残業月100時間オーバーの実態。ヤバい? まだいける? ヒトでいられるボーダーラインの見極め。元社畜の僕が社畜自慢するお

残業月100時間オーバーの実態。ヤバい? まだいける? ヒトでいられるボーダーラインの見極め。元社畜の僕が社畜自慢するお

オフィスイメージ
先日、インターネットに衝撃的なコラムが掲載されました。

『「ADはゴキブリ」と言われ… 28歳女性が語る過酷なテレビ業界』

憧れのテレビ業界に就職したものの、残業が170時間に迫るほどの過酷な環境にさらされ、上司や先輩からパワハラを受けるという壮絶な体験をした女性の記事です。

この女性は「このまま続けていると自分が壊れる」と感じて入社2年で退社したそうです。
ですが、世の中には過酷な職場環境から逃げ出せずに心身ともに変調をきたしてしまう方も多いとのこと。

また、このコラムが先日起きた電通社員の自殺事件を受けてのものであることも明白です。

「せっかく入った会社を辞めにくい」
「がんばればいつか報われる」
「今辞めてしまうと未経験と変わらない」

過酷な職場環境から抜け出せない理由は多々あるかと思いますが、これはやはり「自己犠牲」を美徳とする風潮の強い日本ならではの問題なのかもしれません。
 
「片手間で成功したってええやん。楽して金稼いで何が悪い? 新庄「野球なんて、マジバイト」←ステキやんww」
 
この前、
「最近8時~10時くらいまで残業していて忙しい」
と嘆く知り合いと話しました。

さらにその知り合いは、
「これだけやっても、今のペースだと月70時間くらいにしかならない。電通の社員の100時間残業というのが全然想像がつかない」
とも言っていました。

なるほど。
この友人は「残業100時間」という状況がどのようなものかをまったく理解できないそうです。
ただ、残業80時間以上が過労の危険水域に設定されていることを考えると、70時間の残業はそこそこヤバいところに迫っているともいえます。

たとえばですが、イタリアは伝統的に仕事中の昼休みを3時間確保します。そう考えると、日本は本当に労働時間の長い国だといえるのかもしれません。
 
「連載「ボクらは「貧困強制社会」を生きている」「貧困に喘ぐ女性の現実」に対する自己責任論者が一向に消えない件」
 
ちなみにですが、僕は残業100時間の経験があります
数年前の話なので正確なところは忘れてしまいましたが、確か115時間というのが月の最高残業時間だったと記憶しています。

というわけで、今回は残業100時間をオーバーした人間(僕)の生活がどのような状態だったか。精神や肉体にどんな影響が出たかをご報告したいと思います。ひと言で申し上げれば「社畜自慢」です。

あくまで僕の体験談ですので、どうしても個人差はあります。ですが、実体験ですのでそれなりのリアル感はあると思います。
 
なお、日本企業の残業体質の是非について議論する気はないのでご了承ください。
電通社員の件で、どこかの大学教授が「残業100時間程度で情けない」旨のコメントを出して炎上していましたが、そういったことに言及するつもりもありません。

「自分の会社の方がもっと厳しい」という方も当然いらっしゃるかと思いますが、それはそれです。僕が経験した事実のみを述べていきたいと思います。
 
「叩打法、マッサージ動画まとめ。ASMRとは何ぞ? 個人的癒し動画備忘録」
 

当時の勤務形態と生活基盤を紹介します

前置きが長くなりましたが本題です。

まず、僕の勤務形態と生活基盤はこんな感じでした。

・正社員
・始業時間9時、定時退社時間17時30分
・通常営業日は月~金、プラス隔週土曜日が出勤日(なぜか)
・始業時間30分前の8時30分に出社するのが暗黙の了解(なぜか)
・昼休憩は1時間
・一人暮らし
・最寄駅まで徒歩10分
・通勤ラッシュはすし詰め状態の満員電車
・普段は隣の人と接触するくらいの混み具合。4、5月の新入社員の時期は両サイドからプレスされるほどのギュウギュウ詰め
・電車の乗車時間は行きが約50~55分。帰りが40分
・会社の最寄駅からオフィスまでは徒歩5、6分

朝の通勤時間はもろもろ合わせて約1時間半。
帰りはまちまちですが、電車待ちの時間やコンビニに寄る時間等を含めると、こちらも1時間半くらいだったと思います。

つまり、8時30分に会社に着くには7時ちょい過ぎに家を出る必要があり、そのために毎朝6時30分に起床していました。

残業100時間に到達するには1日に何時間残業すればいいの?

この勤務状況を踏まえて、1日にどれだけの残業をすればトータル100時間に到達するのかを調べていきます。

大前提として1か月を30日と考えます。なおかつGWやお盆などの連休は含みません。
なので、1か月の間に週末が4回あり、その他祝日がプラス1日あるものとして計算していくことにします。

30日のうち、土日が4回。
その中で土曜出勤が2回。
祝日休みが1日。

つまり、1か月の出勤日数は合計で23日ということになります(微妙に多いww)。

残業の目安となる100時間を23で割ると、1日約4.35時間。
0.35時間を分に直すと21分。

ただ、会社の規定で残業時間を30分刻みで計算していたため、21分だと切り捨てになってしまいます。
それを加味すると、1日4時間~4時間半の残業をこなせばトータル100時間を超える計算になります。

定時が17時30分でしたので、毎日21時30分~22時前後まで仕事をしていたことになるわけです。

「会社勤めの社会人が知っておいた方がいい○○のこと。労働基準法? 自分を守るための法律あれこれ。がんばれサラリーマン」

トータル100時間の残業をコンスタントにマークする人間(僕)の生活サイクル

申し上げたように、月の残業時間が100時間に到達するには毎日21時30分~22時前後まで会社にいる必要があります。そして、通勤時間は片道約1時間30分です。

「電車で隣の人に寄りかからないように居眠りするたった一つの方法【通勤】」

つまり、22時に会社を出たと仮定すると、家に着くのは23時30分です。
僕は基本、夕飯の自炊はしませんでした。コンビニ弁当を買ったり外食することが多かったので、食事にかかる時間はそこまで多くありません。

食事と歯磨き等で約30分。
その他、ちょろっとテレビを観たり、インターネットをしたりで約1時間。
入浴や着替えで約30分。

合計すると、帰宅してから布団に入るまでの時間が約2時間。
家に着くのが23時30分なので、そこに2時間をプラスすると就寝時刻が1時30分ということになります。
21時30分に退社する日もあったのですが、就寝時間はおおむね1時30分だったと記憶しています。

以上をまとめると、残業100時間ペースで仕事をしていた僕の生活サイクルは、

6時30分起床
8時30分出社
21時30分~22時退社
23時~23時30分帰宅
1時30分就寝

月平均勤務日数:23日
平均残業時間:4時間~4時間30分
平均睡眠時間:5時間

となります。
 
上述のコラムの女性のように、残業が170時間などという馬鹿げた勤務状況ではありませんが、残業100時間に到達する目安はイメージがつかめたのではないでしょうか。

まあ、この女性の場合は勤務時間のほかにパワハラや人間関係のトラブルが絶えなかったとのことで、単純な労働時間だけの問題でもないのかもしれませんが。

といっても、僕も老害にいびられた経験はありますがww

「会社で老害に遭遇したことある? 僕はあるよ? あなたの会社の老害はどんな人?」

残業100時間の生活を続けていた人間(僕)がヒトでいられるボーダーライン

以上が僕が100時間ペースで残業をしていたときの生活サイクルです。

ではこういう生活を続けた結果、人(僕)はどうなっていったのか。次はそれをご紹介していきたいと思います。

僕の場合、上述のような繁忙期は約半年続きました
月によって多少の誤差はありますが、平均すると残業時間は100時間前後だったと記憶しています。

そして、結果から申し上げると僕は耐えられました
相当危なかったのですが、何とかギリギリ持ちこたえました。
別に嬉しくもなんともないのですが。

この残業100時間生活を経験した僕がたどり着いた結論は以下です。

・残業100時間生活に普通の状態で耐えられるのは3か月まで
・1日の睡眠時間は絶対5時間必要
・「がんばれば報われる」「いつか光が見える」ことはない

あくまで僕の場合ですが、普通の「ヒト」としての感覚を保っていられたボーダーラインは3か月まででした。
 
コロナで失業者が溢れたときに待ってる世界は超ハッキリしてる。自己責任論者の台頭。これだけは断言できる
 
正直な話、最初は普通にいけます。
身体は多少きついですが、ある種の高揚感で乗り切ることができます。

僕はアホなので、残業をこなす自分に酔っていました

「毎日遅くまでがんばってる俺スゲー」
「今、充実してるよ田舎のばっちゃん(東京出身だけど)」

いわゆる「ズレた充実感」というヤツです。
救いようのないアホなのですが、僕はこの勢いで1か月半乗り切れました。

ところが、2か月目の中ごろから徐々に怪しくなってきます。
体力的にはもちろん、精神的な部分での疲労が色濃くなり始めます。

朝起きるたびに「今日もあの電車に乗るのか……」と憂鬱になり、仕事をしながら「これ、いつまで続くんだろう……」と不安にかられます。そして、帰りの電車の中で「あと〇〇時間後には出社だな」と考えて深いため息をつくようになります。
1日の睡眠時間が5時間を割ると次の日の体調に直結することを知ったのもこの時期です。

3か月目に入ると、徐々に攻撃的になります。
常にイライラし、書類や機械類の扱いが雑になります。キーボードを必要以上に叩いたり、コピー機を強く閉めたり。
見知らぬ人との口論や暴力をふるうようなことはありませんが、常にギスギスしている状態が続きます。
 
「手を出したら負け? わからないヤツは殴ってもいい? 学校での体罰は是か非か←いや、ダメに決まってるけどなw」
 
ですが、はたから見ればごく普通。体重の増減もないし、顔つきがどうこうと指摘されることもありませんでした。

4、5か月目に入るといよいよ追い込まれます。
頭にもやがかかったような状態が続き、常に酔っぱらっているような感覚です。シラフでいる時間が本当に少なくなります。
相変わらず精神はギスギスしているのですが、身体が疲れているので表だって何かに八つ当たりすることもできません。

満員電車で肩がぶつかれば一瞬キレそうになり、すぐにめんどくさくなって諦めます。眉間にしわを寄せたまま力なくうつむきます。
熱しやすく冷めやすいというか、とにかくすべてのことに無気力になっていたのがこの時期です。
ただただ内側にドロドロしたものが沈殿していくのを感じていました。
 
「結局権威と年功序列が最強説。アイディアや知識じゃ人は動かない。人間力が絶対的に不足してるよねって話」
 
そして6か月目。
突如として長期的な絶望感に襲われます。

「え? もしかして定年までこのペースで働かなきゃいけないの?」
「ろくな休みもとれず、馬車馬のように働き続けて一生終えるの?」

このままだと、定年後に「話題が仕事のネタしかない残念なおじいちゃん」になってしまう。

絶対嫌だ。
あり得ない。

そもそも定年まで健康でいられるのか自分?

そんな感じで、言いようのない哀しみとともに絶望に包み込まれます。

「がんばれば報われる」
「いつか光が見える」

このコンクリートジャングルではそんな言葉が何の意味もないことに気づかされたのもこのときでした。

この時点で繁忙期が落ち着いたのは、僕にとっては不幸中の幸いでした。
正直な話、もう少しあのペースが続いていたらマジでヤバかったと思います。

当時は自分がおかしくなるなどとは考えてもいませんでしたが、こうして振り返ってみると結構ギリだったのかもしれません。
なので、そういう状況に陥った際は、うまく逃げられるのであればさっさと逃げた方が身のためです。

まあ、転職活動中に圧迫面接に遭遇したこともありますが、それはまた別の話ということで。

「マジキチ圧迫面接キター!! 就職・転職戦線異常あり? クソみたいな企業に就職しちゃダメですよ」

アドバイスは「ありません」。でも、あえて申し上げるとすればこの3つかな






このような経験をした僕ですが、今まさに同じ境遇にいる方に向けてどのような言葉をかければいいでしょうか。

本音を言うと、まったく思いつきません

なぜなら僕自身がその状況を回避できていないから。
今回に関して言えば、あくまでぶっ倒れる前に嵐が過ぎただけの話で、僕自身が何かアクションを起こしたわけではありません。

それでもあえてアドバイスをするのであれば、

・住むところはしっかり決めた方がいい
・なるべく多くの転職サイトに登録した方がいい
・下を見るといい

といったところでしょうか。

住むところについては、以前の記事でも申し上げましたが本当に大事です。
実家住まいの方はそのまま、一人暮らしの方は多少奮発してでもそれなりのところを選んでください。

「一人暮らしの笑えない大失敗。賃貸部屋でサバイバル。コンクリートジャングルで、俺は修羅になる!!」

ただでさえ忙しい中、水回りのトラブルなどはガチでストレスが溜まります。貴重な休日があっという間に吹っ飛びます。
また、隣人が学生である場合も騒音に悩まされる可能性が高いです。
大変だとは思いますが、物件選びはぜひとも慎重に行ってもらいたいと思います。

次の「多くの転職サイトに登録する」ですが、これは読んで字のごとくです。
転職サイトは大手だけでもかなりの数が存在します。なので、とにかく手当たり次第に無料登録してください。

これによって、あなたは求人募集の山に埋もれることができます
自分に向いている向いていないは別問題です。要するに安心感です。
「世の中にはこれだけの求人募集がある。だから今の会社を辞めても何とかなる」という暗示を自分にかけるのです。
 
「北海道好きな街、もう一度行きたい街ベスト5(5~3位)。観光の参考にはならないよ。僕が好きなだけだから」
 
そして最後の「下を見るといい」。
某巨大掲示板でも何でもいいので、自分と似た境遇の人たちのコミュニティを見つけてください。「辛いのは自分だけじゃない」「世の中にはもっと厳しい環境の人もいる」ことを知ってください。

実はこれ、意外と効果がありました。
自分が最底辺ではないと知ることはちょっとした清涼剤になります。
「上には上がいるように、下には下がいる」
ゲスいやり方ですが、極限状態でそんなところにプライドを持つ必要はありません。というより、本当に効果的ですのでおススメです。

いかがでしょうか。
長文になりましたが、これが残業100時間の実体験です。
建設的でなかったり、後ろ向きな精神に陥ったりもしましたが、僕の体験が何かのヒントになれば幸いです(ならないか)。

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