SNSで上手にセルフブランディングしているスポーツ選手を挙げてみる。スターになるには試合で勝つだけじゃなく、注目を集める努力が必要なんやで(大沢ケンジ)

SNSで上手にセルフブランディングしているスポーツ選手を挙げてみる。スターになるには試合で勝つだけじゃなく、注目を集める努力が必要なんやで(大沢ケンジ)

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先日、「クイール | 格闘技の新しいポータルサイト」に下記のインタビューが掲載された。
 


元修斗選手で、現在は格闘技ジムを主催しながらAbemaTVの格闘技チャンネルで解説も務める大沢ケンジ氏のインタビュー記事である。
 
・MMAは人類最強を決める場所
・一番制約が少なく、動物的な強さを競えるのがMMA
・その中でも最高峰の舞台はUFC
・つまりUFCの王者こそが最強で、もっとも価値がある
 
前編は自身の提唱する“MMA原理主義”の真意についての話から、AbemaTVでのハイテンションな解説の意図まで。
 
 
後編は「ただ強いだけではスターになれない」と題して、国内MMA選手がどうすれば有名になれるか、いかにセルフブランディングが重要か、そして、どんなやり方で自分を売り出していくべきなのかについて、たっぷりと語られている。
 
 
僕が特に面白いと思ったのが後編の方。
 
単に試合をして勝つだけではお客さんは集まらない。
選手自身が観てもらうための努力をして、他者との差別化を図らなければ注目はされない。
 
「京太郎を応援する理由? そんなもん「ヘビー級だから」でいいだろw 2018年の世界戦実現なるか。京太郎マジでがんばれ」
 
いくら「RIZINに出たい」と言っても、実際にRIZIN側に使いたいと思ってもらうための努力をしている選手は本当に少ない。仮に今のままRIZINに出ても消費されて終わるだけ。地上波の放送枠に入るわけがない。
国内MMAにもいい選手はたくさんいるのに、セルフブランディングができていないのは本当にもったいない。
 
そんな感じで、国内MMA(や格闘技界全体)の課題を端的に知ることができるインタビューとなっている。
 
 
以前、同じ「クイール」のサイト内で、ボクシングの元日本ライト級王者土屋修平氏のインタビューが話題になったが、今回はより具体的で「なるほど」と思う部分が多い内容だった。


なので、今回は個人的に思う「セルフブランディングがうまい選手」を挙げて、あれこれ言ってみたい。
 
彼らが自分を商品として世間にどう売り込んでいるか、目立つための努力をしているかについて、僕の意見をダラダラと述べていくことにする。
 
「五味バッカ野郎お前、サイコーじゃねえかww ベストバウトかましやがってゴルァww 大みそかは判定じゃダメだよ」
 

亀田京之介のビッグマウスもセルフブランディング。でも、ちょっとリスクが高い気がするよ

まず具体的な選手名を挙げる前に、先日デビュー戦を行い、木元紳之輔選手に2RTKO負けを喫したボクシングの亀田京之介選手について。
 
試合自体は「デビュー戦の相手としては厳しかったね」「また次がんばってね」という感じで、今後を楽しみにしたいというのが率直な感想である。
 
それより注目したいのは、試合の数週間前(?)に自身のTwitterでぶち上げた内容の方。
辰吉丈一郎の息子である寿以輝選手に対戦を持ちかけたり、話に乗ってきた石川春樹選手を煽りまくったり。
「今の日本人選手は眠たい試合ばかり。自分がまばたきすらできない試合を見せる」
 
「健太vs水落洋祐感想。ハイキック一閃で水落撃沈。健太いいわ〜。僕は完全にプロフェッショナルシストのファンですよ」
 
結局試合は実現しなかったものの、一部ファンの界隈でも賛否両論ざわついていた記憶がある。
 
個人的に一連の話題にはあまり興味が沸かなかったのだが、これも立派なセルフブランディングの一つである。
「試合前に相手をこき下ろし、ビッグマウスをぶち上げる」やり方は、多くの選手が注目を集めるために用いるもので、いとこの亀田興毅や亀田大毅もお家芸としていた。
 
「亀田興毅が政令指定都市13個分の視聴数動員ww 「俺に勝ったら1000万円」企画の視聴数が1300万ってどうかしてるぜww」
 
この「ビッグマウスで場を盛り上げる」という方法は確かにすばらしい。だが、今の京之介がやるにはリスクが高過ぎる気もしている。
乱暴な言葉遣いや態度に不快感を示す人は多いし、スポーツ選手に謙虚さを要求するファンも一定数存在する。
 
また「亀田」の名がつくだけで拒絶反応を示す層も根強く、今回もその辺りの界隈が京之介の振る舞いに必要以上に批判を浴びせていた。
 
「村田V1戦はブランダムラさんと横浜アリーナで。ええやん、東京ドーム開催に向けて前進してる。しかも勝てば次戦はアメリカだって」
 
このままビッグマウスのキャラが定着するようだと、もしかしたら亀田家への批判を京之介が1人で背負わされるハメになるかもしれない。3兄弟+親父に分散されていた批判をすべて1人でひっかぶるというのは、ちょっと厳しいように思える。
 
知らんけど。
 
「エキサイトマッチ総集編2017の感想。解説陣4人とゲストの村田諒太でビッシリ。おっさんたちの人口密度ゴルァww」
 

セルフブランディングが上手な選手その1:武尊

現K-1 WORLD GPフェザー級王者の武尊選手。
この選手は、主にInstagramで自己を訴求している。
 
「武尊Instagram」
 
練習風景の動画を公開したり、


テレビ収録の様子をチラ見せしたり。


たまに、ファッション誌や映画にも出演する。


もちろん、試合前や後の空気感を伝えることも忘れない。


漫然と試合をするだけでなく、選手としての日常を写真と簡潔な文章で端的に伝える。
 
さらに、人気番組のスピンオフ企画に呼ばれたり。

普段は一生懸命練習し、その合間にファッション誌や映画、テレビに出演してK-1を宣伝する。芸能人と交流があったりと生活も華やかで、若い選手にとっては非常にわかりやすく憧れの形を示してくれている。
 
かつての魔裟斗と同様、まさしく競技の第一人者のあるべき姿と言えるのではないか。
 
「那須川vs藤田がおもしろかった!! 那須川天心がボクシング? やらなくていいんじゃない? 転向する意味ある?」
 

セルフブランディングが上手な選手その2:ダルビッシュ有

言わずと知れた超有名野球選手。現在メジャーリーグで活躍する日本一のピッチャーである。
 
この選手は主にTwitterが中心なのだが、正直セルフブランディングと呼ぶにはスケールが違い過ぎる気がしないでもない。
 
「ダルビッシュ有Twitter」
 
200万人近いフォロワーを抱え、遠慮のない言葉で野球界への意見を発する。
すでに本人がメディアを超えた存在で、1つのつぶやきに100~200リツイート、多いときには3,000リツイートを超えるほどの絶大な影響力を持つ選手である。
 
「平成最後の夏が終わる。批判もあるけどクソほど感動したよ。大阪桐蔭が金足農業を敗り史上初2度目の春夏連覇」
 
相手が野球界の重鎮だろうが大先輩だろうが関係なし。違うものは違うとはっきり断言しちゃう。


また、この選手の最大の特徴は、自身の知識や体験談を惜しみなく公開していくところ。フォロワーさんとも普通に交流したり、とんでもない大物なのにそれをいっさい出さない。
 
野球がめちゃめちゃうまいYou Tuberさんの動画にも普通に登場する。トッププロの凄まじさを一般人が肌で感じられる貴重な動画。


しかも、ダルビッシュの方から声をかけたとかww
サービス精神恐るべしww
てか、クーニンさんの野球の実力が一般人のレベルをはるかに超えているという噂もありますが。
 
「大谷165kmキター!! 大谷のストレートの質が悪い? ファールされる160kmより空振りが取れる140kmの方が上? そうなの? なあ野村克也」
 
また、自身のYoutubeチャンネルでトレーニング動画なども公開している。
 
「見たか貴様らww これが松坂大輔さんだよww そこにいるだけで人が群がるカリスマ性、佇まいが絵になる男が中日合格」
 
イチロー直伝の初動負荷トレーニング。

珍しいキャッチャー目線の投球練習。

以前も申し上げたように、野球関連のTwitter界隈には本当に有能な方が多く、僕もかなり参考にさせていただいている。
そして、「昔からの常識だから正しいに決まってる」とか「プロが言うんだから間違いない」という固定観念がいかに危険かを実感させられることも多々ある。
 
「知ってた? K-1ってすげえんだぜ? 日本の格闘技のポテシャルって凄まじいんだぜ?」
 
てか、MLBの情報量ってマジですごいからね。
全選手の全投球のトラックマンのデータが試合終了数時間ですぐに確認できちゃったりしますからね。それも無料で。
 
「中日ディロン・ジー獲得だっはー!! 先発不足のチームの救世主となるか。2018年の成績を予想してみる」
 
スピード、変化量、回転数、リリースポイントから、カウントごとの投球パターン。何から何まであっという間にわかっちゃう。
 
たとえば4月と7月で投球パターンをどう変えたとか、打者によってどんな対策をしているかとか。春から夏にかけての疲労度とか。そういう会話を高校生や大学生が当たり前のようにしてるわけですよ。
 
「KNOCK OUT FIRST IMPACTで那須川天心を生観戦してきたぞ。すげえ楽しかったから、その感想を羅列していくぞ」
 
それこそ、映画「マネーボール」のオークランド・アスレチックスがどんなチームだったかも、データを見ればだいたいわかるわけです。無料で。
 
「【感想】マネーボール全否定? 2002年アスレチックスは弱くなかった? ビリー・ビーンのマネジメント能力と打線萌え【映画】」
 
こういうマニアックな話題はマジで僕好み。
「あの頃の誰々が何をした~」「あの時代はどうだった~」みたいな懐古的なマニア話にはほとんど心が動かないが、こっち側のマニアックさについては大歓迎である。
 

セルフブランディングが上手な選手その3:真壁刀義

新日本のプロレスラーで、“スイーツ真壁”と呼ばれるほどの甘党でもある。
 
この選手は主にブログを中心に情報を発信しており、個人的にもっともセルフブランディングがうまいと思っている選手である。
 
「真壁刀義オフィシャルブログ」
 
たとえばこの記事↓
『福岡大会ッ‼』。
 
文字数自体は多くないが、とにかく写真がすごい。
 
近況の報告。
仲間やファンとの交流。
ご当地の食事。
店の情報。
試合の様子、感想。
 
「那須川天心vs中村優作感想。中村の動きが完全にMMA選手だった。RIZINはMMAの大会? そんなこと誰か言ってたっけ?」
 
凄まじい情報量である。
 
しかも、他の記事を見ていくと、
『OFFッ‼』。
 
・お決まりのセリフでスタート
・メディア活動などの近況報告
・ご当地の食べ物の紹介
・本業のプロレスについて
・締めの感想をひと言
 
その日の活動内容によって多少の誤差はあるが、基本的なテンプレートに沿った構成になっていることがわかる。
 
「阪神ディエゴ・モレノ誕生。150km右腕が日本で活躍できるかを予想してみる。田中マー君とも同僚だったんだってさ」
 
強面の外見に似つかわしくないスイーツ好き。
悪役レスラーだけど、実はクッソ優しい。
 
「サイボーグさんがクニツカヤに余裕の勝利!? マイッタね。攻略法はわかっても、それをできるヤツがいない」
 
親しみやすい萌えギャップを本人も自覚し、それをうまく活かしたブログ内容。ファンとの交流からご当地グルメ、自身の試合など、ファンの知りたい内容をすべて網羅した申し分ないブログである。
 
なおかつ、お決まりのテンプレートに沿うので記事を書く労力も少なくて済む。
 
「巨人高橋由伸監督辞任←同情の声多数。阪神金本監督続投←批判多数。そんなにおかしいかね? 仕方ないと思うんだが」
 
ブログをスタートする際にアドバイスを受けたのだと思うが、何と言っても本人がノリノリでやっているのがいい。
 
年齢的にベテランの域に入っているので、今はプロレスを広めることを意識しているとのこと。

親会社ブシロードのゲーム事業とプロレスの親和性の高さも見事に相乗効果を生んでいるし、レスラーがみんな協力的なのもすばらしい。

いや、そりゃ人気出ますわ。
後楽園ホールがパッツンパッツンなのも当然ですね。
 
 
そして、プロレスラーのすごさがモロに伝わる記事がコレ↓
『ラグビー→スイーツ』。
 
この番組は僕もチラッと観たのだが、目ん玉が飛び出すほど驚いた。
ぶっつけ本番でスクラムを組むとか、マジであり得ないww
 
ラグビー日本代表のフロントローって、冗談抜きで人を超えてますからねww
そのラグビー選手相手にスクラム組んじゃう真壁、マジで化け物っすわ。
 
「ダン・カーターが神戸製鋼入りするってよ!! 世界的なプレイヤーが観たければラグビートップリーグがおススメだよん」
 
そんな感じで新日本プロレスの人気ぶりに納得しつつ、真壁刀義のブログを毎回楽しみに読んでいる次第である。

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