田中将大12勝目!! マー君は歴代日本人でNo.1の成功者となる?

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海岸夕日イメージ
田中将大今シーズン12勝目!! 7回無失点の好投でチームの窮地を救う!!

メジャーリーグ、ヤンキースの田中将大投手が13日(日本時間14日)に敵地トロントでブルージェイズ戦に先発。7回を投げて108球、4安打無失点の好投で今シーズン12勝目(6敗)をマークした。防御率は3.40。

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首位ブルージェイズと4.5ゲーム差で迎えた今日の試合。監督のジラルディが「絶対に負けられない試合」と位置づけるほど重要な一戦を任された田中。指揮官の期待に見事応え、窮地のチームを首の皮一枚で救う快投を見せた。勝負どころの9月に俄然調子を上げてきた田中に今後も注目だ。

スライダーで相手バッターを翻弄する田中。スプリットとのコンビネーションが絶妙

前回登板同様、今日の田中もなかなかよかった。
鋭い腕の振りから放たれるフォーシーム、ツーシーム、カットボールには勢いがあり、軸となるスプリットやスライダーのキレも申し分なかった。

また、今日はスライダーの割合を増やして相手バッターの裏をかく組み立てを見せていたことも注目すべき点ではないだろうか。前回登板からそうなのだが、右バッターの外側へのスライダーがかなりいい。これまでよりも変化量を抑えてスピードを上げたスライダーは打者の手元で鋭く曲がり、空振りを誘う球として絶大な効果を発揮している。

それだけではない。
今日は左バッターに対して外角のスライダーとスプリットの出し入れが絶妙だった。通称バックドアと呼ばれる外側のスライダーでカウントを稼ぎ、スプリットで内野ゴロを打たせる。またはスプリットでカウントを稼ぎ、決め球にスライダーを投じるなど、いつもと若干違うパターンで相手バッターに的を絞らせないピッチングを展開していた。

時折すっぽ抜けのスライダーが右バッターの内側に半速球となって入ったり、外角からストライクゾーンに曲げたツーシームが真ん中高めに入ってしまったりと、逆球を打ち返される場面も見られた。だが、往々にしてスピード、キレともに上々の出来だったのではないだろうか。

いつもは80球前後で球威がガクッと落ちるのだが、今日は90球を越えても球の勢いは衰えることはなかった。さすがに100球を越えた辺りでかなり怪しくなってきていたが、ジャストミートされながらも何とか7回を投げきった姿はエースの姿そのものであった。

開幕当初、田中本人が言っていた「勝負どころでピークを迎えるように調整していく」という言葉。まさしくそのとおりになってきたのではないだろうか。

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シーズンも残りわずか。田中の先発登板も後3、4試合といったところだろう。その後はいよいよワイルドカード、プレーオフである。2015年田中将大の真骨頂に期待したいと思う。

田中将大はメジャーに挑戦した日本人投手の中で一番の成功者となる?

田中将大の安定感は歴代日本人ピッチャーNo.1である。

これまでメジャーに挑戦した日本人投手の中で、一番の成功者と言えば間違いなく野茂英雄だ。
両リーグでのノーヒットノーランは言うまでもなく、メジャー通算123勝は今のところダントツの勝ち数だ。二位の黒田が79勝であることを鑑みるに、その稼働年数や息の長さに異論を差し挟む余地は見当たらない。

僕は個人的に、田中将大は野茂以上の成功者と呼ばれる投手となれる可能性があるのではないかと思っている。理由はその安定感である。

松坂大輔やダルビッシュなどは、一試合のインパクトという意味では凄まじい瞬間最大風速を記録するのだが、どこか安定感に欠ける印象は否めない。投げている球自体はものすごいのだが、その調子を常に発揮できるわけではない。調子がよければ圧倒的なピッチングを見せるものの、ダメなときはとことんダメ。こういった不安定さをどうしても払拭できずに苦しむ姿が悪い意味で印象に残ってしまうのである。日本人投手でNo.1の成功者である野茂英雄もこの系統のピッチャーといえた。

その点、田中将大はひと味違う。
何試合連続QSなど、圧倒的ではないながらも常に試合を作る安定感は今までの日本人投手にはなかったものである。
岩隈や黒田がいるではないかという声が聞こえてきそうだが、岩隈に関しては身体が貧弱過ぎて、安定したピッチングを長期間続けられるとは思えない。また黒田については、あの命を削りながら投げるような悲壮感満載の姿が痛々しいため、成功者リストから除外させていただいた。観ていてあまりに辛くなるという勝手な自分理由なのだが、どうかご容赦いただきたい。

とにかく田中将大の安定感や勝ち運というのは、今までの日本人投手にはなかったものだ。
2014年は怪我で2ヶ月の離脱がありながら13勝5敗で8つの勝ち越し、今シーズンも今日を入れてここまで12勝6敗と6つの勝ち越しである。メジャー通算でも25勝11敗と、14の勝ち越しをチームにもたらしている。日本時代を振り返れば、通算7年で99勝35敗。実に64の勝ち越しである。

つまりこれは、調子が悪いときもそれなりのピッチングをしていることを意味する。常に65点〜80点前後の水準のピッチングが計算できるということなのだ。その日の自分の調子を客観的に見極め、自分のできる最善の方法を選択する器用さ。固定観念にとらわれない柔軟性。それらが相まって、今の成績に表れているのだと思う。

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これから先「物足りない」「年俸に見合ったピッチングではない」などと言われながら、何だかんだ長期間にわたってチームに勝ちをもたらし続けるのではないかと思うのである。もちろん個人の希望もふんだんに入っているのだが。

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