロニーはいいぞ」となったことをお伝えする。
 
武居由樹がモロニーに勝利、キック出身選手で初の世界王者に。要は「ボクシングは甘くない」勢が他競技のトップ選手のポテンシャルを舐めてたんでしょ
 
中でも頭を下げて距離を詰める→打ち合いに巻き込む流れはカウンター使いの天心によく機能していた。
WBA王者の堤聖也と練習を積んだとのことだが、あの選手を参考にしたとすれば納得感が高い。
 
最後まで動きが落ちない体力、いくらでも追いかけ回す根気強さ。
モロニーのがんばりが試合をよりおもしろくしていた。
 

最初の被弾で想定した試合運びがいきなり崩れた。いきなりの右をもらうシーンが多いよね

一方の天心だが、試合運びは恐らく練習通り。
 
右リードで相手を遠ざけつつスペースを確保。
正面を外しながらヒットを重ね、流れを掴んだ段階で勝負をかける。
序盤はある程度様子見、中盤から試合を動かす。
先日の公開練習動画に近い試合運びを意識していたのではないか。
 
那須川天心vsジェイソン・モロニー戦もうすぐ。天心の公開練習動画がアップされたので感想を言っていく。天心の試合順にイラつくツイッタラはもはや風物詩w
 
だが思った以上にモロニーのサウスポー対策が機能していたのと、単純にこのレベルの相手は右ジャブだけでは止まらない。武居のような懐の深い構えではない分入られやすかったのもある。
 
1Rに右をもらってガクッときた瞬間に“右で相手を動かす”想定は崩れ去った笑
 
 
大雑把に言えば
・遠い距離→天心が圧倒
・近い位置→モロニーが一枚上手
 
中でも近距離で右の回避が間に合わないシーンが散見された。
 
もともと天心は見切りと距離で外す選手。
ボクシング転向後はガードで防ぐことも増えたが、基本は横のフットワーク、アングルチェンジを得意とする。
 
なので、前回のジェルウィン・アシロのようにまっすぐすっ飛んでくるタイプとは相性が悪く、今回は懐に入られるケースが目についた。
本人は試合後の鼻血について「顔で売っているのに」とコメントして(2戦連続で)ダダ滑りしていたが、ここはマジで課題かもしれない。
 
想定よりも踏み込み距離が長い、パンチが伸びる相手(ジェルウィン・アシロ)やジャブで止まらず追いかけてくる、躊躇なく頭を擦り付けてくる、足を踏んでくる相手(ジェイソン・モロニー)と続けて10Rを経験できたのはめちゃくちゃ大きい。
 
那須川天心vsジェイソン・モロニーはどっちもがんばれ、どっちも負けるなですね。モロニーがどう中に入るか、天心は最後まで走り切れるかかな
 
デビュー当時のガス欠もなくなったし、明確に効かされた直後の対処もよかった。適応は着実に進んでいる(と思う)。
 
 
これは完全に手をついたと思ったが、改めて観ると寸前で踏ん張っていることがわかる。


すげえなオイ。
こういうバランス感覚はやはりキック時代の蓄積が大きいのだろうか。
 
あと、もしかしたらキック時代はサウスポー相手にここまで右を器用に使う選手がいなかったのかもしれませんね。
もしくはローのあるキックではその状況になりにくかったとか?
 


 

Advertisement

 

注目していたクリンチ際の強さ、組みの力が見られなかったのが…。青木真也の言い分もわかるんだよね笑

一つ残念だったのがキック仕込み? の組みが(あまり)見られなかったこと。
 
先日のキーショーン・デービスvsデニス・ベリンチク戦でキーショーンが見せたクリンチ際の強さ。
 
距離を詰めてくる相手をいなす、強引に引き剥がす、上から押し潰す動きでベリンチクを圧倒したが、天心がアレをやれれば理想的だと申し上げている。
 
キーショーン・デービスvsデニス・ベリンチク。キーショーンがKO勝利、最初から最後まで圧倒してましたね。那須川天心のvsモロニーの理想みたいな試合だった
 
実際、デビュー戦では与那覇勇気を相手に何度もやっていた。
今回のジェイソン・モロニーも間違いなく近場の打ち合いを狙ってくる。その相手に“キワ”の部分で強さを発揮できるかに注目していたのだが。
 
 
ところが実際には真っ向から打ち合いに応じてばかり。
近場でまともにパンチを出すことすら許さなかったキーショーンとはほど遠い。
この辺は悪い意味でボクシングに染まったのかもしれない。
 
 
滑り知らずの青木真也×東スポコラム。

ナスガワさん(那須川)はずっと『ボクシング』をやっていたよね。最初から最後までボクシングの定石だった。押し相撲をして、打ち合って…

ここまでボクシングに染まることができたからこそ、俺は〝格闘家ナスガワ〟の動きでボクシングと戦っているところが見たい


「最初から最後までボクシングの定石だった」
「〝格闘家ナスガワ〟の動き」
これ、青木の言い分がちょっとわかるんですよね笑
 

ポイントの取り方は達人級にうまい。ただ、いい意味での“ボクサーらしくなさ”が薄れつつある…

ジェルウィン・アシロ戦、モロニー戦と直近2戦連続で苦戦(?)を強いられた天心。
だがポイント自体は文句なしに取っていたし、本人が言うようにキック時代から“見せ方”は達人級にうまい。


上述の通り長いラウンドを含めたボクシングへの適応はどんどん進んでいる(と思う)。
 
その反面、いい意味での“ボクサーらしくなさ”が薄れつつあるのが……。
 
「那須川天心」の名前が大きすぎてポイント勝負に振り切るファイトは周囲が許さない。
同時に下記のようなコメントが出る時点で本人のメンタルが“こっち側”なことも確定している。


フロイド・メイウェザーやアンドレ・ウォードのように「絶対に負けない側」を躊躇なく選ぶ割り切りはこの選手には難しいのだろうと。
 
 
ついでに言うと、余裕がなくなるとパンチに体重が乗らなくなるのもありそう。
少し前に「那須川天心は下に落とすような打ち方だから力が逃げる」「もっとまっすぐ打ち抜ければ倒せるのに」とおっしゃる方がいたが、確かに流れの中でこういう打ち方をしているような……。


 
よく聞く「疲れた状態だと身体に染み付いた動きが出る」的なアレ。
ルイス・ロブレス戦やジョナサン・ロドリゲス戦のように「重心を落として~、足場を決めて~」をやる余裕もなかったしね。
 
那須川天心vsルイス・ロブレス。腰を落として被弾を嫌がらずに圧力をかける。過去2戦との違い。練習でやったことをそのまま出せる天心の器用さ
 

Advertisement

 

次戦はvsサウスポーを希望だって。武居由樹戦までの皮算用が尋常じゃないw

下記によると天心の次戦は6月頃(恐らく中谷潤人vs西田凌佑と同日)を予定、本人は現王者を想定してサウスポーとの対戦を望んでいるとのこと。


いや、難しいっすね。
武居由樹とは王者同士で対戦したいと言っていたが、だったらどうするのか。
WBCの中谷潤人とIBFの西田凌佑は統一戦が内定、激闘続きの堤聖也(WBA)はすぐの復帰はなさそう。
 
武居由樹vsユッタポン・トンデイ決定。ユッタポンはいい選手に見えるけどホントにわからんねw 身体も強そうだし武居はモタつくかもしれん
 
たとえば西田に勝った中谷が階級アップに伴い王座返上→空位の決定戦に進むとか?
武居も指名戦が続くことを考えると順調に行っても両者の対戦は2026年初めくらい?
 
てか、そんな皮算用がうまくいくんですかね?
その前に天心はバンタム級でちゃんと動けるの? 武居の関節唇はしっかり治るの?
どちらかがコケたり怪我で流れなければいいのだが。
 
 
またランキングを見ると日本に呼べそうなサウスポー(上位ランカー)は井岡一翔と対戦したジェイビエール・シントロンと石田匠と対戦したビクトル・サンティランあたりか。
 
シントロンは13勝1敗6KO、サンティランは14勝1敗5KO。
どちらも倒し屋ではない&そこそこ上背があるので仮想武居由樹として悪くない。
 
あとは中谷潤人と対戦したペッチ・ソー・パッタナとかね。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 

Advertisement

 
[THE MONEY TEAM] (ザ・マネーチーム) TMT 正規輸入品 MS104-2WK Tシャツ 白ベース×黒 フロイド・メイウェザー・ジュニアコレクション Tシャツ メンズ 半袖 ボクシング アメリカ
 
パーカー メンズ 長袖 スウェット Gennady Golovkin ゲンナジー・ゴロフキン プルオーバー ゆったり カジュアルおおきいサイズ 人気 服 四季 男女兼用 フード付き ベーシック グラフィックプリント
 
マニー パッキャオ (2)おしゃれ 多機能 弁当バック手提げ袋 軽量