スティーブンソンがフォンファラを2RKO!! 顔面かち上げたろか? と言わんばかりの自慢の左が炸裂して8度目の防衛に成功【結果・感想】
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2017年6月3日(日本時間4日)にカナダ・モントリオールでWBC世界L・ヘビー級タイトルマッチが行われ、同級王者アドニス・スティーブンソンが、ランキング6位の挑戦者アンドゼイ・フォンファラと対戦。2R28秒TKOで勝利し、8度目の防衛に成功した。
左を出しながらジワジワと間合いを詰めるフォンファラに対し、細かい右の連打で応戦するスティーブンソン。
ラウンド中盤、大きく踏み込んだ挑戦者の右をスティーブンソンがバックステップでかわし、リターンの左を側頭部に叩き込む。
これでバランスを失ったフォンファラはスティーブンソンに押し倒されるようにダウン。
すぐに立ち上がったものの、ダメージが深く足が動かない。
「ジャックvsスティーブンソン? これは予想しにくいよね。ハード路線のジャックか、引退間近のスティーブンソンか」
そこからスティーブンソンが猛然と襲いかかり、左を連打。
この猛攻にフォンファラは耐えられず、2R開始直後にレフェリーストップがかかって試合終了。
スティーブンソンが見事なTKO勝利で防衛を飾った試合である。
「L・ヘビー級アツ過ぎもっと盛り上がって(^○^) バレラがスミスに大差判定勝利。神々の階級」
なおセミファイナルでは、指名挑戦権を持つエレイデル・アルバレスがベテラン元王者のジャン・パスカルに判定勝利を挙げている。
「スティーブンソンvsグヴォジク!! ま〜たおもしろそうな試合を組みやがってw キャリア終盤に勝負に出たかスティーブンソン」
スティーブンソンがフォンファラとの再戦で圧勝!! 8度目の防衛に成功!!
スティーブンソンTKO勝利!!
フォンファラとの3年ぶりの再戦に完勝!!
“スーパーマン”アドニス・スティーブンソンが勝利した。
しかも相手は3年前に接戦を演じた強豪アンドゼイ・フォンファラ。
「ジョー・スミスがフォンファラにアップセット!! 1RでのTKO勝利でトップ戦線殴り込み?」
自慢の左を再三叩き込んでの勝利ということで、言い訳を挟む余地がないほどの圧勝である。
僕もスティーブンソンの約1年ぶりの試合をかなり楽しみにしていたのだが、期待通りの内容だった。
いや、やっぱりこの選手の試合はおもしろい。
あーだーこーだとケチをつけられる選手ではあるが、実力自体は文句なしにすごい。そのことをキッチリ証明した試合だったのではないだろうか。
「クロフォードvsインドンゴの統一戦予想。クロフォードのランニングスキルとインドンゴの踏み込みに注目」
スティーブンソンのシナリオ通りに進んだ試合。左をぶち当てるための布石がたっぷり
試合の流れとしては、ほぼほぼスティーブンソンの作戦通り。
1R。
スティーブンソンの左を警戒するフォンファラは、右を顎の下に据えてしっかりと構える。そして、小さい左を連打しながらじわじわと間合いを詰める。
対するスティーブンソンは、フォンファラのジャブに合わせて細かい右を出しつつ一定の距離をキープする。さらに少しずつ左に回り、身体の正面をフォンファラに意識的にさらす。
「打倒井上尚弥筆頭アンカハスが帝里木下を迎えての防衛戦!! マックジョーに勝利した長身王者が今回もサウスポー対決に挑む」
フォンファラの踏み込みに合わせて右腕を高く上げながらバックステップ。絶対に防御姿勢を崩さず、相手の得意な間合いまで立ち入らせない。
そして30秒過ぎ。
スティーブンソンがフォンファラの右側に回り込む。
それを見たフォンファラがススッと前に出て、いきなりの右を打ち込む。
だが、その瞬間スティーブンソンが小さくバックステップ。すかさず打ち終わりに必殺の左をフルスイング。
わずかにフォンファラの鼻先を通過して不発に終わったが、明らかに「待ってました」のパンチである。
「亀海がコットをダウンさせる未来が見えた。亀海の大の字KO勝利以外あり得ない。やる前からわかる」
フォンファラの細かい左に右を合わせ、バックステップとリターンで近づかせない。そして微妙に身体の正面をさらして隙を見せる。
フォンファラが右で踏み込まざるを得ない状況を作り、そこに必殺の左をフルスイング。
しかもそれまでの30秒間、スティーブンソンは1発も左を出していない。
わずかな時間の駆け引きだが、スティーブンソンがフォンファラを手玉に取っているのがありありと伝わる攻防である。
「バドゥ・ジャックはすげえだろ? クレバリーを問題にせず圧勝。驚いたかオイ? 俺は驚いたぞww」
スティーブンソンの術中にハマり、回復不能なダメージを負ったフォンファラ。ストップは致し方なしですね
そして、その後は見ての通り。
「コバレフがシャブランスキーを倒しまくり再起戦に勝利。かっこええわ~コバレフ。やっぱり破壊神が王座にいないとね」
1分30秒過ぎ、右を出しながらスーッと前に出たフォンファラ。
これに対し、スティーブンソンはバックステップからの左リターンを叩き込む。このパンチが見事なカウンターで側頭部を捉え、フォンファラに甚大なダメージを負わせる。
最初の左とまったく同じパターンの左。
実質、勝負ありの1発である。
そこから先のスティーブンソンは完全に左のゴリ押し。
ダメージで足がまともに動かないフォンファラに対し、無遠慮に左を叩き込む。
しかもあれだけ大振りしているのに、ピンポイントでガードの間を突き抜けるのがすごい。
2R開始直後のレフェリーストップは、まあ仕方ない。
あそこまで深いダメージを負っていては、フォンファラが回復を見せるのは難しい。
文字通りスティーブンソンの完全勝利というヤツである。
「はあ、ラッセルたん…。エスカンドンを接近戦で圧倒して勝利!! この試合好き過ぎて、もう5回くらい観てるw」
左だけの選手にはとても思えない。日本の三浦や山中とはまったくの別物ですよ
強打のサウスポーとして名を馳せるアドニス・スティーブンソン。
この選手は左の強打を得意としていることで、日本の三浦隆司や山中慎介と同列で語られることが多い。
「5度ダウンのカールソンが山中に敗れる!! 神の左()を活かすための神隠しの右()が冴え渡るww」
だが、僕にはこの選手が三浦や山中のような左の一発屋にはどうしても思えない。
今回の試合もそうだが、スティーブンソンは得意の左を当てるために周到な準備を重ねる選手である。
相手の左ジャブを右で封じ、カウンターをちらつかせて踏み込みを鈍らせる。その上で自分の真正面を見せつつ間合いを測り、相手が右で踏み込まざるを得ない状況を作る。
そこまでしっかりとエサを撒いた上で、当て勘抜群の左を叩き込む。
「左を当てる」というゴールは同じでも、三浦や山中のそれとは完全に別物。
「わかっていても食ってしまう」山中の左や「ガードごと強引にぶっ壊す」三浦の左と同一で語るのはちょっと違うと思っている。
どちらがいいとか悪いとかではなく。
「三浦隆司が花山薫パンチでミゲール・ローマンを撃墜!! デラホーヤが早くも「年間最高試合」に認定」
まあ、今回のようなチャンスでの左のゴリ押しを観ると、どうしてもそういうイメージが強くなるのだが。
「岩佐圧勝で世界王者!! 小國は手も足も出ず、試合後に引退を表明。ラフさが足りなかったかな小國は」
セミファイナルのアルバレスvsパスカル戦もよかった。相変わらずL・ヘビー級のハイレベルさには驚かされる
ちなみにだが、セミファイナルで行われたエレイデル・アルバレスvsジャン・パスカル。この試合もスティーブンソンvsフォンファラ戦とは違う意味でいい試合だった。
「ジャーマル・チャーロさんミドル級初戦キター!! セバスチャン・ヘイランド戦予想。ミドル級でもパワフルな剛腕は健在か」
強靭なフィジカルと高速のワンツーで相手を追い詰めるアルバレスと、そのワンツーにカウンターを合わせるパスカル。
制空権の争いというか、静から動、動から静に転化する一瞬の火花というか。両者ともにジャブで組み立てるタイプではないためこう着が多くなりがちだが、張り詰めるような緊張感がとにかく凄まじかった。
「コバレフ圧勝!! 試合後にチキンソン呼ばわりでなぜかWBC王者を挑発ww」
あれだけ大きな身体でパスカルのスピードについていくアルバレスもすごかったし、あの圧力に負けずにカウンターを返すパスカルもよかった。
最後は体力の差でアルバレスが上回ったイメージだが、どちらもすばらしいファイトだったのではないだろうか。
「最強巨神兵コバレフの攻略法判明? チレンベ(チレンバ)の大健闘で大差判定ながら不安を残す」
勝ったエレイデル・アルバレスはコバレフを苦しめたアイザック・チレンバにも勝利しており、コバレフはジャン・パスカルを完膚なきまでに叩き潰している。しかも2度。さらに、そのコバレフに体格差を超えて勝利したPFPアンドレ・ウォード。
相変わらずL・ヘビー級のレベルの高さは意味不明である。
「コバレフvsウォード感想。コバレフ敗れる!! ウォードが3-0の判定でクラッシャーに鼻差で勝利」
聞くところによると、スティーブンソンはこのアルバレスとの指名試合を避けているとか。
ん〜、これはどうなんだろう。
わからないでもないが、相性的にはそこまで悪くないと思うのだが。
あの高速のワンツーに対応できる自信がないのだろうか。それとも、アルバレスのパワーを持て余すと感じているのだろうか。
まあ、むしろ僕はエレイデル・アルバレスvsアルツール・ベテルビエフ戦を観たい気がする。7月のエンリコ・コーリングもスタイル的には可能性がありそうだが、ベテルビエフを抑えるにはちょっとパワーが足りないかなと。
「ベテルビエフこれアカンヤツやww プリエトを豪打のカウンター1発で生まれたての小鹿に」
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