アイスホッケーにはアリーナDJが足りない? 東北フリーブレイズvs王子イーグルスatアジアリーグを観てきた【2019.12.21感想】
2019年12月21日、東京・東伏見にあるダイドードリンコアイスアリーナで行われたアイスホッケーアジアリーグ東京ラウンド、王子イーグルスvs東北フリーブレイズの一戦を現地観戦してきました。
アイスホッケーに関しては、先日(12月7日)の全日本選手権準決勝を観戦しました。で、その際に適当に述べた感想が思いのほか反響があり、めちゃくちゃ驚いた次第です。
「アイスホッケー全日本選手権2019準決勝クレインズvsアイスバックス戦を観てきた。楽しかったけど、イマイチなところは変わってなかったな」
大まかに言うと、
「アイスホッケーは競技自体はすっげえおもしろい」
「これまで観たスポーツの中でもNo.1レベルにエキサイティングかも?」
「でも、スポーツイベントとしては微妙」
「運営にもう少し商売っ気があれば、もっと人気が出そうなのに」
感じたことを素直に申し上げただけだったので、まさかここまで反応があるとも思わず。中には実際に試合に出場していた選手からの反応があったりと、だいぶビビりまくったわけでございます。
そして、中でも多く聞こえてきたのが、
「アジアリーグは違う」
「特にH.C.栃木日光アイスバックスの試合は楽しい」
「ぜひアイスバックスのホームゲームに来て」
という声。
ほほう、なるほど。
やっぱりレギュラーシーズンの試合は各チームの裁量が効く分、日本アイスホッケー連盟主催の大会とは違っていろいろな趣向を凝らせるわけね。中でもプロチームであるH.C.栃木日光アイスバックスの試合は楽しいと。
そりゃあぜひとも行ってみたい。
と思ってスケジュールを調べたところ、
「試合日程 > レギュラーリーグ」
日光の試合、2月まであれへんww
いや~、2月の日光か~。
12月なら東京からでもギリギリ車で行けるかな? と思ったけど、さすがに2月の日光は雪がおっかない。
となると電車とバスか。まあ、いいんだけど、どうすっかな……。
と思っていると……。
おお、12月に東北フリーブレイズvs王子イーグルスの「東京ラウンド」なるものがあるやんけ。しかもダイドードリンコアイスアリーナ開催!!
/
アジアリーグ東京開催イベント情報
21日 選手入場時タオル投げ入れ
22日 試合終了後両チーム合同氷上交流会
お楽しみに❗️
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?⏰12/21(SAT) 16:00
12/22(SUN)14:00
?#東北フリーブレイズ
?ダイドードリンコアイスアリーナ#王子イーグルス#東北フリーブレイズ#アイスホッケー pic.twitter.com/Z1jEuf4n1a— 王子イーグルス【公式】 (@ojieagles) December 20, 2019
よし、これだ!! と。
2月の日光はまた落ち着いて考えるとして、確実に行けるとすればここしかない。
てか、こういう試合があるなら全日本選手権のときに宣伝すればいいのに。
自分から調べないとまったく情報が入ってけーへん。
運営が違うから関係ないってことなのかな?
あれから「日本アイスホッケー連盟」の公式Twitterをちょくちょく見てるけど、アジアリーグのネタはいっさいないしね。
「全日本選手権という限られた枠の中なので仕方ない部分もある」という声も聞こえてきましたが、むしろ全日本選手権だからこそがんばれよとは思ったかな。BSとはいえ、せっかくテレビ中継も入る数少ない機会なのに。
こうやって裏方さんを大事にする姿勢とかは文句なしにすばらしいし、日本アイスホッケー連盟にはいいところもいっぱいあると思うんですけどね。もったいないですよね。
これめっちゃいい。
アイスホッケー界最高やんけ。こうやって裏方さんを表彰してそれを公式が発信するのは素晴らしいと思う。
一部のメジャースポーツ以外は多くの人の善意に依存して成り立ってるわけだから、選手や観客がレフェリーをぞんざいに扱うと、のちのち自分たちの首を絞めることになる。 https://t.co/CqjKISCd8d
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) December 13, 2019
そんな感じで、再びアイスホッケーを観戦するべくダイドードリンコアイスアリーナに足を運びました。
試合開始は16:00。僕が会場に入ったのは15:30前後です。すでに選手がアップ中でした
まずこの日は14:00開場、16:00試合開始予定で、僕が会場に入ったのは15:30前後でした。
場内に入ると、すでに両チームがアップ中です。
赤のジャージが王子イーグルス。
白が東北フリーブレイズ。
王子イーグルスのジャージ、カッチョいいっすねww
試合開始までは残り20分です。
アップが終わり、リンク場ではゴールの設置が行われます。
そうそう。アイスホッケーのゴールって意外と小さいのよ。
そんなこんなでいよいよ試合開始が迫ります。
まずはレフェリーの入場です。
レフェリーが無人のリンクにバババーッと散る光景ってなかなかいいと思うんですけど、僕だけですかね。
以前、野球のイチローが「誰もいないグランドに試合開始とともに選手が散っていく光景も野球の醍醐味の一つ」と言っていた記憶がありますが、それに近いものがあるのではないかと。
王子イーグルスの煽りVTRです。
相変わらずスクリーンが小さくて字幕が見えない、音響が悪くて声も聞きとれない地獄。
翌日、王子イーグルスのHPを見てわかったのですが、相手チームの誰を警戒するか? といった内容のインタビューでした。
ダイドードリンコアイスアリーナの電光掲示板がイケてないのは重々承知しているのですが、さすがにこれは笑ってしまいましたw
ウェルカムキッズ? に迎えられ、両チームの選手が入場します。
選手がズラーっと並ぶとやっぱり壮観ですよね。
試合開始。アイスホッケーはおもしろいです。壁際のパスワークはタッチラインのない競技の醍醐味ですね
いよいよ試合開始です。
うん。何度観てもアイスホッケーはおもしろいです。
相手チームのゴール前に迫ったと思ったら、その5秒後には大ピンチを迎えてる。
目の前を通過する選手のスピード感や防具がぶつかるガツガツ音、パックを打つ際の“カチッ”という小気味いい音など。
何度も申し上げますが、観戦スポーツとしてのインパクトは僕の中ではNo.1と言っても過言ではないです。
そして、何よりタッチラインがないというのがいい。
基本的にリンクのすべてがフィールドで、ペナルティ以外でプレーが止まることはない。いわゆるセーフティゾーン的なものが存在せず、常に試合から目を離せません。
ゴール裏での攻防や、壁の跳ね返りを使ったパスワークは個人的にアイスホッケーの最大の見どころだと思っております。
さらにアイスホッケーは選手1人の運動量が多いため、頻繁に交代が発生します。
リンク上でプレーできるのが6人。
1チームのロースターが22人で、そのうちゴーリー(ゴールキーパー)が2人。それ以外のフィールドプレイヤー20人を4つのユニット(FW3人、DF2人)に分け、数分ごとにローテーションで交代していくのが基本になります(でいいんですよね?)。
交代の際はフィールドプレイヤーが丸ごと入れ替わるため、その慌ただしさというか、スピード感がすごい。これもアイスホッケーの魅力の一つである気がします。
ドワーッと入れ替わるんですよ。ドワーッと。
ちなみに今回は南側(前回は北側)の席を購入したので、ファールで一時退場した選手が目の前にいます。
2分間の退場ですね。
試合は第1ピリオド終了時点で王子イーグルスが1-0のリードです。
「アイスホッケーヒーローズ2019現地観戦感想。日本製紙クレインズ解散寸前。アイスホッケーの明日のために()」
第2ピリオドスタート。1-0の緊迫した展開が続きます
続いて第2ピリオドのスタートです。
てか、ちょっと気づいたんですが、前ピリオドでのペナルティの残り時間は次のピリオドに引き継がれるんですね。今まであまり気にしてなかったけど、新たな発見でした(遅)。
1-0の緊迫した試合が続きます。
第1ピリオドは王子イーグルスが優勢でしたが、このピリオドは東北フリーブレイズが巻き返しているように見えます。
やっばい……。
何か倒れた。
その瞬間が観えなかったんですが、大丈夫でしょうか。一応立ち上がったみたいだけど。
東北フリーブレイズが何度も王子イーグルス陣内に攻め込みますが、結局得点を奪えず。1-0のまま第2ピリオド終了です。
ピリオド間には製氷車がリンクを往復します。
「アイスホッケー日本代表がスロベニアに敗れて五輪出場断たれる。でも感動した。日本は全然弱くない」
6人全員で攻めるフリーブレイズと、一瞬の隙をついてダメ押し点を奪うイーグルス。いい試合でした
いよいよ第3ピリオド開始。
ここまでは一進一退の好ゲーム(僕の目には)です。最終ピリオドで東北フリーブレイズが同点、逆転できるかに注目です。
お互い一歩も譲らぬ(乱闘もありつつ)攻防が続き、第3ピリオドも後半。
点を取るしかない東北フリーブレイズはゴーリーを下げ、6人全員で攻め込むパワープレー? に切り替えます。
ですが、一瞬の隙を突かれてパックを奪われ、逆にゴールを決められ万事休す。
残り17.6秒で2-0と、王子イーグルス2点のリードに変わります。
リンク上では仰向けになって悔しがる東北フリーブレイズの選手も。
試合はそのまま終了し、2-0で王子イーグルスが勝利。
両チームが整列し、客席に一礼して退場です。
うん、いい試合でしたね。
細かい技術やフォーメーションはまだまだ理解しきれていませんが、全体的にペナルティも少なく動きの多い試合だった気がします。
得点シーンこそ少なかったですが、僕としては大満足の一戦でした。
他のお客さんからも「おもしろかった」「来てよかった」という声が聞こえてきたし、普通にナイスゲームだった気がします。
「アイスホッケーは集客に苦戦してるってホント? 霧降アリーナを訪れて感じたことを列挙。代表選手の過酷さにビックリ」
無味乾燥なイベントっぷりは全日本選手権と変わらなかったな。もう少し会場をエンタメ化できれば一気にハネると思うけど
試合の感想は以上なのですが、ここからはイベント全体について。
最初に申し上げた通り、前回の全日本選手権で感じたのが、
・アイスホッケーは観戦スポーツとしてダントツにおもしろい
・でも、イベント運営に商売っ気がなさ過ぎてアレ
選手入場時の演出もなければ、ゴールシーンのリプレイもない。
中でもピリオド間の放置っぷりはヤバい。
1ピリオド20分×3でピリオド間のインターバルが15分なのですが、その時間に何があるわけでもなく。観客はひたすら極寒の中に放置されます。
その上、東伏見駅近辺は飲食店も少なく、率直に申し上げてこれはキツい。
せっかくスピード感のあるハイテンポな競技なのに、あの放置タイムのせいで試合への集中力が一気に削がれてしまいます。
そして、今回のアジアリーグはどうなのよ? と思ったのですが、全日本選手権と特に変わり映えせず。
選手入場時の演出や宣伝の類はゼロに等しく、ピリオド間にはただただ極寒の中で虚無が垂れ流される無味乾燥なイベントでした。
恐らく王子イーグルス、東北フリーブレイズともに企業チームだからという理由もあると思うのですが、せっかくの東京開催なのにこれはどうなのよと。ピリオド間に山ほど時間があるのだから、次戦の告知やアジアリーグの宣伝とかをすればいいのにと思ったり、思わなかったり。
「栃木日光アイスバックスvs東北フリーブレイズin霧降アリーナ現地観戦が最高杉。これで指定席3500円? やっす!!」
そもそも先日の全日本選手権でも、今回の東京ラウンドの告知があればよかった気も……。
これを「運営が別だから」「企業チームだから」と大人の対応をするべきなのか、「そんなの観客側には関係ねえよ」と言い張るべきなのか。どちらが正しいかはわかりませんが、とにかくもったいないなと。
たとえばアリーナDJを入れて試合中に観客を煽るとかね。
バスケのBリーグとか、すごいですからね。
で、試合後にヒーローインタビューなどをやれば、マジで全然違ってくると思うんですけどね。
何度も申し上げるように試合はクソほどおもしろいので、会場をもう少しエンタメ化すれば一気にハネる可能性もあるのではないかと。
今回は2500円のチケットを購入しましたが、
・入場時の演出
・ゴールシーンのリプレイ
・アリーナDJ
・ピリオド間のサービス
・ヒーローインタビュー
このくらい揃えば、チケット代が5000円でもまったく問題ないです(僕は)。
いや、入場料2500円のイベントに対して、実現性の有無も考えずにあれこれ言うのも申し訳ないのですが。
てか、先日初めて知ったのですが、ダイドードリンコアイスアリーナってアイスホッケーファンからすこぶる評判が悪いんですね。観客席が低くて観にくい等の理由で。
個人的には座席もゆったりしてるしリンクも近いし、電光掲示板がイケてないのを除けばそんなに嫌いじゃないんですけどね。もちろん他を知らないというのもありますが。
でも、トイレのハンドドライヤーの鬼のような弱さにはちょっと参りましたがww
ピリオド間にあまりに手持ち無沙汰&極寒だったせいで、各席からのリンクの見え方を写真に撮ってみました。
大急ぎで作ったので、動画のクオリティに関してはすみませんw
ダイドードリンコアイスアリーナだけでなく、各チームのホームアリーナでも観客席ごとの見え方がわかると便利かもしれませんね。
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