田口vsバレラ感想。ベストバウトきたか? やっぱり田中恒成に勝つ可能性のあるのは田口だよな【結果・感想】
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
2017年7月23日、東京・大田区総合体育館でWBA世界L・フライ級タイトルマッチが行われ、同級王者田口良一がランキング1位の挑戦者ロベルト・バレラを9R24秒TKOで下し、6度目の防衛に成功した。
開始直後から積極的に前に出る田口。
前回の微妙な引き分け防衛を払しょくするように、グイグイと挑戦者を追い詰めていく。
バレラもスイッチを繰り返しながら応戦するも、要所でボディを決められ苦戦を強いられる。
「さっそくトラメイン・ウィリアムズがウィリアム・ゴンサレスと10回戦だって。あと、ドウェイン・ビーモンってのがいいかもね」
3Rにはバレラのパンチで鼻血を出した田口だったが、気にすることなく前進。
試合後半、明らかにボディが効いて失速したバレラは7、8Rと戦意喪失気味に後退する。見かねたレフェリーが9R開始直後にストップして試合終了。
「田中イキり過ぎたな。パランポンを9RTKOに下すも、試合後に病院に直行。田口良一との統一戦は白紙?」
これで6度目の防衛を果たした田口は、試合後にリングインした田中恒成との統一戦の希望を口にする。
WBA王者田口良一とWBO王者田中恒成。
9月に予定される防衛戦を田中がクリアすれば、年末に統一戦が実現することが濃厚となった。
「田中恒成が激闘の末にアコスタを退ける!! アコスタも間違いなく最強の挑戦者だったし大満足だね」
田口が最強挑戦者に圧勝。年末、田中との統一戦は確実か?
田口圧勝!!
最強挑戦者ロベルト・バレラをまったく寄せつけず!!
田口のベストバウトという評価も多かった今回。
頻繁にスイッチを繰り返す挑戦者にほとんど何もさせず、戦意喪失に追い込んだのはすばらしかった。
前回のカルロス・カニサレス戦が微妙な判定だっただけに、今回の意気込みはかなりのものだったのだろう。初回からあれだけフルスロットルで攻める田口というのも珍しかったような気がする。
「騙された! 田口がカニサレスを持て余して引き分け防衛。薄氷を踏む展開でギリギリ5度目防衛に成功!!」
また、田中恒成との統一戦もノリノリのようだし、年末に実現することは確実なのではないか。
もちろん田中が9月の防衛戦に勝利することが絶対条件だが、2017年末のボクシング興行のメインとなることは間違いなさそうである。
「木村翔はワシが育てたww ゾウ・シミンにアウェーでジャイアント・キリング!! 大観衆の前で中国の英雄にTKO勝利」
すばらしい試合とともに、田口がめちゃくちゃしんどそうだった。あれだけ力みまくったスタイルじゃ燃費も悪いよな
ほぼ完ぺきな内容で6度目の防衛を果たした田口。
個人的な印象としては、
「田口しんどそうやな」
だろうか。
もちろんナイスファイトに違いないのだが、とにかく燃費が悪い試合だなぁと。
あいかわらずというか、いつも通りというか。弓を限界まで引き絞った状態で動き続けるというか。
全身力みまくって、常にアクセル全開で走っている印象である。
強いフィジカルを活かして間合いを詰める。
絶対に顎を上げない構えと高いガードで、致命的な被弾を許さない。
そして、十分距離が近づいたところで左右の腕を目いっぱい振り回す。
今回のバレラのように、正面衝突で押しきれた場合の田口は本当に強い。
「京口世界王座!! アグルメドとの激戦を制す。いいですね京口! こういう試合が観たかった。最短世界一は無意味?」
恐らく徹底的に研究してきたのだと思うが、スイッチへの対応もすばやかった。
バレラがオーソドックスに構えた際は、ジャブをついて動きを止めてからの左ボディ。
サウスポーにスイッチすれば、サイドステップで正面に回り込み、顔面に右ストレートを叩き込む。
田口を翻弄するつもりが、逆に手詰まりになったバレラの切なげな表情が印象的だった。
常にグイグイ押しまくり、難敵と思われた挑戦者を圧倒する田口。
ラウンドが過ぎるごとにバレラの表情が虚ろになり、同時に田口の疲労感が増していく。
強化版内山になれそうなスペックなのに、なぜか燃費の悪いインファイターという不思議。何かがあれば一気に覚醒しそうなんだけどね
以前にも申し上げた覚えがあるが、田口良一という選手は本当に不思議だなと思う。
167cmとL・フライ級としては長身で、リーチも172cmと長い。
内山高志を思わせる左ボディや左ジャブに加え、河野公平を彷彿とさせる右のカウンターもある。
スペックだけなら、どこからどう見ても強化版内山になれそうなのだが、実際に得意なのはインファイトというちぐはぐさ。
「ガンボアvsカステリャノス感想。ガンボアの身体がデカ過ぎてアレだった。ところで内山の今後は?」
しかも、今回もあれだけ攻めながらも、何だかんだで9Rストップ。
内山のボディや河野のカウンターのように、これといった決め手のなさも若干物足りない。
スタミナとフィジカルがあるのは十分わかるのだが、そこからもう一歩突き抜けそうで突き抜けない。何とも言えないもどかしさがある。
「ジャーマル・チャーロさんミドル級初戦キター!! セバスチャン・ヘイランド戦予想。ミドル級でもパワフルな剛腕は健在か」
でも応援してるぞ田口。田中恒成に勝てるとすれば、やっぱり田口だよね
田口が田中恒成に勝つにはあのスタイルしかないだろうし、「中間距離で左を~」などとやっていたら引っ掻き回されて終わる可能性が高い。
ただ、今回のバレラのように田中を戦意喪失まで追い詰められるかといったら、ちょっと難しいような気がする。
「ベルチェルトに三浦隆司完敗……。対策されてたなぁ。何もさせてもらえなかったなぁ」
となると、勝利するには判定しかないわけで、やはりカギとなるのはスタミナ。
あのスタイルでどこまで突っ走れるか、フィジカルで田中を圧倒できるか。結局、田口のインファイトがどれだけ通用するかにかかっているのではないかという話である。
「田口すごかった。メリンドに完勝するとはね。負けるとか言って申し訳ないww L・フライ級で規格外のフィジカルと戦術の幅」
本人も言っていたように、スタイル的に両者はかみ合うとは思う。
田中のメンタルを考えれば、恐らくバチバチのおもしろい試合になるはず。
だが引き出しの多さというか、押し引きの部分では若干田口が不利かなぁと感じている。
「ジェフ・ホーン圧勝!! パッキャオ議員に力技で勝利し人生の厳しさを教える!! 作戦勝ちかな。フィジカル面も差があったよな」
体力の続く限り前に出て打ち合うしかない田口と、状況によって臨機応変に対応する田中。
「試合は白熱したけど、実力的には差があったよね」という感じで、中~大差判定で田中勝利の可能性が高いと思っているのだが、いかがだろうか。
マジな話、あのボディに内山並みの破壊力があれば全然違ってくるはずだが、そういうわけにもいかず。河野ばりのカウンターをちらつかせつつ、左の差し合いで圧倒できればとも思うが、それもなく。
前回のカニサレス戦のように、動き回られて翻弄されちゃうのかな。
でも、田中恒成なら真正面から打ち合ってくれるかな。
などなど。
「亀田和毅が余裕の勝利! イバン・モラレスとの3兄弟対決を制す。てか、世界前哨戦だったのね」
まあ、個人的に田口は好きな選手なので、ゴチャゴチャと言いつつ応援している。田中と田口どちらに勝ってほしい? と聞かれれば6-4で田口と答えるくらいには。
てか、やっぱり田中恒成に勝てるとすれば田口だよな。
八重樫じゃ話にならんと思っていたけど、今回の試合でそれがさらにはっきりしたかな。
「八重樫がメリンドにまさかの1RTKO負け!! L・フライ級日本人王者4人体勢が1夜で崩れ去る。メリンド強かったね」
といっても、田口と八重樫なら田口わからんぞ? と思えるところがおもしろいのだが。
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!
-
前の記事
京口世界王座!! アグルメドとの激戦を制す。いいですね京口! こういう試合が観たかった。最短世界一は無意味? まあ商売だから【結果・感想】 2017.07.25
-
次の記事
ダラス・カイケルとかいう88マイルのシンカーをひたすら投げ続けてフライボール・レボリューションに巻き込まれなかった人 2017.07.27