井上拓真がウバーリに大差判定負けで王座統一失敗。相手に恐怖を感じさせる1発が出るといいな。兄貴みたいな【結果・感想】

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さいたまスーパーアリーナイメージ
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2019年11月7日、さいたまスーパーアリーナで行われたWBC世界バンタム級王座統一戦。同級正規王者ノルディーヌ・ウバーリvs同級暫定王者井上拓真の一戦は、3-0(120-107、117-110、115-112)の判定でウバーリが勝利。見事王座統一に成功した試合である。
 
 
2018年末にペッチ・CPフレッシュマートに大差判定で勝利し、暫定王座を獲得して以来のリングとなった井上拓真。
対するノルディーヌ・ウバーリは2019年1月にラウシー・ウォーレンとの決定戦に勝って正規王座を獲得。同年7月にアルツール・ビラヌエバを6RTKOで下し、今回が2度目の防衛戦となる。
 
 
試合はウバーリが前に出て積極的に腕を振り、井上拓真がカウンターで迎え打つ展開。
要所でコンパクトな右をヒットする拓真だが、ウバーリの突進はなかなか止まらず。4Rには左ストレートを被弾してロープまで吹っ飛ばされてのダウンを喫するなど、終始劣勢のまま試合は終盤へ。
 
最終12Rに強引に前に出た拓真がペースを引き寄せるが、ウバーリを仕留めきれず。最後まで優勢を保ち続けたウバーリが大差判定勝利。見事王座統一を果たしている。
 
井上拓真vs栗原慶太のOPBFタイトルマッチだって。1ミクロンも思い入れがない両選手だけど、おもしろそうな試合ではあるよね
 

拓真vsウバーリ戦の記憶があまりないww 僕の体調が悪かったのか、試合がビミョかったのか

井上拓真vsノルディーヌ・ウバーリのWBC世界バンタム級王座統一戦。
惜しくも拓真がウバーリに敗れ、王座統一に失敗してしまったわけだが。
 
実を言うと、僕はこの試合をよく覚えておらず。
試合開始とともにテレビの前にスタンバイしたのだが、激しい睡魔に襲われてどうにもこうにも試合内容が入ってこない。僕の体調のせいなのか、試合内容がイケてないのかは定かではないが、とにかく最初から最後まで眠くて仕方がなかった。
 
実況と解説が「拓真がペースを握っていますね」「そうですね」などと言っていて、「そうか? 言うほど拓真のペースか? これ」と思っていたら4R終了時の公開採点では思いっきりウバーリのリード。
 
だよなぁ。
どう見ても拓真ペースではなかったからな。
とボンヤリ思って以降の記憶がほとんどない。
 
メインの井上尚弥vsノニト・ドネア戦とのあまりのテンションの違いが我ながらしょーもないのだがww
 
「信じる心が拳に宿る。ドネアが井上尚弥に敗れるも、12Rの大激闘。敗者なきリングに感動しました」
 

確かに拓真の完敗ですね。予想記事を書いたことすら忘れてたけどw

で、改めて試合を観直してみたところ、なるほど。これは拓真の完敗ですね。
 
さすがに120-107まではいかないとは思うが、大差判定負けであることは間違いない。残念ながら多くの面でウバーリに上をいかれた感が強い。
 
一応予想らしきものをしていたんだな。
「井上拓真vsウーバーリ。クッソ厳しそうな相手だけどがんばれ拓真。統一王座戦で初の兄弟W世界戦が実現」
 
自分でもすっかり忘れてたわww
 
・ウバーリは連打型のファイター
・足腰が強く、打ち終わりに身体が流れることがほとんどない
・ウバーリが前に出て拓真が迎え打つ展開になる
・拓真は単発タイプのペッチの前進には対応できたが、ウバーリからは逃げきれないのでは?
・カウンターの威力でビビらせたいが、それも難しい?
・勝敗予想はウバーリの判定勝利
・右のカウンターが機能すれば拓真にも勝機はある
 
ほほう。
な〜んとなくそれっぽいことを言ってる? のかな?
 
てか、「ノルディ・ウーバーリ」ではなく「ノルディーヌ・ウバーリ」なんですね。解説の山中慎介が一貫して「ウーバーリ」と言い続けていたのが印象的だったけど。
 

拓真のパンチにウバーリは恐怖を感じず、被弾も気にせず前に出る。別に非力なわけではないと思うけど…

試合展開としては概ね上記の通り。
 
拓真のカウンターは機能していたが、それだけではウバーリは止まらず。連打に巻き込まれ終始劣勢を強いられた。
 
前手の差し合いで上回られ、左ストレートをど真ん中から被弾。
単発のペッチにはサイドへの動きと右カウンターで対応できたが、連打型のウバーリの突進を防ぐには手数、ボディワークともに足りない。
 
そして、今回の試合でもっとも印象に残ったのが拓真とウバーリのパンチの打ち方の違い
 
全身をフルに使って拳に体重を乗せるウバーリに対し、拓真のパンチはやや手打ち気味。
引きに対する意識が強過ぎるせいか、最後のひと押しが足りない。思い切り打ってはいるものの、重心は後ろに残ったままというか。
 
別にフォームがどうこう言うアレもないのだが、確かにKOが少ないのもわかるような気がする。
この選手は試合のたびに「非力」と言われているが、実際にはパワーがないわけではないと思う。むしろ下半身のバランスやフィジカル面は兄貴に引けを取らないものを持っていて、ディフェンスへの意識がやや過剰なのかなと。
 
後傾のまま打ち出すパンチには迫力がなく、ウバーリに恐怖を感じさせることができない。
しかも拓真は基本的に単発、多くても2発の選手なので、1発目を我慢すればダウンをとられることはまずない。ウバーリはたとえ被弾しても、強引に前に出れば得意の連打で押し切れてしまう状況。
 
「僕のジョシュ・テイラー優勝! プログレイスを僅差判定で下す。WBSS S・ライト級おもしろかったな」
 
リング中央で対峙し、同時に踏み出す両者。
ウバーリの左に右を合わせる拓真。だが、1発のパワーの違いで拓真はコーナーへ吹き飛ばされる。
距離を詰めたウバーリがさらに右フックを側頭部にヒットし、再び左ストレート。打ち終わりに拓真がカウンターで左を合わせるものの、ウバーリは気にせず返しの右を振り回す。
 
そして、コーナーでアッパー気味の右を顎にヒット。
拓真は何とかサイドに回り、コーナーから脱出する。
 
豊富な手数と思い切り振り抜くパンチで拓真を圧倒するウバーリ。
間違いなく拓真のカウンターも当たっているのだが、ウバーリは気にするそぶりを見せずに連打を発動する。
 
両者の特徴、持ち味の違いが浮き彫りになった攻防である。
 
というか、ウバーリって左右へのアングルチェンジも巧みなんだよな。正面を外して打ち込むタイミングが抜群だった。
 

ウバーリの試合運びも上手かった。ペースが変わりそうになった9Rに自ら前に出て勢いを止めた

また、ウバーリの試合運びも地味に上手かったと思う。
8R終了直前(だよね?)に右カウンターを効かされて下がるシーンがあったが、そこからの持ち直し方が……。
 
9R開始直後から前に出てきた拓真に対し、真正面から連打で応戦。頭が当たる距離で下がらず激しく打ち合う。距離が近づいた分ボディカウンターをもらいはしたが、ここでは絶対にペースを渡さないという決意の感じられるラウンドである。
 
一方、拓真は前に出てはいるものの、やはり1発1発のパンチには威力が足りない。
パンチに体重が乗っていないというか、後傾姿勢のまま引きを意識した状態で打っているように見える。
 
「井上拓真は軽量級のキース・サーマン襲名ってことでいいよな? ペッチ・CPフレッシュマートに判定勝利」
 
解説の長谷川穂積が「KO負けを覚悟で前に出るしかない」と言っていたが、マジでそんな感じ。その辺を振り切れば一気に覚醒する気がしないでもないのだが。
 
いや、今のままでも十分な実力者なのは間違いない。だが、ウバーリのような実力者と対峙した際、どうしても後れをとる可能性はあるよねという話。
 
前に出て腕を振りまくるかつてのスタイルは“兄貴の劣化版”と言われ、カウンター狙いに徹するには1発の威力が足りない。今後、この選手がどの方向に進めばいいのかは僕にはちょっとわからない。
 
まあでも、下記の記事でも「ポイントの取り方を研究しないと」と言っているし、やはりカウンター狙いでいくのかな? という気はする。


ちなみにだが、改めて試合を観直した結果、6Rあたりの記憶が若干曖昧なのはご愛嬌であるww
 
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