田口負ける? ミラン・メリンドとの統一戦で2017年大トリ。ヤバいな田口。パワーでどこまで圧倒できるか【予想・展望】
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2017年12月31日、東京・大田区総合体育館で行われるWBA・IBF世界L・フライ級統一戦。WBA王者田口良一が、IBF王者ミラン・メリンドとの王座統一戦に挑む。
WBA王者田口良一が7度目の防衛戦にして、キャリア最大の相手を迎える。
IBF王者のミラン・メリンド。今年5月に八重樫東を1RKOで下し、王座戴冠を果たした強豪である。
当初、WBO王者田中恒成との統一戦に向けて準備が進められていたが、9月の試合で田中が負傷したため白紙に。別団体王者のメリンドとの統一戦に舵を切った格好である。
「田中イキり過ぎたな。パランポンを9RTKOに下すも、試合後に病院に直行」
今年7月の防衛戦でロベルト・バレラを9RTKO勝利に下し、最高の状態で大みそかに挑む田口。念願の統一戦でどのようなパフォーマンスを見せるかに大注目である。
「アンカハスがコンラン兄をダウンさせまくって圧勝。さすがww 微妙なジャッジをものともせずに防衛成功。SUPERFLY2参戦あるか?」
2017年大みそかのビッグマッチ決定!! 田口vsメリンドの統一戦!!
田口良一vsミラン・メリンド。
大みそかの常連だった内山高志が引退し、井岡一翔の去就は微妙。頼みの井上尚弥は期待した相手ではなく。
年末のボクシング興行の盛り上がりが欠けると感じていたファンが多い中、すばらしい一戦が発表された。
「井上尚弥がヨアン・ボワイヨと年末ファイト。余裕? の勝利でいけるのか? 2月の米国参戦も視野」
当初は田中恒成との統一戦が予定されていた田口だが、田中の負傷により中止。急遽というか「なるほど、それがあったか」というマッチメークで、ファンを大喜びさせている。
ジムの看板選手であった内山高志が去り、そのバーター扱いだった田口良一にスポットが当たる状況。テレビ局がTBSに変更されたことで、使える資金も潤沢になったのだろうか。
いろいろと大人の事情はあるのだろうが、この試合は普通に楽しみである。
「アコスタがアレホにKO勝利で初王座。ナイスファイト。田中恒成のすごさが改めてわかる試合だったな」
勝敗予想はミラン・メリンドの僅差判定勝利。かなり際どい試合になると思うけど、ギリギリで田口が陥落すると予想
では、とりあえず勝敗予想から。
ミラン・メリンドの僅差判定勝利。
今回はこれでいきたいと思う。
「レイ・バルガスvsオスカル・ネグレテ予想。瀬戸際の試合ですね。レイ・バルガスが微妙な才能マンか、マジの階級No.1か」
八重樫東を1RKOで葬ったミラン・メリンドだが、正直、田口も結構ヤバいと思う。
どれだけ田口がフィジカルで圧倒できるかだが、よくわからない感じでごまかされ、そのままポイントアウトされる可能性が高いのではないか。
「八重樫がメリンドにまさかの1RTKO負け!! L・フライ級日本人王者4人体勢が1夜で崩れ去る。メリンド強かったね」
メリンドの過去の試合をざっと観たところ、僕が思うこの選手のよさはカウンターと連打。
中間距離よりも若干近い間合いで相手と対峙し、出方をうかがう。
相手の1発目と同時に自分も踏み出し、絶妙なタイミングでカウンターを被せる。
そこからさらに1歩踏み込み、連打を浴びせて相手を後退させる。
その連打が多彩かつ正確で威力もあるので、そのまま自分のペースに引き込むことができる。
「エストラーダvsシーサケット予想。全っ然わからんw わずかにエストラーダ有利? シーサケットのKOも十分ある?」
手を出すたびに必ずカウンターが飛んでくるため、対戦相手は徐々に思いきった踏み込みができなくなる。
また、メリンド自身も特別スピードがあるわけでもなく、踏み込みのレンジも長いわけではない。
そのため、どうしても中間距離でタイミングを測る時間が増え、膠着の多いゆっくりした試合になりやすい。
メリンドの試合がどれも似たような流れで、なおかつ接戦が多いのはそのためである(と思う)。
「トラメイン・ウィリアムズvsアレクセイ・コラド。ウィリアムズの2017年ラスト。超絶見切りのテクニシャンが登場するぞ」
個人的にこの選手とタイプが似ていると思うのはダビド・カルモナ。メリンドはカルモナよりも若干射程が近いが、全体的な試合運びは近いような気がしている。
「バドゥ・ジャックはすげえだろ? クレバリーを問題にせず圧勝。どうだ? 驚いたかオイ? 俺は驚いたぞww」
才能自体はボチボチだが、自分のできる範囲で効果を最大化する選手。何となくだが、ミラン・メリンドはバドゥ・ジャックや井岡一翔と同様、努力の人というイメージが強い。
メリンド攻略法は前戦のヘッキー・ブドラーが教えてくれた。距離をとって、アングルを変えながらの当て逃げ
メリンドの直近の試合、判定で物議を醸したヘッキー・ブドラー戦を観たが、恐らくあの試合がメリンド攻略の一つの答えではないかと思う。
ガードを上げ、メリンドの射程の1歩外で対峙。
タイミングを合わせて踏み込み、1発当ててすぐに離れる。
すぐさまカウンターをガードで防ぎ、メリンドの連打が発動する前にサイドに回る。
1度の交錯でパンチを出すのは2、3発まで。
なるべくメリンドと正面から打ち合わず、突進には極力付き合わない。
一箇所に留まらないことを意識しつつ、遠い位置から単発中心で削り、そのままポイントアウトを狙う作戦である。
「サンダースvsレミュー予想。実は〇〇じゃないサンダース。間違ってWOWOWで生中継されないかな」
射程の近いメリンドの危険地帯に立ち入らない。
アングルを変えてカウンターの被弾を防ぎ、連打を打つ機会を与えない。
真正面での対峙を避け、ガードの外からヒットを重ねる。
メリンドの特性をよく研究した作戦と言えるのではないだろうか。
「田口すごかった。メリンドに完勝するとはね。負けるとか言って申し訳ないww L・フライ級で規格外のフィジカルと戦術の幅」
だが高く上げたガードのせいか、ブドラーはどうしても攻防分離気味になりやすく、カウンターを被弾するシーンも多く見られた。
また、ファーストコンタクトでメリンドの連打を浴びる場面もあり、1度の交錯で出すパンチを1発に限定した方がよかったのかもしれない。
ただ、それだとメリンドの踏み込みを止めきれないのか……。
要は、ヘッキー・ブドラーの身体能力ではアレが限界だったということか。
「ベテルビエフvsコーリン感想。攻略法が見えたような見えないような…。ベテルビエフの剛腕フィジカルにコーリンが撃沈。パワーの違いが…」
メリンドを攻略したのはエストラーダ。この選手は本当に器用だなと思いますね
そして、上記のメリンド攻略をもっともうまく実行したのが、2013年のファン・フランシスコ・エストラーダ。
あの試合のエストラーダは本当にお見事で、長いリーチを活かしたジャブとサイドへの動き、リターンへの対処をブドラーよりもはるかに高レベルで実現していた。
遠い位置から打つパンチは2発まで。
メリンドのリターンに付き合わずにすぐさまバックステップやサイドステップで距離をとる。
メリンドはパンチの戻り際に合わせて踏み込むのだが、エストラーダの1発の威力が強く、一瞬の遅れが生じる。
また、中間距離での打ち合いで負けなかったのもよかった。
意を決してメリンドが打ち合いを仕掛けるのだが、エストラーダも得意のコンビネーションで応戦。サイドに回りながらヒットを許さず、危険地帯からうまく逃れる。
「アンカハスvsコンランが楽しみ。こんなロックな兄貴を観たことがないww そして、有村藍里が好きな俺もロックだろ?」
毎度思うのだが、エストラーダという選手はマジで器用である。
ロマゴン戦ではリング中央から下がらず、コンビネーションに連打で応戦。
クアドラス戦では動き回るクアドラスを徐々に追い詰め、終盤にダウンを奪う。
そして、メリンドやブライアン・ビロリア戦では、正面に立たずにアングルを変えながらのヒット&アウェイ。
すべての動きが高次元で、観ていて楽しい選手。
今度のシーサケット・ソー・ルンビサイ戦も、もしかしたら完封してしまうのではないかと思うほどである。
「クアドラス勝てたでしょ。エストラーダに超僅差判定負け。中間距離での正確性と作戦失敗ですかね。シーサケットvsエストラーダは楽しみ」
田口にエストラーダやブドラーと同じことができるの? あんまりそんな感じがしないんだよな
とまあ適当にミラン・メリンド攻略の方法を考えてきたのだが、じゃあ田口良一にそれができるの? という話になると、ちょっと難しい気がしている。
恐らく田口にエストラーダほどの器用さはないし、ああいうアングルを意識した当て逃げの試合を観たことがない。
「日本人選手もドーピングしちゃえよ←一理ある? 山中vsネリの再戦が決まりそうだから、改めてゴニョゴニョ言ってみる」
また、2015年大みそかのルイス・デラロサ戦などを観ると、左の打ち終わりに盛大にフックを被弾するシーンが散見される。
デラロサの外旋回の大振りフックをあれだけもらっていたので、それよりもはるかに精度の高いメリンドのリターンを防ぐのは至難の業ではないか。
「拳四朗は和製ロマチェンコを目指せ。ゲバラに消耗戦で勝利!! だけど、これじゃない感半端ない」
打ち終わりを狙われ、懐に入られてそのまま連打に巻き込まれる。
強引に前進すれば、バックステップでさっと距離をリセットされる。
このパターンを12Rゆるゆると繰り返され、ごまかされた感じでポイントアウト負け。
そして、試合後には「ダメージはないのに何もさせてもらえなかった」というコメントを残す。
みたいな。
攻防分離でゴリ押しするのも一つの手じゃないの? ダウンを奪わないと負ける可能性が高いけど
今回の試合、田口が勝機を見出すには、開き直って思いきり攻防分離でいくのもアリではないだろうか。
たとえば2015年のダビド・カルモナvsワリルト・パレナス戦のパレナスのようなスタイル。
ガードを上げて距離を詰め、自分の距離まで近づいたところでフルスイング。細かい被弾は気にせず、フィジカル差を活かして吹き飛ばすというのも悪くない気がする。
恐らく中間距離の差し合いでは、田口はメリンドに歯が立たない。
膠着の多いメリンドのペースに巻き込まれ、いつの間にかポイントを取られての判定負けというパターン。
「大竹秀典vs丸田陽七太感想。丸田はちょっと期待はずれだったなぁ。てか、大竹vs臼井なんて試合があったんかい!」
それならいっそのこと、テクニック勝負はせずにフィジカルでゴリ押しすればいいのではないか。
2015年のハビエル・メンドサが圧倒的な突進力でメリンドをねじ伏せたが、あれができれば一番いい。
まあ、あの試合はメンドサがサウスポーだったことで、メリンドの左が機能不全を起こしたのが敗因だとは思うが。
「それでも僕はレイ・バルガスを諦めないww ネグレテに大苦戦の末に判定勝利。やっぱりボロボロでしたね」
とにかく、田口は体格の違いを全面に出してパワー勝負でいくのがいいように思える。
ガードを上げて近づき、打ち下ろしの右から得意のボディを叩き込む。
冒頭に申し上げた「田口がフィジカルで圧倒できるか」というのは、そういう意味である。
「ロマチェンコvsリゴンドー予想。利害の一致だろ? 先行きが見えない同士の消去法マッチ。ってゴメン、ちょっと楽しみにしてるw」
まあ、その場合はポイント的には厳しくなるはずで、ダウンを奪うことが絶対条件になるのだが。
もしくは、サイズの違いを活かして遠い位置からの当て逃げを狙うか?
田口の左にどれだけ威力があるか、左の連打でいかにカウンターを打つ隙を与えないかがミソになると思うが、どうなるか。
「「協栄会復活祭vol.1」YouTube配信感想。高橋悠斗選手がよかった。そして、協栄もったいない。もっと話題になっていいはずなのに」
どちらにしろ、かなり拮抗した試合になりそうな気配がプンプンする。
田口は好きな選手なので、何とか勝ってもらいたいんですけどね。
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