長友「年齢で物事判断する人はサッカー知らない人。」←ああ、言っちゃった。これで勝つしかなくなったな。力の落ちたベテランをいかに干すか? 団体スポーツって難しい

NO IMAGE

サッカー試合イメージ
2018年6月1日、サッカー日本代表DFの長友佑都が自身のTwitterで「年齢で物事判断する人はサッカー知らない人。」と投稿。ファンの間で物議を醸している。


これは、先日発表された日本代表メンバーの平均年齢が過去最高齢の28.3歳だったとの報道を受けてのもの。
 
長友のこの投稿には多くの人が反応を示し、賛否両論を展開している。


 

長友言っちゃった。選手がそれを言ったらおしまいなんだよな。これを覆すには勝つしかない

僕はサッカーにはあまり詳しくない(正直、あまり興味がない)のだが、今回の長友佑都の件については「あ~あ、言っちゃったな」という印象が強い。
 
 
「そんなに言うならお前がやってみろ」
「素人がプロに口出しするな」
 
この2つはマジで耳タコレベルで聞こえてくる反論なのだが、僕の中では「当人や取り巻きが言ったら終わりのヤツ」だと思っている。
 
この「お前がやってみろ」「素人が口出しするな」理論の根本として、「お前はそんな立場の人間じゃないだろ」「俺に意見する資格を得てから口を開け」というマインドがあるのだと思うが、しょーもなさ過ぎて笑えない。割とガチで。
 
「Bリーグ2年目終わった!! 試合数増加を希望する。流川君がいればプレーオフまでは行けるけど、優勝するにはゴリが必要」
 
そもそもプロがすごいのは当たり前の話で、なぜプロと一般人を同じ目線で考えているのか。
 
すごい人たちがしのぎを削るのがプロの世界。
その中での順位づけがされるのも当たり前で、同じ実績を残さなければ文句を言う資格がないなどクソ理屈以外の何物でもない。
 
「松坂大輔a.k.a.名古屋のBIG若旦那w 平成ラストイヤーにKNOCK OUTの狂乱も週末の誘惑も超えていけ」
 
もちろん、度が過ぎた批判(本人のSNSに直接突撃したり)やマスコミのしつこい報道に辟易したのだろうというのは容易に想像できるが。
 
「感動したなオイw 日本vsベルギー戦感想。明確に示した日本サッカーの進む道。西野監督の有能采配と人心掌握術が人間辞めてるレベル」
 
まあ、これを言ってしまったからには、あとは結果で示すしかない。
長友が許される最低条件は、日本サッカー史上最高成績。ベスト8入りが必須かなと思っている。
 
「井上尚弥がイチローで、西岡利晃が野茂英雄? わかる。でもそれ以外にも偉大な先人がおるんやで。日本人バブルが萎んだのは痛いな」
 
というか、4年計画で進めていたプロジェクトを3年10か月で放り出すなんて、どう考えても普通じゃない。
 
しかも先日のガーナ戦では0-2での敗戦。
結果も伴っていない上での史上最高齢の代表メンバーなら、そりゃマスコミもファンも騒ぎますわな。
 
「サッカー日本代表がコロンビアにジャイアント・キリング!! MOMは柴崎岳で異論ないよな? スキャンダルは注目を集めるには最高」
 

団体競技の大変さがモロに出たサッカー日本代表。世代交代に思いっきり失敗したよね

長友佑都の発言についてはだいたいこんな感じなのだが、ああいうゴタゴタを見聞きしていると、やはり「団体競技って大変だよな」と思う。
 
実力のある選手が必ずしもチームにフィットするとは限らないし、監督の戦術が代表の方針に合致するとも限らない。
 
「亀田興毅現役最後の復帰戦を観に後楽園ホールに行ってきた。あ、目的は亀田和毅の試合です」
 
そして、中でも難しいと感じるのがチームの世代交代
いわゆる「力は落ちたけど、影響力は絶大なベテラン」の扱いをどうするか。
 
ざっと見たところ、現代表にはそれに該当する選手が少なくとも5人いる。
本田圭佑、長友佑都、岡崎慎司、香川真司、長谷部誠。
 
ビッグ3と呼ばれる3人を含め、2014年のW杯でも中心を担ったメンバーである。
と同時に、チームの平均年齢を高めている張本人たちでもある。
 
彼らのプライドを傷つけず、うまく世代交代を進められるかどうか。これは団体競技のもっとも難しい部分の一つであり、首脳陣の腕の見せ所でもある。
 
また、代表チームは「競技の広告塔」という意味合いも強く、ライト層への訴求を考えた際に選ばざるを得ない選手も存在する(はず)。
 
「健太vs水落洋祐感想。ハイキック一閃で水落撃沈。健太いいわ〜。僕は完全にプロフェッショナルシストのファンですよ」
 
そういった部分を考慮し、いかに勝てるチームを作るか。
今回のハリルホジッチ電撃解任は、ここの統率に失敗したことが大きかったのだと想像する。
 
「本田圭佑さんはゴール前で突っ立ってりゃいい。サッカーW杯おもしれえw 不利予想のセネガルに日本代表が引き分け勝ち点1」
 

実はこれまでの代表は新陳代謝がうまくいっていた。でも、今回はそれを進める過程でとん挫した

なお過去の代表メンバーを見返すと、意外と世代交代がうまくいっていたことに気づく。
 
1998年は「外れるのは市川、カズ、三浦カズ。それから北澤」により、三浦知良、北澤豪から中田英寿、城彰二中心のチームに移行。
2002年には中田英寿を始めとする黄金世代の活躍によって、初のベスト16進出を果たす。
そして、2006年のW杯ブラジル戦を最後に中田英寿が引退。強制的な世代交代がなされる。
 
「西野監督の後任が外国人でいいのか?←いいに決まってんだろww 日本サッカーの外国人監督依存を全面的に支持する理由」
 
続く2010年には、力の落ち始めていた中村俊輔と若手筆頭である本田圭佑の息が合わず。不協和音すら聞こえたものの、最終的には中村俊輔が身を引く形で本田中心のチーム作りを敢行。2002年以来のベスト16に進出する。
 
ところが本田、岡崎、香川のビッグ3擁する最強メンバーで臨んだ2014年は、コンディション調整がうまくいかず(?)2敗1分で予選敗退。
 
「松坂大輔の熱い123球に感動ww やっぱりすげえわコイツ。あの空気感を出せるのは選ばれた選手だけ」
 
だいたいこんな感じなのだが、改めて見ると中心選手が「三浦知良→中田英寿→中村俊輔→本田圭佑」と、大会ごとに世代交代していることがわかる。
多少のゴタゴタはあったものの、何だかんだで新陳代謝はうまくなされてきた。
 
「名将()西野。日本が決勝T進出決定。ポーランド戦の時間稼ぎ、フェアプレーポイント差の逃げ切りを支持する理由」
 
で、問題の2014年→2018年。
ここでの世代交代が完全に失敗した感が強い。
 
失敗したというより、世代交代を推し進める過程で監督の首がすっ飛んだという方が正解か。
 
前回大会で過去最強と呼ばれた世代の多くが代表に残り、それを超えるインパクトを残す若手もいない。その結果が、今回の最高齢代表メンバーというヤツ。
 
「2018年MLB開幕。躍動する大谷翔平。「動く球を覚えるべき」でも「メジャー仕様にモデルチェンジしたから勝てた」んでもない」
 
ビッグ3を含むベテラン勢が代表レベルの力をギリギリで残していること。
その彼らにはっきりと引導を渡せる(実力的にも広告塔的にも)下の世代がいないこと。
 
いろいろな要素が絡んだ上でのハリルホジッチ解任。
これはもう、悪い時期に監督を引き受けたというか、ババを掴まされたと思ってあきらめるしかない気がする。
 

黄金世代の下は育ちにくい。そして、サッカーは若者のスポーツ。ハリルホジッチは気の毒だったとしか言いようがない

団体競技の常として、黄金世代の下の世代は育ちにくいというのは往々にしてある。
 
理由は明白で、彼らがなかなか退場しないから
なまじ実力があるせいで選手寿命が長く、その分下の世代に出場機会が回ってこない。
 
「2018年に横浜DeNAベイスターズがセリーグ優勝する理由」
 
実はこれ、国内リーグと代表の関係にも似ている。
 
国内リーグが活性化すると、海外からの有力選手の流入が増えて国内の選手が出場機会を奪われる。
 
逆に国内リーグの勢いがなくなると、給料も下がるので有力な海外選手は入ってこない。
結果的に自国選手中心のチームが増え、代表の強化にもつながるという逆転現象が起きる。
 
 
そして今の日本代表チームは、黄金世代の晩年とスカり気味の次世代がモロに重なった状況。世代交代の過渡期が見事にW杯本番とぶつかってしまったのだと思う。
 
「K-1は最強です。もう「新生」はいりません。武尊(たける)サイコーじゃ。S・フェザー級トーナメントで優勝、3階級制覇を達成」
 
さらに言うと、やはりサッカーは若者のスポーツだなぁと。
ベスト16進出を果たした2002年、2010年は、ともに「黄金世代」と呼ばれた年代がちょうど20台前半~半ばの時期。
 
2002年は中田英寿25歳、中田浩二22歳、宮本恒靖25歳、小野伸二22歳……。
2010年は本田圭佑23歳、長谷部誠26歳、岡崎慎司24歳、長友佑都23歳……。
レギュラーに20台前半~半ばの選手が多く起用され、30前後のベテランがそれをサポートする。
 
恐らくだが、チーム運営においてはこの年齢構成が最適バランスであり、短期決戦で勝負を賭ける絶好のタイミングでもあるのだと思う(あくまで短期決戦での話。リーグ戦などの長期戦では、また別の要素が絡むはず)。
 
逆に過去最強の呼び声が高かった2006年、2014年は、期待値の高さとは裏腹にどちらも予選敗退。ちょうど黄金世代が20台後半に差し掛かった時期で、短期決戦での爆発力という意味では4年前には劣っていたのかもしれない。
 
サッカー選手の全盛期が20~25歳の5年。
対してW杯が4年に一度。
この絶妙なアンバランスさこそが、数々のドラマを生む一番の要因と言える(気がする)。
 
「知ってた? K-1ってすげえんだぜ? 日本の格闘技のポテシャルって凄まじいんだぜ?」
 
まあでもアレだ。
今回はいろいろしゃーないですよね。
 
・本田圭佑(キャリアハイ:ACミラン)
・長友佑都(キャリアハイ:インテル)
・香川真司(キャリアハイ:マンチェスター・ユナイテッド)
・岡崎慎司(キャリアハイ:レスター・シティ)
 
こんなヤツらがいたらね。
なかなか難しいよね。
 
「日本vsポーランドの時間稼ぎ議論にビックリ。まさかこんな批判が出るとはね。僕の中にはない発想だから新鮮だったな」
 
実際、本番がどうなるかはわからないが、ハリルホジッチに関しては気の毒だったとしか言いようがない。
 
 



 

自費出版 ブログランキングへ
 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!